北アルプスから日本海へ！〜白馬連山栂海新道〜

2016年07月29日(金) 〜 2016年07月31日(日)

• GPS: 56:00
• 距離: 46.3km
• 登り: 3,750m
• 下り: 4,567m

コースタイム

1日目

• 山行: 7:20
• 休憩: 0:50
• 合計: 8:10

7:00 栂池パノラマウェイ 栂池高原駅
7:30 7:30 栂池パノラマウェイ 自然園駅
7:40 7:50 栂池ヒュッテ
8:50 9:00 天狗原の祠
10:00 10:00 乗鞍岳
10:40 11:00 白馬大池山荘
11:50 11:50 船越ノ頭
13:00 13:10 小蓮華山
13:40 13:40 三国境
14:10 14:10 鉱山道分岐
15:10 雪倉岳避難小屋

2日目

• 山行: 11:20
• 休憩: 1:20
• 合計: 12:40

3:20 雪倉岳避難小屋
4:00 4:00 雪倉岳
6:20 6:20 小桜ヶ原
7:50 7:50 朝日岳
8:40 8:40 吹上のコル
9:10 9:10 照葉ノ池
10:00 10:00 アヤメ平
11:00 11:00 黒岩平
11:40 12:00 黒岩山
13:30 13:30 サワガニ山
14:00 14:20 北又の水場
15:10 15:50 犬ヶ岳
16:00 栂海山荘

3日目

• 山行: 8:10
• 休憩: 1:50
• 合計: 10:00

3:20 栂海山荘
4:20 4:20 黄蓮山
5:50 6:00 黄蓮の水場
6:10 6:10 菊石山
6:40 6:50 下駒ヶ岳
7:30 8:00 白鳥山避難小屋
8:40 8:50 シキワリの水場
9:30 9:30 坂田峠
10:10 10:30 尻高山
11:10 11:30 二本松峠
12:50 12:50 親不知 栂海新道登山口
13:00 13:10 親不知観光ホテル
13:20 日本海（親不知）

天候

稜線はガスガスガス。でもお花は全開。

アクセス

利用交通機関：

電車 タクシー

往路：長野駅-定額タクシーにて栂池高原
帰路：親不知観光ホテル-送迎にて親不知駅-糸魚川-上野（makasio)
帰路：糸魚川-金沢-大阪（tamao)

コース状況／危険箇所等

コースに関して：全体を通して危険個所は特にありませんが、犬ヶ岳の頂上付近に細く短い岩稜あり。注意。また栂海新道から泥濘状の道が頻回に出て来る。靴を汚したくなければ街を歩こう。
水場に関して：実際に補給したのは白馬大池山荘のタンク。燕岩手前の湧水、その先の桜ヶ原の沢。黒岩平の沢。北俣の水場の湧水。黄蓮の水場。シキ割の水場。ここに関しては問題なくとることができました。
小屋に関して：雪倉岳避難小屋：朝日岳山荘が管理している。非常にきれいな小屋で中にはトイレも完備されている。ただし、ここは緊急時以外宿泊禁止。外に幕営も禁止である。今回の利用は安易な判断でした。反省しています。
栂海山荘：無人の山小屋。さわがに山岳会が管理している。使用する際には事前に電話連絡し、小屋のポストに協力金2000円を入れる。立派な山小屋で大切に使いたい。トイレは小屋から少し離れたところ。野趣あふれる開放的なキジ場。
ルート図は3日目でバッテリー切れ。手書きに直しました。タイムは大体。歩行タイムについて我々、お花タイムという特殊な時間があります。写真に撮りたいお花を見つけたら納得いくまで撮る。これが何十回とありますので、あまり参考になりません。3日目は体の熱を冷ます休憩も何度かありました。(makasio)

その他周辺情報

親不知観光ホテル：事前に連絡を入れておけば入浴後に親不知駅に送迎してくれる大変登山者に優しいホテル。ひとり1500円。

写真

7/29 6:48

第2回お花サミットは栂海新道。白馬連山から日本海へ！最初は私の冗談でした。ma

7/29 8:52

昨年は大雪渓を歩いたので今年は栂池高原からのスタートにします。ma

7/29 9:23

ミヤマリンドウ。「色、濃いっ！」この言葉これから何十回も出ます。ma

7/29 9:29

ウサギギク。このお花をタンポポと言った人がいたとか、いないとか。ma

7/29 9:30

今回の第1お花畑に遭遇。さて、最初のお花タイム。我々、ザックを放り投げます。ma

7/29 9:27

チングルマいっぱーい ta

7/29 9:30

makasioさんがお花とこんにちわしてます（笑） ta
我ら人間と言うよりイグアナに近い。うちら以外に四足歩行の登山者いなかったと思う。ma

7/29 9:33

ヨツバシオガマ。ma

7/29 9:51

ta

7/29 9:52

タカネバラ。ma

7/29 9:56

ミヤマコゴメグサとイワシャジン。ma

7/29 10:01

乗鞍岳 ta

7/29 10:24

サマニヨモギかオトコヨモギ
どっちか忘れた・・・ ta

7/29 10:25

チングルマ（果穂）ma

7/29 10:23

ta

7/29 10:25

イワオトギリ。ma

7/29 10:27

それを撮るtamaoさん。我々、ほとんど進んでません。ma

7/29 10:25

そう。
イワオトギリに虫さんもいっぱい蜜を吸ってました ta

7/29 10:27

白馬大池。ほんとに大きい。ma

7/29 10:34

ta

7/29 10:36

チングルマのロックガーデン。ma

7/29 10:40

白馬大池山荘。小屋の方に確認したらタンクの水、もらっていいそうです。ma

7/29 10:41

ムカゴトラノオ。こんな群生、初めて見た。ma

7/29 10:41

オニアザミ。ma

7/29 10:55

ガスってますが、小蓮華、行きましょう。ma

7/29 10:59

いいとこだなー
ここに幕営したい誘惑を振り切って出発　ta

7/29 11:12

コマクサはややピークを過ぎたか。されど女王の存在感。ma

7/29 11:20

ぉ、青空！ta

7/29 11:20

あ、鉢ヶ岳、雪倉岳。見えた。ma

7/29 11:29

リンネソウ、昨年tamaoさんに教わった花。ma

7/29 11:39

ムシトリスミレ発見！
わたくしは初見です(勿論大分興奮(笑))ta
見たい花があってよかったね。ちなみにスミレの仲間ではなくタヌキモ科の食虫植物。ma

7/29 11:53

ガス。。ta

7/29 12:28

タカネナデシコ。遠くから見ても存在感あったね。ma

7/29 12:32

ホソバツメクサ　ta

7/29 12:36

ガレ場に咲くミヤマアズマギク　ta

7/29 12:42

イワギキョウはほんとに色が濃かった。ma

7/29 12:43

こんな過酷な場所に咲いてます。高山植物に魅せられる理由のひとつです。ma

7/29 13:01

と思ったら。ma

7/29 13:04

あら。ライチョウ親子が楽しませてくれました。かわいい。ma

7/29 13:05

小蓮華、makasio初登頂。なんにも見えず―。ma

7/29 13:47

ライチョウがいるってことは、今日はガスかー。ma

7/29 14:19

ぉ、ガスがとれるかな？！ta

7/29 14:22

と思ったら、やったー。晴れたー。ma

7/29 14:24

ウルップソウ、残ってました。ma

7/29 14:25

アオノツガザクラ。ma

7/29 14:31

さて、いくぞー。次のお花ポイントへ！ma

7/29 14:36

タカネマツムシソウ。今までのタカネマツムシソウの概念を覆されました。ma

7/29 14:37

花が大振りで濃い―。ma

7/29 14:37

これはtamaoさんも興奮状態に。すげー真剣。ma

ぃやぃや、お花と戯れてるんです(笑)　ta

7/29 14:38

さっき、歩いてたところに人が歩いてるよー。ma

7/29 14:39

嗚呼、ここは天国か。ma

7/29 15:02

ta

7/29 15:05

タカネマツムシソウと蜂さんの可愛いお尻　ta

7/29 15:06

イブキトラノオもそこかしこで　ta

7/29 15:07

花は終わってますが、気を付けないとウルップソウ、踏みます。ma

7/29 15:10

あ、また来たー。ma

7/29 15:11

さっきの奴らだ―。ぴょこぴょこ歩いてる。ma

7/29 15:09

親子　ta

7/29 15:09

雛かわいすぎ！ta

7/29 15:11

ライチョウよ、でも、できれば晴れてほしい。ma

7/29 15:11

ミヤマウイキョウ。葉っぱがアスパラっぽい。ma

7/29 15:26

クルマユリ。ma

7/29 15:27

お花畑ありまくり。避難小屋の到着予定時間から大きく遅れています。（笑）ma

7/29 16:00

カライトソウ。ma

7/29 16:00

ハクサンシャジン。ma

7/29 16:01

雪倉岳避難小屋、とーちゃく！ta

7/29 17:43

makasioさんお手製のカレーと春雨サラダ。
おいしゅうございました　ta
今回はタイ料理。家であいびきのひき肉、セロリ、玉ねぎ、にんじんを炒め、塩胡椒、オイスターソースで味付けしたものを凍らせてパック、それにタイのカレーペーストで料理。サラダはヤムウンセンです。ma

7/29 17:45

tamaoさん、ごはん、上手に炊けてるよー。生ハムサラダも美味。ma

7/29 18:31

あ、ガス飛んだ。PENTAX持って花を探し出す一行。ma

7/29 18:37

tamaoさんが見つけたミヤマアケボノソウ。ma

7/29 18:40

これはイワオウギ。タイツリオウギ、シロウマオウギもあったと思います。ma

7/29 18:41

タカネコウリンカ。この花はここだけだった。ma

7/29 18:42

イブキジャコウソウ。これ以外にも10種類以上周辺にあります。ma

7/29 18:44

ta

7/29 18:46

さっきは見えなかったけど、雪倉岳の麓に建ってるんですね　ta

7/29 18:55

シコタンソウ。この小屋が何故、宿泊禁止と言われているのかようやくわかりました。周辺が貴重な高山植物帯なんです。ma

7/30 2:43

翌朝、レーズン入りのパンケーキを作り食べました。一緒に泊まった単独の女性と別れます。ma

7/30 3:56

雪倉岳

7/30 3:56

今日は快晴かな？　ta

7/30 4:20

もしや雲海まで楽しめちゃうかも？　ta
期待したよね。ma

7/30 4:38

夜明けのお花畑　ta

7/30 4:47

雪倉岳方面　ta

7/30 4:52

単独の方は我々と同じ日程で同じコース。お歳は70歳と後で知りました。朝日小屋の宿泊を勧めました。ma

7/30 5:17

朝から花談義。ma

7/30 5:22

シロウマアサツキ。ma

7/30 5:18

同じく　ta

7/30 5:54

ta

7/30 5:57

燕岩。この手前、燕平に湧水がありました。ma

7/30 6:12

ta

7/30 6:20

桜ヶ原。ちいさな尾瀬のよう。ma

7/30 6:54

早朝の期待も空しくガス突入　ta

7/30 7:44

汗だく、虫だくで山頂。tamaoさんマンゴーの缶詰、美味しかったー。ma

7/30 8:00

7/30 8:01

雪渓あるところにハクサンコザクラあり。ma

7/30 7:59

雨露がまたよい感じ　ta

7/30 8:12

お、またガス飛んだー。ma

7/30 8:19

急に元気になるtamaoさん。気持ちはよくわかります。ma

7/30 8:19

ミネウスユキソウ　ta

7/30 8:27

ミヤマウツボグサ。ma

7/30 8:43

またタカネマツムシソウ
これは陽を浴びてキラキラしてるバージョン(笑)　ta

7/30 8:44

ta

7/30 8:44

シモツケソウ　ta

7/30 8:45

タカネシオガマ。ma

7/30 8:46

イワシモツケ。ma

7/30 8:47

ミネウスユキソウ。ma

7/30 8:52

日本海⇒と書いてある。気合入る。ma

7/30 8:52

吹上のコル。朝日岳見えた。山頂降りるとガス取れる説。ma

7/30 9:06

池糖もたくさんある　ta

7/30 9:10

ta

7/30 9:15

ニッコウキスゲ。ma

7/30 9:31

ミヤマムラサキ。道端にもたくさん生えてます。。ma

7/30 9:38

これより国指定特別記念物白馬高山植物帯に入ります。ma

7/30 9:54

ヒオウギアヤメ。ta

7/30 9:57

アヤメ平を行く一行。ma

7/30 10:09

キンコウカ。ma

7/30 10:43

残っていたキヌガサソウ。広島の鉄人で思い出した。ma

7/30 13:38

痩せ尾根を行くtamaoさん。ma

7/30 14:03

しっかり出てます。冷たくて美味しい。ma

7/30 14:42

ラスボス犬ヶ岳。最後登り応えのありそな山で喜ぶ私。ma

7/30 15:09

山頂ガスってたー。しかしえらかったー。二人でお昼寝タイム。ma

7/30 17:26

大阪の先客、4名。単独の男性。そしてあの70歳のお母さん、軽々と13時間歩いてきたー（驚愕）。さあ、宴だ―っ。ma

7/30 17:59

カフェメニューみたいな料理。
名前は難しくて忘れたけど美味でした！ta

7/30 18:00

小屋に泊まった全員でわいわい山談義。
山の醍醐味　ta

7/31 4:18

三日目　ta

7/31 5:02

最終日。今日はいよいよ海へ。なんてまだ考えられない。まるで嘘みたい。ma

7/31 5:15

気持ちのいい尾根歩き(初めは)　ta

7/31 5:15

時折風が抜ける場所が。
気持ちよすぎてしばし立ち止まる　ta

7/31 5:18

白鳥山までは下山ではなく、幾つもの山を越える道　ta

7/31 6:11

この地層はとても古く恐竜の化石が出る可能性もあるんだって。そういうえばここはフォッサマグナ帯。ma

7/31 6:23

アオダモかな　ta

7/31 6:53

雪の重さで一度曲がってから立ち上がる雪国弩根性ブナ。ma

7/31 6:54

青が涼やか　ta

7/31 7:01

もうアルプスっていうより丹沢的な感じ　ta

7/31 7:17

水、出てました。美味しかったよね。ma

7/31 7:30

着いたー(汗）。ma

7/31 7:35

はしごを登ると犬ヶ岳が見えました。ma

7/31 7:42

そして振り返るとようやく確認できました。日本海です。ma

7/31 9:24

調べました。アリドオシランと思いましたが、これはオオハクウンランという野生ランでした。すごいの見た。ma

7/31 9:34

ta
坂田峠、泊が栄えたとき、この峠を人力車に乗って芸者さんが往復したそうです。ma

7/31 10:14

尻高山。ここまでえらい疲れたー。ma

熱冷まシート欲しかった。。　ta

7/31 11:00

標高も下がり杉も出てくるようになる。ma

7/31 11:40

最後のご褒美のようでした。ナツエビネ。最後までお花さま、ありがとー。ma

これには二人ともテンションアップ。最後までなんかあるもんだ。　ta

7/31 13:00

来た。でも海、どうやって降りるの？ma

7/31 13:00

親不知観光ホテルで聞きました。あとでお風呂入りまーす。ma

7/31 13:21

ホテルの脇を降りると古いレンガのトンネル。天然クーラー。涼しいー。ma

7/31 13:22

そして。ma

7/31 13:24

やったー。

7/31 13:26

やりましたー。なかなかのエンディングじゃない？これ。ma

7/31 13:33

tamaoさん、よく頑張ったね。俺も。（笑）ma

7/31 13:45

tamaちゃん、3日間お疲れー。ありがとー。またねー。ma

こちらこそ楽しい3日間でした！ありがとう！　ta

撮影機器：

PENTAX K-5 ペンタックス

PENTAX K-5 II ペンタックス

装備

個人装備

長袖シャツ Tシャツ タイツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 着替え 靴 サンダル ザック ザックカバー 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図（地形図） コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ストック ナイフ カメラ ポール テントマット シェラフ 小説 ipod 植物図鑑

感想

tamao

またお花サミットしようとmakasioさんからお誘いを頂き、白馬が候補にあがりました。
栂池新道は全く想定していませんでしたが、ちらっと名前が上がって一気にその気に(笑)。

しかし長いといわれるだけあってほんと長い。
しかも北アなのに、2日目後半から3日目はほぼ近所の山の風景プラスαという感じ（それでも珍しいお花にに出会え、一筋縄ではいかないエリアですが）。
その分、海に到着したときは感動ひとしお。
道中すれ違う（＝海から来ている）オーラが半端ない強者の方々には
栂池新道は海からが正規ルートだ！って言われましたが、以前やったゼロ富士と比較して、
海に到着する方がいつもと違う感があって良い気もします（単に言い訳・・・(笑)）。

肝心のお花ですが、さすが日本が誇る花の名山！！
これまで歩いたことのある猿倉〜栂池、天狗山荘方面ともまた全然違う様相でした。
特に雪倉岳〜朝日岳（この間の前後含む）周辺は圧巻の百花繚乱。
なんで珍しいミヤマムラサキやアズマギクたちが何でもない顔でそこら中咲いてる？？とか
コマクサって他の植物と共生できるのね！？とか
あれ、この花はもうちょっと水を好むんじゃなかったっけ（岩場に咲いてる）、などなど。
これまでの概念を覆すお花畑たちが強烈な印象でした。
峰々の緑や雰囲気も他の山域とはどことなく違い、いろいろな魅力がつまったエリアです。

makasioさん、想定していなかったルートに誘ってくれてありがとう(笑)。
おいしいカフェご飯もマニアックな花談義も楽しかったです。

ちょっと頑張った感がある初めての道。
最近ゆるゆるに傾きがちだから、久々のがっつり山行に満足です（笑)。

makasio

まず、はじめに。
雪倉岳避難小屋の利用は緊急時以外禁止されています。今回の利用は安易な判断でした。反省しています。詳しくは日記をご覧ください。
http://www.yamareco.com/modules/diary/edit.php

【感想】
午前1時。栂海山荘の屋根から落ちる雨の音で目が覚めた。
嘘。雨？ここまで2日間、本格的な雨にこそ降られなかったものの、栂池高原からガスの稜線を我慢しながらも歩いてきた。花目当てだったので景色も見たいなんて贅沢な話だが、最後は快晴の日本海へ降りたかった。恐る恐る屋根裏の窓を開けると、あっけにとられた。雨はすっかり止んでいた。空には星が見える。よく見ると灯台の灯りのようなものが遠くに見えた。日本海だ。本当に来た。
栂海新道。北アルプス白馬連山から海へダイレクトに繋がるルート。今年もtamaoさんと花を見に行きたいと思い誘ったが、栂海新道は当初、予定には無かった。だが3連休が取れることになると、もうこっそり調べ始めた。栂海新道は花のルートでもあった。国定の高山植物帯があり、雪倉岳や朝日岳にも花畑がありそうだった。その妄想の通り、今回の道中も、途切れなく花があった。道端に花後のウルップソウや小さなミヤマムラサキがそこら中に顔を出していた。広大な尾瀬のような湿地帯もあり、池塘なども点在していた。ガスの多い山行だったが、晴れ間も時折あり、その瞬間瞬間に感動した。なだらかな稜線は穂高連峰の稜線のそれとは異なり、東北や北海道の山すら連想させた。この山の稜線が日本海まで下っているとは！2日目の12時間半の行程が核心だと思ったが、本当の核心は最終日の低山縦走だった。暑い。暑い。喉が渇く。ブナに額を当て体内の熱を下げた。二本松で大きな杉の木にもたれかかった。かすかに吹く峠の風が心地よかった。雪解けの冷たい湧水がこの上なく美味しい。正直、今回、体力的な不安もあったが、なんとか乗り越えてきた。それもtamaoさんの力が大きいと思った。花に関しては完全に独りの世界だったが、共有する花友が傍にいることはうれしかった。おぼろげだった海の色が空の色と区別できるようになってくると、栂海新道の登山口はもうすぐだった。親不知観光ホテルの駐車場の階段を降りると、そこにはキラキラと輝く透き通る海があった。あの荒れ狂う親不知の海が、今は穏やかに足元に波を寄せていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい。

追記：tamaoさん、3日間、本当にお疲れ様でした。ありがとー。また、花旅しましょー。(makasio)

コメント

daiz

お疲れ様でした
素敵なお花の写真を堪能させていただきました
お花の名前も書かれているので、とても勉強になりました
ありがとうございます。

栂海新道、長いですねよね〜
でもお花を見ながらなら、それほど辛くないのかも？
（私が歩いた時は土砂降りで苦行としか思えませんでしたが。。。）

今後も素敵な山行記録をよろしくお願い致します。

makasio

Re: お疲れ様でした
daizさん、こんにちは。(^^)
お花山行でした。tamaoさん、花マニアだけあって詳しいです。写真も上手いし。
最後、海に降りたときはやっぱり感動しました♪ただ、驚いたことに海から北アルプスに上がる方々が半数くらいいました。daizさんなら分かってくれると思いますが、私、メラメラと燃えるものがありました。次回は親不知からやってみたいと思います。お花を見ながら。

tamao

Re: お疲れ様でした
daizさん、お久しぶりです〜。

土砂降りの栂海新道なんて考えただけでぞっとします(笑)。
お花みながらでもやっぱり長いもんは長いですよね。makacioさんと話しながらなのでなんとか歩けたようなものでしょうか。

栂海新道は強者があつまるのか、猿倉から海まで一日で抜けるパーティーや、海から一日で朝陽岳小屋(テント装備で)まで行くパーティーやら、人間じゃない！って言いたくなる人たちにびっくりしました。

栂海新道はもういいけど、雪倉岳付近はまた行ってみたいです。