念願の槍ヶ岳、表銀座から東鎌尾根を登り、展望の奥丸山経由で新穂高温泉に下る

2023年08月24日(木) 〜 2023年08月26日(土)

• GPS: 29:43
• 距離: 32.8km
• 登り: 2,957m
• 下り: 3,305m

コースタイム

1日目

• 山行: 8:09
• 休憩: 1:40
• 合計: 9:49

6:18 中房温泉登山口
6:47 6:50 第１ベンチ
7:17 7:18 第２ベンチ
7:48 7:53 第３ベンチ
8:28 8:31 富士見ベンチ
9:04 9:17 合戦小屋
9:39 9:42 合戦山
10:30 11:11 燕山荘
11:16 11:16 いるか岩
11:33 11:36 めがね岩
11:44 11:50 燕岳
11:55 11:56 めがね岩
12:10 12:11 いるか岩
12:17 12:28 燕山荘
13:12 13:13 蛙岩
13:31 13:32 大下りの頭
15:00 15:06 小林喜作レリーフ
15:15 15:16 槍ヶ岳・大天井岳、常念岳分岐
16:07 大天井ヒュッテ

2日目

• 山行: 7:05
• 休憩: 2:32
• 合計: 9:37

5:39 大天井ヒュッテ
6:02 6:03 貧乏沢下降点
7:28 7:34 赤岩岳
8:13 8:17 ヒュッテ西岳
9:28 9:37 水俣乗越
11:38 11:50 ヒュッテ大槍
12:47 14:27 槍ヶ岳山荘
14:45 15:05 槍ヶ岳
15:16 槍ヶ岳山荘

3日目

• 山行: 6:12
• 休憩: 1:01
• 合計: 7:13

6:14 宿泊地
6:49 6:51 千丈乗越
8:48 9:36 奥丸山
10:34 10:43 槍平小屋
11:25 11:25 藤木レリーフ
11:29 11:29 滝谷避難小屋
12:28 12:29 白出沢出合
13:01 13:02 穂高平小屋
13:27 13:27 小鍋谷ゲート
13:27 新穂高温泉駅

天候

1日目：くもり、2〜3日目：晴れ

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

穂高駅近くのビジネスホテルに前泊し、穂高駅を5:10発（第2便）のバスで登山口となる中房温泉へ（6:00着）。この日はマイクロバス3台でした。

コース状況／危険箇所等

　中房温泉から表銀座、東鎌尾根を登るコースは、槍ヶ岳へ至るゴールデンコースなので情報は豊富なことから省略しますが、やはり合戦尾根の長い登りはきつかったです。
　槍ヶ岳山荘からは新穂高温泉への下りは、通常の飛騨沢を下るコースではなく、槍・穂高の展望がよいという奥丸山に通るコースとしました。しかし、飛騨沢との分岐を過ぎて奥丸山に続く稜線にさしかかった辺りから、登山道は膝上から胸まで伸びたササに覆われ酷いヤブこぎとなってしまいました。このコースは情報は少ないですが、ちゃんと調べなかったことを後悔しました。しかし、奥丸山からの展望は素晴らしく、立ち寄っても損はない山と思います。また、槍平小屋から奥丸山まではきちんとササも刈り払われており、急坂ですが問題はありませんでした。なお、当初は奥丸山からわさび平小屋の方へ下る予定でしたが、槍ヶ岳山荘で聞いたところ、このルートは熊が出るとのことだったので、槍平小屋の方へ下るルートとしました。

その他周辺情報

下山後、バスの待ち時間の間に新穂高ロープウエイ乗り場近くの中崎山荘奥飛騨の湯に立ち寄りました。入浴料は900円ですが、この日はふろの日（26日）だったので500円でした。ここにはザック置き場もあって、露天風呂もある硫黄泉は山登りの疲れをいやすには最適です。
https://www.okuhida.or.jp/archives/3311

写真

8/24 5:02

朝5時10発の穂高駅から中房温泉に向かうバスに乗り込む

8/24 6:10

中房温泉の登山口、たくさんの登山者だ。

8/24 6:46

第一地ベンチ

8/24 7:02

急坂が続く合戦尾根

8/24 7:22

アキノキリンソウ

8/24 8:07

ゴゼンタチバナの赤い実

8/24 9:04

合戦小屋に到着、ここまでで結構疲れていた。

8/24 9:16

合戦小屋前にあるナナカマドの実は、もうかなり赤くなっていた。

8/24 9:19

合戦小屋を過ぎると、あちこちにオヤマリンドウが咲いていた

8/24 9:20

ミヤマコウモリソウ

8/24 9:29

タテヤマアザミ

8/24 9:31

ヤマハハコ

8/24 9:39

合戦ノ頭。ここから傾斜が緩やかになるが、バテバテで、まさに一歩づつの歩きとなる。

8/24 9:50

ハクサンボウフウ

8/24 10:29

トリカブトの色が鮮やか

8/24 10:34

やっとのことで燕山荘に到着、ここで早めの昼食とする。

8/24 10:57

燕岳にはガスがかかっている

8/24 11:10

トウヤクリンドウ

8/24 11:20

頂上に向かうと途中、一時雨が降った雨もあがり、ガスも晴れてきた。

8/24 11:28

燕山荘方面を振り返る

8/24 11:29

巨大な花崗岩の頂上

8/24 11:33

猿の親子がいた。こんな高山にまで、猿は進出しているのか。

8/24 11:34

メガネ岩

8/24 11:34

咲き残っていたコマクサ、見ることができてうれしい。

8/24 11:35

8/24 11:37

ハイマツの中から出てきて、目の前をチョコチョコ歩く小鳥、カヤクグリか。

8/24 11:43

ミヤマコゴメグサ

8/24 11:47

燕岳の頂上

8/24 12:09

イルカ岩

8/24 12:30

燕山荘まで戻ってきて、大天井岳方面に進む。残念ながら先はガスに覆われている。

8/24 12:34

ハイマツの実をくわえたホシガラス。燕岳から槍ヶ岳にかけて多く見られた。今回は、残念ながらライチョウには会えず。

8/24 12:42

燕岳方面を振り返る

8/24 12:54

前方に見えるはずの槍ヶ岳は雲の中

8/24 13:05

蛙岩

8/24 13:49

ガスの中にたたずむサル

8/24 14:08

ミヤマキンポウゲ

8/24 14:09

大天井岳（左）が近づいて、一瞬、槍ヶ岳が見えた

8/24 14:20

歩いてきた稜線を振り返る

8/24 14:25

この辺りにもコマクサ

8/24 14:41

イワツメクサ

8/24 14:59

切通岩

8/24 15:05

東鎌尾根を開削した小林喜作のレリーフ

8/24 15:16

大天井岳にも登るつもりだったが、バテバテだったので迷わずこの分岐をまっすぐ進み大天井ヒュッテへ向かう。

8/24 15:26

ゴゼンタチバナ

8/24 15:34

大天井岳の斜面

8/24 15:36

雲の中から少しだけ姿を現した槍ヶ岳、ちょっと幻想的。

8/24 15:47

岩壁に取り付けられた鎖

8/24 15:50

バンコンソウ？

8/24 16:02

やっとのことで大天井ヒュッテ

8/24 17:03

大天井ヒュッテの夕食は、厚手のトンカツ。柔らかくて美味しかった。

8/25 5:37

朝、大天井ヒュッテからの眺め。右奥には穂高連峰。

8/25 5:40

5時40分に大天井ヒュッテをスタート

8/25 5:58

快晴の中に槍ヶ岳が見えた。これからの稜線歩きにテンションが高まる。

8/25 6:14

稜線に出てビックリ平。まさしくびっくりするような絶景が眼前に広がる。

8/25 6:18

少し進むと目の前にドーンと槍ヶ岳、素晴らしいの一言に尽きる。

8/25 6:36

雲海の向こうに富士山もくっきり見えた。やはり見えるとうれしい。

8/25 7:11

裏銀座の山々、左から鷲羽岳、水晶岳、野口五郎岳、三ツ岳など。右端は立山。

8/25 7:11

水晶岳アップ

8/25 7:11

立山アップ、その右に剱岳。

8/25 7:12

8/25 7:13

常念岳

8/25 7:14

大天井岳

8/25 7:15

赤岩岳山頂の標柱。実際には頂上を巻いている。

8/25 7:25

ウメバチソウ

8/25 7:52

ソバナ

8/25 7:54

これからたどる東鎌尾根が正面に見える、厳しそうな稜線が槍ヶ岳まで続いている。

8/25 8:06

下方に西岳ヒュッテ

8/25 8:16

西岳ヒュッテから見た穂高連峰

8/25 8:19

いよいよ東鎌尾根を通って槍ヶ岳に向かうが、まずは西岳ヒュッテから下る。

8/25 8:16

槍ヶ岳アップ

8/25 8:24

ナナカマドと槍ヶ岳

8/25 8:31

かろうじて咲き残っていたハクサンフウロ

8/25 9:15

ミヤマママコナ

8/25 9:17

左側に槍の肩まで続く東鎌尾根、これを登っていくと思うとわくわくする。

8/25 9:36

水俣乗越まで下ってきた。

8/25 9:48

目の目に急な階段やハシゴ、クサリ場が続く東鎌尾根

8/25 9:55

少し花弁が開いたオヤマリンドウ

8/25 9:58

下方に天上沢、一番奥の山は針ノ木岳か

8/25 10:16

垂直に近いハシゴを下る

8/25 10:25

槍ヶ岳がだいぶ近づいてきた

8/25 10:29

シロモノ

8/25 10:33

後方を振り返る

8/25 10:38

急な階段

8/25 10:47

運よく目の前で羽を広げてとまってくれたキベリタテハ

8/25 10:54

天空のベンチで一休み

8/25 11:02

ミヤマウサギギク

8/25 11:03

オトギリソウ

8/25 11:12

一輪だけ咲き残っていたミヤマダイコンソウ

8/25 11:22

イワギキョウ

8/25 11:31

大きな岩が続く

8/25 11:37

ヒュッテ大槍まで登ってきた

8/25 11:47

ヒュッテ大槍からの眺め

8/25 12:18

槍の穂先を見上げながら登るのダイナミックな風景

8/25 12:28

色が変わり始めたイワベンケイ

8/25 12:36

槍ヶ岳山荘は目の前

8/25 12:48

無地、槍ヶ岳山荘のテラスに到着

8/25 13:49

槍ヶ岳山荘

8/25 14:28

山小屋で少し休憩した後、いよいよ槍ヶ岳の山頂へ向かう

8/25 14:32

岩壁に取り付く

8/25 14:37

ハシゴが途切れ杭があるだけの岩場、この辺りが一番気をつかった。

8/25 14:50

ついに槍ヶ岳の山頂に到着！

8/25 14:50

大天井岳（左）と手間に歩いてきた稜線

8/25 14:52

下方に岩場が続く東鎌尾根、よく登ってきた

8/25 14:53

下方に槍ヶ岳山荘

8/25 15:03

残念ながら穂高岳は雲の中

8/25 15:05

荷揚げのヘリコプター。展望を楽しみ、頂上から下り始める。

8/25 15:15

無事、下ってきた。

8/25 15:34

山荘前のテラスで缶ビールで乾杯

8/25 15:40

午後4時前、まだまだ頂上に登る登山者は多い。

8/25 15:40

あそこに立ったんだなあ

8/25 17:05

槍ヶ岳山荘の夕食

8/26 4:28

夜明け前、この時間が一番いい

8/26 4:54

富士山

8/26 5:17

朝食をかきこんで、何とか日の出に間に合った。

8/26 5:18

朝焼けの大喰岳

8/26 5:53

下山前に、至福のコーヒータイム

8/26 5:45

売店で売っていた槍ヶ岳山荘オリジナルブレンドのレグユラーコーヒー

8/26 6:16

新穂高温泉に向けて西鎌尾根を下る。今度は双六岳まで西鎌尾根を歩いてみたい。

8/26 6:17

山の斜面に映る槍ヶ岳の影、正面奥に笠が岳。

8/26 6:51

正面下方がこれから向かう奥丸山。正面奥には焼岳と乗鞍岳が見える。

8/26 7:10

花畑

8/26 7:22

分岐を過ぎ奥丸山に続く登山道は、踏み跡はあるが、腰から胸あたりまであるササの中を進む。この辺りはまだいい方。

8/26 7:40

サラシナショウマ

8/26 8:27

長いやぶこぎが終わり奥丸山と飛騨沢とのの分岐まで来た。ホッとする。

8/26 8:48

分岐から急坂を20ほど登ると奥丸山の山頂、ここからの展望は素晴らしい！

8/26 8:49

穂高連峰

8/26 8:49

正面に抜戸岳、その左奥に笠ケ岳

8/26 8:50

西鎌尾根と、手前に奥丸山まで続く稜線。ヤブこぎの辛さはあったが、ここを歩いてきたと思うと感慨深い。

8/26 9:03

8/26 9:07

槍ヶ岳アップ。十分展望を楽しんでから下山する。

8/26 10:28

飛騨沢の河原まで下ってきた

8/26 10:34

槍平小屋

8/26 10:38

槍平小屋の水場、水がとても冷たくておいしかった。

8/26 10:54

カメバヒキオコシ

8/26 11:00

南沢

8/26 11:01

ヨツバヒヨドリ

8/26 11:02

ミソガワソウ

8/26 11:26

滝谷にかかる橋

8/26 11:26

滝谷の奥には滝と絶壁

8/26 11:40

花弁が真っ白なセンジュガンピ

8/26 11:58

トウヒの大木

8/26 12:24

堰堤の向こうが林道終点。槍平小屋からここまで長かった。

8/26 12:51

林道歩き

8/26 13:02

穂高平小屋

8/26 13:08

林道をショートカットする山道

8/26 13:19

再び林道に合流

8/26 13:57

バスの始発点となる新穂高ロープウエイ乗り場に到着

8/26 14:00

中崎山荘（日帰り温泉施設）で汗を流す。ここの硫黄泉はよかった。ビールとざるそばで今回の山行の締めとした。

8/30 22:55

槍ヶ岳山荘で買った山バッジ（700円）

撮影機器：

LUMIX DMC-FZ150 パナソニック

iPhone SE (第2世代) 128GB au Apple

感想

tamuzin

　ずっと前から登りたかった槍ヶ岳ですが、コロナ禍だったり、山小屋を予約していても台風や天候が悪くて中止したりと、なかなかいけませんでした。しかし、やっと念願がかない8月下旬に、表銀座から東鎌尾根を通るルートで登ることができました。
　1日目は中房温泉から合戦尾根を登り大天井ヒュッテまで歩きましたが、ガスが多くて表銀座からの展望はほとんど望めませんでした。しかし、燕岳に登った時にはガスが晴れ、また、コマクサも咲き残っており、ハイマツの緑と白い奇岩の絶景を楽しむことができました。
　2日目は朝から快晴で、表銀座の稜線からの展望は圧巻で、稜線に出た時には思わず「おおー」と叫んでしまうほどでした。また、東鎌尾根は岩場が多くハシゴとクサリの連続で、だんだん近づいてくる槍ヶ岳の尖峰を眺めながらの登行は、ダイナミックででとても登りごたえがあるものでした。
　そして、いよいよ槍ヶ岳の山頂。岩稜に取り付けられた垂直に近いクサリやハシゴはスリル満点で、登る人も少なく20分もかからず頂上へ到着。残念ながらや周りの山々は雲が多く展望はイマイチでしたが、狭い頂上は高度感抜群で、これまで歩いてきた表銀座の稜線や東鎌尾根の岩場を見ながら感慨にふけって展望を楽しむことができました。
　残念ながらガスで夕日は見えませんでしたが、翌朝は快晴で日の出も拝むことができました。下山は新穂高温泉へ下るルートとしましたが、せっかくだからと展望のよいという奥丸山へ。しかし、奥丸山へ向けての稜線が酷いヤブこぎなってしまい、誰も通る人もなく涙が出そうなくらいでしたが、その頂上は抜群の展望でした。下から見上げる槍・穂高の山容は迫力があり、また、その反対方向にそびえる抜戸岳や笠ケ岳の眺めもみごとでした。
　今回の山行でも一期一会の出会いがあり、名古屋からの中1の父子連れ、一人で北鎌尾根を登られた方、大天井ヒュッテからの若者2組の方々など、楽しい会話をありがとうございました。中でも奥丸山で出会った大阪の大学生は、この夏、北アルプスの60数座全てを登る途中で、この時もツェルト泊しながら4日かけて室堂から来たとのことで、そのバイタリティに感動しました。
　25年ほど前に常念岳に登って以来の表銀座縦走は懐かしく、また、初めての槍ヶ岳は本当に素晴らしいものでした。現在、島根に住んでいるのでなかなか行けませんが、やはり北アルプスの山々に年に1度は登りたいですね。