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Yamareco

記録ID: 8049227
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山滑走
甲斐駒・北岳

北岳(第五尾根南側ルンゼ滑走)

2025年04月20日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
11:36
距離
10.3km
登り
1,743m
下り
1,755m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
10:44
休憩
0:52
合計
11:36
距離 10.3km 登り 1,743m 下り 1,755m
2:43
17
3:00
3:01
135
5:16
194
8:30
8:51
31
10:22
10:24
20
10:44
10:48
21
11:09
11:24
60
12:24
12:25
90
13:55
15
14:10
14:11
3
14:14
ゴール地点
天候 高曇り、3100m予報:風速19m/s +4℃
過去天気図(気象庁) 2025年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
夜叉神峠から広河原へ南アルプス林道の徒歩(車両通行は禁止されている)。オール舗装路、片道約15km、参考タイム3.5h(『山スキー百山』記載内容)。往路は暗い中を黙々と、復路は達成感に包まれ谷を吹き抜ける春風を味わって。
コース状況/
危険箇所等
【大樺沢】
通行止め扱いの通り、散乱した石や越冬した藪、倒木などでシートラーゲンだと気を遣う場面が少なくない(特に復路)。この日は標高1900mから沢が雪で埋まっていた(『山スキー百山』によれば1800~2100から)。バットレスが見えてくる頃からデブリが目立つ。八本歯コルへは一般道のある尾根を使ったが、状況に応じてルンゼを選択した方が斜度や雪質のばらつきが少なく進みやすいのではないかと感じた。

【第五尾根の南側のルンゼ】
大樺沢~吊尾根から観察を続け、滑走ラインにしっかり雪が繋がっていることを確認したため予定通りトライ。ただし、現地コンディションとそれに対する自身の実力を相談して主稜線(≒山頂)からのドロップは中止して、80mほど下からエントリー。こちらのエントリーポイントは最上部と異なり内部を観察しやすく、総合的にとても入りやすい。ルンゼ内の雪は重く深く軟らかく、大小様々なサイズの雪塊(雪崩痕)に満ちており、楽しく滑るには技術や経験が必要だと感じた(当時の自分のレベルでは楽しめなかった…)。滑走面は広めでライン取りは割と自由だが、上部では吸い込まれるとヤバいルンゼが口を開けているし、周囲の岩稜などに対する重力ポテンシャルも高いため特に慎重に。第五尾根末端あたりに斜めに立っている大岩がランドマーク(往路での観察であそこ通りたいな~と思っていた)で、これを過ぎると大樺沢左俣に戻ってきた感になってホッとしたものの、時刻的に雪崩リスクも高くなってきていたためさっさと安全圏まで下った。
想定より雪が豊かでした。
2025年04月20日 04:55撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/20 4:55
想定より雪が豊かでした。
風は強く、高嶺上空の雲はぐんぐん動いていきます。気温が高くなかったらこの日は中止だったでしょう。誰にも会わない/見当たらない静かな山行となりました。
2025年04月20日 05:12撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/20 5:12
風は強く、高嶺上空の雲はぐんぐん動いていきます。気温が高くなかったらこの日は中止だったでしょう。誰にも会わない/見当たらない静かな山行となりました。
バットレス第五尾根の南側(左側)ルンゼを登りの中で念入りに観察しました。
2025年04月20日 08:00撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/20 8:00
バットレス第五尾根の南側(左側)ルンゼを登りの中で念入りに観察しました。
こちらも想定より雪の豊かな間ノ岳。山スキーにおいて間ノはとても遠い山です。さらに「満足に」滑ろうとすると総合的な難易度がとても高い。でも人生体験としてせめて1度は各方面を滑りたいのです。
自分でも大変だなあ、何でこんな大変なことやってるんだ、収入になる訳でもないのにって思うんですが、やっておかないと歳とった時にきっと後悔するとも思うんですよね。もちろん単純に好きな山だし、その滑走体験したい!ってのが原点ですが。
2025年04月20日 08:36撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/20 8:36
こちらも想定より雪の豊かな間ノ岳。山スキーにおいて間ノはとても遠い山です。さらに「満足に」滑ろうとすると総合的な難易度がとても高い。でも人生体験としてせめて1度は各方面を滑りたいのです。
自分でも大変だなあ、何でこんな大変なことやってるんだ、収入になる訳でもないのにって思うんですが、やっておかないと歳とった時にきっと後悔するとも思うんですよね。もちろん単純に好きな山だし、その滑走体験したい!ってのが原点ですが。
エントリーポイントから見るルンゼ内部。雪庇のあるスカイラインが主稜線です。
2025年04月20日 09:41撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/20 9:41
エントリーポイントから見るルンゼ内部。雪庇のあるスカイラインが主稜線です。
その下方。この日の条件(これ)なら、これまでの実績的に滑れるなと確信。
2025年04月20日 09:41撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/20 9:41
その下方。この日の条件(これ)なら、これまでの実績的に滑れるなと確信。
最上部のドロップポイントを横から。
2025年04月20日 10:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/20 10:34
最上部のドロップポイントを横から。
ドロップするならこの辺りからかな。理想的な状態なら今の力量でも行けそうに思いましたが、現地コンディションとリンクする確度と安全を考えこここから滑り込むのはやめました。
2025年04月20日 10:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/20 10:34
ドロップするならこの辺りからかな。理想的な状態なら今の力量でも行けそうに思いましたが、現地コンディションとリンクする確度と安全を考えこここから滑り込むのはやめました。
最上部のドロップポイントを横から。その2

そこの尾根をトラバースしてルンゼ最上部に入って行くといいかな?とか考えていた。
2025年04月20日 10:40撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/20 10:40
最上部のドロップポイントを横から。その2

そこの尾根をトラバースしてルンゼ最上部に入って行くといいかな?とか考えていた。
エントリーしてから100mくらい滑ると顕著な沢形になってきた。
2025年04月20日 11:45撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/20 11:45
エントリーしてから100mくらい滑ると顕著な沢形になってきた。
ランドマークなナナメ立ちの大岩。これを通過すると大樺沢戻って来たな〜感があります。
2025年04月20日 12:00撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/20 12:00
ランドマークなナナメ立ちの大岩。これを通過すると大樺沢戻って来たな〜感があります。

装備

個人装備
ツアーアックス×1 クランポン ヘルメット
備考 バットレス関連については特に事前情報を入れなかったため、20mスターティックロープなど簡単な確保関連や残置支点と、テクニカルアックスもう1本を備えたが、この日のコンディションでは全く不要だった。

感想

今季はこれまでケガなく過ごせて、滑走系では北アルプスや頸城のスティープラインを何本か経験できた充実の内容。その文脈からいよいよ南アルプス3000m峰滑走をリアルに考えた時、北岳ならバットレスの辺りを滑りてぇな~と強く思った。地形図を眺めていて今の力量で滑れそうに思えたラインは2本あり、最も興味があったのが第五尾根南側(今回の)ライン。ただ、このラインがバットレス滑った判定されるかは知らないし、執筆時点では誰がどう考えようがどうでもいい。自分が滑りたいと思ったルートで無事に帰ってくることを大切にしています。
北岳は元々は白峰三山縦滑走で考えていたが、どうしても重荷とスティープラインは両立しないと考えて分割を決断。
肝心の滑走は、、残念ながら現地コンディションや当時の力量などから素晴らしい体験とはならなかった。しかし、かけがえのない人生経験・実績になったことは間違いなく、それは素直に嬉しかった。無事に下山した広河原ではこれまでのスティープ系と同様、大きな達成感に包まれた。

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