上高地−涸沢−奥穂高岳
長野県
岐阜県
natsu55
体力度について
- GPS
- 54:35
- 距離
- 36.1km
- 登り
- 1,862m
- 下り
- 1,854m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:01
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:41
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 9:15
| 天候 | 9月4日：曇後雨一時激しく降る 9月5日：雨一時激しく降る後曇 9月6日：晴後曇 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
普通自動車500円/日，軽自動車・自動二輪車300円/日 近くにシャトルバスの停留所あり，また，タクシーも待機しており，定額運賃で上高地に連れて行ってくれます．他の登山客と乗り合わせて行くと便利です． |
| コース状況／ 危険箇所等 |
雨天・強風対策は厳重に．雨天となると気温が急速に下がりますので，氷点付近になっても耐えられる用意が必要です． 上高地から横尾までは遊歩道，といった感じでスニーカーでも充分歩けます． 横尾から涸沢までは登山道ですがよく整備され，歩きやすいです． 涸沢から上はガレ場と岩場ばかりです．さすがは岩の殿堂．この区間では手を使うので，トレッキングポールは必ず仕舞っておく必要があります． 岩場，ガレ場は浮き石が多く（特にザイテングラード）注意が必要です．ヘルメットがあった方が良いと思います．ザイテングラード，穂高岳山荘から山頂へ向かうところに鎖と梯子があります．居合わせた人と声を掛け合って一人ずつ通過する必要があります．穂高岳山荘横の鎖と梯子はかなり急ですので，転落に注意． 頂上からは三方向に尾根が伸びていますので，道を間違えないように注意．間違えるととんでもなく難しいルートに入ってしまいます． 涸沢・パノラマコースに1カ所，雪渓を横断する場所がわずかな距離あります．アイゼンは不要と思われます．不安な場合は涸沢小屋からのコースを歩けば雪はありません． |
| その他周辺情報 | 上高地はチップ制トイレが基本ですので，上高地に入る前にお手洗いに行っておくと良いです（環境のためにも･･･）．梓川沿いの各山小屋の中には，お風呂があるものもあります．上高地バスターミナルや河童橋付近は山と言うより行楽地の装いです． 登山のメッカだけあって，山小屋の設備は他のどの山域よりも充実していると思いました．穂高岳山荘はクレジットカードが使えます（！）但しカード決済は宿泊費の支払いに限るようです． |
| 予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
昨日は泥水の流れる中，登った辺り．
ひょっとして，雷鳥？しかし，こんな麓で？よくわからなかったのでとりあえず撮影．ちなみにこのほかにも5羽ほど歩き回っていました．
1
ちなみにこのほかにも5羽ほど歩き回っていました．
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
ヘルメット
|
|---|---|
| 備考 | 雨が猛烈でした．そのためザックカバーをしていても．雨具の背中を流れ落ちる水が背面パッドからザックに侵入しました．ドライバッグに全装備を入れてからザックにしまう方がよいです． |
感想
6月に常念岳から槍ー穂高の稜線を眺めて，「いつか行こう」と思っていました．でも，手強い山だと思われたので，「そのうちにね」と思っていました．しかしながら，9月にまとまって休みが取れる状況になったのと夏の山行で調子が良かったので，「今でしょ」と言うことになり，登ることにしました．
槍ヶ岳とどっちに行こうかかなり迷ったのですが，仮に天気が悪くて遠望が効かなくても，奥穂高なら隣の岩峰をネタに写真が撮れそうだったのと，槍ヶ岳よりも上高地に近く，岩山とは言え涸沢経由なら自分でも登頂可能と思われたのでこちらに登りました．
最近は雨ばかりで，このときも山行予定日が近づくにつれ天気予報はどんどん悪くなり，3日目以外は雨との予報．覚悟はしていたのですが，1日目，横尾を出た辺りから雨具が必要となり，本谷橋から土砂降りに．ザックを開け難くなったことから行動食の摂取が不完全になったらしく，危うくシャリバテになるところでした．涸沢小屋で居合わせた人たちと「晴れると良いですね」などと言いながら，ビールを飲んで，美味しいご飯を食べて元気を回復しました．
翌日も朝から雨．例え一瞬止んだとしても，直ぐにさっきよりも強い雨が降ってくる始末です．元の計画ではこの日に涸沢小屋から頂上を往復するつもりだったので，どうしようかと思っていたら小屋の人から「穂高岳山荘まで登って一泊様子をみたら」と教えて頂き，また，一緒に泊まった人もそのつもりで登るとのこと．この方と即席パーティーを組み，ザイテングラードを登りことになりました．
雨具をしっかり着込んで登り始めたのですが，ザイテングラード取り付きからにわかに雨が強くなりました．雨の岩場と言うことで滑落が怖かったのですが，思いの外靴が岩に食いついてくれました．しかし，雨はどんどん強くなりしまいには登山道を泥水が駆け下りていくようになってきました．このときカメラケースはレインカバーをして上で携行していたのですが，あまりの雨に中に水が溜まって休憩のときにひっくり返すとざーっと水が落ちる状態に．カメラは防滴性能を遺憾なく発揮して無事でしたが，予備電池がこのときの浸水のため壊れたことが翌日判明しました．また，携行していた雷探知機も鳴り始めていたのですが，雷雲が来る前に穂高岳山荘に着くことができました．
受付後，外は一歩も出られないほどの嵐となったので，濡れたものを乾燥室に置き，先ほど一緒に登られた方（Iさんとしましょう）と穂高岳山荘で会った（上高地でも見かけた気がする）外国人の方（Dさんとします）と夕食までずっと三人で飲んでいました・・・．Dさんはブラジルから日本旅行に来られたとのこと．地球の裏側から山登りに来られた行動力にただただ敬服するばかりです．Iさんは，実は家が近所だと言うことが判り，これまたびっくり．途中から新潟からお越しになったというもうお一方も加わり，夕食までいろんな話をして盛り上がりました．おかげで濡れ鼠登山も楽しい思い出となりました．お三方，本当に有り難うございました．
さて，我々が飲んでいる間に天候は回復しつつありましたが，日没直前に突如として晴れ上がり，劇的な夕焼けとブロッケン現象を見ることができました．雨上がりだけに空気がきれいで，雲間に浮かぶ笠ヶ岳や常念岳が印象的でした．その後夜通しすばらしい天気だったようで，日の出前起きて空を見ると，すばらしい星の海が拡がっていました．
最終日はまったくすばらしい天気でした．昨日の大雨のため，元の計画では涸沢から下るだけだったのが，奥穂高岳頂上を往復後，涸沢経由で上高地まで下るという長い行程になりました．
前日飲んだお三方のうち，奥穂高岳に登るというIさんとDさんと一緒に頂上に行くことになりました．山小屋に泊まるたびに仲間が増える，楽しい旅でした．やはりパーティーを組むと気持ちも楽だし，単独とは違う楽しみがありますね．山荘直上の岩場も難なく越えて，我々は頂上からすばらしい眺めを欲しいままにしました．
頂上から見る西穂へ続く縦走路，反対側の北穂高〜槍ヶ岳へ続く縦走路，どちらも岩でできた鋸の歯のようで，山が削りに削られてその骨がむき出しになったようでもあり，全く異様な光景でした．どうやってここを通過するのか想像もつきません．しかし，その尾根すじからそれぞれ左右直角の位置に浮かぶ常念岳，笠ヶ岳は鋭いと言うよりはそれぞれ端正・流麗な山容に見え，穂高の険しさとは対照をなしていました．同じ山脈にこうも違う姿の峰が並んでいるというのは不思議だと思いました．
Dさんは重太郎新道から岳沢に下ると言うことで，Iさんも迷っておられましたが同じルートを選択されました．私は初めての穂高連峰と言うことで慎重を期して，計画通り涸沢から降りることにし，山頂で握手をしてお二人とお別れしました．今回出会った人たちとの山行は楽しく，またお会いしたいなと思います．
私は山頂の祠に帰路の安全と，カメラの電池が保つ事を祈って（前述のように雨で予備を失い，残り8％となっていました）下山にかかりました．写真はなるべく撮らないように・・・とはいえ，こんなにすばらしい眺めで写真撮影を抑制できるはずもなく，涸沢カールの写真が撮れれば幸運かなと思いながら下りました．結果，上高地までカメラは動作し，バスに乗ったとき電池残量は1%になっていました．おかげですばらしい景色のいくらかを家に持って帰ることができました．電池は液晶モニタをなるべく使わないように，撮影に必要な最小限の動作しかしないように設定を変更していたのですが，それにしてもこれほど電池が保つとは不思議です．不信心者の私ですが，山の神様のおかげかも知れません．次回登ることがあったときには，お礼を言っておかねば．
「岩の殿堂，穂高」ということで，初めての今回は最も易しいルートを辿りましたが，意外とあっさりと難所を突破できました．実はスワミベルトとカラビナとロープでビル工事の人が着けている安全帯みたいなものも作って持って行ったのですが・・・．慎重さを欠くことはできませんが，次回登るとすると重太郎新道などもう一歩難しいコースにチャレンジしても良いのかも知れません．
また，今回は終始雨にたたられました．最終日は良い天気だったと書きましたが，実はこの後，家に帰る途中で土砂降りの高速道路を走る羽目になりました．今年の気候はやはりどうかしていますね．しかしながら，雨に強い荷物のパッキングの仕方を研究する良い機会になりました．
北アルプスは，家から遠いので中々行き難いのですが，山頂からの眺めを見て，槍ヶ岳や笠ヶ岳にも行きたくなりました．最近はどこかの山に登るたびに，登りたい山が増えるので困ってしまいます．
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