(北アVR)硫黄岳に硫黄尾根より挑戦

2025年04月26日(土) 〜 2025年04月28日(月)

• GPS: 34:31
• 距離: 46.7km
• 登り: 3,240m
• 下り: 3,241m

コースタイム

1日目

• 山行: 9:45
• 休憩: 0:21
• 合計: 10:06

距離 20.3km 登り 1,796m 下り 766m

6:06 七倉登山口
6:10 鉄塔巡視路分岐
7:06 7:07 高瀬ダム濁沢登山口
7:12 7:18 高瀬ダム湯俣登山口
7:58 東京電力高瀬川第五発電所
8:16 8:30 林道終点
8:54 名無避難小屋
9:52 湯俣山荘
11:06 湯俣
16:12 宿泊地

2日目

• 山行: 14:04
• 休憩: 1:00
• 合計: 15:04

距離 6.1km 登り 944m 下り 954m

4:39 宿泊地
11:03 12:03 硫黄岳
19:43 宿泊地

3日目

• 山行: 8:13
• 休憩: 1:05
• 合計: 9:18

距離 20.3km 登り 501m 下り 1,520m

7:11 宿泊地
10:23 10:24 湯俣
11:18 11:19 湯俣山荘
12:43 13:41 名無避難小屋
14:06 林道終点
14:36 東京電力高瀬川第五発電所
15:17 15:20 高瀬ダム湯俣登山口
15:27 高瀬ダム濁沢登山口
16:21 鉄塔巡視路分岐
16:26 七倉登山口
16:26 16:28 七倉山荘
16:29 ゴール地点

天候

1日目：快晴無風
2日目：快晴ほぼ無風
3日目：曇りのちゴール直後から雨

ヤマテン予報では西風暴風だったが、
運よく地形が味方してくれた。

アクセス

利用交通機関：

自家用車

七倉に駐車。雪は全くない。

コース状況／危険箇所等

硫黄岳までの区間ずっとドコモとSBの電波は拾えませんでした。
降りてから湯俣山荘のスタッフの方に聞いたのですが、
今年は燕山荘がまだ営業してないからだそうです。

[〜湯俣]
一般道。

[湯俣〜硫黄尾根稜線]
湯俣川は短い区間ですが渡渉が必要。
湯俣川側の温泉湧き出てる箇所から稜線に登ります。
笹薮を強引に突っ切って尾根にでる。

[硫黄岳P1まで]
通常のバリエーションルート
なんとなく踏み後はわかる。

[硫黄岳P2(P1？)]
岩の階段になっており、今回も荷物背負って上がれなかったので
空身であがってザックを引き上げた。

[硫黄岳P3]
核心だと思う40m懸垂下降。前回の敗退地点。
今回は50mロープを張りっぱなしで登り返す作戦を取った。
イメージとしては、明神岳2峰の懸垂地点をもっと優しくした感じ。
フリーでも登れるけど、落ちたら死。

[硫黄岳P4,P5]
北鎌尾根みたいな感じの岩場が続く。
ほかの人の記録ではサラッと流してるけど、岩が不安定で不通に怖い。
特に帰りは泣きそうだった。

[硫黄岳P6]
P6までは、それまでと変わらない難易度。
ここから小次郎のコルへの道がわからない。
行きも帰りも藪漕ぎに突入して心と体と衣類がボロボロになった。

[硫黄岳]
ナイフリッジゾーンからのルンゼが非常にやっかい。
ナイフリッジは腐りかけてるので、トラバースしてやり過ごすが、
そのあとのルンゼが手掛かりすくなく、左側の木をつかみ強引に突破した。
帰りは懸垂下降したが、30mロープじゃ1ピッチで降りられなかった。

写真

4/25 17:42

晩御飯はがっつり食べる。
二郎系ラーメンに野菜って不要だと思いません？？？
なので野菜抜き麺大盛り。

4/26 4:23

マーク・アンドレ・ルクレール氏の言葉。
「毎回最後の食事になるかもしれない。だから好きなものを味わって食べる」
朝ごはんは初の牛うなぎ丼。美味しかった。

4/26 5:52

23年末の時は25キロだった。
・スノーシュー外して
・シュラフを#2に変更
・50mロープに加えて、30mロープ×2本追加
デジカメも削ったので、今回は全てスマホ撮影。
これで総重量23キロまで減らせた。

4/26 6:04

登山届を提出していざスタート。
タクシー来てたけど歩くぜ。

4/26 7:12

歩いたぜ。
疲れたぜ。

4/26 8:37

橋壊れてる。

4/26 9:36

湯俣っぽい景色。

4/26 9:37

独標かな？かっこよい。

4/26 9:52

湯俣山荘に到着。
実は登山口で山荘スタッフの方が出発の準備をしていてて、
どこ行くか気にかけて声かけてくれた。優しい。

4/26 9:55

ジップラインはまだないので、渡れない。

4/26 10:29

湯俣に到着。

4/26 10:32

こっちは北鎌尾根への道。
昨日から知り合いが入っているので幸運を祈る。

4/26 10:32

こっちは自分の道。
やるぞ！

4/26 10:34

足跡あるから誰か硫黄尾根入っているのか。
結局、この人とは出会えず。でもトレースありがとうございました。

4/26 10:36

ここ来るときって、年末か夏過ぎだったので水量が少ない時期だったから知らなかったけど、
ここまで水量増えるのね。
温泉地帯まで渡渉しないと進めないのは完全に想定外だった。
ちなみに左手の岩場に道の跡がありますが、途中で切れてるので上らないほうが吉。
左側の壁沿いを渡る。

4/26 10:45

渡渉装備なんてないので、素足にタイツで行くしかない。
幸い距離は短いので何とかなるだろ。

4/26 10:54

去年から沢登りで鍛えた水底を見極める力で無事渡渉成功。
パンツはちょっと濡れたけど許容範囲内。

4/26 11:02

じゃあ登りますか。

4/26 11:12

笹薮に辟易しながら強引に突破。

4/26 11:34

早めにアイゼンつけておいたほうが笹で滑りません。

4/26 11:45

尾根に登ると薄くなる。
踏み後も何となくある。

4/26 12:23

前回の幕営地点。懐かしい。

4/26 12:58

ファイントラックのバラクラバが落ちてた。

4/26 13:25

ガシガシ登る。

4/26 13:48

太い幹だと思ってつかんだものが腐った枝でバランスを崩して滑落。
頭が下に向いた仰向け状態だったので滑落停止もできず、
滑り落ちながら早く木にぶつかれ！と祈り、ぶつかって停止した。
左太ももにちょっと痛みがあるくらいで無事だった。
滑落中、死ぬとは思わなかったけど出血は覚悟したので、運がよかった。

4/26 13:51

よりによって木がまばらな地点で滑落するとは。
しばらく手が震えてた。

4/26 15:54

いい天気だ。多分、大天井岳。

4/26 16:06

ギリギリ北鎌と槍が見える。
後続の2人PTに抜かされる。
硫黄尾根突破するアルパインクライマーだった。かっこいい。

4/26 16:27

夜は吹雪らしいので、森林限界を超えずに2090地点で幕営することにした。
結果的にヤマテン予報は外れたけどね。

4/26 16:42

おうち設置。

4/26 17:11

水作りしながらジャーキーを食べる。
今回、カロリーに加えてPFCバランス計算までした
ガチの山行計画です。

4/26 18:03

乾燥ひき肉とアルファ化米。
ガチな時のメニューは軽くてタンパク質と炭水化物がとれるこれ。

4/26 18:12

MCTオイル入りのスープ。温まってよい。

4/26 19:18

ほぼ山でお酒飲まないんだけど、リラックスできるかなと思って1日分150mlのウィスキー持ってきた。
youtubeにオフライン保存してたお笑い系動画見て、笑うことでリラックスできた気がする。

4/27 2:53

2日目スタート。餅入りカップ飯。
今日は硫黄岳へのピストン。

4/27 4:09

昨日の打撲が若干痛いので、出だしからロキソニンクイック使用。
普段は薬に頼るのは邪道とか思うけど、今回はなりふり構わないスタイルです。
ちなみにロキソニンシリーズには鎮静作用あるものもあるので、
よく成分を見て買ったほうが良いです。
自分はロキソニンクイック派。

4/27 4:49

日が出るのも早くなってきたな。

4/27 4:49

P1だかP2が見えてきた。

4/27 4:56

ここはザック背負って登ってバランス崩すと谷底に落ちるので、
空身で登ってザックは引き上げた。

4/27 5:20

前回の限界地点。硫黄岳P3より、P6と硫黄岳を眺める。
またここに来ることになるとはあの時は全く思ってなかった。
今回は限界を超える。

4/27 5:20

生きてるハイマツから支点が出てた。

4/27 5:23

自分もそのハイマツから支点を取るが、登りの支点にも使うし回収もできるので
スリングでガッチリ支点構築。
ハーケンも持ってきてた。

4/27 5:35

ちなみに前回使った支点がこっち。
ちょうど先行者がこの支店使ってたから自分も使ったけど、
今回の支点のほうがどう見てもよい。

4/27 5:44

8mm1本かつ長距離での懸垂になるので、制動力に不安がある。
chatGPTに聞いてみたら、カラビナ2枚にしなよって回答だったので、
ググってみたらペツルのページに書いてあった。
chatGPTやるな。

4/27 6:06

40mで地上に降り立つ。帰りはここを登るのか。
前回、ここをフリーで登り返そうとしてたけど、
やめてマジでよかったと思った。

4/27 5:45

前回より一歩、限界を超えた景色。

4/27 6:34

P3とP4のコルの幕営適地。

4/27 7:15

P6への登り。先行者のトレースが見える。
普段は人のトレースに頼るなんて邪道と思うことはありますが、
今回はなりふり構わずがっつり使わせて貰う。

4/27 7:36

ようやくP6に到着。

4/27 7:36

P6から眺める硫黄岳。
この角度から硫黄岳を見たことある人は少ないはず。

4/27 7:38

硫黄岳と北鎌尾根。
今頃北鎌尾根で奮闘しているであろう知り合いに、心の中でエールを送る。

4/27 8:18

P6から道がわからず藪を超強引に突破してボロボロになりながら小次郎のコルまで降りてきた。
幕営適地だらけ。

4/27 8:58

核心部その2。ナイフリッジ区間は雪が腐ってて超怖い。

4/27 9:14

そのあとのルンゼも悪い。悪すぎる。
帰りは懸垂で降りようと心に誓った。
予備で30mロープ持ってきてて正解だった。

4/27 10:19

いよいよ硫黄岳が近づいてきた。
が、歩みはゾンビ並みの速度。

4/27 10:52

夏道？との合流地点。

4/27 10:54

この木、夏季硫黄岳登頂者ならニヤッとするはず😏

4/27 11:08

ゴールはもうすぐだが体が言うことを全く聞いてくれない。
だましだまし登っていく。

4/27 11:21

硫黄岳に到着。
残雪期硫黄岳やったぞ！！！！
普段そんなことしないけど、思わず叫んだ。

4/27 11:21

夏季・残雪期の2回も硫黄岳来る人はそうそういないと思う。
でもこの山は大好き。
どのルートも超・つらいけどな！

4/27 11:22

裏銀座方面の山々。

4/27 11:22

槍ヶ岳・北鎌尾根。

4/27 11:22

みんな大好き燕岳。
中房までの道が崩落して燕山荘がやってないので、
携帯の電波拾えず怖かった。
やっぱau Starlink Directに変えよう。

4/27 11:30

スマホしかないのでろくに写真が撮れないけど、自撮り。
やってやったぜ。

4/27 11:54

もう一枚。
前回は使うところまで行けなかったけど、
今回は超大活躍だったベノム&ベノムLTコンビと一緒に。

4/27 11:47

藪がひどかったので近づかなかったけど、赤岳方面への道。
安全第一って言葉がありますが、
今回の自分は安全1.5挑戦1.5の心意気でしたが、
ここが自分の限界点だなと確信しました。

4/27 11:49

傘雲ってやつか？
2日前にみたヤマテンだと明日は悪い予報だったな。

4/27 11:56

P3から見たらP6は巨大に見えたけど、
ここから見るとちっちゃいな。

4/27 13:28

問題のルンゼに降りてきた。

4/27 13:42

懸垂支点はスリングと環付きカラビナでシッカリと構築。
実はこのセット、登山始めた頃に何となく買った思い出の一品で、
残置するならここだと思いました。

4/27 13:49

妖怪「ちょっとだけ長さ足りない」が現れた。
2ピッチで降りた。

4/27 14:08

写真じゃわからないと思うけど、結構悪いのよここ。

4/27 14:13

ナイフリッジも午後の気温上昇でグズグズになり怖すぎる。
なるべく枝が露出している所まで下がってからトラバースする。

4/27 15:43

P6の藪地獄は写真撮る余裕全くなし。
1枚だけ残ってたけど、これ以上ひどいです。

4/27 16:07

どこかのピークで撮った写真。
あそこに行けた。

4/27 17:43

P5,P4と地獄のような箇所を通過して、
P3が見える箇所まで戻ってきた。
改めて見ると怖くて震えてきた。ほかの道を探すも
ここが一番安全だと冷静さを取り戻す。

4/27 17:43

この赤線が懸垂してロープ垂れてる区間です。
フリーで落ちたら死。

4/27 18:15

マイクロトラクション装着し、アイゼンは外して登攀開始。

4/27 18:15

登りだすと案外楽しく登れた。
さっき見てビビり散らしてたのはなんだったんだ🙄

4/27 18:23

チェストハーネスにカラビナかけて、
ロープの流れを変えると登りやすかった。

4/27 18:31

無事P3に到着。
なんとか日没までには戻ってこれた。
あとは慎重に慎重を重ねて戻るだけだ。

4/27 18:46

ばいばい、硫黄岳。

4/27 19:11

P2で日没を迎える。

4/27 19:12

3mくらいの段差だが、慎重に懸垂で降りる。
足場も安定しているけど、頭がパーになりつつあるので、セルフビレイをとってます。

4/27 19:43

なんとかおうちに帰着。
気力体力がゼロ。生きてここまで戻れてほんとによかった。

4/28 5:27

3日目。ゆっくり寝ててもよかったけどまぶしくて目が覚めた。

4/28 7:08

2日間お世話になりました。

4/28 7:09

雨覚悟してたけど、曇り気味ですんでてラッキー。
今回はいい意味で天気予報に裏切られた。

4/28 10:04

死人のように硫黄尾根とりつきまで降りてきた。

4/28 10:34

ファッキンな笹薮を強引に突破して、がれがれ下りはバックステップで河原に降り立った。

4/28 10:47

靴脱ぐのめんどくさいからそのまま渡渉した。

4/28 11:06

この先はもう安全地帯。死の危険は去った(とこの時は思ってた)

4/28 11:20

湯俣山荘で小屋明け中のスタッフに声を掛けて貰った。
いつか泊りに行くリストに入りました🥰

4/28 11:23

ここからはダブルピッケルでバックステップしなくても、
薮漕がなくても、浮石なのか岩と対話しなくてもいいぞ。
道ってすげえ。

4/28 11:57

タラの芽？ハリギリ？
山菜食べたいな。

4/28 13:09

死の危険は去ったなと思ったけど、名無し小屋付近にでかいクマが居た。多分オスの成獣？
笛鳴らしまくっても逃げる気配なしで居座る。
いったん小屋に戻って、ダブルピッケルを両手に構えて戻ってきたら居なくなってた。
神様、もう試練はいらんのです🤮

4/28 15:03

このトンネルを抜ければ七倉ダムだ！タクシー使うぞタクシー！

4/28 15:15

へいタクシー！
いねえし。

4/28 15:17

でもおれしってる
公衆電話からタクシー呼べるってこと

4/28 15:21

かけたけど平日だからタクシーいないって
うすうすわかってたよ
あと20年ぶりくらいにダイヤル式の電話機使った
一瞬自分も使い方わからなかったし、今の子だと絶対わかんないだろと思った。

4/28 15:22

いいよ歩くよ歩けばいいんだろ
2400円浮いたから帰りにワイルドターキー買うよ

高瀬ダム〜七倉ダムまで日没後に歩いたことありますが、
めっちゃ怖かったので二度と夜は歩きたくない。

4/28 16:27

ゴール。お疲れさまでした。
自分の全てを出し切って達成した。
何回か死ぬかと思ったけど、生きて帰れた。

撮影機器：

XQ-BQ42 Sony

装備

個人装備

50m×8mmロープ 30m×8mmロープ 30m×5mmケブラーロープ セルフジャミングプーリー

感想

yuin

大好きな硫黄岳に積雪期も登りたい。
そう思って23年末に挑戦しましたが、P3でその一歩先に進む勇気がなくなり敗退しました。
あれから1年半、経験を積み今なら一歩先に進めるんじゃないかと思い、
また硫黄尾根に行ってきました。

去年はマイナー12名山や沢登りで藪漕ぎ力や岩登り力、
冬には北岳や涸沢岳西尾根、西穂北西尾根といった冬季ルートの経験を積んで
自分の持ってる能力すべて使い切って限界を超えることができました。
硫黄尾根硫黄岳が自分の本当の限界点。
これ以上先に進むことはできませんが大満足です。
やっぱ硫黄岳大好きだ！

コメント

AJ

yuinさん👏おかえりなさい😊
そして北ア硫黄岳登頂おめでとう御座います🎉素晴らしい限界突破チャレンジ山行ですね👏

準備や装備、食事などソロでの刺激的なレコはyuinさんらしくて生き生きしてますね😊
最初から最後までハラハラして見入ってました。滑落あり、ChatGPTに聞くとかちょいちょい「えっ」という部分もありますが…安全に登るために硫黄岳登る際は参考にさせて頂きますね。

ゆっくり休んでくださいね、ホントお疲れ様でした😊本当おめでとうございます🎊

yuin

AJさん
温かいコメントありがとうございます。
今回の山行は自分にとっても大きな挑戦でしたが、無事に登頂できて本当に嬉しく思っています。
ソロということもあり緊張の連続でしたが、その分得られた経験や達成感も大きかったです。

今後も楽しんでいきたいと思います。
本当にありがとうございました！