後立山連峰縦走【爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜五竜岳〜唐松岳(テント泊)】
- GPS
- 80:00
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 2,869m
- 下り
- 2,450m
コースタイム
2日目:0650種池山荘-0730爺ヶ岳南峰0755-0815中峰-0930冷池山荘(幕営)
3日目:0440冷池山荘-0520布引山-0615鹿島槍ヶ岳南峰0635-0700北峰への分岐-0755キレット小屋0810-
0900口ノ沢のコル-0930北尾根ノ頭0945-1145五竜岳1200-1240五竜山荘(幕営)
4日目:0540五竜山荘-0800唐松岳頂上山荘0825-0840唐松岳-0855唐松岳頂上山荘0930-1105八方池山荘
天候 | 8月6日:曇り 8月7日:晴れ 8月8日:霧後曇り 8月9日:霧後晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
■復路:八方山荘〜白馬八方山麓駅(八方アルペンラインリフト/1,400円) 白馬八方BT〜JR白馬駅(バス/180円) ※白馬八方BTの位置が分り辛かったので「白馬八方山麓駅」の窓口の方に尋ね、 簡単な地図を頂きました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・扇沢駅に水有り ・柏原新道入口に登山ポスト有り ・白馬鑓温泉から猿倉までは雪渓通過時にアイゼンが必要との事(8/8現在) |
写真
感想
2年前の奥秩父から始まり、南アルプス、八ヶ岳と、だんだん登山エリアを広げて来た。
今年の夏はそろそろ北アルプスに行きたい。
夏山シーズンなので北はどこでもそれなりに混雑することを予想して、なるべく静かなところ、
かつ自分のモチベーションが高まるエリアを探し、ようやく北部の後立山連峰に決めた。
この縦走路には北アルプス3大キレットのうちの2つ「八峰キレット」と「不帰キレット」があり、
いつか穂高の大キレットを縦走したいと考えている自分には、ちょうど良い腕試しになると思った。
ただ後立山連峰の長大な尾根を、南端から北端まで一度に走破することは体力的時間的に不可能なので、
今回は扇沢を起点に爺ヶ岳、鹿島槍、八峰キレット、五竜、唐松、不帰キレットを経て、
鑓温泉経由で猿倉にくだる計画を立てた。
会社の夏期休暇の1週間、実家のお墓参りとかみさんの実家へ立ち寄り、その後北アルプスに向け出発した。
8/6(火)曇り
かみさんの実家のある名古屋から、JR中央本線「特急ワイドビューしなの」で松本駅まで、
松本駅から信濃大町駅まではJR大糸線、信濃大町駅からバスに乗り11時過ぎに扇沢駅に着く。
松本では小雨が降っていたが、信濃大町駅に着く頃には雨もあがり、バスの車中からは陽も差し始めていた。
扇沢で水を補給、トイレ休憩後出発。少し大町方向に戻った所が柏原新道への入口。
柏原新道は、9割方ずっと登りで、急登では無いが樹林帯をひたすら登り続けるのは精神的に応える。
予定より早く種池山荘に着くが天候も崩れそうだし、疲れたのでここでテン泊。
(当初の予定では冷池山荘までだったが…。)
山荘から種池のわきを通って少し行ったところがテン場。
あまり広くなく、木々に囲まれているため展望も望めず面白みの無いテン場に感じる。
夜中にバケツをひっくり返したような土砂降りの雨が降った。
8/7(水)晴れ
昨日とはうって変わって今日は快晴。今日の行動は冷池山荘までなので、ゆっくり7時頃に出発。
ハイマツ帯の緩い傾斜を登り詰めると爺ヶ岳の南峰。
このあたりでは槍ヶ岳方面や、立山三山、劔岳、稜線上の先にはには鹿島槍ヶ岳もきれいに見える。
9時半には冷池山荘に到着。
行動終了にはちょっと早過ぎだけど、次のテン場(五竜山荘)までは遠すぎるため今日はここで幕営。
こんな早い時間にテントを設営するのは初めて。
このテン場は設営数はそれほど多く無いが正面に立山・剣岳がよく見え、
稜線上の開放感に溢れる気持ち良い場所。
外トイレが工事中なのでトイレのたびに山荘へ往復15分かけて行き来しなくてはならないのが玉にきずだけど。
といあえず明日からの行動に備え、FM聴きながら文庫本読んで優雅にゴロゴロ。
8/8(木)
3時起床、食事、トイレ、パッキン、テント撤収で4時半に出発。
ややガスってて風も強いが天気はまずまず。布引山手前で日の出を迎える。
鹿島槍南峰頂では富山側からの強風とガスがひどく薄手のフリースをインナーに着込んだ。
八峰キレットは予想してたほどの恐怖感は感じなかったが、
北アルプスの三大キレットのひとつとされるだけのスケール感と高度感、荒々しさはさすが。
そして岩場の急登を経て五竜岳、その先の五竜岳山荘にお昼過ぎに到着。
小屋の方に明日予定している鑓温泉周辺の登山道の状況を尋ねると、その場で鑓温泉へ電話確認して頂き、
鑓温泉までは問題無いが、その先の猿倉までは雪渓通過時にアイゼンが必要とのこと。
今回アイゼンを所持してないため下山ルートが限定された状況となり、
当初予定していた2大キレット(八峰と不帰)を通過しての縦走計画は断念せざる負えなくなった。
唐松岳から不帰ノ嶮を往復してから八方尾根を下ることも考えたが、
縦走4日目の行動内容としてはちょっとハードな気がする。
また、テン場で知り合った方から偶然八方アルペンラインリフトの復路切符を譲って頂く事になったので、
気持ちに踏ん切りが付いた。明日は唐松岳登頂後八方尾根を下ることにする。
8/9(金)
早朝目が覚めても、昨晩からの強風、ガスは収まっておらず、
風にあおられながらテントを撤収。暫く様子を見るが状況変わらない。
この後天候は回復すると小屋の方が言っていたし、唐松岳頂上山荘までのルートを確認する限り、
しばらく稜線を巻くルートのようなので、強風とガスのなかとりあえず出発することにした。
巻き道が終わったあたり(大黒岳)から、岩場と鎖が連続する。ここも手強い。
天候が良ければ楽しい岩登りだけど、強風とガスのなかでは少なからず不安になる。
時々ガスが切れ青空も覗く頃に頂上山荘に到着。唐松岳山頂へ向かう。
やっぱりここもガスガスで、今回断念した不帰キレットも確認できないまま早々に山荘に戻る。
山荘でトイレを借りてしばらく休憩後、八方尾根を下って行く。
八方山荘までのこの尾根は予想外に良かった。
進行方向左手には雪渓を抱いた白馬の山々、右手には鹿島槍方面の山々が手に取るように見え、
目の前には稜線上に続く長い登山道と夏の青い空。
北アルプスの雄大さを全身で感じながら歩けるすばらしいトレイルだと思った。
八方山荘からはリフトを乗り継ぎ、お昼過ぎには八方着。
白馬駅へのバス発車時間までは余裕があるので、お昼ご飯を食べゆっくり八方温泉で汗を流した。
今まで登ってきた南アルプスや奥秩父、八ヶ岳にくらべ、やはり眺望のスケール感が違った。
目に入る山々すべてが雄大で美しく、所々に残る雪渓の白がその景観のすばらしさをさらに引き立たせていた。
結果的に残念ながら当初の予定通りの山行にはならなかったが、
北アルプス縦走に対する自信と今後の期待が膨らんだ山行となり満足している。
近いうちに必ず「不帰ノ嶮」に挑戦したい。
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