不帰の嶮から日本海まで 北アルプス 唐松岳−栂海新道
- GPS
- 104:00
- 距離
- 51.5km
- 登り
- 3,615m
- 下り
- 5,378m
コースタイム
- 山行
- 6:36
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 6:49
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 6:23
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 6:50
- 山行
- 6:53
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 7:33
天候 | 9/2は東京は久々の秋晴れになったが、白馬村では薄曇り、稜線上ではガス、それが時々切れて唐松岳山頂が見える。 9/3:朝は晴れ唐松岳山頂からは剣岳、水晶岳、槍ヶ岳穂高まで遠望できた。徐々に雲が湧きだし、昼過ぎからはガスとなる。 9/4:早朝からガスだが上空は薄曇り、白馬岳山頂ではぼんやり太陽の光も。高度を下げ三国境あたりからは雲からでて日も差す。昼前には全て曇天午後には雨が降り出す。夜にはかなりの強雨。 9/5:朝から一日雨。午後後半からは雨脚が弱まる。 9/6:夜明け前は満天の星空もあったが、徐々に雲が出て全体的に曇り。親不知まで下ると晴れ。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
9/2:八方尾根のゴンドラとリフトの上の八方尾根の道は非常に整備されており、傾斜も比較的緩やかなのでCTよりも早めに歩けました。八方池山荘から唐松岳頂上山荘まで約2時間。 9/3:不帰のキレットは唐松側からは二峰の下りが難路で、クサリを活用して足元のステップを確実に通過が必要です。雨の日は非常に滑りやすく何倍にも危険度があがります。私は雨では絶対に通りたくないところが一か所程ありました。天狗の頭まではひたすら登りですが、特に危険個所はなかったように思います。天狗の頭からは稜線上の展望のある道を楽しく歩けます。ただし白馬三山それぞれの間は必ずかなり下りその分登りますので、キレットを越えてきた足にはだんだんとこたえます。 9/4:白馬岳から雪倉岳までは稜線上の展望の効く道が素晴らしい。ただし三国境下鞍部から雪倉岳までは強風地帯なので要注意。雪倉岳から朝日小屋までは樹林帯の展望の効かない蒸し暑い道を行きます。泥濘路もあり。特に水平道は尾根の高巻が5−6回あるので意外と疲労します。雪倉岳から朝日小屋間で熊の糞が2か所あり、このあたりから熊スズ付けてもよいでしょう。 9/5:黒岩平手前から黒岩山、さわがに山まで池塘・湿原の中を縫う美しい道ですが、泥濘路、木道がずっと続くのでスリップ注意。雨が強い場合、道が川になるので水漏れのない万全の靴、スパッツなど対応が必須です。 9/6:普段でもかなりの距離が泥濘路ですので、前日記載の足固めが必要です。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
シェラフ
ヘルメット
|
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感想
北アルプス南北縦走の3セクション目として、前回下山の唐松岳から不帰の嶮(キレット)白馬、朝日岳、栂海新道を経由して親不知まで歩きました。
9/2(火)
この日は唐松岳の稜線まででしたので、新宿発7:30のあずさ3号で白馬まで行き、そのあとゴンドラ、リフトを乗りついで八方池山荘まで機械をフルに活用。整備された八方尾根をグイグイと登ると2:30過ぎには山荘に到着できました。よく考えると本当に便利になっていますね。午後は山荘から唐松岳頂上が見えたり見えなかったりで、山荘の食堂でビールを飲みながら景色を眺めていました。
9/3(水)
不帰の嶮を通過するので早目に山荘を出発。6時の唐松岳山頂到着前にヘリの荷揚げが山荘に到着していました。朝方は晴天で、頂上から槍ヶ岳・穂高まで見渡せて、今まで歩いてきた距離を実感できました。不帰の嶮は2峰からの下りが難路となり、クサリにつかまりながらかなり緊張して通過しました。このあたりでクマの糞もありました。1峰の上空ではイワツバメが群れとなって鳴き交わしていました。そろそろ渡りの準備かもしれません。天狗の頭付近ではトウヤクリンドウが多数咲いていました。もう稜線は秋ですね。白馬鑓が岳の山頂ころから雲の湧きだしが加速して、剣などの頂上は雲に隠れ、杓子岳山頂ではすでにガスで展望はありませんでした。白馬三山の間は必ず一度下ってから登り返すので、キレットを通過してきた足にはかなりこたえます。白馬岳の村営宿舎はお客さんが非常に少なく、一人で一部屋貸切でした。
9/4(木)
白馬岳山頂は雲の中で周囲は何も見えずがっかり。三国境までくだると雲から出て日も差すようになりました。これから歩く雪倉岳までの稜線が見渡せて気分が高揚します。三国境下りからコルを越した雪倉岳避難小屋まで風の通り道でかなり強かったです。また避難小屋はきれいに使われていました。雪倉岳山頂ではグルッと周囲が見渡せてよい景色でしたが、剣や白馬岳の頂上部分のみ雲の中でした。またここで唯一の女性の登山者(白馬からのピストン)に会いました。朝日岳手前の小桜が原は湿原と木道が美しいところでした。水平道は上り下りでかなり疲れることをほかのレポートで見ましたが、尾根を横後る際の高巻が5回ほどでした。雪倉岳から朝日小屋までの間でクマの糞が2か所ありましたので、このあたりから熊スズを使った方が良いようです。朝日小屋は内装工事中で旧自然管理センターの小屋で泊まり、食事は朝日小屋でした。食事が美味しかったですよ。
9/5(金)
前夜からの大雨で心が折れそうでしたが、何とか栂海新道に出発。強雨の中、川の様な登山道をザブザブもくもくと歩きました。黒岩平周辺から池塘・湿原が美しく好天であったらどんなに素晴らしかっただろうかと思います。黒岩平で親不知から登りの登山者1名に会いましたがこの日はこの方だけでした。黒岩山からサワガニ山までの稜線上の道はよく払われていて歩きやすく晴れていればかなりの展望の良い道だと思います。栂海山荘では朝日小屋からの5名組と白鳥小屋から来た青年1名の合計7名でゆったりと泊まれました。
9/6(土)
山荘前で日の出を見て出発。ほかの方はこの前に既に出発で最後でした。昨日の雨で泥濘路でしたが、昨日に比べれば問題なし。途中先行の5人組を抜かして、2時間半後に白鳥山。山頂の小屋はきれいに使用されていました。高度が下がるにつれて非常に蒸し暑くなり、坂田峠以降水分摂取量が昨日までの倍ほどになりました。暑さでヘロヘロになりながら何とか12時半ころ親不知の登山口に到着。やっと北アルプス南北縦走の目標が達成できました。80m下の海岸まで行き、裸足になって海の水にタッチで本当の完了。潮をなめたら塩っぽかったですが、ほんのり甘くてまた帰っておいでと親不知の海岸に言われたような気がしました。
この後はタクシーで道の駅近くの交流センターのとうへん坊で日帰り入浴300円と生ビールで生き返って帰宅しました。
コメント
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ロングコース
ご無事の完登おめでとうございます
同じ日程で唐松あたりで遭難者が出たとニュースでやっていたので
少し心配をしていましたが
55akiraさんならへっちゃらでしたね
雄大な縦走路を独り占めなんて羨ましいです
天気も崩れなかったようで良かったですね
私は鹿島槍と五竜は行ったことがありますが
このルートはまだまだ経験不足で危ないですが
いつか行ってみたいと思います
その時の参考にさせて頂きますね
本当にお疲れ様でした
as2000さん、コメントありがとうございます!
不帰のキレット通過時、ヘリが捜索していたので事故があったのはわかりましたが八方尾根の方向の様でした。ご心配ありがとうございました。
山の広い景色の中で一人でポツンといる感覚が好きなんですね。
長大な稜線を見るとその先に行ってみたくもなります。
キレット通過は難易度も高くなりますが、時間をかけて慎重に通過すればas2000さんでも可能なのではないかと思いますよ。あの北岳雪渓など登っているのですから。ただし雨の時は絶対に避けた方がいいですね。またクサリ場の緊張するところより抜けた後のホッとしたところでの事故が多いのでその点を気を付ければ。まあ、ご自身の納得できる経験値をあげてチャレンジしてみてください。
また山の記録を楽しみにしています。
55akiraさん 超ロング縦走お疲れ様です
そして、お帰りなさい
御無事で何よりです
出発日は私と同じになってたんですね
私も人のいない稜線や山の中にポツンといる事が、良くありそしてそれが好きです
今回も3つの山頂とその付近で、オンリー&ロンリ−ハイクに
ちょっと不気味ですが、空気をオモイキッテ吸って、大自然に抱かれてる感がたまりません
お話戻りますが、今回、山〜なんと海まで降りられたんですね
ほんと感服致します。
そして私はいつも車ですが、akiraさんの様に電車でいって、帰りもゆるりとする旅をしたいもんです
もう今年の夏は終わりますが、いつかお会いできることを切望してます
skyworker さん、
コメントありがとうございます!
ちょっとご心配をおかけしたようで申し訳ありません。
白馬岳下の三国境から先、雪倉岳、朝日岳、栂海新道は人も少なくてロンリーハイクには最適でとてもよかったですよ。
栂海新道前半は湿原・池塘の中を縫う道で素晴らしかったですし、後半は海に向かって近づく感覚が良かったです。メモリアルなコースですので一度歩かれるのも良いかと思います。ただ高度が下がると非常に蒸し暑いので盛夏は避けた方が良いかと思います。
縦走が好きなので車を使うことをあまり考えないのですが、skyworker さんの機動的な山の入り方やコースなど参考になります。
秋はどの山に行かれるのでしょうか?
私は、剣や薬師、旧日電道あたりを歩けたらいいな考えていますが、山小屋の営業終了が迫っていて悩ましいところです。
では、またどこかの山で!
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