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Yamareco

記録ID: 726232
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

北鎌尾根から槍ヶ岳

2015年09月22日(火) 〜 2015年09月23日(水)
情報量の目安: S
都道府県 長野県 岐阜県
 - 拍手
masha その他2人
GPS
32:00
距離
41.6km
登り
2,486m
下り
2,481m

コースタイム

1日目
山行
9:40
休憩
0:00
合計
9:40
6:30
45
7:15
135
9:30
60
10:30
120
12:30
140
2日目
山行
12:40
休憩
0:30
合計
13:10
4:00
120
6:00
220
9:40
105
北鎌平
11:25
20
11:45
12:15
65
13:40
10
14:10
40
14:50
40
15:30
40
16:10
60
17:10
上高地バスターミナル
二日目の下山行程はがむしゃらに歩いたのでうろ覚え。
スタートとゴールのタイムは確かなんだけど。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
沢渡バスターミナル駐車場 1日600円
沢渡〜上高地 タクシー定額 片道4200円
コース状況/
危険箇所等
一般登山道に異常なし
バリエーションルートに目立った支障なし
予約できる山小屋
横尾山荘
まずはサクッと大曲の分岐点へ
2015年09月22日 09:31撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
9/22 9:31
まずはサクッと大曲の分岐点へ
水俣乗越分岐からすぐ上にある看板
2015年09月22日 09:35撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
2
9/22 9:35
水俣乗越分岐からすぐ上にある看板
乗越からは天上沢から高瀬ダムまでよい展望
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乗越からは天上沢から高瀬ダムまでよい展望
乗越から天上沢への下りはいきなりの激急降下
2015年09月22日 10:48撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
1
9/22 10:48
乗越から天上沢への下りはいきなりの激急降下
一歩ごとに足元が崩れるザレザレの急斜面。
よく前後の間隔をとること。
しばらく行くと右手の草付きに踏み跡があるのでそちらに移る。
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一歩ごとに足元が崩れるザレザレの急斜面。
よく前後の間隔をとること。
しばらく行くと右手の草付きに踏み跡があるのでそちらに移る。
樹林帯の中にピンクテープが一箇所。
樹林帯の最後はお助けロープがある。
2015年09月22日 11:07撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
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9/22 11:07
樹林帯の中にピンクテープが一箇所。
樹林帯の最後はお助けロープがある。
あとは涸れた沢をひたすら下る。
2015年09月22日 11:09撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
9/22 11:09
あとは涸れた沢をひたすら下る。
ゴーローが歩きにくい。
左岸の草付きにも踏み跡あり。
2015年09月22日 11:21撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
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9/22 11:21
ゴーローが歩きにくい。
左岸の草付きにも踏み跡あり。
間ノ沢との出合ったらころに、さらに左岸へ渡渉。
季節や水量にもよるが、苦労はせず渡れると思う。
2015年09月22日 11:37撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
9/22 11:37
間ノ沢との出合ったらころに、さらに左岸へ渡渉。
季節や水量にもよるが、苦労はせず渡れると思う。
北鎌沢との出合はケルンが目印らしいが、ケルンはそこらじゅうにある。沢を見上げてP7〜P8とコルが良く見える沢を探すこと。GPSがあるなら迷わず使ったほうがよい。
2015年09月22日 12:46撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
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9/22 12:46
北鎌沢との出合はケルンが目印らしいが、ケルンはそこらじゅうにある。沢を見上げてP7〜P8とコルが良く見える沢を探すこと。GPSがあるなら迷わず使ったほうがよい。
思いの外水量が多かった。あとで聞いたらこの季節にしては珍しいらしい。スリップに気をつけてガンガン登る。
右へ右へを意識すれば特に迷わず右沢に行ける。
2015年09月22日 13:16撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
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9/22 13:16
思いの外水量が多かった。あとで聞いたらこの季節にしては珍しいらしい。スリップに気をつけてガンガン登る。
右へ右へを意識すれば特に迷わず右沢に行ける。
クライマーホイホイはよくわからなかったが、P7を右手に意識しながら、右沢の一番太いところを登れば迷わない。正面にコルとその空を目指せばよい。ざれた急斜面やオーバーハング気味の大岩もあるので、慎重に登る。
2015年09月22日 14:03撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
1
9/22 14:03
クライマーホイホイはよくわからなかったが、P7を右手に意識しながら、右沢の一番太いところを登れば迷わない。正面にコルとその空を目指せばよい。ざれた急斜面やオーバーハング気味の大岩もあるので、慎重に登る。
コルのプレート。コルは誰もおらず、独占してのテント泊となった。
ここに来るまでに途中撤退のソロ登山者に出会った。前述の沢のオーバーハング岩を超えることができず、撤退を決断。付近を先行する別の経験者に一緒に行こうと誘われたらしいが、断っての撤退らしい。無事の帰宅を願う。
2015年09月22日 14:55撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
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9/22 14:55
コルのプレート。コルは誰もおらず、独占してのテント泊となった。
ここに来るまでに途中撤退のソロ登山者に出会った。前述の沢のオーバーハング岩を超えることができず、撤退を決断。付近を先行する別の経験者に一緒に行こうと誘われたらしいが、断っての撤退らしい。無事の帰宅を願う。
翌朝は午前4時にヘッデン点けて行動開始。
天狗の腰掛付近で先行者のテントを発見するが、まだ寝ているらしかった。
翌朝は午前4時にヘッデン点けて行動開始。
天狗の腰掛付近で先行者のテントを発見するが、まだ寝ているらしかった。
2時間ほどで独標トラバース起点へ到着。ここまでは踏み跡明瞭なので、注意していれば迷うこともないはず。
トラバース開始早々足下が崩れているが、お助けロープのおかげで楽にクリアできる。ただし、ロープの強度をよく確認してから頼ること。
2015年09月23日 06:01撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
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9/23 6:01
2時間ほどで独標トラバース起点へ到着。ここまでは踏み跡明瞭なので、注意していれば迷うこともないはず。
トラバース開始早々足下が崩れているが、お助けロープのおかげで楽にクリアできる。ただし、ロープの強度をよく確認してから頼ること。
トラバースは思ったより恐怖感はない。
が、足元はザレている箇所もあり慎重に。
2015年09月23日 06:03撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
9/23 6:03
トラバースは思ったより恐怖感はない。
が、足元はザレている箇所もあり慎重に。
トラバースを振り返る。
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トラバースを振り返る。
有名な逆コの字。
這わなくてもクリアできるが、這うのがセオリーではないかと、、、
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有名な逆コの字。
這わなくてもクリアできるが、這うのがセオリーではないかと、、、
へつるように進むところもあるけれど、写真で見るより恐怖は感じなかった。割とホールドはしっかりしている。
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へつるように進むところもあるけれど、写真で見るより恐怖は感じなかった。割とホールドはしっかりしている。
登れそうなチムニーから稜線を目指す。
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登れそうなチムニーから稜線を目指す。
チムニーを挟んでトラバースは2分割できるが、後半は一部崩落しかけておりチムニーを登った方が足元が安定している分不安は少なかった。
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チムニーを挟んでトラバースは2分割できるが、後半は一部崩落しかけておりチムニーを登った方が足元が安定している分不安は少なかった。
チムニーを抜けた地点からトラバースするか迷ったが、さらにスラブを直登することに。上部の這松を目指す。
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チムニーを抜けた地点からトラバースするか迷ったが、さらにスラブを直登することに。上部の這松を目指す。
這松の中に踏み跡発見。
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這松の中に踏み跡発見。
手がかり足がかりはあり、滑りにくいので雨などで濡れてなければ苦労はしない。が、振り返ると中々の高度感。
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手がかり足がかりはあり、滑りにくいので雨などで濡れてなければ苦労はしない。が、振り返ると中々の高度感。
さらに上へ上へ。
さらに上へ上へ。
独標の稜線に出かかるとようやく槍の本峰が姿を見せる。
独標の稜線に出かかるとようやく槍の本峰が姿を見せる。
あとはピークを越える稜線を辿って前進。
前進といいつつ、このシーンはクライムダウンしているところ。
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あとはピークを越える稜線を辿って前進。
前進といいつつ、このシーンはクライムダウンしているところ。
思ったより足元の不安はないが、気は抜けない。抜いてはいけない。
思ったより足元の不安はないが、気は抜けない。抜いてはいけない。
展望ポイントまであと少し。
展望ポイントまであと少し。
独標の先の岩を越えると、北鎌の稜線から大槍まで見渡せる絶景ポイント。
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独標の先の岩を越えると、北鎌の稜線から大槍まで見渡せる絶景ポイント。
気持ちのいい稜線。
槍へ向かって前進開始。
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気持ちのいい稜線。
槍へ向かって前進開始。
トラバースするか、ピークを行くか、一旦下がるか、どれでも通過できればそれでよい。ただしいつでもその先も行けるかどうか確かめながら進むこと。安易に踏み跡だと安心してはいけない。行けないと思ったら無理せず引き返して別ルートを探す。
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トラバースするか、ピークを行くか、一旦下がるか、どれでも通過できればそれでよい。ただしいつでもその先も行けるかどうか確かめながら進むこと。安易に踏み跡だと安心してはいけない。行けないと思ったら無理せず引き返して別ルートを探す。
ザレザレのトラバース。
ザレザレのトラバース。
ザレた急斜面を登ることになったら、そのまま谷底まで滑り落ちそうな恐怖がある。P13(直登するかトラバースするか迷った末、確かトラバースした)付近はその辺り要注意。3点支持は絶対だ。登れそうな斜面でも、取り付いたら手足のホールドが不安定極まりないところが多いので、気を抜かないこと。
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ザレた急斜面を登ることになったら、そのまま谷底まで滑り落ちそうな恐怖がある。P13(直登するかトラバースするか迷った末、確かトラバースした)付近はその辺り要注意。3点支持は絶対だ。登れそうな斜面でも、取り付いたら手足のホールドが不安定極まりないところが多いので、気を抜かないこと。
有名なプレート。
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有名なプレート。
高度感ある岩登りを楽しめる。
高度感ある岩登りを楽しめる。
目の前の岩を上がれば北鎌平。
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目の前の岩を上がれば北鎌平。
北鎌平まで来たら、ちょっとだけ難易度は下がる。岩の上をリズムよく稜線目指して登る。山頂はあと一息。
北鎌平まで来たら、ちょっとだけ難易度は下がる。岩の上をリズムよく稜線目指して登る。山頂はあと一息。
あと一息なんだけど、遠いなぁ。
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あと一息なんだけど、遠いなぁ。
これも有名なプレート。
天気が良ければ北鎌平から上部のプレートが光って見える。
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これも有名なプレート。
天気が良ければ北鎌平から上部のプレートが光って見える。
山頂直下のチムニー1段目。
どこから登るのかわからなくて苦労した。
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山頂直下のチムニー1段目。
どこから登るのかわからなくて苦労した。
1段目振り返り。
ここの挟まっているところは、オーバーハング気味で手掛かりも少なく無理しなかった。右側の岩に一旦乗り、やや右側から登攀開始し上部へ到達した。
ここまで来たら焦ってはいけない。必ず登れるところはあるので、じっくりじっくり探すこと。進退窮まることの無いようによく観察すること。
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ここの挟まっているところは、オーバーハング気味で手掛かりも少なく無理しなかった。右側の岩に一旦乗り、やや右側から登攀開始し上部へ到達した。
ここまで来たら焦ってはいけない。必ず登れるところはあるので、じっくりじっくり探すこと。進退窮まることの無いようによく観察すること。
読めなくなった木製プレート。
山頂の声が聞こえて来る。
山頂の杭も見える。
近いぞ!
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読めなくなった木製プレート。
山頂の声が聞こえて来る。
山頂の杭も見える。
近いぞ!
頂上直下2段目のチムニーを抜けて、ついに山頂へ!
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頂上直下2段目のチムニーを抜けて、ついに山頂へ!
祠の右手から山頂へ到達。
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祠の右手から山頂へ到達。
シルバーウィーク最終日でもあり、山頂は思ったより人がいなかった。でも聞きたかったあのセリフが聞けた。「あんなところから人が出てくるとは思わなかった」
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シルバーウィーク最終日でもあり、山頂は思ったより人がいなかった。でも聞きたかったあのセリフが聞けた。「あんなところから人が出てくるとは思わなかった」
撮影機器:

感想

秋晴れの素晴らしい天気の中、北鎌尾根から槍ヶ岳を登りました。
北アルプス全山が雲一つなく見渡せる、またと無い日和でした。
槍ヶ岳は過去2回(初回槍沢経由、二回目大キレット経由)向かっていますが、いずれも悪天候で断念しています。なので初槍が北鎌ということになりました。

北鎌はバリエーションルートなので、目印もクサリハシゴも一切なくルートファインディング能力が試されます。今回はザイルなしの3人組での挑戦でしたが、お互い登山を一緒にやって10年経つ仲間です。年々少しずつ難易度を上げながら挑戦する山を選んできました。そんな良き山仲間に恵まれてこその完登でした。

登下降の技術的に極端な高難易度とは感じませんでしたが、初見でのルートファインディングはかなり難しいです。どこを通ってもいいのですが、自分の技量を越えるルートを選択するとあっという間に行き詰るでしょう。迷ったら引き返して探し直す。迷う前によく観察してルートを選ぶ。いつでも冷静に。踏み跡は当てにし無い。ましてや残置物は当てにしない。この辺をよくよく理解する必要があります。

残置スリングなどはあちこちにありますが、誰かがそこにいた、というだけのものです。もしかしたら、回収できなかったからそこにある。スリングやロープを使わなければ通過できなかったのかもしれない。その辺もよく理解し、安易に信用しないようにしなければなりません。

今回は天気にも恵まれました。もし視界が悪かったり雨が降ったりしたら、成し得なかったことです。その辺も天気図や予報とにらめっこしながら検討しました。

もしこれから北鎌を目指す方がいらしたら、ご参考までに写真をと思いこの記録にします。でも、来年はこの岩の雰囲気も足跡もトラバースも、どうなっているかわかりませんよ。あまり信用し過ぎないように願います。

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コメント

おめでとうございます!
写真のコメントが分かりやすくてとても参考になります。
行ける時が来たら参考にさせて頂きます
2015/10/2 16:56
Re: おめでとうございます!
ありがとうございます。

このルートの達成感は格別でした。
行かれる際はくれぐれもお気をつけて、素晴らしい山行になりますように。

私も新旧いろいろな情報を参考にしました。
でも今回通れたトラバースも、数年したら雪に削らてなくなるのだろうな、と思わせるような箇所もありました。必ず、最新の情報も仕入れてくださいませ。
2015/10/3 21:16
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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