小学4年の倅を連れて山小屋泊りで千畳敷から宝剣岳、木曽駒ケ岳に登った。
この頃、ひょろひょろと急に手足の長くなり始めた倅は、初めてのコースなのにもかかわらず、私の前を小走りに歩き、後から来る私を待つようになっていた。
山に対する興味も深まって、山歩きの身のこなしも見ていて安心できるようになり、私はこれからの子連れ登山を楽しみにしていた。
翌年の早春、急に背の伸びた倅を、残雪の山に誘った。
氷雪の道具を買い与え、使い方を教えながら登りたかったのである。
だが倅は友人と一緒にハイキングをするからと同行を断った。
そしてその後、私の山登りに同行することはなかった。
倅の登山の親離れであったのだ。
幼稚園児から親に連れられて登ってきた子連れ登山の卒業だったのである。
私の子離れが少し遅かっただけなのだ。
寂しくもあったが、友人同士のハイキングでリーダー的役割と聞いて嬉しくもあった。
一昨年の秋、約30年ぶりに倅と一緒に越前岳に登った。
十里木高原駐車場から大きな富士山を背負うように登るのだが、昔二人で宝剣、木曽駒に登ったときのように倅は先に立って、今度は私を気遣ってゆっくりと歩いてくれた。
私は息を切らせて歩きながら、これは私の子連れ登山ではなく倅の親連れ登山なのだと思い、苦笑いを隠すことが出来なかった。
立ち止まって待つ倅に、照れ隠しに後ろを振り返ると、巨大な富士山が美しくも頼もしく座っていた。ainakaren
*子連れ山行記録「奥日光・刈込湖、切込湖から高徳牧場」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-120493.html
ウーム、素晴らしい!の一言です・・・
dari88さん、今晩は。
コメントありがとう御座います。
父と息子は、何とも微妙な間柄ですね。
気になる事があると、未だに山の神を介して訊いたりしています。
もう子連れ登山は出来ませんから、少しでも早く孫連れ登山を楽しみたい。
今、5歳と2歳ですからもう少しだと思います。
でも、倅にとっては子連れ親連れ登山で重荷になってしまうのでしょうか。ren
こんにちは。
私も倅さんと同年代の1972年生まれです。
昔を思い出しました。
ただボクの場合は逆で、現在では親父はもちろんオフクロさんにも遅れを取り、ひぃひぃ言いながらついて行くのがやっとで苦笑いです。
両親が健在で達者なのは幸せでありますが、息子も少しは頑張らねば!と思っております。
countryboyさん、こんばんは。
ご両親、ご健在、しかもすこぶるお元気なご様子、喜ばしい事です。
やはり、ご幼少時からの子連れ登山だったのでしょうね。
私はもう息切れで若い人にはどうしてもかないません。
倅は車が趣味となって、登山が趣味にならず、時々ハイキングをする程度です。
それでも同じペースでは登れません。
老いが進んでいるのです。
寂しいですが不満はありません。
今まで充分に山を楽しませてもらい、想い出を沢山貰いました。
楽しかったです。ren
いつもいつも「拍手」ありがとうございます。
いつの日かやってくる、この日を心のどこかで怯えながら、1座1座を噛み締めながら楽しんでおります。
「私は息を切らせて歩きながら、これは私の子連れ登山ではなく倅の親連れ登山なのだと思い、苦笑いを隠すことが出来なかった。
立ち止まって待つ倅に、照れ隠しに後ろを振り返ると、巨大な富士山が美しくも頼もしく座っていた。」
大変に素晴らしい特別な出来事であり、そしてまた、誰にでもやってくる当たり前のことなんでしょう。
この瞬間を、楽しみに、今週もまた娘と歩いてきたいと思います。
これからもご声援よろしお願い申し上げます。
rxv11051さん、こんにちは。
コメント深謝です。
子供さんとの貴重な時間が、よき思い出になりますように願っています。
ご無事な安全登山を、お祈りしています。ren
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