せめてもの北岳登頂・天空の稜線歩きは断念しました


- GPS
- 32:00
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,852m
- 下り
- 1,853m
コースタイム
広河原0735→1254八本歯のコル1258→1405吊尾根分岐1420→1440北岳山頂1445→1600北岳山荘
北岳山荘0641→八本歯のコル→0916二俣→1124広河原
天候 | 《1日目》 昼ごろまで快晴→夕方にかけて晴れから曇りへ。夜になり強風。 《2日目》 曇り時々小雨。稜線上は引き続き強風。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
広河原へのバスにも空席あり。 帰路はバスの切符売り場で「料金は同じなので」と言われワゴンタクシーを 勧められたのでそちらを利用。しかしタクシーに荷物を積み込み出発間際に 料金を徴収された際には「夜叉神は1000円でいいよ」といかにも運転手の 裁量で決まったような料金を請求されなんか釈然としない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体を通して顕著な危険箇所なし 《広河原から二俣》 傾斜は比較的ゆるくコースも明瞭。初心者でも歩けると思います。 《二俣から左俣を経て八本歯のコル》 この時期雪渓上を歩く必要はありません。むしろ歩いてはいけません。上部に行くほど傾斜がきつくなります。最後は梯子が連続します。梯子の斜度は緩めで、ストックを片手持ちのままでも登れますが片付けた方が無難と言えば無難。帰路は梯子が雨で濡れていましたし、下りなのでストックは仕舞って下りました。高度感についてはほとんどの方は気にならないレベルかと。 《北岳山頂から北岳山荘の区間》 天候に問題なければ特に気になる箇所はありません。北岳への登りは岩場ですがストックを仕舞う必要はないと思います。北岳山荘へは快適な稜線歩きです。ただし風が強い時はそれなりの注意は必要です。 |
写真
感想
《またも南ア南部周回はお預けに》
7月末に4連休がありました。かねてより狙っていた南ア南部周回。聖岳登山口から入り聖岳、赤石岳、荒川三山を周回し椹島に下りるコースです。常人の中でもやや脚力に劣る…と言うよりは体重過多で負荷の大きい私にはどうしても3泊4日が必要です。しかし天気予報が悪く断念しました。
そして再び巡ってきたチャンス=8月末の4連休でしたが、今回も予報悪し。南ア南部は断念するとして、前回と同様せめて1泊くらいでテント担いでどこかに行きたいもの。白馬に行きたいと思ったのですが北アの予報が悪く南アの方が少々マシでした。「南アか〜、嫌いじゃないけどこの前甲斐駒行ったばかりだし、南部はちゃんと3泊取れる時に温存だよな〜」
色々考えた結果、北岳から間ノ岳の稜線をまだ歩いていないので今回は広河原から八本歯を経由して北岳山荘にテントを張って翌日朝イチで間ノ岳ピストンし、左俣を下山とのプランを急遽作成しました。
《登り出しは快調そのものでした》
天気予報を睨みながら「あ〜でもない、こ〜でもない」と迷っていたため出発が遅れ夜叉神についたのは6時チョイ過ぎ。始発のバスには間に合いました。
7時半頃広河原から登山開始。天気は素晴らしい快晴です。登り出しが1500mあるのでそれほど暑くもなく幕営装備のザックの重さにもここのところ慣れてきたのか快調に登れます。
広河原から北岳山頂への標高差は約1600m。甲斐駒黒戸尾根を七丈小屋まで登るのと同じようなものですが格段に楽です。黒戸と違い登り出しの標高が高く涼しいこと登り返しがないこと、さらに視界が開けていることや沢筋を歩くので気分転換になること、道中色々な種類の花が咲いていることなどが楽な要因でしょうか。ま、そうは言っても二俣を過ぎると傾斜が結構きつくなりヒーコラになるのですがね。
振り返れば鳳凰がずっと見えていたのも中々良かったです。
《北岳か〜、一応登っとく?》
八本歯のコル手前の梯子地帯も黒戸尾根に比べれば可愛いもの。体力はともかく技術的には難しいところはありません。ストックを片手にまとめ、丁寧に処理すると八本歯のコルに到着します。
さてこれからどうするか。選択肢は2つ。北岳山頂を往復するか、このまま北岳山荘に向かうか。テント張ってから間ノ岳往復する時間はありません。で久しぶりのスタッフ会議です。
【私】 北岳の山頂どうするかね? 今日のうちに登っておくか?
【太腿】 えっ、北岳登るんか? 今回はパスするもんだと思ってたぞ。
【脹脛】 ここまで来てパスってことはないでしょう。北岳ですよ、なんたって。
【私】 いくら何でもパスってこたぁないな〜。北岳だし。問題は北岳往復すると
小屋に着くのが4時近くになっちゃうってことだよ。
【脹脛】 今日は雷雨の心配もなさそうですし、4時くらいなら問題ないでしょ。
【太腿】 あぁ〜? 面倒くせえな〜。パスでいいだろ〜よ。一度登ってる山だろ?
別に何度も登る事ねえだろ? あんなチンピラ山ごとき。
【私】 お前…、北岳をつかまえてチンピラ山ってか? 失礼もここまで行くと
ある意味見事だな…。しかし、チンピラ山って…。
【脹脛】 北岳に謝りなさい! とまで言うつもりはないですがひどいもんですね。
【太腿】 そうか〜? チンピラ山だろ〜よ。大体国内2位の高峰なのに「北岳」って名前
どうなのよ? 方角に岳ってつけただけの雑な名前、どこのバカがつけたんだか…。
【私】 名前の件は概ね同意だが、今更変更なんて無理だろ。それに内容が充実していれば
地味な名前でも一つのブランドになるじゃん。鈴木一郎みたいに。
【脹脛】 名前の話はどうでもいいですが、ここまで来ておいて北岳パスなんて冗談じゃない。
明日の天気が心配なんで今登っちゃった方がいいですよ。行きましょう。さあ。
【太腿】 ちょっと待てや。今回の目的は間ノ岳までの稜線歩きなんじゃねえの?
北岳登頂が目的じゃねえだろ。早くテン場行ってビールにしようぜ。
【私】 テン場でビール…。何とも魅力的な響きだが…。
【脹脛】 何言ってんですか。大体明日の天気は結構怪しいですよ。間ノ岳断念の可能性があるのに
今日北岳登らず、明日間ノ岳往復も出来ずってなったら何しに来たのって話でしょ〜よ。
そんな間抜けなことになったらもう山なんて登りませんよっ。
【太腿】 オーーーー???、なんだその強硬姿勢は?
【私】 ま〜、なんだな。今日中に出来ることはやっといた方がいいだろ。北岳登っておこうか。
【脹脛】 当たり前です。さあ、行きますよ。
【太腿】 (おっかしいな〜、こいつこんなキャラだったっけか???)
翌日の天気は悪く、結果的にはこの日のうちに北岳に登っておいて正解でした。甲斐駒は見えたり見えなかったり、仙丈ヶ岳はガスの中で見えずだったり眺望はイマイチでしたが。
北岳山頂の滞在時間はわずか5分。チャッチャと北岳山荘に向かいます。幕営と夕食を申込みテントを設営。テン場も空いていましたし小屋の夕食も1回で全員片付いたようです。さすがに平日で天気予報も良くないのでこんなもんでしょう。
寝るまでの時間に余裕がなかったのでこの日はビールは350ML缶2本だけ。1000円でした。小屋の夕食は特別旨いものではありませんが、ごはんはアルファー米より数倍旨かったです。
夕焼けも期待できないので、さっさとテントに戻り先日甲斐駒七丈小屋から回収してきたシュラフに潜り込み、眠ってしまいます。
《暴風に叩き起こされました》
例によって徹夜明けで登山なのでシュラフに潜り込めばすぐに寝付くことが出来ました。ところが何かバタバタとうるさいので目が覚めてしまいました。
夕方よりもかなり風が強くなっておりテントがあおられていました。テントの中で経験する風としては過去最強の風です。このレベルだとテントをつぶして小屋に逃げ込んだ方がいいのか、でもテント内は私自身を含めかなりの荷物が入っているのでそう簡単に吹っ飛ばされる心配はなさそうです。問題はフレームの強度です。周りのテントを見渡してみると張ってあったテントは全て健在。どうやらこのレベルの風なら山岳用のテントは耐えられるようです。しかし風の音がうるさくて眠れないのは困ったな。
救急セットの中に耳栓を入れていたのを思い出し耳の穴に突っこんでみると想像をはるかに超えた効果が。風の音が全く気にならなくなり快眠することが出来ました。
《ガスと暴風で間ノ岳は断念》
耳栓のおかげで快眠出来たのはいいのですが、4時半にセットしてあった腕時計のアラームに気付かず目が覚めたのは5時半頃。相変わらず風は強くガスも出ており視界は10m程度。撤収ですな〜。稜線の陰になっているテン場でさえかなりの風、3000mの稜線を歩こうもんなら下手すれば吹っ飛ばされますからね。無理して歩けたとしても視界10mでは楽しさなんて全くありません。
停滞したところで天気はさらに悪化すると言う予報ですからね。撤退するしかありません。しかしどうも31日の天気はそれほど悪くなかったのではないかと言う気がしないでもありません。停滞でもよかったのかなとも思いますがあの時点で入手出来た情報で撤退の判断は妥当だったと思います。
時折小雨がパラつく中の下りなので慎重にゆっくりと下山しました。本格的に降る前に下山出来て良かったと思ったのですが、結局本格的には降らなかったような…?
《感想》
不本意ですな〜。今回の目的は3000mの稜線をまったりと歩くことでしたから。第一の目的は稜線歩き、その次に稜線歩きの過程としての間ノ岳登頂、そしてテン場ビールでまったり、ついでにチンピラ山…じゃなくて北岳登頂でしたからね。4番目の目標を辛うじて達成出来たって感じなので今回の満足度は65%ってところです。
また、いつかチャレンジしたいと思いますが今年あと何回連休が取れるのかな〜。広河原へのバスがある内に来られるのか? どうも来年以降になりそうですね。
こんばんは!muscatさん
「おっ、珍しくmusさん平日じゃん」と思ったら4連休だったんですね。僕も28日から31日の4連休で雲ノ平辺りをほっつき歩く予定だったのですが、諸事情により日程短縮して立山を歩いてました。28日と30日はダメでしたが、29日は北アルプスも超快晴でしたよ。
それはそうと、久々のスタッフ会議ですな。しかも長時間version。笑かしてもらいました
がしかし、北岳をチンピラ呼ばわりとは、納豆臭い水戸に続き問題発言ですな。南ア好きに刺されますぜ。さすがはドScatさん。本領発揮ですな。あっ、でも発言してんのは太腿さんか。
でもまあ、確かに誰が付けたか知りませんが南アのネーミングセンスは…
しかし天気はあいにくでしたよね。お互い。結局今年の夏山はお盆の時期だけ
秋山はいい天気が続くといいですよね。
笑わせていただきました(笑
にしても北岳登っといてよかったですね、翌日の天気がね
ここは脹脛とmuscatさんの脳内自分に拍手です
南アいいですね、いつになったらいけることやら
アプローチが遠いっ
こんばんは、zawadaさん。
コメントありがとうございます
29日、立山が晴れなら白馬も晴れでしょうね。
白馬行っておけばよかったかな〜。
栂池から登るつもりだったので『坂の上の雲』の
小蓮華山の坂は快晴で楽しめたかも知れませんね。
>あっ、でも発言してんのは太腿さんか。
ふっふっふ、そこがミソでして「私」には責任はありません
それにしても国内2位の高峰に「北岳」はないですよね〜。
七葛岳かズバリ岳ってどこにも使われてないので改名しちゃえばいいのに
おっと、ドScatの本領発揮し過ぎですかね
立山行ってきたんですね。レコ楽しみに待ってます。色んな意味で…。
こんばんは、sakuraさん。
コメントありがとうございます
zawadaさん以上に「北アの回し者」感の強いsakuraさんですね
でも無理ないかと思います。
石川県から南アって物理的な距離もさることながら心理的な距離が…
北アで済む話をわざわざ南アまで行かなくてもと思っちゃいますよね。
私も白山にはとても惹かれるのですが、まだ南アも北アも行ってないコースが
山ほどあるのに、それらを素通りして白山というのは大分先の話になりそうです。
>にしても北岳登っといてよかったですね、翌日の天気がね
ホント危ないところでした。ただの「作業」になっちゃうところでしたよ
あれ?
muscatさんが平日山行…?
と思ったら、四連休のご予定だったのですね
お天気、残念でしたね
(ちなみにうちは土日、甲斐駒・黒戸から初挑戦!の予定だったのですが、天気予報を見て断念しました…(>_<))
でも初日はお天気良くて良かったですね
北岳山荘のテン場は風の影響をまともに受けそうですね
うちは山友が同じくテントで行って、翌日空身で間ノ岳ピストンしている間にテント丸ごと飛ばされたそうです
(小屋の人が拾いに行ってくれたそうですが(^_^;))
何事もなくて良かったです
今度、晴れ晴れの時に、間ノ岳と言わず、農鳥岳まで行ってみてください
日本一長い3000mの稜線は、稜線美マニアのmuscatさんも満足されることと思います
久しぶりのスタッフ会議、笑っちゃいました
北岳、チンピラって…
でもうち的にはこの地味な名前がまたgoodです
山登ラー以外は全然知られてない、っていうところがいいんです
うちは北岳が一番好きなお山です
こんにちは、CATさん。
コメントありがとうございます
天気に恵まれずこの夏2回あった4連休を活かせませんでした。
今年はもう南南ア周回は無理かな〜。4連休は難しいですからね
>北岳山荘のテン場は風の影響をまともに受けそうですね
一応稜線の陰になっているんですが、それでもかなりの強風でした。
ポールが折れるんじゃないかと心配なレベルでしたね〜。
その割には耳栓突っ込んで熟睡しちゃったんですが
>今度、晴れ晴れの時に、間ノ岳と言わず、農鳥岳まで行ってみてください
農鳥岳ですか? うーん、でも大門沢の下りキツそうですよね
よほど覚悟を決めないと行けそうにないな〜。
甲斐駒黒戸尾根残念でしたね。テン泊ですか?
あそこのテン場はごついペグが常備されているので便利ですよ。
テン場の手前の隅にたくさんぶら下がっているので是非使ってみて下さい。
>うちは北岳が一番好きなお山です
『え〜、あんなチンピラ山がかよ…』 と太腿の野郎が申しております
こんにちは
今日も暑いですね
O−やなぎと三人で白鳳峠を下りたのを思い出していました
あれから二年か〜。
月日のたつのは早いものです
天気はイマイチでしたが、まずは二回目の北岳
お疲れさまでした
こんにちは、ニョロさん。
コメントありがとうございます
>あれから二年か〜。月日のたつのは早いものです
本当ですね。肩の小屋のテン場で高1のお嬢さんが化学で
苦戦しているなんて話もしましたね。
その後上高地に小6の息子さんと行った話も伺いました。
それがお嬢さんは大学受験、息子さんは中2で身長もグングン伸びているのでは?
まだ早いかも知れませんが、我々も元気なうちにどんどん
山に登っておかないとなんて思ってしまいますね
サッポロ生ビールの看板がないですネ
muscatさんが来たので隠してしまったんでしょうか
こんにちは、muscatさん!
ストーリー的には前日に北岳を中止してビールにしていれば、更なるスタッフ会議のもめ事が期待できたのですが、翌日の悪天を予測しての北岳はさすがです
私も北岳は二回登っていますが、二回ともガスガスでキタダケでした
お疲れ様でした
こんにちは、hottenさん。
コメントありがとうございます
>前日に北岳を中止してビールにしていれば
脹脛狂乱の朝となっていたでしょうね
もう山に登れなくなるところだったかも…、危ない危ない。
>翌日の悪天を予測しての北岳はさすがです
でも、まさかあそこまで悪天になるとはガッカリでした
せめて晴れていて強風ならそれほど細い稜線ではないので
頑張って間ノ岳往復出来たかも知れないんですけどね〜
また再訪必須の課題を作っちゃいましたよ
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する