椹島、赤石岳、百間洞、兎岳、聖岳、茶臼、横窪


- GPS
- 51:15
- 距離
- 80.9km
- 登り
- 6,709m
- 下り
- 6,823m
コースタイム
- 山行
- 9:06
- 休憩
- 2:27
- 合計
- 11:33
- 山行
- 9:55
- 休憩
- 2:23
- 合計
- 12:18
天候 | ガス&晴 夜半に一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
茶臼小屋から畑薙ダムへの下りは滑落に注意です |
その他周辺情報 | 下山後は、定番?の白樺荘で温泉。 これを逃すと、1時間ばかりはしった川根温泉となります。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
---|
感想
3年ぶりに畑薙ダムに来た。お盆の真っ只中のためか、臨時駐車場はほぼ満車。あふれた車が路肩に止まっている。ダメかな?と半分諦めながら車を降りて空きスペースを探してみると、臨時駐車場に1台だけぽっかりと空きがあった。
6時半の臨時バスに乗ろうと急いで朝食をかきこんでバス待ちの列に並んだけれど、2台のバスは我々を乗せることなく出発してしまった。仕方がないから7時半の通常便を待つ。近くにいた地元の方と話すと、ここまで混んでいるのは珍しいとのこと。
8時半過ぎに椹島に到着。変わらず、のどかで、広々としていて、思わず滞在したくなるけれど、振り切って歩き出す。赤石方面へはいきなり階段から始まる急登。3年前はここに降りてきた。下山は下山でしんどかった記憶が戻ってくる。
5分の1、5分の2などと、だいたい30分おきぐらいに看板が出てくるので、それを目安にペースを刻む。本日、同行者の方が非常にペースが遅い。置いていくわけにいかないので、のんびり歩く。
4時間半ほどかかって赤石小屋に到着。
へろへろしていた同行者の方はギブアップということ。ここに宿泊して翌日に赤石岳に登ったあと椹島に下山することをすすめる。椹島に一泊し、翌朝7時45分発のバスに乗れば、畑薙ダムに8時45分着。それまでに、私がぐるっと周遊してこれば、同じくらいの時間に下山して合流できるはず。
ということで、友人と別れ、赤石岳に一人向かう。赤石小屋から富士見平まで一息に登って、そこからもさらに急登。登りはペースさえ乱さなければどんどん進むので、好きだ。以前きた時は、二軒小屋から荒川岳を周った最終日だったこともあり、長い下りに本当にやられた。
それに比べて本日は快晴。テンポよく登っていく。16時過ぎに赤石岳避難小屋に到着した。
途中、すれ違った人に「避難小屋はいっぱいみたいだよ」と聞いていたけれど、小屋番さんに聞くと「大丈夫だよ」とのこと。人もそれほどいない。暖かい小屋に入ったら気持ちがぐらぐらしてきたけれど、当初目的地の百間洞を目指すことにした。どれぐらい時間がかかるか訊ねると、「あんたの足なら1時間で走っていけぃ!」などという軽妙な答えが返ってきた。
はい、わかりました、走ってみましょう。
ということで1時間は難しかったけれど、5時半ちょうどに百間洞についた。途中で、学生さん風単独行者と女子二人組を抜かした。誰にも会わないよりも、誰かにすれ違うだけでも力になる。
百間洞ではテント泊の予定だったけれど、夜半に雨が降るということだったので小屋泊に変更。トンカツの時間も過ぎていたので素泊まり。入り口に去年までここで働いていたという方に出会った。
小屋の中は暖かい。長袖シャツに着替えて自炊。ラーメンと出し巻き卵と、おにぎり。
ご飯を食べながら明日の予定を考えた。
きた道を戻って赤石岳から椹島に下山すれば、ちょうど赤石小屋で別れた友人と合流できる。7時間から8時間ぐらいのコースだ。ビールを飲みながら一瞬それもいいな、なんて思ったけれど一時の迷い。当初コースを行くことにして寝る。
寝る前に天気を見に受付に行ってみると、手をぱっくり切ったという人がいた。どこかで転んで岩塊で切ったというようなことを話していた。自分は単独なので、こういうことにならないように細心の注意をはらおう。
翌日、4時に目覚ましをセットしてあったけれど、周りのガサガサ音で3時半に目覚める。体が目覚めていないので、だらだらと自炊場に行って、クノールのパスタスープと、カフェオレとパンを食べたら体が目覚めてきた。暖かいものは体を元気にしてくれる。
外に少し出てみると、小雨が降っている。やだなぁ、やだなぁ、と思いながら準備をして5時15分に出発。
百間洞から稜線にでるまで30分ほど、レインウェアを着て一気に登ったけれど、気がつけば太陽も出てきた。だらだらと汗が出てきたので一息ついたところで雨具を脱いだ。登りで追い抜いた女子二人組の方と大沢岳に登るか否かを少し話した。
自分は時間がないから残念だけど登らない、なんて言いながら、いざ大沢岳へのピストン分岐点に着くと、やっぱり勿体無い!というMOTTAI-NAI精神が変に湧き上がった。往復40分ぐらいということだったから、空身で行けば半分くらいだろう。10分で山頂についたけれど、ちょうどガスが来て何も見えない。
大沢岳からの下りで、先ほどの女子二人組のうち1人さんとすれ違った。もう一人の方は、分岐点で待っておられた。体力考えていかない、と言われていたので自分のことがよくわかった適切な方だなぁと思った。それに比べて自分は、行かないと言っておきながら我慢できなくなってその場の勢いだけで行動、憤死というパターン(この後も繰り返すのだが・・・)、ダメだなぁ計画性がなくて、などと猛省しながら歩いているうちに、30分ほどで中盛丸山に到着。ま、いいか。
中盛丸山はすごくこんもりとしたかわいらしい形をした山。
そこから下って、また登ると小兎岳。途中、富士山が見えた。
そして、また下って登ると兎岳。兎だけの山頂はまぁまぁ賑わっていた。時刻は9時過ぎ。なかなかいいペースで来れているように思う。
兎岳に登っている最中から左手に大きなキレットが見えて、その先に聖岳がそびえている。あのキレットを下って登り返すのか、とちょっと暗い気持ちになる。
赤石〜兎〜聖って、これほどまでにアップダウンをするとは思っていなかった。地図ではみていたけれど、ちょっと舐めていました。
とはいってもエスケープルートもないので、兎岳からぐわっと降る。途中、兎岳避難小屋があったので覗いてみる。地図に「荒廃」と書かれていたけれど、なかなかちゃんとした岩屋。
30分ほど下って、ここから一気に3000メートルの高さまで登る。高低差300メートルほどだけれど、水平距離がないので斜度がきつい。テント担いだ体が後ろに持っていかれそうで怖い。とにかく立ち止まらず、一歩一歩登って行ったら11時過ぎに聖岳山頂についた。
以前、聖〜光と歩いた時は、ガスガスガスの山頂で滞在時間わずか3分といったところだったが、今回はみごとな快晴。赤石岳がはっきりと見えるし、奥聖岳も見える。
のんびりとした山頂でおにぎりを食べながら、この先もまだまだ長いからさっと食べて先を急がないと!(なにせ、茶臼まであと5時間ぐらい歩かなければならない)などと案じていたのだけれど、食べ終わってみると、空身で奥聖ピストンをしている私がいる。
大沢岳の猛省はなんらいかされることなく、それどころかわずか3時間ぐらい後に同じようなことをやらかしている始末。でも、誰もいない奥聖の山頂はすがすがしい場所でありました。
そうして、11時半ぐらいに聖岳を降りる。聖平まで1時間半ほど。ガスガスになってきたので、小聖、薊畑とさっと通過。
1時ちょっと過ぎに聖平小屋についた。相変わらず広々とした美しいところ。名物のフルーツポンチをいただく。百間洞から水場がなかったので、少し脱水気味。ここでがぶ飲みしておいた。
お盆のためか、ジュース類は全て売り切れだった。
少しの間、ぼんやりとテント場を眺めていた。4年前、易老渡からここにテントを担いで登ったなぁ、あの時は奥さんがいたなぁ、今は一人だなぁ、などと考えた。そうしてその後、二人で光まで縦走した。今からは一人で同じ道を茶臼まで辿るわけだ。単独行は寂しいなぁ。
などと文章にしてみると稚拙なため妻と離別したかのようだけれど、ただ今回は妻を家に置いて友人とやってきただけの話。その友人も赤石小屋でサラバしたのだが。
そんな風にぼんやりしていると、小兎岳山頂で一緒になった、若者+老人(祖父と孫だろうか)が聖平小屋にやってきた。きけば、今から椹島に降りるということ。確かに聖平から椹島に降りられる。そうすれば友人と合流できるな、などと再びそんな考えが頭をよぎったけれど、すぐに消失した。
時刻は1時半過ぎ。茶臼小屋まで標準タイムで3時間半ぐらいだから、5時までには到着できるだろう。
聖平からはたまにトラバースしながら南岳まで登り。ガスがかかったり、晴れたり。南アルプス特有の森の雰囲気を楽しみながら、のんびりと歩いた。兎〜聖とは違って、どこにも危険箇所はない。
南岳から上河内岳へは少し風が強かった。上河内岳は、鞍部からピストンできるのだが、分岐点の雰囲気を記憶違いしていて、そのまま間違えて荷物を背負ったまま登ってしまった。仕方なく降りる。ただでさえ時間がないロングルートなのに、またしても変な寄り道をしてしまった。しかも今度は勘違いで。大沢岳、奥聖岳、上河内岳と踏まなくていいピークを3つやってしまったことで、合わせて1時間ほど使っている。ま、いいか。
茶臼小屋についたのは4時過ぎ。途中、上河内のそばで会った方は、これから聖平に向かうという3時くらいだったけれど、無事についたかしらん? 飴をあげます、と言ってくれたけれど断ってしまった。
茶臼小屋のテント場が混んでいたので、小屋番の人に横窪までどれくらいか、と聞くと「兄さんの脚なら1時間かからないよ」などと言われたため、更に下ることを決意した。しかしながら、小屋番の人はどんな判断基準なのだろう?
茶臼から横窪の下りは確かに1時間ちょうどだった。しかしながら、かなりの急坂。けっこうなスピードで駆け下りたけれど、山渓オンラインの標準タイム1時間10分はちょっと間違いだと思う。山と高原社の地図だと、1時間45分になっている。ほとんど走って1時間ちょうどだから、帰ったらヤマケイに教えてあげよう、なんて考えながら下った。5時半ちょうどに着いた。朝から数えて12時間くらい行動したことになる。
横窪沢小屋は、その名の通り沢沿いの美しいところ。テントも3張りほど。
ラムネを飲みながら小屋番の人と話した。百間洞から来たというと驚かれた。ちょうど、トランスジャパンアルプスレースの直後で、みんなここを通過したそうだ。
テントを張ってから、小屋の前でカレーライスと豚汁を作って食べていると雨が降ってきた。あらら、と思ってテントに戻ってコーヒーを作る。うっかり水をテント内でこぼしてしまった。
雨は小雨で降ったりやんだり。短パンにTシャツでちょうどいい暑さ。ごろりと横になっていたら、寝てしまった。夜中に寒くて寝袋にくるまると、まだ雨の音が少ししていた。
翌朝、4時の目覚ましで起きて、豚汁とカフェオレとパンの朝食。雨はやんだけれど、フライシートが濡れているなぁ、テントたたむのめんどくさいなぁ、などとしているうちに出発が5時45分になってしまった。
横窪からウソッコ沢小屋までは40分。かなりきつい下りがあったり、沢沿いの崖っぷちをトラバースしたり、吊り橋があったりスリリング。
ウソッコ沢を過ぎると、登ってくる人と結構すれ違う。道は相変わらず悪い。ガレや砂っぽいトラバース道だけれど、斜面にへばりつくように細い道があるだけなので、滑落しそうで怖いところがいくつもある。ヤレヤレ峠に登り返して、そこから一下りしたら、畑薙大吊り橋についた。7時45分だから、横窪から2時間ほど。
吊り橋を渡って林道を歩けば、椹島7時45分発のバスが畑薙臨時駐車場に着く8時45分ぴったりじゃないですか! 友人と合流を定刻で果たせるわけだ。これだけのロングコースで時間通りになったことにちょっと感動。
と、気が緩んで畑薙大吊り橋で記念撮影を楽しんでいたら林道を歩き始める時間が少し遅くなって、ゲートのところでバスに追い越された。ちょうど、ゲート番のおじちゃんに「バスはきました?」と聞いていたこところにバスがやってきた。
バスの窓はスモークガラスで中に友人が乗っているかよく見えなかったため、中を覗き込んでいたら「あの人、相当乗りたいんだね」みたいにバス内でざわついていたそうだ。乗っていた友人に後から聞いた。したがって、友人は私のことを他人のふりをしていたそうだ。汗だくになったので、畑薙大吊り橋以降、上半身裸で歩いていたから、こんな変な奴の知り合いと思われたくなかったのだろう。
バスに追い越されて、再び林道を歩く。ダムを過ぎて、臨時駐車場まで後少しというところで、友人が車でピックアップをしに来てくれた。
たまには機転が利くようだ。
帰りに白樺荘で湯に浸かった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する