大雪山系大縦走(十勝岳温泉〜層雲峡温泉)
- GPS
- 35:21
- 距離
- 78.4km
- 登り
- 4,978m
- 下り
- 5,620m
コースタイム
- 山行
- 9:19
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 10:07
- 山行
- 11:24
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 12:18
- 山行
- 11:58
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 12:44
2日目 歩行時間11:20 歩行距離 24km
3日目 歩行時間12:00 歩行距離 35km
合 計 歩行時間32:20 歩行距離 78km
天候 | 晴 時々 曇り(3日間共に早朝と昼前後と夕方にガス多し) |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス | 北海道を徒歩する旅の中で大雪山系を南から北に縦走しました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
双子池〜三川台区間が8月上旬に刈り払いされた直後に訪れる事ができました。 刈り払いの有り難さを実感して気持ち良く歩く事ができました。 初日のオプタテシケ山からの下りと最終日の黒岳からの下りは結構急坂でした。 三川台と高根ヶ原の両区間は景色となだらかな道歩きを楽しめました。 |
その他周辺情報 | 登山前日は十勝岳温泉凌雲閣に泊まりました。 温泉と朝食に満足しました。 登山最終日は層雲峡観光ホテルに泊まりました。 温泉を満喫しバイキングの夕・朝食を沢山食べました。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
コッヘル
調理器具
ライター
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
|
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感想
先日まで北海道を南から北に北上する徒歩旅をしました。
その途中で長年の夢だった大雪山系縦走に挑みました。
2泊3日で十勝温泉から上富良岳〜十勝岳〜オプタテシケ〜トムラウシ〜化雲岳〜忠別岳〜白雲岳〜旭岳〜黒岳〜層雲峡と縦走しました。
登山前に心配した事が3つあります。
第1は1日目の水調達計画で水場が夏涸れしている可能性大です。
第2は2日目のコース前半(双子池〜三川台)のヤブ道歩行です。
第3は3日目の長距離歩行を無事乗り切れるかどうかです。
運が良かった事もあって3つの心配は無事乗り越えられました。
8月25日(火)
出発時は3日分の食料と水で約13kgのザックが身体に堪えます。
朝7時に十勝岳温泉登山口を出発します。
出発時の天気は晴れで少し暑さを感じます。
最初のピーク上富良野岳へは2時間で到着して計画どおりです。
極端な疲れも感じませんでしたが水の消費が想定をオーバーしました。
次の十勝岳へも順調に進みましたが水消費がやはり多くなりました。
十勝岳の先の美瑛富士避難小屋は水場があります。
しかしネット情報で水涸れの可能性が高いと判断しパスしました。
この日は宿泊予定地の双子池まで水調達なしでも良いと考えていました。
午後にオプタテシケ山へ向かう途中で少しガス天気に変わります。
気温も多少下がり水分補給ペースも若干落ち着きました。
オプタテシケ山までも順調に進み予定通り到着しました。
山頂到着時にはガスが消えて絶景を堪能しました。
オプタテシケ山からの下山では予定より少し時間を要しました。
山頂から少し稜線歩き区間がありますが少し手間取りました。
稜線歩きが終わると次は急下りの坂道で浮石が多くあります。
重い荷物を背負いながら浮石の多い下りで何度かバランスを崩しました。
稜線歩きと急坂の下りで時間を要し双子池到着は17時過ぎでした。
双子池キャンプ指定地の5分ほど手前に水溜まりがあります。
この日はここ以外に水場に出会いませんでした。
出発時に3Lあった水は予定以上に飲用し残量は1L以下でした。
持参した携帯浄水器を利用して水溜まりの水を飲用水に利用しました。
この日の双子池キャンプ指定地の利用者は私1人でした。
8月26日(水)
この日は双子池からのヤブ道歩きがどれだけ困難か不安でした。
ところが昨日オプタテシケの下り道から双子池先の登山道が明瞭に見えました。
もしかしてと期待しながら進むと期待どおり登山道が整備されていました。
ヤブ道は完全になくなり幅1mもある広い登山道が出来ていました。
10年以上一度も行われなかった刈払いに今回出会う事ができて感動です!
余りの幸運に刈払いされた皆さんに只々感謝するばかりです!
一方で双子池出発時に所持した水の残量は500ccほどでした。
予定では4〜5時間後に三川台で水を調達できると考えていました。
なるべく早く水を調達したいため気持ちが足を急かします。
予定より少し早めに三川台に到達しました。
ところが水場は見当たらず三川台カールの下に残雪や池が見えます。
カールを下る事も頭をよぎりましたが登山道をそのまま進みます。
するとカール台地の終点で小沼が出現して水を調達でき一安心しました。
小沼の地点ではトムラウシ方面から来た若い男性と出会いました。
彼からは双子池区間のヤブ道刈払いニュースを見た話を聞く事ができました。
更にその先のトムラウシ分岐地点では単独男性と出会いました。
男性からは昨日忠別小屋分岐付近でヒグマを見たと言う話を聞きました。
今日の宿泊予定地が忠別避難小屋の私にとっては不吉な情報です。
トムラウシ分岐からトムラウシ山頂区間はガスの多い天気でした。
トムラウシ山頂で短時間休憩した後は北沼へ下ります。
北沼は平成21年のトムラウシ大量遭難事故時の第一遭難地点です。
北沼東側登山道に水が溢れ出して低体温症を発症し2人が命を落としました。
今日の恵まれた登山日和に改めて感謝して犠牲者の冥福を祈りました。
トムラウシから化雲岳と進んだ後は今日の宿の忠別岳避難小屋に向かいます。
トムラウシで発生したガスは一旦晴れますが忠別小屋への途中で再度ガスが発生しました。
ガスで見通しは悪化しましたが幸いルートを見失わず忠別小屋へ辿り着きました。
忠別小屋の手前は今旅で最もササヤブの多い道でした。
双子池で覚悟したササヤブは回避しましたが最後にササヤブに遭遇しました。
忠別小屋の手前には雪渓があり近くには高山植物が咲いていました。
遅い雪解けの影響で8月下旬には珍しい花と出会う事ができました。
忠別小屋の建物は相当老朽化が進み入口の扉板は2枚分無くなっています。
トイレもありますが扉が動かないため開いたままの状態です。
昨日に引き続き今日も私1人だけの利用者となりました。
8月27日(木)
昨日までの心配事は無事解決し残る心配事は今日の長距離ルート歩行です。
今日の長距離縦走のため夜明け前の4時15分に出発します。
昨日通った密集ヤブ道を通過した際に大量の朝露が身体に降り注ぎました。
5分ほどササヤブ道を歩くとズボンはビショ濡れになりました。
雨合羽を着れば良かったと思いましたが後の祭りです。
濡れたズボンから水が伝わり靴内部に侵入し靴下もビショ濡れです。
防水靴は機能を全く果たさなくなりました。
忠別岳の山頂までは一面にガスがかかり視界不良状態です。
6時を過ぎるとガスが薄れ明るさが増して視界も相当良くなりました。
見通しが良くなると高根ヶ原方面のササヤブも見えました。
今更手遅れと思いましたが雨合羽を着る事にしました。
その後ササヤブを通過しましたが朝露は少なく逆に暑さが増します。
6時過ぎに着た雨合羽を1時間足らずで脱ぐ事になりました。
自己判断のタイミングの悪さに我ながら呆れました。
でもガスが晴れた高根ヶ原は素晴らしい場所でした。
標高1700m地点に広がる広大な溶岩大地に感動しました。
更に時期外れのコマクサの発見も驚かされました。
8時過ぎには建替工事中の白雲岳避難小屋を通過しました。
実は白雲小屋も今回の登山の宿泊候補でしたが建替工事を知り断念しました。
高根ヶ原の通過の際に2組4人の登山者と擦れ違いました。
このため4人は昨夜どこに泊まったのか疑問に感じました。
登山道を歩きながら考えてみました。
白雲小屋の建替工事を知らずに宿泊を計画した登山者が来る可能性はあります。
このため白雲小屋では原則宿泊不可でも臨時に宿泊できると推測しました。
白雲小屋周辺で会った登山者と違う印象の男性2人は小屋関係者に見えました。
そして早朝に出会った4人は工事作業小屋周辺に泊まったと推測してみました。
その後は白雲岳に登りましたが素晴らしい絶景を堪能できました。
これから登る旭岳は勿論、高根ヶ原やトムラウシも一望できました。
白雲岳から北海岳を経由し間宮岳分岐にザックをデポし旭岳をピストンします。
旭岳山頂は西側がガスで東側は眺望ありの対照的景色でした。
旭岳から中岳分岐に向かう途中では作業中の男性と出会いました。
男性から聞いた話を私なりの解釈で要約すると以下のとおりです。
ここの登山道は緩い傾斜を雨水が流れて徐々に抉られ洗掘進行中。
登山道に大岩を敷いた対策が地下の永久凍土に悪影響した可能性も推測。
現在の作業は洗掘進行防止効果を検証する試験の様な作業との事。
登山道管理の大変さの一端を知り成果がある事を祈ります。
その後は黒岳まで登り終えて後は下りを残すだけです。
黒岳からは標高差1400m距離5kmの下り道です。
登り終了の安堵感と疲労感に宿の温泉と食事の願望が心を乱します。
下山途中に集中力が低下して3回転びました。
ケガ無く無事下山しましたが下山時の危なさを改めて認識しました。
予約した層雲峡観光ホテルには17時に到着しました。
3日振りの温泉に入りバイキング夕食を存分に堪能しました。
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