西穂高岳&焼岳 雨と強風、そしてガスガス


- GPS
- 12:59
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 2,066m
- 下り
- 2,223m
コースタイム
帝国ホテル前7:35-7:50西穂登山口8:00-9:06宝水(水場あり)-10:07西穂山荘(テント設営後はノンビリウダウダ時間潰し)
14日:
西穂山荘4:10-4:53西穂独標4:55-5:19ピラミッドピーク-6:02西穂高岳(本日一番乗り)6:13-7:51西穂山荘(テント撤収)8:50-11:08焼岳小屋(休憩)11:47-12:53焼岳北峰13:05-14:50焼岳登山口(新中の湯ルート)15:00-16:01釜トンネル出口
天候 | 13日:小雨模様(上部は飛騨側からの横風強し)、夕方一時晴れ間が出るもガスは収まらず 14日:小雨模様(稜線上は飛騨側から終始強風)、焼岳から下山途中でようやくガスガスとはおさらば出来ましたが、終始ガスガス。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
帰りは焼岳登山口(新中の湯ルート)から車道を1時間以上延々と歩いて釜トンネル横のバス停へ下り、上高地からの沢渡行きシャトルバスで沢渡へ戻りました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回は終始ガスガスと雨のため、眺望などのポイントは解りませんでした。残念。 ●上高地(西穂登山口)〜西穂山荘 登山口は立派な門構えで登山ポストが設置されています。 樹林帯で見晴らしの無いコースですが、昔から歩かれた歴史あるルートなので、自然をそのままにしていながら歩きやすくなっています。コースのほぼ中間部分に「宝水」看板の水場がありました(水量は多くありませんので、時期によっては枯れるかも)。 西穂山荘まであと少しのところに小さな雪渓が2箇所ありましたが、危険な感じはありませんでした。間もなく融けてなくなりそうです。焼岳方面分岐から山荘までは10分ほどです。 ●西穂山荘 今回は時間もあったので、名物西穂ラーメン(900円)を食しました。山で食べるラーメンは格別です。ロープウェイからの登山じゃないお客さんも来るところなので、生ビールや各種アルコール、ノンアルコールビールまで揃っていました。 山荘前には広いウッドデッキがあり、皆さん飲んだり食べたりで山を満喫しているようです。 西穂山荘のテント場はウッドデッキから少し下った窪地で詰めて張ると30張程度の広さ(今回は混雑で最終的には詰めて30張ぐらいになりました)。また、その少し先にあるヘリポートも混雑時にはテント場として開放されます(今回開放:詰めて15張弱か)。山荘で受付(1泊500円)。水は山荘で有料(1リットル200円)。 テント場からは正面に霞沢岳が望めます。 最後の雪渓は山荘のすぐ手前だったので、掘ってウイスキー割に使っている人もいました。雪渓がなくなるまでは天然クーラーとして重宝しそうです。 なお、テント場は朝8時半までに撤収が原則になっています(ヘリポートは6時)。西穂ピストンする際は、脚力と出発時間を計算してピストン後に撤収か、先にテント撤収してからピストンかを判断せねばなりません ご注意。 (もちろん、初日にピストンしてしまう手もありますね) ●西穂山荘〜独標〜西穂高岳 山荘から独標までは最後の岩登り以外に危険箇所はありません。北アルプス初級者には距離的・難易度的に丁度良い場所です。 独標から先はそれまでと全く異なるコース・難易度になります。まず独標下りから高度感アリアリで、ピラミッドピークまで行くのに苦労・恐怖を感じる人は引き返した方が無難でしょう。 独標から西穂高岳山頂までは林立する岩稜ピークを次々越えたりトラバースするアップダウンの連続する岩場コースです。独標が11峰、ピラミッドピークが8峰など、本峰(1峰)まで数字で岩に大きく表記されているので、距離感・到達具合などを確実に把握できるので有難いです。ルート上も白ペンキで○や×表記が丁寧に記されているので、迷うことはありません。 今回はガスガスで西穂高岳から先のルートを目視確認できなかったのが残念です(いつかは行きたい奥穂からジャンを越えて西穂へのルート)。 ●西穂山荘〜焼岳小屋 ひたすら前半は樹林帯の泥濘ルート、後半は樹林と笹薮ルートの3時間コース。 一番キツイのは、途中にコース目印となるピークや道標などが一切無く、どのあたりまで到達しているのかを判断できない辛さだと思います。 (振り返れば、丁度中間点に池があったことぐらいか) 地味なコースということもあってか、歩く人も少ないようです(今回も一人とすれ違っただけ)。 せめて、ガスガスが無ければ、途中途中で上高地・大正池や新穂高・笠ヶ岳などを展望できる箇所もあるのかも。どこが槍見台だったのかも解らずじまい。 ●焼岳小屋〜焼岳 小屋は小さいながらも昔ながらの雰囲気のある佇まいです。焼岳Tシャツ(VOLCANO MT.YAKEとプリントされてる)が売れていました。上高地や中尾から登ってきた人、焼岳から下りてきた人などで賑わっていました。 雨と風で冷えた身体を温めるためココア(450円)と山バッジ(500円)を購入。 焼岳への登りは、一旦展望台という小高い丘を越えます。ガスガスでなければきっと眼前に大きく噴煙を上げる焼岳を見れるのでしょう。丘から下って焼岳への登り返しの前半までは笹原の見通しの良い晴れれば気持ち良さげなコースです。 登り後半に差し掛かると周囲から硫黄のニオイがしてくる岩と砂礫コースに変わります。ルートが左への巻き気味の登りになると山頂手前の鞍部が見えてきます。 鞍部から3分ほどで山頂なので、荷物をデポして山頂ピストン。 ガスガスでなければ、霞沢、上高地、穂高、笠、遠くに白山などの大展望なのでしょう。 ●焼岳〜中の湯(新中の湯コース) 北峰と南峰(入山禁止)の鞍部から見通しの良い広いカール状の岩と草原の緩斜面を下ります。トコトコ下っていたら、旧ルートとの分岐には気づかず新中の湯ルートでした(まあ元々予定ルートだったんですが)。 今回の山行で一番堪えたのが、このルート後半の泥濘。 雨上がりだったこともあるのかもですが、ほぼ100%泥濘です。岩、根っこ以外はすべて泥濘。おかげで靴はドロドロ、カッパズボンもドロドロ。少しでも泥濘の少なそうな部分を探すのに気をつけて下ばっかり見ていたので、周囲の風景は殆ど記憶にありません。もう勘弁してくれ という気分になったところでようやく安房峠道からのエンジン音が聞こえてきて、下山まであと僅かと気づけます。 登山道の終点は安房峠道の10号カーブから峠寄りの駐車スペース脇です。 ※今回、西穂山荘スタッフから旧中の湯ルートは廃道間近な状態なので新中の湯ルートでの下山を薦められました。10号カーブ先の登山口から釜トンネルまでの車道歩きは1時間。カーブに番号があるのでどのくらい歩いたのか解るのは有難いんですが、間延びした九十九折れ車道歩きはそれなりに疲れました。 ●沢渡駐車場(1000円) いつも利用する足湯のある大駐車場を利用。立派なトイレ、更衣室まで設置されています(利用したことないけど)。足湯の横の小公園に蛇口があったので、ドロドロの靴とストックとカッパズボンを洗うことができました。 駐車場向かいの土産物屋に露天風呂が新設されていたので利用(300円)。シンプルな露天浴槽だけの造りです(洗い場用の湯水無し、浴槽の湯を利用)。 ※この土産物屋さん、来年からは素泊+上高地送迎+露天風呂+駐車で3000円サービスを予定しているとのこと。駐車+バスで3000円かかるから、これはオトクな情報をゲットできました。 |
写真
感想
さ〜て、待ちに待った海の日三連休。火曜日からの仕事を考えると土曜日からの1泊2日コースで、さてどこにしようかと迷った挙句に選択したのが、西穂高岳&焼岳縦走。
最近増えていない百名山の未踏でもある焼岳と、これをクリアすれば日本百高山の国内2900m以上の山(32座)の制覇になる西穂高岳のどちらも初登頂となる山を目指すプランに決定。
当初は新中の湯ルートで焼岳をまず制覇して西穂山荘まで縦走する初日からガッツリプランも考えましたが、金曜日仕事終わりから移動しての寝不足&山慣れしていない状態からのガッツリは少々キツイかもということで初日は上高地からコースタイム3時間50分の西穂山荘までの登りだけに決定(そうすれば沢渡で仮眠とっても初日コースはクリアできるし)。
2日目は西穂高岳クリアから焼岳縦走と少々ハードな行程ながらも基本下り方向の縦走になるし、テントでグッスリ眠れば大丈夫だろうと。
結果的には初日の3時間50分行程は、わずか2時間ちょっとでクリア。山と高原地図はここのコースタイム盛りすぎじゃねえ? という具合で初日はアッサリしたもの。でもこの登山コースは歩きやすく、雨だったこともあって、暑くてバテることなく歩けました(1時間で中間点の水場に到着したときに??って思ったけど)。
早々テント場に到着し早々設営するともう初日は終了。一瞬西穂高岳まで行ってしまおうかとも思いましたが、雨と横風が強かったこともあって、そのままテント場と山荘でマッタリしてました。
(テント受付した際に翌朝はテント撤収は8時半までということで休養充分に翌朝に備えることにしました)
時間が出来たおかげで、名物・西穂ラーメンをゆっくり堪能したり、テント設営に来る方々といろいろ談笑できたりで楽しめました。
2日目は早朝から大忙し。
3時過ぎに起床し、テントをそのままに西穂ピストン。往復のコースタイムは5時間10分、軽身で登るので4時間半あれば大丈夫だろうと4時スタートで決めてましたが、山荘前のテラスに行くと出発準備している人が沢山いましたが、誰も出発しません。 もしや天気予報や状況が良くないので躊躇してるのかと一瞬弱気になりましたが、まあ目指して無理なら引き返せば良いと決めて、4時10分にヘッドランプを点けてスタート。
真っ暗ななか、丸山を過ぎて暫く行くと、かなり先行したところにヘッドランプの一団を発見。これに勇気づけられてペースアップ。独標に着く前にこの一団(夕方テント村に到着した4人組でした)を追い越し、スタートから1時間しないで独標に到着、良いペースです(ここまでのコースは冬に歩いたことあったので安心)。
独標からはそれまでのルートと異なって、一気に岩稜アップダウンルートに様変わり。しかし、後続組があるからとの安心と時間的余裕(独標までコースタイムの半分)もあって、慎重かつ気力充分で本峰までの残り10峰のアップダウンを次々こなして、6時過ぎに念願の西穂高岳山頂に到着!コースタイム3時間のところを2時間かからずに到達、しかも本日の1番のり、山頂独占で西穂高岳を満喫できました。これで眺望があれば最高だったんですけどね。
テント撤収があったので、山頂マッタリも10分そこそこに下山開始。
山頂から下ったところで、後続組(当初パスした4人組ではなく、もっと遅くテント村に到着してた3人組)に声をかけ、その後も次々登ってくる方々にも声をかけつつ、独標まで戻るとピークには、ここまでとしている人が大勢賑わっていました。
このガスガスと横風で本峰まで行くことを諦めた方々みたいでしたが、それでも独標到達に達成感充分な感じでした。
(初級者な方が多いみたいで、独標からの下り斜面で少々の順番待ちを強いられてしまいましたが)
8時前にはテント村に帰着し、余裕でテント撤収を完了し、テラスでノンビリ荷造りと朝食を済ませ、予定よりも早く焼岳に向けて再スタート。
焼岳までの縦走はほぼ樹林帯、雨中でしかも泥濘な道に少々ウンザリしながらも、アップダウンも少なく体力的にはキツイものではありません。しかし途中には休憩ポイントや到達ポイントになるような箇所がないため、どれくらいまできてるのかを判別できず精神的に少々参ってしまいました(微妙にピークらしいものも通過しないし)。
ずっと雨中だったため、暑くはないけど全身濡れて、焼岳小屋到着時には身体も冷え切ってたので、小屋でゆっくりココアを注文して大休息。まさか夏の時期にココアで暖をとるとは想定外。
焼岳は登りはガスガスでなければ眺望爽快なコースなんだろうなって感じの登りで1時間、北峰に到着。山頂もガスガス、ちょっと残念。クリアなら穂高・上高地の大展望なんだろうなあ。
新中の湯ルートの下りは前半は気持ちの良い開けた草原コース、後半はもう勘弁してくれというぐらいの泥濘コース、靴もカッパズボンも気持ちも泥んこ、テンションダウンで登山口に帰着。それにしてもこれだけの泥濘ルート、雨だったこともあって、あんまりだって感じの泥濘100%コースでした。
登山口から釜トンネル出口までは車道歩きが延々1時間。最後の最後にこの歩きは堪えました。
2日目は結局行動開始からほぼ12時間、疲れ切って釜トンネル出口のバス停。
バスを待つ間に汚れたストックを脇の水流で洗ったり、バスを汚さぬようにドロドロのカッパズボンを脱いだりで10分ほど。上高地からの沢渡行きシャトルバスで駐車場に戻りました。
少々時間を持て余した初日、早朝からガッツリ行動した2日目、対照的な2日間の山行でしたが、予定行程をクリアでき、天候・眺望以外は大満足の2日間でした。
(帰りの中央高速の大渋滞で自宅帰着は未明1時半、翌日が休日で助かりました)
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