鹿島槍〜八峰キレット〜八方尾根

2015年08月09日(日) 〜 2015年08月11日(火)

• GPS: 56:00
• 距離: 23.2km
• 登り: 2,769m
• 下り: 2,325m

コースタイム

1日目

• 山行: 4:59
• 休憩: 0:25
• 合計: 5:24

6:25 スタート地点
6:40 6:40 柏原新道登山口
9:33 9:58 種池山荘
11:49 冷池山荘

2日目

• 山行: 9:00
• 休憩: 0:33
• 合計: 9:33

5:00 冷池山荘
5:58 6:02 布引山
6:46 7:00 鹿島槍ヶ岳
8:50 9:00 八峰キレット小屋
13:37 13:42 五竜山荘分岐
14:33 五竜山荘

3日目

• 山行: 4:25
• 休憩: 0:10
• 合計: 4:35

5:48 五竜山荘
7:58 8:08 唐松岳頂上山荘
10:23 グラートクワッド

天候

8/9　晴れ
8/10　午前：晴れ→午後：曇り
8/11　曇り時々晴れ

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

行き：信濃大町→扇沢
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※8/8に信濃大町の駅前のビジネスホテルで前日泊

信濃大町駅の改札を出てすぐ左のバス停より、
5時11分発 → 6時10分着 の扇沢行きのバスに乗る。
(1360円。バス停のすぐ横に切符売り場があるので、そこで切符を買います)
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帰り：八方尾根→長野駅
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八方尾根からは、リフトとゴンドラを乗り継いで
麓の白馬村まで楽に降りられます。
後は、白馬村のバスターミナルから長野行きのバスへ
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コース状況／危険箇所等

【総括】
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五竜山荘までの区間を
どういうスケジュールで行くかが悩ましいコースでした。

結局、鹿島槍の前の冷池山荘で一泊して、
翌日一気に五竜山荘まで行きましたが、
冷池山荘〜五竜山荘までの区間は、コースタイム通りだと
9時間以上掛かり、鹿島槍から先は危険箇所だらけですので
あまりペースを上げられない区間です。
午後の天候や体力に不安がある場合、厳しい行程になります。
(かと言って、中間のキレット小屋で一泊するには、
到着時間が早すぎて勿体無い、というジレンマがある)

鹿島槍〜五竜山荘までのコースを
一気に突っ切るのは精神的にハードでしたので、
例えば種池山荘までで一泊、
翌日はキレット小屋で一泊、
みたいにしておくとか、
あるいは初日で頑張ってキレット小屋まで行ってしまうのも
アリだったかもしれません。

景色は全てが絶景で、天気にも恵まれ、
大変素晴らしかったです。
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扇沢〜鹿島槍ヶ岳まで
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難しい区間は無く、景色を楽しみながら
ゆっくり歩けるような優しい道だと思います。
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鹿島槍ヶ岳〜五竜山荘まで
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北アルプス三大キレットの一つ、八峰キレットの区間。
キレット核心部だけでなく、全部が険しい区間です。
(むしろ核心部は梯子や鎖がちゃんと付いてるだけ安心、といった感じ)

鹿島槍〜キレット小屋までのキレット区間は、
急な岩場の下りが延々と続きます。
確実に足を乗せられる岩をしっかり選び、
また背中のザックを岩に引っ掛けないよう、慎重に下って行きます。

キレット小屋から先も険しく、
五竜岳に近づくにつれて、難易度も上がっていく感じです。
神経を使うキレットの下りや、繰り返すガレ場のアップダウンで消耗した後で、
終盤にG5、G4と呼ばれる危険な岩場・鎖場のポイントに畳み掛けられて
心が折れ掛けました。

大キレットに比べれば格段に難易度が下がる、
とネットでは書かれていますが、これは信用したらいかんと思います。
体感的には、この区間は大キレットと同等の難易度、長丁場でした。
キレット核心部よりもその前後の方が怖いのは、
大キレットもこっちも全く同じです。
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五竜山荘〜唐松岳頂上山荘まで
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なだらかで大変見晴らしの良い稜線歩きを楽しめます。
ただし、この区間の終盤と言いますか、
唐松岳頂上山荘の直前と、その少し前の区間は、
険しい岩場・鎖場があります。
その部分は気を引き締めて慎重に行動します。
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唐松岳頂上山荘〜八方尾根
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無理な下りや険しい箇所も無く、
この辺りから人と会う事も多くなり、
これまでの行程を考えると、とてもホッと出来る下山コースです。
(勿論天候には要注意ですが)

2、3時間下れば、
リフト乗り場(通年営業)に辿り着きますので、
それで安全に麓の白馬村まで降りてきてしまえます。
とても楽でした。
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写真

8/9 6:17

立山方面に行く人達で
早くも賑わってました。
今回も立山には行かず、
引き返して柏原新道の
登山口へ向かいます

8/9 6:40

扇沢から少し戻り、登山口へ

8/9 8:46

天気は晴れ予報。快晴です。
厳しい暑さで
飲水の消費が激しい

8/9 9:33

種池山荘に到着。
ここ数ヶ月、
運動という運動を
全くしておらず、
既に暑さでバテバテです

8/9 9:34

しかし種池山荘からは
気持ちの良い稜線歩きが
待っています

8/9 9:34

晴れの時の景観は
本当に良いですね

8/9 10:01

爺ヶ岳方面へ

8/9 10:40

南峰到着

8/9 10:40

少し雲があるくらいの方が
高度感が出て良い雰囲気の
写真になりますね

8/9 11:02

冷池山荘へ向かいます。
向こうの山々は、
明日目指す鹿島槍方面

8/9 11:29

鹿島槍方面の素晴らしい眺め

8/9 11:37

赤岩尾根との合流地点となる、
冷乗越

8/9 11:49

お昼前に冷池山荘に到着。
運動不足でキレット小屋まで
行く体力が無かった為、
少し早いがここで宿泊。
ここの小屋は過ごしやすく、
個人的にお気に入りです

8/9 13:37

明日は一応は晴れ予報だが、
ヤマテンによると
午後が少し怪しい感じ。
にわか雨や積乱雲の発達に
念の為注意という事で、
明日の行程に悩みました。

明日のコースは険しく
途中の逃げ場が無いので、
安全策を取るか、
五竜まで一気に突っ切るかで葛藤

8/10 5:11

翌朝の出発は5時。
体力と天候面での不安と、
キレット小屋がどんな感じかを
見てみたいのもあり、
少し短いけどキレット小屋で
一泊のプランでいました。

8/10 5:29

早朝の山の景色は格別。
立山方面も綺麗ですね

8/10 5:29

鹿島槍の途中のピーク、
布引山へ

8/10 5:58

布引山。
去年来た時は雨で
何も見えなかったが、
今回は天気が良くて、
この辺の景観も堪能出来ました

8/10 6:27

谷底が綺麗に見えて
素晴らしい

8/10 6:27

牛首尾根方面。
地図には悪天候時には
あっちに入りこまないように
注意とあります

8/10 6:46

鹿島槍に到着。
去年は雨で何も見えなかったが…

8/10 6:46

晴れてればこんな絶景が
拝めるとは！

8/10 6:46

向かう先は果てしない…

8/10 6:47

頂上からの四方は全て絶景。
しかし今日の本番はこの先から

8/10 7:00

休憩後、覚悟を決めて
八峰キレットへ踏み込みます。
のっけから急な下りに注意

8/10 7:03

岩場の急な下りが
とてもやりにくい。
注意一秒怪我一生の
世界なので、とにかく丁寧に
下りました

8/10 7:08

晴れてるのは良い事ですが、
暑さも結構なもので。
飲料のストックは
ギリギリ大丈夫ですが、
今回食料は少なめだったので、
道中の食料に少し不安が
出てきました

8/10 7:21

心の余裕は
あまりありませんでしたが、
本当に絶景だらけです

8/10 7:21

この辺は吊尾根周辺かな？

8/10 7:27

雪田が残ってます

8/10 7:39

ズザーっと滑りそうな
ザレ場や岩場の下りが続き、
全体的に歩きにくい。
途中バランス崩して、
岩に肘ぶつけて痛かったw

8/10 7:46

去年の大キレットの時の
教訓を生かし、
岩場のペンキマークを
しっかり追いながら、
慎重に行きました

8/10 7:46

雲が段々上がってきてます。
ガスって来る前に
難所はクリアしたい所

8/10 7:51

絶景写真も良いけど、
本当は他の人の参考用に、
コースの危険箇所の写真を
重点的に撮るべきでした。

大キレット等でもそうですが、
こういう所は、核心部の
鎖や梯子がある箇所の写真が
特徴的に掲載されますが、
実際は、その前後の地味(？)な
区間の方が危ない箇所が多く、
注意が必要だと思います。

この辺も写真に撮ってない、
つまり立ち止まって
撮ってる余裕が無いような
狭い箇所が、本当に危ない所と
思って貰えれば
良いかと思います。

あまりコースの参考にならず
すみません。

8/10 7:58

まだまだ先は長い

8/10 7:59

しかし本当に眺めが良い

8/10 8:19

雪が残ってる箇所が多いのは
流石の北アルプスというか

8/10 8:33

キレット小屋少し前の
核心部っぽい所。
鎖などのサポートもあるし、
石橋を叩いて渡るような
慎重さで進めば、
難しいことはありません。

ここに至るまでの、
鎖が無い区間の方が
遥かに怖いです

8/10 8:34

とは言え、下を見ると
やっぱり怖いですが…

8/10 8:34

谷側に足を滑らせないように
慎重に行きます。
ザックを引っ掛けないように
注意

8/10 8:43

恐ろしい箇所に見えますが、
確実に足を掛けられる所を
慌てずに一歩ずつ進んでいけば、
見かけほど難しくは無いです

8/10 8:48

中間地点のキレット小屋が
ようやく見えました

8/10 8:48

しかし凄い場所に小屋ありますね

8/10 8:49

こんな所によく小屋を建てられたなと…

8/10 9:00

9時丁度に小屋着。
出発時は、超安全運転で
ここで一泊する予定だったが、
やはり早すぎる。
明日の天気も保つ確証は無し。

コースタイム通りなら、
2時前後には五竜山荘に
辿り着けそうなので、
覚悟を決めて五竜山荘まで
一気に突っ切ることに

8/10 9:12

暑さとカロリー不足で
登りはヘロヘロですが、
景色は本当に迫力があります

8/10 10:03

下界の雲が少しずつ上がってきて、
これ以降、次第にガスっぽく。
それまでは日差しがカンカンで
体力消耗が激しかった為、
むしろありがたいくらいでした

8/10 10:11

ロの沢のコル

8/10 10:12

お昼までにあそこまで
登れるのか不安ですが…

8/10 10:47

北尾根ノ頭。

本当の地獄はここからだ、
と言わんばかりに、
ここから先、アップダウンや
ガレ場の急な登りで
体力を削らされます。

そしてトドメと言わんばかりに、
もう出てこないだろと
思った危険な岩場・鎖場が
次々と復活してきて
容赦無しでした(笑

8/10 10:47

こういう険しい場所で
人に出会えると、
結構ホッとします

8/10 10:47

雲が段々と。
暑さが和らぐのは
ありがたいですが
山荘までに天気が保つか心配

8/10 10:55

辛いけど景色には癒されます

8/10 11:15

まだ先は見えるが、
行程的には間違いなく
終盤に差し掛かってる筈

8/10 11:22

8/10 11:25

この辺は、
ガレ場の登りがきつく、
逆から来た人は
かなり大変だと思います。
雨の日にこの辺来るとか
考えたくない

8/10 11:28

G5少し前のガレ場の急な部分。
非常に歩きにくく、
落石にも注意

8/10 12:30

写真はG5部分の途中。
もうすぐ五竜山荘の
分岐だろうと思って
頑張って登ったが、
ここで更に険しい鎖・岩場が。
全然終わってませんでした

8/10 12:30

あの上…ですね。
心が折れ掛けたので、
ここでちょっと昼飯休憩

8/10 13:14

鎖場の後も、急な岩場で
畳み掛けてきます。
でも後少しです

8/10 13:33

岩場の登りを慎重に確実に。
そして上の方に標識が！
あそこに五竜山荘の
分岐の文字が書いてなかったら
本当に心が折れてました(笑

8/10 13:37

ようやく分岐点に到達。
五竜岳はあの奥ですが、
何か天気が不穏に。
さっさと山荘に向かうことに

8/10 13:42

振り返って、よくこんな所を
通ってきたもんだなと
感心してます

8/10 13:47

山荘へ向けて本日最後の下り

8/10 14:16

テントが見える。
山荘はあの辺ですね。
長かったなあ…

8/10 14:33

コースタイムより
遅れてしまったが、
何とか無事に山荘へ到着。

本当はキレット小屋で
一泊してたかもしれないので
大分頑張った感に浸れました。

夕飯のカレーは美味かったです！

8/11 5:48

翌日。
今日は下山日。
天気は曇り時々晴れで、
日差しに悩まされず下山出来そう

8/11 5:48

朝の雲海は、
山ならではの醍醐味ですね…

8/11 5:54

今回は唐松方面まで行くと
決めてたので、
下山は八方尾根を使います。

遠見尾根はどうなんでしょう？
twitterとかだと、
思ったより体力が要る、
みたいな呟きも見かけましたが…

8/11 5:54

唐松へ至る、
素晴らしい稜線歩き！

8/11 5:55

雲が少し虹掛かっていました

8/11 6:03

五竜岳方面を振り返る

8/11 6:03

ハイマツ帯が続きます

8/11 6:13

この「でーん！」
という感じが素晴らしいです

8/11 6:14

昨日と違って
行程にゆとりがあるので
景色の良さをじっくり味わえます

8/11 6:42

似たような写真でも
飽き足らず撮ってしまう…

8/11 6:42

8/11 7:06

唐松岳頂上山荘の前に、
岩場や鎖場の登りの区間が
3、40分くらい続きます

8/11 7:15

鎖場の一例

8/11 7:25

一例。
この辺も、キレットと同様に
横着せずに確実に一歩ずつ
進めば大丈夫です

8/11 7:43

それに横を見れば
いつでも絶景が。
素晴らしい

8/11 7:43

唐松岳頂上山荘への
最後の難関。
鎖有りと言え、
この辺のトラバースは
結構怖いので、あまり下を
見ないように進んだ方が良いかと

8/11 7:48

核心部分。
横這いに近い感じですが、
ザックを岩に引っ掛けないよう
気を付けて、ゆっくり行けば
問題無し

8/11 7:52

トラバースが終われば、
山荘が見えてきます。
あそこまで行けば安心

8/11 7:55

唐松岳の頂上ズーム。
すでに何人かいますね

8/11 7:55

後少し！

8/11 7:55

下山に使う八方尾根

8/11 7:57

山荘に到着。
これで今回の行程上の
怖い箇所は全部終わりです。
後は八方尾根の下りを満喫です

8/11 7:57

次機会があったら、
唐松から白馬岳方面への縦走を
やってみたいので、
唐松岳頂上は
次回の楽しみとして
取っておきます

8/11 8:18

八方尾根を下り、下山します

8/11 8:19

キレットのような
無茶苦茶な下りが一切無く、
とても気持ちよく歩けます

8/11 8:25

下山時の景色もとにかく良い。
この辺なんか最高です

8/11 8:27

白馬岳方面への道中は険しそう

8/11 8:28

五竜岳方面を振り返る。
自分が越えてきた山は、
遠くから見ると
思い出補正でより美化されて
格好良く見えます

8/11 8:33

下りも楽しい。
八方尾根はスキーの印象しか
無いけど、登山の八方尾根も
素晴らしい

8/11 8:37

迫力満点で飽きないです

8/11 8:45

子連れの家族とも
すれ違ったりして、
これまでの行程とは違い、
非常にホッと出来る
下山コースでした

8/11 8:45

丸山ケルン

8/11 8:48

素晴らしい景色の下り道。
雪も残ってます

8/11 9:01

扇雪渓と呼ばれるスポット
この時期でもこんなに雪が

8/11 9:19

8/11 9:39

八方池。
ガスが取れれば絶景です

8/11 9:43

人が多いので
本当に安心して下れます

8/11 9:45

八方ケルンが見えてきました

8/11 9:47

正面から見ると顔に見えると
定評のある八方ケルンさん

8/11 10:15

リフトが見えてきました。
今回は科学の力で
お手軽下山！

8/11 10:23

八方尾根はスキーの時の
景色しか知らなかったので、
こうして夏に違う経緯で
ここに来るととても新鮮な感じです

8/11 10:26

リフトとゴンドラで
麓まで楽々下山♪

今回は天気にも恵まれ、
とても充実した山行でした

撮影機器：

LUMIX DMC-LX5 パナソニック

装備

備考

頭の日焼けが予想以上だった為、帽子をして行けば良かったと反省。

感想

boom

ヤマレコは大分ご無沙汰でしたが、
今回、久しぶりの登山でした。
1月の北八ヶ岳以来でしょうか。

今年の夏山第一弾にしては、いきなりハードなコースで、
暑さや食料・体力不足に苦しめられた山行でしたが、
それに見合う絶景と達成感を得られる事が出来ました。

今回ので北アルプスの三大キレットの内、
2つを踏破出来たので、
とても充実した夏休みでした。