塩見岳〜間ノ岳・北岳 南アルプス北部縦走
- GPS
- 80:00
- 距離
- 29.0km
- 登り
- 2,847m
- 下り
- 3,110m
コースタイム
- 山行
- 2:55
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 3:30
- 山行
- 10:02
- 休憩
- 2:22
- 合計
- 12:24
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 5:57
天候 | 1日目 晴れ/曇り 2日目 晴れ/曇り 3日目 雨・ガス・強風 4日目 ガス・強風 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:14:30広河原(バス)-16:35甲府 毎日アルペン号は今年は秋葉原の集合や新宿での乗車がなくなるなど昨年までとは変更されたところもあり事前に確認が必要です。 今回は思っていたよりも登山客は少なめで、受付もスムーズでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【鳥倉登山口〜三伏峠】 歩き始めはやや急登ですが全体としてはゆるやかな登りの連続です。豊口山分岐を過ぎると展望が開け、甲斐駒・仙丈、間ノ岳そして塩見岳が見られます。 豊口山間のコル手前に崩落地があり右側が切れ落ちていますがロープあり、特段問題はありません。エアリアの危マークの箇所は特に印象に残っていませんので大丈夫でしょう。 【三伏峠〜塩見岳】 朝3時前に行動開始。真っ暗な中ではありましたが塩見小屋までは歩きやすい道で特に危険箇所はありません。本谷山からの塩見岳を楽しみにしていたのですが暗くてよく見えず残念でした。 塩見小屋以降山頂までがいよいよ核心部です3,000m峰の山頂直下だけあり岩場のきつい登りが続き、体力的にもハードでした。エアリアの危マークは切れたった南側の斜面を巻きますがかなりの高度感があり、鎖・ロープなどの補助がないことから緊張を強いられます。但し、難易度は高くはなく、三点支持を意識して慎重に通過すれば問題はないものと思われます。(私は恐怖で股間が竦む思いでしたが) 【塩見岳〜熊ノ平小屋】 北俣岳分岐を過ぎ、一気に下ったあとは大きなアップダウンはなくなだらかな尾根歩きとなりますが・・・兎に角長い。仙塩尾根の長さは雑誌やネットで多く語られていますが評判通りというかそれ以上に長く感じました。途中までは地形図を見ながら自分のいる場所を把握しようと努めましたが、既に通過したと思っていたところが実はこれからだったり、疲れていたこともあり途中からは自分のいる場所が把握できなくなりました。とはいえ登山者も少なく静かな山歩きが堪能できます。豊富な高山植物や味わいのある樹林帯の中の道など実に素晴らしく、もっと体力があれば、と日ごろの不摂生を反省しました。この区間、危険箇所はありません。 【熊ノ平小屋〜三峰岳】 三国平〜三峰岳間はエアリアにもあるとおり「やせた岩稜」です。かなりの高度感がある切れ落ちた道が続きます。「危」マークこそありませんが、鎖、ロープなどの補助具が無い分、北岳直下などより緊張を感じました。 【三峰岳〜間ノ岳〜北岳】 アルプスらしい岩場を交えた高度感のある稜線です。今回は悪天候でガスの中だったため展望ゼロでしたが、天気が良ければ爽快な稜線漫歩を楽しめると思います。 北岳山頂直下の「危」マーク付近は梯子、ロープなどが充実しており特段問題なく通過できました。 【北岳〜広河原】 標高差1,600m超を一気に駆け下りるイメージですが登山道は良く整備されており、膝などに痛みを感じることもありませんでした。白根御池は鳳凰三山の展望と高山植物が素晴らしい場所です。 【水場】 ・豊口山分岐前(ほとけの清水):非常に細いですがちゃんと出ていました。あまりの細さに常にあてにしていいのかは不安。 ・三伏峠小屋:小屋から約15分程のところに特設水場あり水量も豊富。但し「飲料用としては認められていない」との小屋の方の説明でした。煮沸すれば問題なし。 ・熊ノ平小屋:いたるところで湧き水がとれ、テントをでて10秒で補給が可能。 ・北岳山荘:稜線上の小屋ですが300m下の沢から汲み上げた水を宿泊客には無料で提供してくれます。 【トイレ】 ・伊那大島駅:アルペン号到着から伊那バス始発まで3時間半もあったため駅の待合室を住居に使わせていただきました。駅のトイレは当然水洗ですがいまどき珍しく紙はありません。 ・塩の里:鳥倉登山口行きのバスは途中でトイレ休憩があります。ここのトイレはウォシュレットです。当然紙もあります。 ・鳥倉登山口:仮設トイレですが洋式で紙もあり。 ・三伏峠小屋:水洗ではありあませんが洋式で紙あり。200円払うと別棟の水洗トイレを使えるようです。 ・熊ノ平小屋:懐かしの和式ぼっとんトイレですがきれいに保たれています。紙もあります。 ・北岳山荘:きれいな洋式トイレ。リサイクルの洗浄水の色がやや不気味かつ出が悪く流れないこともあり。紙あり。 |
写真
感想
このコースは雑誌「ワンダーフォーゲル」の2013年の企画「歩こう南アルプス」で紹介されていたコースだ。登山を再開して3年ほど経過したものの当時はテントも無く長距離を縦走するだけの体力も無かったため、「憧れのコース」として心にとどめておいた。
その後テントも買い、テント泊山行の経験も少しずつであるが積み、今年は「少し長い縦走を」と考え北アルプスの折立〜薬師峠〜雲の平〜黒部五郎岳のコースと迷った揚句、静かな山歩きが楽しめそうな本コースを選んだ。
初日、重い荷物に喘ぎながらも好天に恵まれ三伏峠へ順調に到着。高山植物が咲き乱れる山小屋前のベンチでまったりとビールを飲み(冷えてないが)幸福感に浸る。
2日目、本行程の山場である塩見越えと長い仙塩尾根縦走。長丁場を想定し2:55に出発。本当は2:30の予定だったのだが二度寝をしてしまったことと相変わらずもたもたしていたため25分の遅刻。塩見小屋までは順調に経過も、その後、山頂までの急登に喘ぐ。加えて山頂付近の岩場はビビリの私にはかなりの高度感。真剣に引き返そうかと考えたがさすがに思いとどまる。後から来た登山者に休憩をしている振りをして先行してもらい思いの他簡単に通過してるのに勇気付けられ何とかクリア(情けない)。そんな中漸く到達した山頂は達成感MAX!
東峰山頂では自分とは逆の行程で縦走している方としばし歓談。「ここから先はそんんなにアップダウンはありませんよ」とのお話にこれも勇気付けられ熊ノ平小屋を目指す。当初は軽快だったが途中からは足が進まなくなる。確かにアップダウンは小さいが、その小さな登りが辛い。おまけにやたらと長い。ネットでは途中ビバークした話が載っていたが確かにテントが張れそうな場所がやたらと目に付く。後半は自分の居る場所もわからなくなり「まだかまだか・・・」と喘ぐ中漸く熊ノ平小屋に到着。達成感どころではない疲労感だったが、小屋のテラスから観る農鳥岳がかっこいい。
3日目、夜半から雨がフライを叩く音。それも本格的な。出発時刻を大幅に遅らせる。ヤマテンのメールでは「午前中を中心に雨」だったが最新の情報ではない。小屋のご主人の話では「明日の午前中まではこんな感じだろう」とのこと。風雨の強い稜線を歩く自信が無いため両俣経由で下山する予定で出発。三峰岳は思った以上に高度感のある岩稜でこれもビビリながら山頂に到達したころ風雨が弱まり明るくなる。「行けるのでは・・・?」予定を変更し足は間ノ岳へ向かう。誰も居ない間ノ岳山頂。独り「ばんざ〜い」と叫ぶ。
北岳方面に向かう途中、やはり風雨が強くなる。この日は北岳山荘に泊まることにする。本当なら激混みのはずの小屋はガラガラだった。後で聞いた話では天候が荒れたため広河原行のバスは登山者を入れないために運休となったとのこと。素泊まりの客は自分一人で部屋も自炊場も使い放題。食堂で漫画を読みながらビールを飲み悦楽に浸る。非常に居心地が良かった。
4日目、夜半吹きすさんだ風はやや弱まるも濃いガスの中出発。薄い空気に喘ぎながら北岳山頂に到達。20数年振りに日本第二位の高みに立つ。展望は皆無だったが満足して下山。標高差1,600mを下り広河原に到着。「独り夏合宿」はこれにて完了。
「感想」というより「日記」になってしまいましたが、この山行を通じて気付いたのは自分の登山者としての「覚悟」の無さ、です。「この山に登る」「この道を歩く」とのしっかりとした覚悟があれば、判断がぶれることも岩場を前にして必要以上に怖気づくことも無いでしょう。今回は結果的に無事下山出来ましたが、このようなことでは事故に繋がることもありえます。特に単独行の場合は覚悟を土台にしながら、自分の実力を見極め冷静な判断が出来ることが必要だと強く感じた次第です。
それはそれとして山行そのものは充実した素晴らしいものでした。今度は南ア南部にも挑戦してみたいと思います。
長くなりましたがこれで終わります。お読みいただきました方、ありがとうございました。
三伏峠小屋テン場で、一緒でしたね。
後半の悪天候は大変でしたね、私は日曜下山でしたので、悪天候知らずでした。
私も歩いてみたいルートなんですが、マイカー族には車の回収が大変です。
今後の参考になります、レコありがとう。
okinawa123さん、コメントありがとうございます。まだ暗い登山道でお会いした方ですね?体力に自信が無い私にとって熊ノ平までの行程を考えるとあの時間から歩くしかなかったのですが暗くて心細くて、お会いできただけで心強く感じました。またどこかの山中でお会い出来たらいいですね。
結局、南アにしたのですね。天気はやや微妙でしたが、文面からも充実した縦走だったようで、いや〜羨ましい。
詳しい話はまたの機会に是非お聞かせ下さい!!
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