中崎尾根から槍ヶ岳をめざす【新穂高温泉in 上高地out】


- GPS
- 80:00
- 距離
- 31.0km
- 登り
- 2,062m
- 下り
- 1,637m
コースタイム
2日目:7:00発―9:30千丈乗越―13:00槍ヶ岳小屋
3日目:山頂周辺散策―12:00槍ヶ岳小屋―14:00槍沢小屋―15:30横尾山荘
4日目:7:00横尾山荘―11:00上高地
※おおよそのコースタイムです。
天候 | 2日目の昼前から崩れ、夜中にかけて風雪。 それ以外はほぼ快晴無風の穏やかな天候。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:上高地からALPICOバス |
コース状況/ 危険箇所等 |
・新穂高側、上高地側ともにアプローチの林道部分は雪なし。 ・上りは槍平までツボ足、それ以上でアイゼン使用。 ・下りはずっとツボ足。槍沢の下の方はズブズブだったのでわかん出そうか迷った。 ・中崎尾根は急登・ヤセ尾根・トラバースが多く、初心者には怖い。 ・下山後は、バスでさわんど温泉木漏れ日の湯へ。バス停から徒歩0分。こじんまりとした地味な施設だが、そのぶん落ち着ける。泉質良好。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
【一日目】
早朝、アルペン号が新穂高温泉口着。すぐに素晴らしい雪山景色が目に飛び込んきて、期待に胸高まる。ウェア・装備を整え、まずは単調な林道歩きから。白出沢出合あたりから雪道になるが、そのままツボ足でゆく。滝谷小屋から先は谷が開け、穂高連峰の全容が見渡せるようになる。登りきると槍平に到着、まっ平らな雪原が広がる。夜行バス移動の疲れがたたってか、ここで一時間ほど昼食&仮眠。 アイゼンを装着して、中崎尾根への登りはかなりの急登。樹林帯なので恐怖心は薄らぐが、細々とたヤセ尾根もあり。ときおり沈み込んで体力を奪われる。尾根に出て少し進んだところで幕営。整地もひと仕事。夜は寒いがモンベル♯4シュラフ+シュラフカバーでなんとかしのげる。
【2日目】
起床。飛騨沢を挟んだ対面に穂高連峰や大キレットが近い。しばらくはなだらかな尾根の道を快適にゆく。朝なので雪の状態もよく、踏み抜きもない。飛騨沢ルートをゆく登山者が、小さく見える。槍ヶ岳へと一直線につづく西鎌尾根の迫力が近づくにつれて増してくる。本日の核心部、千丈乗越への急登は、雪山初心者にはかなり恐怖だった。心理的には垂直に近いように見える雪壁が続き、緊張による汗でグローブの内部はびしょびしょ。ピッケルを強く握り締めすぎたせいか、握力もなくなってくる。やっとの思いで辿り着いた千丈乗越で、ホッと一安心。雲の切れ間からちらちらと覗く槍の穂先が神々しい。核心部をクリアしたあとも、トラバースや急登が続き、ビビリな自分はもう精神的にヘトヘト。平坦な地が恋しい。雪質は安定しているので技術的には難しくないんだろうけど、眼下を見て『もし足を滑らせたら…』と想像すると、どうしても一歩一歩慎重になる。槍ヶ岳小屋の一時間ほど手前あたりで、雪が舞いはじめ、視界が悪くなって来たので先を急ぐ。やっとのことで槍ヶ岳小屋に到着。まずは無事に辿り着いたという安堵感、その次に達成感が湧いてきて嬉しくなってきた。整地をしてテントを張った後、小屋のストーブであったまりながらホットミルクをいただく。天国に辿り着いたような幸せを感じる。十分に寒さと疲れを癒したあと、しぶしぶテント戻る。夜はかなりの風雪がテントを叩く。明日の天気は大丈夫かな。
【3日目】
朝起きるとド晴天!どっちを向いてもいい景色で、朝飯前から写真撮りまくる。笠ヶ岳や双六岳方面の完璧すぎるモルゲンロートに特に感動する。いやー、やっぱりきて良かったな。おまけに雷鳥さんまで登場して、電池残量が一気に点滅マークに。朝食後、槍の穂先は人は混雑していたtめ、空身で大喰岳方面へ行ってみることに。せっかくのこの晴天だもの。少し引いたところから見る槍ヶ岳の端正な姿がより際立つ。それにしてもいい天気だ。再び戻って、いよいよ槍の穂先へ。みんなふつうに登ってるから楽勝なのかな?って楽観してたけど、いやいやかなり怖かった。小屋がどんどん小さくなり、落ちたら槍沢まで一直線!なるべく視界から眼下を外し、上だけを見る。最後のはしごを登り切ると、穂先に出た。ぐるり360度、遮るものなくアルプスの山々が一望。素晴らしい!山頂も快晴無風で、景色のスリル感とはうらはらにとても穏やか。記念写真撮ったり、山座同定をしたり、カキ氷作ったり。この絶景から離れがたく、思わずまったりと長居してしまった。下りは下を見ないわけにはいかないので、上がりよりもさらに怖かったが、無事に下りる。
さて、あとは槍沢を下るだけ。雪質も良さそうなので、最初からノーアイゼンでスタート。尻スキーではかつてないスケールのロングランが堪能できてご満悦。気持ちよかった!滑れないところは重力に任せるまま駆け下りる。槍沢小屋に近づくにつれて雪も緩み、だんだん歩きづらくなってくる。やがて樹林帯に入り、沢沿いの小道をスリップに気をつけながら歩く。ところどころで地面も出始め、泥沼化している。横尾山荘に到着、今日の行程はここまでとする。最終日なので、持参食料を食い尽くす。真っ平らな地面の上で、寒さに震えたり風に怯えたりすることなく、穏やかに眠りにつく。
【4日目】
よく寝た。快適な目覚め。テントの外からは、川のせせらぎや鳥の囀りが聞こえてくる。天気も良く、とても穏やかに朝を迎える。のんびりと準備を整え、テントを撤収。今日は上高地まで三時間ほど戻るだけ。退屈な林道歩きだけど、一山越えてきた達成感もあって気分上々で歩く。穏やかに吹いてくる風がとても気持ちよく、再び春に戻ってきた感じがした。途中、徳澤園でソフトクリームを食べたり(濃厚でうまい!)、穂高神社でお参りしたりも、観光気分で楽しい。せっかくなので自然探勝路の方を歩いて上高地へ。正午前には到着。見慣れた河童橋からの景色も、なんとなく感慨深いものがあった。天気がよかったので、山賊焼き弁当を買ってベンチで食べる。ひさびさの生米のうまさに感涙。
大満足の三泊四日だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する