中央アルプス千畳敷〜摺古木(空木岳ー南駒ヶ岳ー奥念丈岳ー安平路岳ー大平宿)


- GPS
- 52:56
- 距離
- 37.8km
- 登り
- 2,501m
- 下り
- 4,084m
コースタイム
- 山行
- 6:56
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 7:19
- 山行
- 10:44
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 11:42
- 山行
- 14:13
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 14:53
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰り(大平宿ー南木曽駅)タクシー |
写真
感想
天気予報が珍しく複数日良かったので山行に出かけました。かねてより行きたかった中央アルプス南部を目指しましたが長い登りを嫌ってロープウェイを使いました。
朝一番は目が覚めず始発の2本後のバスに乗りました。ちょっと油断していたのですが登る人が多くロープウェイで3本待ちくらいでしたが増便が出ていたので助かりました。
今回は北部の山には目もくれず、すぐに南下を始めました。今回は山小屋やルートで水の補給が期待できないためいつもの4倍くらい飲料を持ちました。又、シュラフやストーブ、食料、防寒着等を持っていたので、いつもよりかなりの重量がありました。よって高度差が少ない登りでもかなり負荷がかかっていました。それでも空木岳は順調で駒峰ヒュッテまで順調に歩けました。天気は途中で霧が出て来ましたがまずますでした。
二日目も天気が良く南駒ヶ岳、仙涯嶺までも順調で岩登り等を楽しんでいました。ところが越百山の手前あたりで右膝に違和感を覚えました。左右に降る案や奧念丈から念丈に降る案等出て来ましたが左右は遠い、念丈も薮で下まで遠い。越百小屋も一杯で泊まれないと八方塞がりでした。今になって考えると元来た道を引き返すのが正解だったと思います。しかし最悪な前進を選んでしまいました。しばらくは負担がかからないように慎重に進んでいましたが南越百を越えると次第に薮が深くなって来ました。途中集中力が落ちて来てルートを外すことが増えて来ました。少しでもロスを少なくしようと斜めに復帰を目指していましたが、直角にルートに最短距離で復帰した方が負荷の少ないルートを多く歩けるので良いことに気づきました。薮笹は最悪で、漕いで進みたいけれど地面の右に生えているものが左に曲がったり、逆もそうで複雑に絡み合いトラップになっていました。又左右の足で踏んだ笹の根元が反対の足の甲をロックして右足が動かないことはしょっちゅうありました。枯れた笹の茎が刺さることもよくありました。トドメは茎の径が1cm以上ありそうな丈夫なものが現れて足の負荷が増し足の痛みがひどくなって来ました。ルートを間違えて右側に降りて気づいたけどその先に笹のない場所が見えて容易に登れ返せそうだったので降りてみました。ところがもろい岩場の急坂でとても安全には登れないと思いました。かといってかなり状態の悪くなっている足の状態を考えたら深い薮笹を登り返せるとも思いませんでした。時間も遅くなりビバークするしか無いと思ったが急坂では泊まるのは無理で下から量の少なくなって来た水音が聞こえたので降りてみることにしました。そこは脆い岩場の落石地帯でとても寝れません。仕方ないので、降って行き傾斜が緩くなった安全そうな場所を選んでビバークすることにしました。あたりは暗くなって来たので平たい石の高さを揃えて並べて上半身のベッドを作りました。身体の熱を逃さないアルミのエマージェンシーシートを持っていたのでくるまったり掛け布団代わりにしたりしましたが岩の角で次第に破れてきたので服の間の身体の腹や太もも、首等に巻いたりしました。持って来ていた焼酎は少しづつ飲んでいましたがすぐになくなり、シュラフの足の部分を頭に被り布団代わりにする方法とか考えました。本当は入った方が良いのだけど岩の角で破れそうだったのでこうしました。
座ったり寝たり星を眺めたりしていると辺りが白んで来て安全に登れる時間になったのでスタートしました。足の状態は思った以上に回復していました。長時間冷やしたのが良かったのかもしれません。今後のルートは登り返す、川を降る、別の登るルートを探すという三案ありましたが、川は長いしルートが無くなる場合がある、別のルートは岩場登りがない分藪漕ぎが長いので体力を消耗するということで、元来た道を引き返すことにしました。しかしかなりの難コースでここしか登れないだろうということの連続でした。さて薮に辿り着きましたがかなりの急登の深い薮で、薮を数本ずつ左右の手で掴んで少しづつ登りコース復帰出来ました。
コースはずっと藪で少しでもルートを外れると(ルートを外れなくてもだけど)身動きが取れなくなることの連続でコースが本当にあるのかを怪しんだりしました。基本は尾根の頂上を歩けば薮がまっすぐ生えていることが多く足が引っかかりにくいし足場が斜めでなく良いのだがたまにルートが尾根から外れる場合はどっちを歩こうかと悩んだりして進んでいた。多分2259の急登の途中で後ろから話し声が聞こえて来たので、抜いてもらおうと思って横に避けていると、「まさか人に会うとは思わなかった」と言われました。同年代の夫婦とガイドの三人パーティでした。その頃は足もかなり悪くなって来ていたので先に行ってもらいました。小屋は同じ所みたいだった。安平路の急登を左に右にトラバースしながらなんとか頂上に到着出来た。薮が易しくなったのか、それからはだいぶ歩きやすくなりルート間違いもしなくなりました。ただ判断力のないオーバースピードだったので、左右の脛をそれぞれ隠れ倒木で強打しました。途中で一度小川に出てしまいこれは歩けないと思ったが残りの少ない水をちょろちょろ水で補給してルートを探し直して、なんとか小屋に辿りつけました。小屋着はかなり遅くなりましたが、暖かく迎えてもらいました。焼酎やアテをいただき、屋根のあることに感謝しまして寝ました。小屋は静かで前日の疲れもあったのか珍しく良く眠れました。ただ寝袋にくるまった当初は身体が暖かいのに震えたりしていました。又寝返りをうつたびに足が痛みました。
最終日は快適で、山の傾斜が緩い、薮が深くなく道がちゃんとあったので、順調に進めましたが、右足を曲げると激痛が走るので下りは右足が先、登りは右足が先というように選びながら進みました。かといってあまり衝撃を与えたくなかったので階段は一段を二歩でゆっくりと歩く感じだった。林道に出たら快調だったが長いので途中で足が止まりそうになりました。宿でお世話になった三人の方は「大平宿に一時にタクシーを呼んでいて便乗しても良い」と言われたのだけど足の状態からとても無理だと諦めていたのにコースが楽になったのでなんとか間に合いました。10000円のところを2500円で帰れました。でも良く考えると、元々自分が払うお金は10000円で、三人は3333円なので、自分が5000円出して、三人は1666円払えばそれぞれ払う料金が半分になるので正しいのではないかと後で思った。南木曽で電車が一時間くらいあったので、昼飯をご一緒させていただいた。三人さんはビールを飲み「これがたまらない」と言っていました。自分は食欲がなかったので、ほぼ二日ぶりのまともな料理を食べることができました。電車は塩尻までご一緒させていただき山談義に花が咲きました。
ここの薮は太く長く途切れることがないので変態以外はあまりお勧めはできません。
コメント
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手に汗握る山行だ😨
ビバークとか怖すぎます
無事のご帰還よかったです😅
ソロのロングトレイル凄いと思いますが
気をつけてくださいよ
もお、ええ歳じゃけえね✌️
中央アルプスの主稜線制覇のために避けては通れない登山でした。
とは言え藪漕ぎ区間は出来れば短くするべきで最短の小屋を選べば良かったと反省しています。
足の状態が悪くなかったとしても、この山行には苦労しただろうと思います。
休むことなく延々と深い薮が押し寄せて来ました。
藪漕ぎルートは写真も少なく余裕がなかったのだろうと後に見て思いました。
二度と行きたく無いルートと思う一方、楽しい山行だったと少し思っています。
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