薬師岳・黒部五郎岳・笠ヶ岳《日本百名山》


- GPS
- --:--
- 距離
- 57.7km
- 登り
- 5,168m
- 下り
- 6,608m
コースタイム
- 山行
- 6:25
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 7:29
- 山行
- 8:03
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 9:38
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 9:03
- 山行
- 4:02
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 4:47
天候 | 1日目(9/16):晴れ 2日目(9/17):晴れ後曇り 3日目(9/18):晴れ一時曇り 4日目(9/19):霧後曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2003年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
下山口:中尾温泉口BSから濃飛バスでJR高山本線高山駅 |
予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
感想
1日目(9/16)
快晴の室堂から一ノ越に到る登山道の南に立山と対峙して室堂山・浄土山・龍王岳が聳える。室堂山荘辺りで立山を目指す人たちと離れ南へと折れた。先ずは室堂山(2,668m)に登り少し戻って浄土山北峰(2,831m)を越え浄土山南峰(2,835m’)に達すると一ノ越からの道と合流した。山頂には富山大学立山研究所の施設が建っていた。いよいよダイヤモンドコースだ。先ずは登山道を少し外れて龍王岳(2,872m)に寄り道し山頂に立つと目の前に立山(3,015m)、後立山連峰の針ノ木、槍・穂高など北アルプスの山は手に取るように展望できた。ここから見る目的地の笠ヶ岳は何と遠いことだろう。
こういう登山道からはみ出した山は普通の人はパスしてしまうのだろうが勿体ない! 続いて鬼岳(2,750m)、この山も登山道は巻いており山頂へは岩場を這い登り、沢筋を滑り降りピークを踏んだ。五色ヶ原への稜線は素晴らしく爽快でお花畑を歩いた。花の季節を想像してみると嘸夢の国なのだろう。獅子岳(2,,714m)を越えるとザラ峠へ366mの下降は大きい。此処は嘗てザラザラ峠と呼ばれ羽柴秀吉に対抗する佐々成政が冬期に越えて徳川家康のもとに行ったと云う。当時の装備では並大抵のことではなかっただろう。登り返すと五色ヶ原でなだらかな山麓のお花畑、西側に鷲岳(2,617m)があるが登山道はなくお花畑を踏み荒らすわけにもいかず登頂は断念した。
登山道は草原から稜線に戻り鳶山(2,616m)に到った。安政の地震で山が崩れ立山カルデラに土砂を押し流し土砂ダムを形成、軈てダムが決壊し常願寺川を土石流が走り富山平野に甚大な被害をもたらした大鳶崩れ、小鳶崩れの名残りが西斜面にある。昨年の立山砂防トロッコ見学会に参加したとき立山温泉跡から見たカルデラを今日は俯瞰するので感慨一入。アップダウンは容赦なく続き、越中沢乗越から越中沢岳は235mの登り返し、スゴノ頭(2,431m)は縦走路から50m南に張出し寄り道した。スゴ乗越へは290mの下降で2,145mとなり室堂より300mも標高が下がってしまい登返しにうんざり。しかも登山者は殆どおらず寂しい限り。15:52スゴ乗越小屋に到着し1日目を終えた。年季が入った小屋だが食事は結構好評、宿泊者10人と平日なので空いていた。
2日目(9/17)
昨日午後出たガスもすっかり晴れ今日も快晴、薬師岳、黒部五郎岳へと縦走は続く。薬師岳の前に間山(2,585m)、北薬師(2,900m)が聳え700m近く標高を上げなければならない。2時間20分の歩行で薬師岳(2,926m)に山頂を極めた。2等三角点「薬師ヶ岳」があり展望は良好。昨夜小屋に18時頃到着した室堂で働く男性が直後に登頂してきた。これから室堂に引き返すと云う。薬師岳では昭和38年1月愛知大学山岳部13名の遭難事故が起こった。三八豪雪と云われる大寒波の折次薬師(2,900m’)から東南尾根に入ってしまったことが原因だった。
薬師岳から薬師峠へ下降は大きく632mも下降しなければならない。峠の手前渡渉点の水は美味しかった! 太郎兵衛平から太郎山(2,373m)に立ち寄り、北ノ又岳(2,662m)へと登り返すとはなだらかな高原だで赤木岳(2,622m)に着く頃にガスが出始め展望は無くなってしまった。黒部五郎岳(2,840m)の山頂に着く頃には五郎カールの周りしか見えなくなってしまった。稜線コースを歩き15:00黒部五郎小舎に到着。水も豊富で小屋もきれい、食事も旨い、乾燥室もしっかりしており洗濯ものが良く乾いた。宿泊者は10人と手頃だった。
3日目(9/18)
朝は快晴、笠ヶ岳まで良く見える。向かいは雲ノ平、三俣蓮華への500mの登りから今日の縦走は始まった。まだ7時前だというのに高い山にガスが掛り始め天気の崩れが心配になった。振り向くと三俣小屋から登って来た小父さんがキジ打ち中で山頂の感動が茶色くなりそうで、そそくさと行動再開。双六岳経由の稜線ルートの外にカールコースもあり昨日黒部五郎で出会った神戸の男性が巻き道大好きで双六も三俣蓮華も通らず、太郎平小屋へ行くのに黒部五郎もカールコースから山頂に寄らずに行くと言っていた。私と正反対の考え方、黒部五郎の山頂まで巻くとは何のために山に登っているのやら・・・
崩れかけた天気も双六小屋に着く頃持ち返したが、槍・穂高だけは雲が取れず、時々薄っすらと見える程度だった。笠ヶ岳への稜線は樅沢岳の西側の巻き道から始まり弓折岳(2,592m)を越えると大ノマ乗越の括れがあった。大ノマ岳(2,662m)から秩父平に掛けて西側に美しいカール、東側は険しい山容を示していた。アップダウンはあるが前日に比べれば問題にはならない。抜戸岳(2,813m)は南側で笠新道からの登山道から山頂へルートが付いているのに山頂を巻く人が多く静かに休憩できた。山頂の度に休憩して来たのに13:30には笠ヶ岳山荘に着いてしまった。小屋で緑ノ笠へは行けるかと聞くと「行ける」と云うので行ってみることにした。急斜面を播隆平に降りた。キャンプ場から水場への下降路を降りても水は涸れており下の池まで水はない。岩場を這い降り、踏み跡が微かに付いている緑ノ笠(2,654m)に登り、アルバイトで今日の登頂1山加えた。そして小屋に戻ると裏山がありこの丘が「小笠」と呼ばれているとのことでご挨拶してきた。標高は2,830m位だろう。笠ヶ岳は明日に回しこの日の行動を停止した。小屋の宿泊者は15人程度だった。
4日目(9/19)
遂に天気下り坂、午後から雨の予報、小屋の周りは濃いガスに包まれた。夜明けとともに行動を開始した。最後の山、笠ヶ岳(2,897m)に登ったが山頂も濃いガスで展望無し。小屋に泊まった人は殆どが笠新道での下山だが1パーティーだけ小池新道を下山するとのことで、クリヤ谷コースは私だけだった。途中クリヤノ頭(2,440m)に無理矢理這い登り3時間57分で下山、槍見旅館に立寄り汗を流した。天気が回復しており露天風呂から槍・穂高を望むことができる最高の温泉だった(入浴料\1,000)。中尾温泉口BSからバスで高山に抜け富山経由で帰京した。4日間天候に恵まれまさにダイヤモンドのコースを満喫することができた。
【その後のこと】
平成26年4月1日に日本地理院に於いて山岳標高の変更があり越中沢岳は、2,591mから2,592mに笠ヶ岳は2,897mから2,898mとなった。
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