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Yamareco

記録ID: 222175
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

南アルプス長期縦走計画!雨で敗退(北岳〜塩見まで)

2012年09月01日(土) 〜 2012年09月04日(火)
情報量の目安: S
都道府県 山梨県 長野県 静岡県
 - 拍手
GPS
71:00
距離
33.4km
登り
3,192m
下り
3,061m

コースタイム

●9/1(土) 白根御池小屋
12:10広河原〜12:25出発-12:55分岐-(休憩10分)-
14:50二俣(休憩5分)-15:20白根御池小屋、幕営

●9/2(日) 北岳山荘
4:00起床〜5:40出発-
6:00二俣(休憩5分)-(休憩5分)-(休憩5分)-(雨具を着こむ)-
8:15八本歯ノコル-(休憩5分)-10:00北岳山荘、小屋で停滞

●9/3(月) 北岳、間ノ岳、塩見岳
3:15起床〜4:10出発-4:55北岳〜5:10出発-
5:50北岳山荘(荷物回収)〜6:20出発-6:55中白根山-
7:45間ノ岳(休憩10分)-8:20三峰岳(休憩5分)-
9:15熊ノ平小屋〜9:50出発-10:55竜尾見晴(休憩10分)-
12:00(雨具を着こむ)-12:30北荒川岳(休憩15分)-
12:55北荒川岳キャンプ場跡-(再び雨)-14:00ビバーク地点-14:40北俣岳分岐(休憩10分)-
15:40塩見岳東峰-(再び雨)-16:40塩見小屋、就寝

●9/4(火) 鳥倉ルート下山
3:15起床〜4:40出発(霧雨)-6:15本谷山(休憩15分)-
7:30三伏峠小屋(休憩15分・雨)-(休憩10分)-
9:40鳥倉登山口(休憩10分)-(強い雨)-10:25ゲート着、終了
天候 9/1 曇り・一時雨
9/2 雨・強風
9/3 曇り・一時雨(午前は展望あり)
9/4 曇り・一時雨(朝から霧雨が続く)
過去天気図(気象庁) 2012年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
<行き・広河原>
甲府駅→広河原
直通バス 2000円 ※100円はゲート通過料
 ・甲府駅からは、乗り切れない場合は臨時バスを手配してくれる。
 ・行きは約2時間、全員座れるようにしている。帰りは立ってでも乗せて下ろすようだ。

<帰り・鳥倉登山口>
1) 鳥倉のゲート→伊那大島駅
マルモタクシー 11500円 ※9千円を超過すると長距離割引あり。
 ・鳥倉から30分林道を歩いたゲートまで車が入れる。
 ・路線バスは8月までで終わっているため、三伏小屋にて携帯(docomo)で手配した。
 ・小屋が提携しているタクシーだと13000円のようだった。

2) 伊那大島駅→飯田駅
JR 250円

3) 飯田駅→名古屋駅
長距離バス 2500円くらい
 ・1時間に1本走っていて大変便利!

<当初の予定・畑薙>
 井川観光協会のバスを使用予定だった。聖沢登山口や茶臼岳登山口でバスに乗せてくれる。
 9月からは、その他のバス運行はすべて終了している。
http://ikawa.ooi-alps.jp/aspsrv/asp_news/news.asp?DATE=20100902&ID=177
コース状況/
危険箇所等
すべて一般道。
道迷いは特にないが、視界がないときはコンパスで確認した。
広河原から登る。天気よくないなあ…。ちらっと八本歯ノコルらしき姿が見えた!
広河原から登る。天気よくないなあ…。ちらっと八本歯ノコルらしき姿が見えた!
大樺沢を登りたかったので、二俣経由で白根御池小屋へ向かう。
大樺沢を登りたかったので、二俣経由で白根御池小屋へ向かう。
雨が心配。でも練習したツエルトを張る。おじさまたちが指導してくれた。笑
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雨が心配。でも練習したツエルトを張る。おじさまたちが指導してくれた。笑
白根御池小屋。中は快適だったらしい。
白根御池小屋。中は快適だったらしい。
6泊に備えて、小屋のご飯を活用。このときは天気は好転すると信じていた…。
6泊に備えて、小屋のご飯を活用。このときは天気は好転すると信じていた…。
ツエルト内部の様子。張ってみてのコツは別途日記にアップ予定。割と快適♪
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ツエルト内部の様子。張ってみてのコツは別途日記にアップ予定。割と快適♪
夜半、誰かにヘデンで照らされているのかと思ったら、満月だった。
夜半、誰かにヘデンで照らされているのかと思ったら、満月だった。
翌日、八本歯ノコル方面は視界なし。二俣から数メートル雪渓を渡るところ。
翌日、八本歯ノコル方面は視界なし。二俣から数メートル雪渓を渡るところ。
雪渓を渡って振り返る。私は最短で横断せず、上部からまき気味に通過。
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雪渓を渡って振り返る。私は最短で横断せず、上部からまき気味に通過。
あっガスが上がっていく! どうなるどうなる、今日の天気!
あっガスが上がっていく! どうなるどうなる、今日の天気!
大樺沢ルートでは、下ってくる100人近くとすれ違っていった。みんな日が差す様子に喜んだ!
大樺沢ルートでは、下ってくる100人近くとすれ違っていった。みんな日が差す様子に喜んだ!
…が、ここから雨風にやられ、小屋に逃げ込むまで写真なし。雨の中荷が重いし寒くてたまらない。
…が、ここから雨風にやられ、小屋に逃げ込むまで写真なし。雨の中荷が重いし寒くてたまらない。
北岳を往復するか13時まで迷った。何も見えないのに行くか?
北岳を往復するか13時まで迷った。何も見えないのに行くか?
結局北岳には行かなかった。16時、NHK第一で天気図をとってみる……でも下手すぎ。
結局北岳には行かなかった。16時、NHK第一で天気図をとってみる……でも下手すぎ。
天気の好転を信じて食糧温存、小屋食とする。海藻サラダ嬉しい!
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天気の好転を信じて食糧温存、小屋食とする。海藻サラダ嬉しい!
17時過ぎ、30分ほどガスが晴れる! 北岳、八本歯ノコルともに、初めて全容が見える!
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17時過ぎ、30分ほどガスが晴れる! 北岳、八本歯ノコルともに、初めて全容が見える!
仙塩尾根の向こうにあるでかい雲はなんだ…カッコいいけど、入りたくないぞ!
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仙塩尾根の向こうにあるでかい雲はなんだ…カッコいいけど、入りたくないぞ!
仲良くなった(?)お父さんに撮っていただいた。ありがとうございます!
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仲良くなった(?)お父さんに撮っていただいた。ありがとうございます!
北岳山荘は3台のストーブが稼働。私は1番乗りだったので、全部乾かし済み〜。
北岳山荘は3台のストーブが稼働。私は1番乗りだったので、全部乾かし済み〜。
明日の天気予報。明日は風がおさまり、晴れる予報だ! 明日の計画を決定。
明日の天気予報。明日は風がおさまり、晴れる予報だ! 明日の計画を決定。
翌朝自炊する。重さの原因なのだけれど、この袋パックのコーンは使える!
2
翌朝自炊する。重さの原因なのだけれど、この袋パックのコーンは使える!
4時から行動。甲府の夜景、富士山、満月が見え、暗闇の中テンション急上昇♪
4時から行動。甲府の夜景、富士山、満月が見え、暗闇の中テンション急上昇♪
この日の行動全体を省みると、北岳へ今日来たことは判断の難しい点だった。雨の中昨日行った方がよかったのか…。
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この日の行動全体を省みると、北岳へ今日来たことは判断の難しい点だった。雨の中昨日行った方がよかったのか…。
先を急ぐので日の出もそこここに小屋へ戻る。
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先を急ぐので日の出もそこここに小屋へ戻る。
南アルプスは前衛の山があり深いと聞くが、なるほど。
南アルプスは前衛の山があり深いと聞くが、なるほど。
ほんの数秒?数分?だけ、朝日を受けた山肌が赤くなった!たまらん!
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ほんの数秒?数分?だけ、朝日を受けた山肌が赤くなった!たまらん!
しかし上空には雲が厚く広がっていて、スッキリしない。晴れるだろうか><
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しかし上空には雲が厚く広がっていて、スッキリしない。晴れるだろうか><
今回の山行で景色を一番楽しめたのは、このときだった!! それを思うと北岳へは朝行ってよかったと思いたい。
2
今回の山行で景色を一番楽しめたのは、このときだった!! それを思うと北岳へは朝行ってよかったと思いたい。
きれーだなー…
仙塩尾根を雲がじわじわ乗り越えてくる様子がちょっとこわい。
仙塩尾根を雲がじわじわ乗り越えてくる様子がちょっとこわい。
小屋へ戻り荷物をパッキングしてまずは間ノ岳へ。ここから…
小屋へ戻り荷物をパッキングしてまずは間ノ岳へ。ここから…
目指すは塩見岳方面! まず右に長〜く伸びる仙塩尾根へ取り付く。
目指すは塩見岳方面! まず右に長〜く伸びる仙塩尾根へ取り付く。
農鳥小屋からのトラバースルート。大井川東俣の源流だ…。でかい。
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農鳥小屋からのトラバースルート。大井川東俣の源流だ…。でかい。
仙丈ケ岳への分岐点。仙丈へ向かうソロの方が見える。お気をつけて!いってらっしゃ〜い!
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仙丈ケ岳への分岐点。仙丈へ向かうソロの方が見える。お気をつけて!いってらっしゃ〜い!
三峰岳あたりは緊張する岩稜。そして広いガレ場、さらに穏やかな森に様相が変わった。
三峰岳あたりは緊張する岩稜。そして広いガレ場、さらに穏やかな森に様相が変わった。
熊ノ平小屋で情報収集。ビバークできそうな場所があるか等聞き、さらに進むことを決める。水2.5リットル背負う。
熊ノ平小屋で情報収集。ビバークできそうな場所があるか等聞き、さらに進むことを決める。水2.5リットル背負う。
テラスが広く居心地良さそうな小屋! 計画では2日目にここまで来るはずだった。
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テラスが広く居心地良さそうな小屋! 計画では2日目にここまで来るはずだった。
熊ノ平小屋からは、一転して薄暗い樹林帯の歩き。
熊ノ平小屋からは、一転して薄暗い樹林帯の歩き。
やたらコケがフカフカで…。気持ちよさそう。
やたらコケがフカフカで…。気持ちよさそう。
花はもう終盤。代わりにキノコが目につく。
花はもう終盤。代わりにキノコが目につく。
キノコはさすがに、全くの無知。
キノコはさすがに、全くの無知。
タイムが早すぎて竜尾見晴と気づかずに休んでいた。肩を押しつけてもたれると肩周りの柔軟にGOOD。笑
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タイムが早すぎて竜尾見晴と気づかずに休んでいた。肩を押しつけてもたれると肩周りの柔軟にGOOD。笑
これもキノコ。
明らかに踏み跡があるんだよな〜…。大井川東俣の、新蛇抜沢を詰めたあたりと思うが。
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明らかに踏み跡があるんだよな〜…。大井川東俣の、新蛇抜沢を詰めたあたりと思うが。
またキノコ。花よりキノコ。
またキノコ。花よりキノコ。
雨が降ってきた。「塩見の眺望圧巻」と書かれた北荒川岳…。しお…み…の……。
雨が降ってきた。「塩見の眺望圧巻」と書かれた北荒川岳…。しお…み…の……。
キャンプ場跡。熊ノ平小屋主人いわく、使い方が悪く汚れてしまったから閉鎖されたらしい。
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キャンプ場跡。熊ノ平小屋主人いわく、使い方が悪く汚れてしまったから閉鎖されたらしい。
石で区画(!?)されていて、明らかなビバーク地点。沢の音が聞こえたけれど、水場はかなり下のようだ。
石で区画(!?)されていて、明らかなビバーク地点。沢の音が聞こえたけれど、水場はかなり下のようだ。
まだ先へ進める時間だし雨の中ビバークする気にならない。すでにバテていたが塩見小屋へ予約電話して歩を進める。
まだ先へ進める時間だし雨の中ビバークする気にならない。すでにバテていたが塩見小屋へ予約電話して歩を進める。
北俣岳分岐上部にも、2張ほどのビバークポイントが。
北俣岳分岐上部にも、2張ほどのビバークポイントが。
分岐までの登りもきつかったが、まだまだ塩見岳ピークまで登らされるぅ。
分岐までの登りもきつかったが、まだまだ塩見岳ピークまで登らされるぅ。
あれっ、こんなところにも、大井川西俣から詰めあがっているのか、踏み跡が横断…!?
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あれっ、こんなところにも、大井川西俣から詰めあがっているのか、踏み跡が横断…!?
濡れた葉のしずくを受けまくり! 私の身長くらいあるんですけど〜突破するしかないッ!
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濡れた葉のしずくを受けまくり! 私の身長くらいあるんですけど〜突破するしかないッ!
くやしいから拡大して撮影して思い出に。
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くやしいから拡大して撮影して思い出に。
やっと塩見岳頂上らしき姿が…もうバテバテ。
やっと塩見岳頂上らしき姿が…もうバテバテ。
ちょうど塩見岳東峰についたら、また雨がバラバラとーーー!
ちょうど塩見岳東峰についたら、また雨がバラバラとーーー!
下り始めると、天狗岩登場。登り返すんかいっとつっこみながら、とにかく一歩を意識して進む。
下り始めると、天狗岩登場。登り返すんかいっとつっこみながら、とにかく一歩を意識して進む。
塩見岳西峰からの下りは危ない。滑落も落石も要注意。緊張した。
塩見岳西峰からの下りは危ない。滑落も落石も要注意。緊張した。
天狗岩を登り返すが、思ったほどきつくなかった。
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天狗岩を登り返すが、思ったほどきつくなかった。
雷鳥が飛び立った後を見ると…食事していたのかな?
雷鳥が飛び立った後を見ると…食事していたのかな?
やあっと塩見小屋に到着ーーー! 食事棟、寝間、トイレなどが別棟になった小屋だった。
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やあっと塩見小屋に到着ーーー! 食事棟、寝間、トイレなどが別棟になった小屋だった。
幕営禁止&自炊スペースがないので、軒下を借りて自炊。食べ中の写真でスミマセン!美味だった!
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幕営禁止&自炊スペースがないので、軒下を借りて自炊。食べ中の写真でスミマセン!美味だった!
6時ごろ、雨がやんだ。あー! やっと塩見岳が見えたじゃないの! こんな近くにあったんだ。涙
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6時ごろ、雨がやんだ。あー! やっと塩見岳が見えたじゃないの! こんな近くにあったんだ。涙
歩いてきた仙塩尾根を見る。熊ノ平小屋を出たとき、ここまで歩くかは未定だった…。バテたぜ。
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歩いてきた仙塩尾根を見る。熊ノ平小屋を出たとき、ここまで歩くかは未定だった…。バテたぜ。
ここ3日間の体感で今週はもうスッキリ晴れないと判断。明日以降の天気予報は信じず、敗退を決めた。
ここ3日間の体感で今週はもうスッキリ晴れないと判断。明日以降の天気予報は信じず、敗退を決めた。
翌朝も霧雨となり、本日下山の判断に迷いはなくなった。塩見新道は通行止め。
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翌朝も霧雨となり、本日下山の判断に迷いはなくなった。塩見新道は通行止め。
地図にある通り、本当に暗く生い茂った樹林帯。朝焼けを見る。
地図にある通り、本当に暗く生い茂った樹林帯。朝焼けを見る。
最終日も霧が晴れない。幻想的ですらあると思い写真に残す。
最終日も霧が晴れない。幻想的ですらあると思い写真に残す。
ここで出会った元気なお二人との会話が弾む。雨でもお二人のように元気になれれば私も敗退しなかったかなあ…。
ここで出会った元気なお二人との会話が弾む。雨でもお二人のように元気になれれば私も敗退しなかったかなあ…。
本谷山ではまた地図にない踏み跡を見つけた。小黒山へ向かう道と思われる。
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本谷山ではまた地図にない踏み跡を見つけた。小黒山へ向かう道と思われる。
和菓子にありそうじゃないですか?
和菓子にありそうじゃないですか?
これも日本画みたい〜!
これも日本画みたい〜!
三伏山。視界がなくても頂上に来ると心なしか嬉しい。
三伏山。視界がなくても頂上に来ると心なしか嬉しい。
小河内岳〜荒川岳へ向かう分岐。いいんだ、もう下山を決めたんだもん。
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小河内岳〜荒川岳へ向かう分岐。いいんだ、もう下山を決めたんだもん。
三伏峠小屋。さっきお話したお二方が、今日は2張だったと言ってた。ご無事で!
三伏峠小屋。さっきお話したお二方が、今日は2張だったと言ってた。ご無事で!
上空の寒気と、南からの湿った空気。山が壁になって、ずっと雲を生み続けているのかな。
上空の寒気と、南からの湿った空気。山が壁になって、ずっと雲を生み続けているのかな。
塩川ルートも通行止め。ここで静岡のおばちゃまと長話。9末〜10月の、小屋が閉まった後がおすすめと聞く。
塩川ルートも通行止め。ここで静岡のおばちゃまと長話。9末〜10月の、小屋が閉まった後がおすすめと聞く。
登山靴が修理中だから、これ。捻挫しないようサポーターをしたからか、特にひねることもなかった!
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登山靴が修理中だから、これ。捻挫しないようサポーターをしたからか、特にひねることもなかった!
わ〜! まもなく林道だー!
わ〜! まもなく林道だー!
がんばりまひた。敗退ではあるけど、そこそこ満足気な顔。笑
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がんばりまひた。敗退ではあるけど、そこそこ満足気な顔。笑
4時に名古屋着。爆睡。行きも帰りもこれで〆ました!
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4時に名古屋着。爆睡。行きも帰りもこれで〆ました!

感想

※敗退なので、多分にネガティブに書くかもしれませんので、
ご覧いただく際には適宜差っ引いてお読みくださいませ!(^_^;

<計画について>
当初の計画は、畑薙から入山、光岳を外して茶臼岳〜北岳を計画していた。
なんとなく南部に魅力を感じたので、南部を歩きたいと思っていた。

今回雨で敗退したので、何が敗因だったんだろう…と歩きながらずっと考えていたけれど、
まさか計画を変えて北部から入ったことが敗因…てことはないだろう。
南部から入らず北部から入山したのは、
畑薙までの入山方法が、9月になるとマイカー以外困難だったからだ。
縦走となると、車を置いていくわけにはいかない。

9月でも、井川観光協会の送迎バスを使わせてもらえばマイカー以外も可能だけれど、
それにしても早朝に井川駅にいなければならず、実質入山するために1日移動日を設けなければならなくなる。
それは現実的ではないと思って、南部からの入山をあきらめた。
なお畑薙以外に入山するルートは、寸又川林道、易老渡、しらびそ峠、ともに通行止め。

<単独長期縦走について>
定着型ではなく移動型の縦走では、最長5日間を一度経験しているだけだった。
単独登山もあまり経験がないので、単独×長期縦走といったら、初めてのことで割と慎重に準備してしまった。
成功した面もあるし、失敗した面もあった。
ま、結果的に敗退しちゃったので、全面的には失敗なのだが。
持ち物については、良い・悪いを記録に残しておきたいので、別途日記に記録しようと思う。

敗因を後で考えるので、ここでは成功した点を挙げてみる。

一つは、ヤマレコで読ませていただいて、私も実践したことで、
「とにかく一歩一歩前へ進む」という考え方。

常におまじないのように唱えていた。笑
ケガできないから、歩きをできるだけ丁寧にするためのおまじないであり、
バテてしんどいとき、一歩でいいから足を前に出すためのおまじない。
これは驚くほど効果があったと思う。
逆に仲間と歩くときは、そんなおまじないを唱えるタイミングがあまりない。
仲間というペースメーカーがあるから、唱える必要もなかったりする。

次は敗因を考えてみる。

<敗因は? 今後に生かすポイントは?>
1)悪天候への対応
 悪天候そのものは仕方なくて、悪天候に対する抵抗力というか、対応力に欠けてなかったかなと思った。
 晴れより雨の方が、条件が悪いのは常識。ルートを外したり、足を滑らせたり、低体温症になったり、また眺望が得られないので目標とする山を認識できず気持ちの面でもきつくなる。
 …そう考えたとき、条件の悪くなった山を「行くか」「行かないか」、この判断は難しい。
 「行かない」判断が正しいとしたら、私の場合は敗退といえど、負けちゃいないのかもしれない。
 でも行こうと思えば行ける。楽しい楽しくないは別として。
 そしてもし行ってケガでもしたら、「行く」判断の方が誤りになる。
 「行く」「行かない」は難しい。

2)悪天候が予測できなかった
 思えば出発する前日など、「急な雷雨に注意」と言っていたと思う。
 「大気の状態が不安定になる」という情報は、よく調べればわかったかもしれない。
 しかし北岳ですれ違った多くの人が、「予報と違う」「こんなに悪いとは思わなかった」と言っていたから、そんなに悪い天候だとは、みんな認識していなかったと思う。
 今回は、夕立のような数時間だけ雷や強い雨が降るタイプではなく、常時ガスって霧雨が降り続くような雨だった。
 「大気の状態が不安定になる」といっても、夕立タイプと霧雨タイプがあるのだろうか。どうやら9月に入って、山はすでに秋の天候に変わってきていたようだ。そういう天気の特徴も、私はまだよく分からない。天気図もよくとれないし。見方もいまいち。天気についてはまだまだ分からないことが多い。
 4日目にしてあきらめて下山したけれど、山に3日いて「この先も好転しない」と判断した自分の感覚は、間違ってなかった…と思いたい。

3)計画変更の判断が難しかった:2日目
 雨と強風で景色もないし、北岳へ行かずに北岳山荘へ逃げた。
 それは正しかったと思う。でも3日目の計画を修正せざる得なくなる。
 3日目は、熊ノ平小屋から塩見小屋まで、避難小屋もテン場もない中7時間歩くルートを予定していて、
 もし2日目が北岳山荘止まりとなると、塩見小屋まで11時間弱のコースタイムとなる。
 さらに北岳往復を追加した場合、2時間プラスされる。

 明日のために、強風の中、北岳へ行っておくか?(景色は楽しめないけど翌日の歩きがまだ楽になる)
 いや、景色が楽しめないんじゃ来た意味がない。これじゃホントの「来ただけ」。(このシャレ有名なんですね〜)
 そもそも、北岳のピークを踏まなくちゃいけないのか?(ピークとらずに南下してもいいんじゃ)
 
 いろいろ考えてみるが、
 ・景色が楽しめないし、北岳は3日目に持ち越す。
 ・翌朝もしガスが晴れたら、北岳を往復する。
 ・10時までに熊ノ平小屋を出発できたら、塩見を目指す。 とした。

4)計画変更の判断が難しかった:3日目
 2日目に考えたとおり、ガスが晴れたので北岳へ行き、10時までに熊ノ平小屋を出発できた。
 しかし、このとき塩見小屋まで行くか、途中でビバークするか迷っていた。
 塩見小屋が「幕営禁止」かつ「要予約」で「15時までに小屋に入らないといけない」と聞いたのも迷った理由。

 実はもっと天気がもつと思ったのに、この後また雨が降ってくる。
 ビバーク覚悟で前進したけど、実際、雨の中ツエルトでビバークする覚悟はなかったというか。
 一人で迷ってもしょうがないので、塩見小屋に電話したのは正解だった。(稜線は携帯がつながっていた!)
 今日はすいてるとのことで、素泊まりOKだった。到着したのは16時半すぎだった。

5)重量オーバーだった
 軽量化するためにテントをやめてツエルト泊にする工夫をしてみたけれど、
 ツエルト泊は悪天候にめっぽう弱い。結局ビバークする勇気も出なかったし。
 それは結果的にしょうがないとして、食料が多かったと思う。
 夕飯は小屋を積極利用する計画で食料を減らしたけれど、
 朝食や行動食含め、もっと減らしてもよかった。
 小屋で行動食になるものも売っているし、もっともーっと小屋で買うくらいの気持ちで行くべきだったと思った。
 たぶん水を入れて17キロ程度背負ったと思うけれど
 これだと1日10時間行動も厳しいかも。
 もっと荷が軽ければ、雨でも2日目に北岳へ行っちゃったんじゃないかと思っている。

いろいろ優先順位が不明確だったかな〜と反省。
ま、何にせよケガなく終えられたので、そこは満足!

とある小屋のお姉さんに、6泊するつもりで来たけれど雨続きだから明日下山します、と言ったら、
なぜ?もったいない、せっかく来たんだから…と言われた。
このセリフが胸に引っかかっている。
山にいる人としては、そう言ってしまうのかもしれないけれど、
できれば「それもいいと思いますよ」と言ってほしかったなあ。

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コメント

M_TERA さん、こんばんは!
ソロで南アルプス縦走、お疲れ様でした〜。
1日目は、ツェルト泊ではありませんか、さっすが〜♪

悪天候に負けず、よくぞ行ける所まで進まれましたね。
私は土日で登ろうと思った山があったのですが、
登山口まで行って、天気が悪そうだったので、
結局登山をしないであきらめて、キャンプして帰宅。
軟弱な週末でした

その頃、M_TERA さんは、がんばって縦走されていたのですね。

今後に生かすポイント、うまくまとめてられてますね
とても勉強になりました。
計画変更の判断、難しいですが、M_TERA さんは、
しっかり考えて行動されてると思いました〜。
2012/9/6 23:39
お疲れ様でした
 おはようございます、M_TERAさん。

 悪天の中での単独の縦走、お疲れ様でした。

 縦走のプランをたてるのってって本当に難しいですよね。
特に、1日と2日の天気予報は直前まで変わっていましたので。
しっかりと、ラジオを持って行かれた上に天気図を書かれている
なんて、私も見習わなければいけないことだと反省しました。
(私も昔、釣りをやっていた時にかなり書きましたが、
山を始めてからはやっていません。本当はやるべきだとは思い
ますが、どうしても小屋泊がメインだとそこの情報を頼りにして
しまいますよね。出発前は、かなり真剣に天気図とにらめっこを
していますが。)

 今回の経験を生かし、今後の山行をより楽しいものにして
下さい。
2012/9/7 7:50
slowlifeさん、こんにちは!
>計画変更の判断、難しいですが、M_TERA さんは、
>しっかり考えて行動されてると思いました〜。

いやいや、なかなか苦労しちゃいました
もともと心配性・不安がりなので、単独行は性に合わないかもしれません(笑)
 ↑仲間がいると逆に強気になるタイプ!?

仲間がいるときは悪天候でも登ってきましたが、
単独行で悪天候はめげますね!
めげてたにも関わらず、フォローのコメントもらえてうれしいです〜
2012/9/8 10:47
kameさん、コメントありがとうございます!
釣り師でいらっしゃったのですか!?
沢ノボラーとしては、釣りはあこがれの世界です
釣っても楽しい・食べても楽しい…
最近は釣っても放流しなければいけないらしいですけれど。

ラジオと天気図は今回起用しました
今までは天気図がとれる仲間に頼ったり、期間が短いと必要性も感じなかったです。
天気は奥深すぎて、まだまだ手が届かないものに思えてしまいます。
観天望気あたりから始めようかなあ…

また次の山行もがんばっていきまーす
2012/9/8 10:53
北岳山頂でお会いしましたね!
M_TERAさん、こんにちは。

私のレコにコメントいただき、ありがとうございました。
M_TERAさんのレコも楽しく拝見させていただきました。

私は、M_TERAさんが北岳を9/3 5:10に出発されたときに、ちょうど山頂に到着した者です。山頂の直下ですれ違ったのを良く覚えております。ずいぶん早く下山する方がいるのだと関心しました。
16番目の写真の右隅に私のツェルトがしっかり写っていますね。ありがとうございます。私も自分のレコに、ツェルトと北岳の写真を追加しました。
また、日記に、ツェルト泊に改善について書きましたので参考にしてください。

M_TERAさんはまじめに山に取り組んでおられ、関心させられます。山の天気については、下界でも大気が不安定で雷雨があるといっていたので、こんなものだと私や思っていました。そういう意味ではある程度悪天を覚悟して登っていたので、9/2の日にも長丁場を精神的にこなすことができたと思います。好天を期待していると、なかなかそうは行かないですが (一回目の野呂川源流域周回はそうでした)
でも安全第一が基本なので、無理は禁物です。悪天時は行動しないのが基本だとは思います。
これからもまじめな登山をがんばってください。今後のレコも楽しみにしています。
2012/9/8 14:03
shigetoshiさん、北岳でお会いしていましたか!
まさかお会いしているとは思わず、
気づかず失礼しました!
確かに、北岳から下山する直後に単独の男性とすれ違いました。その方だったのですね。
黄色のツエルトもばっちり見ました
この天気だけどツエルト張ってある〜と思ったものです!

ツエルトを快適に過ごすための工夫、
やっぱりいろいろ試しますよね
私はまだここ最近試し始めたので、
Shigetoshiさんのほうがずっと本格的ですが・・
参考にしたいです。

山は好きなのですが、やっぱり危険と隣り合わせなので、
いろいろ経験したり練習する一方で、
自分の力に合った山行をしようと思っているだけです〜。
この頃、「実力に見合って楽しい山行」というのが、
いちばんしっくりくるスタイルだなあと分かってきたところです

天気は、小屋のお兄さんも言っていました。
「晴れたらラッキーくらいに思った方がいい」と。
特に縦走はそうですね

Shigetoshiさんの山行も、これから参考にさせていただきます!
2012/9/8 18:09
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