ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 4618084
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

19980912-15白根山脈縦走:転付峠−北岳・小太郎山、テント泊

1998年09月12日(土) 〜 1998年09月15日(火)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
43.7km
登り
4,480m
下り
3,483m

コースタイム

1日目
山行
5:55
休憩
2:58
合計
8:53
8:40
72
9:52
9:55
92
登山道入口
11:27
11:52
34
12:26
12:01
108
13:49
15:29
9
15:38
15:41
18
15:59
16:17
10
第一展望台
16:27
16:47
6
第二展望台
16:53
17:02
6
転付峠
17:08
転付峠水場
2日目
山行
11:36
休憩
2:58
合計
14:34
2:07
11
転付峠水場
2:18
2:19
146
転付峠
4:45
5:31
49
奈良田越
6:20
6:34
217
10:11
10:46
95
12:21
12:43
41
13:24
13:47
111
15:38
16:15
26
3日目
山行
8:32
休憩
4:28
合計
13:00
4:54
44
5:38
6:13
32
6:45
7:18
18
7:36
8:32
83
9:55
10:32
44
11:16
11:25
21
11:46
12:11
67
13:18
13:48
19
14:07
14:18
19
14:37
14:45
47
15:32
15:43
64
16:47
17:00
54
4日目
山行
1:17
休憩
0:00
合計
1:17
6:51
77
8:08
広河原ロッジ
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
田代入口バス停がスタート
広河原がゴール

感想

 私の中でかねてからの懸案事項となっていた南アルプス白根南嶺を、1998年9月中旬に歩いてきました。

9月11日(金)、12日(土)
 大阪発最終ひかりで名古屋へ、ムーンライトながらに乗り換え富士で仮眠。身延線の一番列車で身延着。バスで田代入口に到着。ここからしばらくは車道歩き。静岡ナンバーの自家用車とタクシーが追い抜いていった。登山口には8台の車、釣りの人も結構来ていたみたいである。タクシーで来ていた八王子の4人パーティとは内河内沿いの道から白河内岳手前まで抜きつ抜かれつとなった。
 転付峠までは良い道。この日は転付峠手前の水場で幕営。林業作業の3人の方もここに大きなテントを張って連日仕事をされているとのことだった。夕方、樹間に富士山が見えたので、転付峠の北方、第一展望所と第二展望所まで足を延ばす。富士山、聖・赤石・悪沢・徳右衛門・笹山と見渡すことができ、明日の好天が期待される。

9月13日(日)
 二日目は暗い内に奈良田越への林道を歩いてしまおうと思い、2時過ぎに出発。空は満点の星空、ときどき展望が開ける林道からは下弦の月の明かりにうっすらと南アの山々や富士山を見ることができた。西に下る林道を分けると草ボーボーの林道となり、そこから程なく奈良田越到着。昨日の4人パーティ以外に単独行男性が二人、計3張のテントがあった。
 明るくなるのを待ち出発。草の多い林道を東方に進んだ所、尾根を乗っこす所に索道の跡があり、そこが取り付きとなり、赤テープの目印がある。樹間に昇る朝日を見ながら樹林の道をぐいぐい登っていくが二日分の水が入り重くなったザックが身に堪える。道はだいたいはっきりしているが枝が張りだしザックが引っかかりやすく、うっとしい。
 白剥山頂上は樹林に囲まれ、三角点があるだけの狭い広場。少し行った所から南方の展望が得られた。笹山までの道もだいたい同じよう。樹林帯では枝がうっとしいが迷うような所はなかった。
 笹山の手前で樹林帯を抜けた露岩とハイマツのピークに到着。昨年の岳人に乗っている笹山の写真はこの辺りからのもので見覚えのある風景で笹山が見える。ここからは富士山、白根南嶺の山々、大無間山、南ア南部主脈の山々、蝙蝠尾根と大展望が開ける。塩見岳はこの方角だと目新しく映る。ここで思わず大休止。
 再び樹林帯に入り、西に回り込む感じでガレた道を登っていく。逆コースだとわかりにくい所というのがこの辺りだろう。尾根に登り着いて笹山南峰の西側を巻く道に入るが途中からなかなかのハイマツ漕ぎとなり、ハイマツがぽっかり抜けた狭い広場に着くがここから先のハイマツの中の踏み跡がわかりにくかった。頂上に向かう踏み跡があるかとも探してみたがハイマツに遮られるのみ。ハイマツ漕ぎが終わり樹林帯に入ると明瞭な道となるがここを登っていけば笹山南峰頂上に着いたのだと思う。結局、尾根上に道があったのだろうが、南から来るとこの西側を巻く踏み跡に入ってしまいやすいみたいで、私を含めた4パーティ全部が頂上を踏めなかった(;_;)。
 樹林帯を一旦少し下って森林限界を超え登り着いた所が笹山北峰。まさに360°の大展望が開ける。ここで初めて白根三山が望まれる。北岳はこの方向からだと尖峰と言ってよいほど鋭く聳え、目新しい角度で白根三山が望めた。ここでも大休止、抜きつ抜かれつしていた単独行者と4人組が先行し、私はゆっくり出発。
 少し下って踏み跡は90度左折し、稜線から急降下して樹林に入り、西側の巻き道に入る。恐らく稜線のハイマツを避けるためにこのようなルートの取り方になっているのだろう。時に稜線に道は近づくが概ね巻き道を通り、ある所で右に急上昇してまた稜線に戻る。そこからしばらくで樹林帯を抜け、大きな岩の転がる斜面を登って行くが逆コースだとこの辺りもわかりにくいだろう。
 登り切ると白河内岳直下の緩斜面となるがこのあたりもどこでも歩けるので視界がないとわかりにくいと思われる。ケルンを慎重に辿るが前を見ると先行していた単独行者は白河内岳を巻いていくルートに入っていったみたいである。白河内岳へは緩斜面を高い方に登っていくのではなく、頂上とおぼしき高みの左=南側をケルンを慎重に辿りながらハイマツの無い所をつないで登っていくようで、そうすることでだだっ広い白河内岳の頂上に登り着くことができた。しかし、丁度この頃からガスが湧いてきて残念ながら眺望はなし(;_;)。さらに「山名が刻まれた一枚の古い板切れが一番高そうな場所に刺さっていた。」というのも発見できなかった(;_;)。
 ここから先も所々踏み後不明瞭で、慎重に踏み後、ケルン、目印を追いながら歩いていく。二重山稜も多く、下手にルートをとるとハイマツに行く手を遮られることとなる。しかし、幸いにも大きくルートをはずすことなく歩くことができた。でも重荷影響かペースがガクンと落ちる。稜線上だけでなく結構西側のガレ場を行く所も多い。ハイマツを通るところはみんなが踏むので白くなっているから、よくわかる。
 ようやく大籠岳とおぼしきピークに着くが、やはり何も無い。このピークの下りで今朝北岳山荘を出てきたという二人組とすれ違う。南下してくるパーティは結局この二人組だけだった。
 鞍部からは二重山稜の登りとなるが私は傾斜の緩そうな東側の県境の方を登った。登り着く頂上で数メートル程ちょっとしたハイマツ漕ぎとなり、頂上直下で西側を回り込む方が良かったかもしれない。ここから緩やかな道を行くと2772mP。ガスが少し濃くなってきた。下りきった池ノ沢源頭の鞍部から広河内岳への急登。踏み跡が少し錯綜している。
 ヘロヘロになる頃、ようやく標柱と道標のある狭い広河内岳頂上到着。時にガスが切れ、南には辿ってきた笹山からの稜線、北には農鳥から白根三山が望まれた。眼下には大門沢下降点の鐘が以外と近い。
 広河内岳から急下降し稜線しばらく行くと東側の巻き道となる。ここで大門沢下降点付近に幕営しているという夫婦連れとすれ違う。この夫婦連れのテントからすぐに大門沢下降点到着。今の時間から農鳥小屋まで行く力も時間も無く、鐘の標柱の20m程手前の狭い平坦地で幕営することとした。先行していた単独行者も近くに幕営していた。夕方にはガスが晴れ、富士山が望めた。夜は満点の星空だった。

9月14日(月)
 今日も快晴、農鳥岳山頂で御来光を迎えたかったが、結局肩の所で日が昇り始めた(^_^;)。14年振りの農鳥頂上には昨日の単独行者のみ。西農鳥には多くの人がいるようである。まさに360度の大パノラマ。しばらくすると農鳥小屋泊まりの人達がやってきて騒がしくなり、縦走を開始。
 ここから先は超人気コースで多くの人とすれ違い歩いて行くが昨日の疲れか荷物は大分軽くなっているのにペースは全然あがらない。やっと西農鳥頂上到着。ここも人が多い。熊ノ平小屋の赤い屋根が大井川源流を挟んでハッキリ見える。標柱のある所よりもその東側のピークの方が高いように見えるが、よく2万5千図を見ると確かに東側のピークの所が3051mとなっている。
 大展望の道を間ノ岳を正面に見て農鳥小屋に下る。小屋に着くや否や小屋の方に昨晩はどこで泊まったのかと聞かれたので、意気揚々と大門沢下降点付近で幕営したと答えると「あそこは幕営禁止である」と怒られてしまった。「時間が遅くなったので」と言い訳すると、「今の人はビバークの意味を間違えている。時間が遅くなるなら前の幕営指定地で泊まらないといけない。これは条例違反だ。」と取り付くしまのない様子。私はこれ以上何も言わなかったけど、私はいったいどこで幕営したら良かったのだろうか?白根南嶺を頑張って一日で踏破して気分高揚状態だったのに白昼公衆の面前で条例違反者にされてしまい、とても悲しく悔しかった。
 クヨクヨしていても仕方がないので、まだ水は残っていたがどんなものかを見に、水場まで下っていくことにした。下り5分と書いてあるが8分かかった。水場で冷たい水で顔を洗い腕を濡らし喉を潤す。正面には雪山のように白い鳳凰三山。登りはゆっくり歩いても15分だった。
 ここから標高差400m弱の登り。休み休み何とか間ノ岳到着。雲が増えてきたがまだ大展望が楽しめた。ここからは昨年も通った道。中白根で小休止し北岳山荘に下り着く。団体ツアーの登山者も来ているみたいで既に多くの人がたむろしている。ここで水を補給し(1l\100)、自宅に電話をかけ、北岳へと向かう。
 徐々に雲が増え遠望はもうきかない。体を騙し騙し何度も立ち止まってやっとの事でやはり多くの人でごった返している北岳到着。
 中央稜を登ってきたと思われる二人組が登攀用具をかたずけていた。靴を脱ぎ裸足になって大休止。しばらくすると第四尾根を登ってきた三人組がやっていたが、ガイドと客二人という感じだった。
 ここでも30分の大休止後下山開始。小太郎山にも行きたかったので、肩ノ小屋ではここで泊まって明日小太郎山を往復して下山しようか、あるいはここに泊まって今日の内に往復しようか、あるいは今日往復して御池泊まりにするか少し悩んだが、暗くなるのを覚悟で3番目の方策を採ることにした(^_^;)。
 小太郎山分岐まで下ってデイパックに最低限に荷物を入れて小太郎山を目指す。この時はまだ小太郎山へは視界がきいていたが結構遠いように見える。道はほぼ明瞭であった。まず二重山稜の左側=西側の尾根をどんどん下る。岸壁のある小太郎山の前衛峰がどんどん近づいてくる。最低鞍部付近は樹林帯に入るがすぐに前衛峰頂上。ここから細かいアップダウンのあるハイマツの尾根。最後の急登を終えると一張り分のテント場のある小太郎山山頂。山梨百名山の新しい標柱もある。記念写真を済ませ、水分とおやつを採り、そそくさと往路を戻るが、すっかりガスの中。
 小太郎山分岐から白根御池に向けて急坂を一気に下るが膝がガクガクでペースが上がらない。でも、18時前にはどうにか白根御池到着、どうにか明るい内に着くことができた(^_^)。
 テントの受け付けでもらった札は52番だった。\400だったか?この夜は時々ガスが晴れて星空が見えたが、台風の影響か夜中の1時半頃と3時半頃雨が降った。

9月15日(火)
 明るくなっても辺りはガスの中。8:40のバスに間に合うか、8:30の広河原ロッジの入浴開始時間に間に合うように下ればよいと思っていたのでゆっくり出発した。白根御池の水場からトラバース道に入る。遥か下方に車道が見える。沢を幾つか横切り急下降が始まる。樹林の急な尾根をひたすら下るとやっと大樺沢分岐。ここで間違えて広河原山荘への道を下ってしまったが、広河原山荘の直上で遊歩道に入る。吊り橋を渡り階段を上ると平坦な遊歩道で、しばらく歩くと広河原ロッジ到着。
 小雨の降り出す中、既に8:40のバスに並ぶちょっとした行列ができていた。風呂(\600)は8:30からとのことだったが、少し早目に入れるとのことで速攻の烏の行水で体の汗を流し石鹸でバーっと洗い着替えを済まして8:40のバスに乗ることができた(\1950)。
 バスはいっぱいで通路にザックをおきその上に座る。途中、観音渓谷でバスのすれ違い待ち。夜叉神峠入口で時間調整待ち。芦安町役場前で二人降りて椅子に座ることができた。甲府からガラガラの特急ふじかわ6号に乗り、静岡から割とすいていたひかり163号に乗り夕方に帰阪した。

 かねてから懸案の白根南嶺、核心部は一日で踏破でき、好天にも恵まれて満足のいく山行でした。9月の飛び石連休で転付峠−広河内岳で出会ったパーティは私以外4パーティのみ(誰もいないと思っていたので多く感じました。)、やはり大門沢下降点が静寂と喧噪の分岐点となっていました。転付峠手前の作業の方々の態度と農鳥小屋の方の取り付くしまのない言葉には悲しみを感じ、白根三山の人の多さには閉口してしまいましたが、好天と大門沢下降点までの静けさで私自身は満足のいく山行ができたとまあまあ満足しています。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:67人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら