木曽駒ヶ岳 テン泊縦走(福島Bコース〜聖職の碑〜茶臼山)
- GPS
- 31:21
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 2,042m
- 下り
- 2,035m
コースタイム
- 山行
- 5:25
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 7:19
- 山行
- 4:52
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 6:40
天候 | 15日:晴れ(ガスがどんどん湧いてクリアな眺望は無し) 16日:朝はガスガスだったが、どんどん晴れてクリアな秋空 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※ペンション「ヒルトップ」のさらに100mほど先にあります |
コース状況/ 危険箇所等 |
●登山ポスト コガラ登山口(福島Bコースと茶臼コースの分岐点)に設置されています。用紙とペンも備え付けられていますが、台が無いため書きづらい(朝露で紙がフニャフニャになるし)。 ●福島Bコース(コガラ登山口〜玉ノ窪山荘〜木曽駒ヶ岳) 整備されているし、とても歩きやすいコースでした。ただひたすら登りですが。 七合目避難小屋までは樹林帯の急登、七合目以降は八合目までは横トラバース道、そこからは小さなカールの急登、そして玉ノ窪山荘からは見晴らしの良い稜線登り。 さすがに標高差1600m登りのロングタフコースなので、千畳敷からの喧噪とは全く別世界の静かな登りを堪能できます。 水場は四合目半と八合目にあり、どちらも美味しい水でした。 ●木曽駒ヶ岳頂上小屋(テント場) 1泊900円(トイレ、水使用料込)。 木曽駒と中岳の鞍部で風の通り道になりそうな場所ですが、個々のサイトを風から守るように石積してあるところが沢山ありました。テント設営エリアは平坦砂地なので、設置しやすく、張り綱を固定する石がたくさん転がってます。 小屋のトレイはキレイで洋式でした(宝剣山荘は和式だったので、こちらの方が使いやすいのではないかなあ)。 ●宝剣山荘〜駒飼の池〜濃ヶ池〜稜線分岐 宝剣山荘前からカールを下るとやがて駒飼の池、さらに下ってからトラバースに進むと宝剣岳の眺めが素晴らしい農ヶ池、そこから少し進むと、木曽駒山頂からの尾根ルートとの合流点に出ます。カールを下ってトラバース道を行くコースなので四囲の眺望を楽しむルートではありませんが、カールと伊那前岳の大きさを実感できるし、あの聖職の碑のルートなので、あの暴風雨の描写を想像しながら歩きました。 ●稜線分岐〜聖職の碑〜将棊頭山(西駒山荘)〜茶臼山 今回、一番歩きたいと願っていたコースです。展望が良くてアップダウンも少なく楽しんであるけるコースということもあるのですが、なんといっても遭難記念碑をこの目で見たいし、その前に立って赤羽校長の想い、記念碑建立に奔走した教師達の想い、そして慰霊碑じゃなくて記念碑として建立するんだとの強い想い を感じながら、快晴の好展望のなかでしばしのときを過ごすことが出来ました(なぜか涙が自然に溢れてきたりも)。誰もいない静かなひとときで良かったです。 この稜線かた見る木曽駒は、木曽谷から立ち上がる大きな山であることを実感できるので、オススメです(千畳敷コースだと丘みたいな山という印象しか残らんもんね)。 西駒山荘は今年リニューアルされたキレイな小屋です(350mlビール500円)。 山荘から行者岩、茶臼山は樹林帯歩きも多くなります。 ●茶臼山〜コガラ登山口 一気に標高差1000m以上を下るんですが、とても歩きやすくコースタイムよりもなかり早く下れると思います。実際、山頂から渡渉部分までコースタイムは3時間20分となっていますが、2時間かからずに下れました。山頂(十合目)から合目ごとに看板とちょっとした休憩広場になっていて、どれくらい下ってきたのかが解りやすいことと、針葉樹の落ち葉がクッションとなって足に負担がかからないこと、一定調子でズンズン下れる適度な斜度がサクサク下れる要因だと思います。本当に歩きやすい下りです(逆に登りはひたすら急登で大変そう)。 五合目からは笹の多い九十九折の下りで、ちょっと下りにくくなります。 登山口や行者岩分岐に注意書きがありますが、正沢川に架かる作業用橋は昨年の台風で壊されて渡ることが出来ません(ワイヤーはありますが、渡渉箇所の足板が無くなっている)。但し、最近10mほど上流に仮設の丸太橋が設置されて、流れを渡渉することなく渡れました(仮設してくださった方に感謝です)。但し、仮設レベルです。増水してしまえば簡単に壊れる(流される)可能性はあります。 |
その他周辺情報 | ●下山後の温泉(駒の湯) http://www.komanoyu.com/ コガラから車で20分ほど。宿泊旅館ですが、日帰り入浴できます。 平日だったこともありますが、とてもキレイで静かで落ち着いた良いお風呂でした(ほぼ貸切状態でマッタリ)。 食事処もあって良い施設でした。 |
写真
感想
新田次郎の小説「聖職の碑」を以前に読んで、いつか桂小場からの同じルートで木曽駒ヶ岳に登りたいなあと漠然と思っていました。そんななかで今年、CS放送で映画「聖職の碑」を観て、ますます登りたい、記念碑をこの目で見てみたい。
※映画は鶴田浩二、北大路欣也、三浦友和、岩下志麻、大竹しのぶ等の豪華キャスト、鶴田浩二演じる赤羽校長の自分の命に代えて生徒を守ろうとする姿、北大路欣也演じる有賀主任もその校長の想いを無駄にしないよう自分の命が尽きるまで記念碑建立に奔走した姿、感動の一作です。
木曽駒山頂直下のテン場も一度は泊りたいと思いつつ、まだ実行できていなかったテン泊で桂小場からのピストンで計画しようといろいろ情報を漁ってたら、なんと桂小場へのアプローチ道が土砂崩れで入れない状態だとのこと。さて、どうしよう。
地図を見ながらコース策定を思案していると、あるじゃないの周回ルート!
木曽側にあるコガラを基点にすれば、登りは福島Bコースで木曽駒に登って、あのテン場で泊まって、下りは聖職の碑ルートで将棊頭山へ周回して、桂小場への下山ルート分岐を直進して茶臼山からの下れば、1泊2日でテン泊と聖職の碑の記念碑を見る両方を達成できる! ということで行ってきました。
初日は3連休の最終日、福島Bコースも下って来る人が結構いるんじゃないかと思ったけど、お会いしたのは数人。七合目の避難小屋で休憩した際に、中でラーメンを作って食べてた京都からの若者3人組も下山組で、千畳敷からのコースはかなり混雑だったみたいだけど、木曽側コースは静かなもので前夜の玉ノ窪山荘泊は空いてたとのこと。
福島Bコースは歴史と由緒のある登山コースだけあって、歩きやすいし、合目標識があるので、あとどれくらいかも認識できるので焦らず登れます。七合目避難小屋を過ぎると展望も出てきて、八合目を過ぎてカールを急登すると玉ノ窪山荘の建つ稜線。ここまでくればもう頂上はすぐに見えるところ。頂上までの道が見えたところで安心して玉ノ窪山荘で休憩しようと思ったら、なんと休業! 連休最終日だと言うのに、やはりロープウェイ人気で木曽側から真面目に登る人は少ないんだなあとここでも実感。
花崗岩の巨石が連なる稜線を登って、木曽駒ヶ岳山頂に来ると静かな道から一転、ロープウェイからのハイキング客の大喧噪。まるで別世界でした。それでも連休最終日の午後、落ち着き始めた山頂からテン場の状況を確認して一杯やりながらマッタリ。
山頂からすぐのテン場は、さすがに翌日は平日とあって閑散としたもので、サイトも選び放題。設営してしまうと、睡眠不足もあってか、しばらく昼寝。
元気なら千畳敷にでも散歩に出かけようかとも考えてたけど、結局そのままテントでウダウダ過ごし、少し早目から夕食&飲みでマッタリし、結局この日は夜7時過ぎには寝てしまいました。
ぐっすり10時間寝てしまい、起床は朝5時半。
周りはすっかり明るくなっていたけど、テントを開けると眺望ゼロのガスガス。朝の散歩をする気も失せ、朝食を作ってマッタリしてると、どんどんガスが風に流されて消え失せ、いつの間にか秋の青空が拡がる登山日和に。
この日はいよいよ聖職の碑のコースへ。
まずは宝剣山荘の前からカールを下って、駒飼ノ池、濃ヶ池を巡り、馬の背ルートとの合流点からは展望の良い気持ちの良い稜線ルート。そして遭難記念碑へ。
誰もいない静かな石碑の前であの小説・映画を思い出して、ちょっぴり感傷的になってしまいました。この石碑から見える風景は木曽駒主峰群がすべてきれいに見渡せる絶景地でした。
西駒山荘と将棊頭山の分岐にザックをデポして山頂の風景を楽しんだ後、今年リニューアルされた西駒山荘へ。ここでビールを買ってひとりでマッタリし、最後の稜線である行者岩、茶臼山と歩いて、一気にコガラまで下る下山ルートを快調に下って、正沢川の渡渉地点へ。茶臼山の下山コースはとても歩きやすいし、合目標識があるので、あとどれくらい下れば良いのかわかるし、何といってもコースタイムがあまめなので、快調に歩けてる気がする良いコースでした(五合目まではコースタイムの半分以下で下れました)。
コガラ登山口の分岐を出発した際、正沢川にかかる橋が昨年の台風で崩壊してて渡渉となるとの注意書きがあり、まあ最後の最後だし、靴を脱いで渡渉すれば良いやと考えてたんですが、崩壊した橋の上流10mほどのところに丸太を組み合わせた仮設橋を発見して、この仮説に感謝しつつ、濡れずに渡渉を終えて、1泊2日の大満足な周回は無事終了。今シーズンは天候に恵まれなかったぶん、この2日間は前にも降られず、眺望もバッチリ、予定したとおりに歩けたのがうれしかったです。
下山後は駒の湯(ここがまたキレイでおすすめしたいお風呂)で疲れと汚れを落とし、最近恒例の平日下道セコセコ走りで、伊那から高遠、杖突峠を越えて諏訪に出て、あとはひたすら20号を走って八王子まで。甲府付近で夕方通勤ラッシュで少し渋滞したけどあとは快調に走れて、八王子からは高速に乗って、夜11時半に自宅帰着となりました。
やっぱり山は良いねぇ〜(^^)
コメント
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ちょっぴり感傷的、自然と涙が溢れる、
映画、小説も読んでない僕は、なんで記念?と、思ってました
色々な思いがあってのことなんですね・・・映画&小説、見てみます
とりあえずロープウェイを回避・・・で選んだ本コース。
次は違う心持ちで、同コースを再訪したいと思いました
他のレコ見ると、白山も似たようなコースを辿られていました
(僕は釈迦岳まで周る元気はありませんでしたが・・・。)
コース状況等々、とても分かりやすいです。
あれこれと、参考にさせて頂きま〜す
nobuchiさん、コメントありがとうございます
同じルートを歩いた記録が殆ど無かったのに、一日違いで同じ周回、なんだかうれしくねってコメント入れてしまいました。
聖職の碑、ぜひ小説&映画を見てみてください。 特に映画は映像も歩いたルートっぽいところが出てきて、すごく感情移入するんじゃないかと思いますよ。俳優陣も豪華だし(岩下志麻、とっても美人!)。
似たようなコースを歩かれているようなんで、どこかでお会いできるかもしれませんね(^o^)/
実は、kazさんが登られた前日に、桂木場と福島Bの登山口を下見してたんです。
偶然にも、同じような(聖職の碑)ことを考えてました。
どちらのルートで登ろうかと思っていたのですが、このような仔細なレコが上がった以上、全くのマネッコで挑戦したいと思います。
ありがとうございます〜。
もう出発してしまいましたかね。
この週末は登山日和間違いなしですね。紅葉も楽しめそうで、レポ楽しみに待ってま〜す(^^)
kazさんこんばんわ。私も新田次郎の聖職者の碑を読んで、いつか見に行きたいなと思っていましたが、千畳敷からだとわざわざ感があって、どうしたものかなーと思っていました。木曽駒もこのルートで是非登ってみたいと思います。
聖職者の碑、映画見たこと無いのですが、いつかテレビで放映したら録画しておきたいですね。
そういえば、私の山仲間が「西駒んボッカ」参加したーって言っていたけど、ルートは違うのかな?
話は変わりますが、御嶽山が噴火しましたね。天気が良かったので登山者も多そう・・・心配です。
YAMA555さん、このルート、おすすめしたい1泊2日コースでした。しかも山頂直下でテン泊できるし
ちなみに聖職の碑の映画、岩下志麻がめちゃ美人ですよ
西駒んボッカのルートはたぶん伊那からの権現づるねコースだと思います。
西駒山荘も新装でキレイでした。なんといっても千畳敷からの喧噪とはまったく無縁の静かな雰囲気を満喫できるし。
御嶽山、まさかのビックリです
このルートからはめちゃ近いので、この週末に登っている人は噴煙を吹いてるのをかなり間近な感じで見ているんじゃないですかね
(ちょうど私の記録を元に同じルートをヤマレコ繋がりの知り合いricalojpさんがこの週末に登ってる筈なので、そのレポを待ちたいなと)
火山の山に登る際は、改めてこういうリスクのことを頭に入れておかないとなと再認識です。
kazさん返信ありがとうございました。
映画「聖職の碑」見る機会があればいいな〜。レンタルビデオも探してみようかと。
御嶽山は心配停止者が数十人とかなり大変なことになっているようで、なるべく多くの方に助かって欲しいですね。私はちょうど1年前9/27に五ノ池小屋泊で登っているので、もし1年遅かったらと思うと人ごとではないです。
自然の脅威を改めて感じ、もしその場にいたらどうすることも出来ないだろうなと思いました。それでも私は今まで通り山に登ろうと思います。
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