進化と原点回帰の一万尺(奥穂、ジャン、北穂)
- GPS
- 31:58
- 距離
- 27.9km
- 登り
- 2,446m
- 下り
- 2,440m
コースタイム
- 山行
- 6:21
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 8:26
- 山行
- 6:32
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 7:59
天候 | ぴーかん |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
重太郎新道、吊尾根、ジャンダルム、涸沢岳〜北穂、北穂南陵、すべて死亡事故のあるルートです。岳沢小屋より上、横尾より上では常にヘルメットを着用し安全第一で歩きました。 |
その他周辺情報 | 白骨温泉煤香庵 石鹸のみあり |
写真
感想
奥穂高岳3190m。長野で一番高い山。今年も嶺宮へお参りしに行こう。
秋の穂高へ行こうと誘われたのは確か2ヶ月くらい前だった気がする。3度も登っていてあらかたのルートは把握した気になっていた。でも穂高岳山荘100周年という節目なので行くことにした。
今年も澄み渡る青空のもと奥穂へ行くことができた。そして今まで行ってきた吊尾根、ジャン、涸沢岳〜北穂間も歩けて過去の記憶に水やりができた。
厳しい道のりもついてきてくれたちか氏ありがとう。
【1日目】
2:30長野出発
4:30沢渡P着 最近高速ばっか使ってるわ💰
タクシーの列に並んで始発を待つ。運良く先頭の2人組と相乗りさせて頂きほぼ一番乗りで上高地ログイン。毎回これが良い。
5:18スタート 今日は岳沢から上がってみよう。河童橋を渡り岳沢湿原を横目に登山道に入るといきなり標高を稼げる時間だ。岳沢小屋までは快調で、小屋で一休みしたら本格的に重太郎新道で前穂方面へ向かう。一気に穂高らしい岩と鎖、ハシゴの世界に変わってドンドン視界が開けてくる。紀美子平に着いたときには思ったより時間短縮できていたので前穂スルー、ジャンをちか氏は選んだ。僕自身はどっちでも良いよくらいの感覚で先導したり後ろから見守ったりさせてもらった。(どこを歩いても楽しいから)
吊尾根は比較的歩きやすい。今日は天気も良くてどこを見渡しても清々しい秋の空。岳沢や涸沢は紅葉が始まり稜線の先には奥穂やジャン、槍も見える。景色を楽しんでいるとあっという間に奥穂に到着した。奥穂は4度目、全て晴れ。運がいい。腹拵えをしたらジャンダルムへ行こう。
ジャンダルムは近くに見えるが奥穂から往復2時間は見ておくと良い。ここは焦っても何一つ得るものがない。奥穂から離れてすぐに馬の背がある。ここは確実な三点支持で下りていく。3度目なのにやっぱり意味不明だった。片足分の足場しか無いナイフリッジ、ちびりそうだけど楽しい。超えたら次はちか氏の番だ。案外サクッと下りてきたし何より楽しんでる、いいですねー。ジャンへは一旦西穂から巻くように行けばそない難しくはないのだが前回の記憶が曖昧で少し直登混じりな危険な上り方をしてしまった。GPSのログには現れていない。
お陰様でジャンのテッペンはひょこっと現れた。あ〜また来てしまった。もう来なくていいかーと前は思ったけどまた登ってる。命を大切にできているだろうか。でもウダウダ考えるより景色は最高だった。またどうせ次も登りに来るよ。
天空の天使にサヨナラしたら、今度は馬の背の登りパートで奥穂へ戻らねばならない。下るより圧倒的にイージーになるが油断はできない。下にいるおっさんから33mの岩壁だよと教えて頂いた。実に要らない情報だ。落ちれば死ぬんだからここ岩壁が何m有ろうと同じや。今度は天狗沢から行くのもいいか。コブ尾根はクライマールート過ぎて自分の力量では到底登ることができない。奥穂にまた登りこの一万尺(3000m峰)を噛みしめる。
14:00前今日のゴール穂高岳山荘へ着いた。あったけえ布団で寝れると思うと嬉しくてたまらん。夕飯までの時間はお茶したり岳読んだり昼寝したり。メシは健康的なメニューで美味しかった。おろし醤油で食べる鯖塩はジャパンの心だ。夕陽を見に白出沢を覗いた。昨年ナイトハイクで無心で登りジャンを駆け抜けた日が懐かしい。ガスも相まって幻想的な夕陽を見ることができた。おやすみ。
【2日目】
3:50起床
4:20朝飯
5:15行動開始
小屋泊は良く眠れた。朝飯は小屋内の机で調理可だったので準備まで快適だった。気温は2度風は5mくらい。飛騨側からものすごい勢いでガスが湧いては信州側に消えていく。取り敢えず涸沢岳までアップがてら登る。ここでご来光をのぞんだ。寒い、テンション下がってザイテン使って降りてやろうかと思うくらい寒かった。なんなら満場一致で50mくらい穂高岳山荘方面へ下りた。でも朝日が差して、空気が入れ替わって、体動かしてるとあったかくて、予報も比較的良好で、昨日のちか氏の岩場での身のこなしを見ていると不安要素は無かった。よし、予定通り北穂へ行こう。決めた。後悔はきっとしないから。
涸沢岳ー北穂間は周りの名だたる難所(大切戸、ジャンダルムなど)とは比較すると地味。でもそれらに引けを取らないほどの高度感、シビれ具合だ。気合い入れていこう。
昨年の北穂→涸沢岳は難所のハシゴや鎖が上りだった。一度行って履修済みとはいえ下りは緊張する。特に最低コルからすこし南にある鎖、ボルト、ハシゴ、ハシゴの所はふーっと一息つく間もなく連続してやってくる。ここが一番ヤバい。馬の背と同じくらいクレイジー。深呼吸して落ち着いて下っていく。こんな命を削るような山は頻繁に行くもんではないな。最低コルでコーラを飲んでリセットした。あとは奥壁バンドを超えていけば北穂の南峰だ。奥壁バンド飛騨側の岩に張り付くように歩いていく狭い場所。太陽が当たらず岩が冷たい。そして鎖を何本が超え、滝谷にドームと北穂南峰をピクッた。切れ落ちた滝谷は厳つい。どうやって登ってくるのか全く理解できない。
北穂北峰へも行っておこう。ここは絶好の大切戸展望台。大切戸はとっておきのタイミングまで温めておくので簡単には行かない。北穂高小屋で秋期限定ホットレモネードを頂いた。涸沢岳からの難所を超え、これから南陵を降りていくためのブースト。ちょっと飛ばし気味に涸沢ヒュッテまで高速下山。鎖やハシゴもあるが比較的歩きやすい。あんなに遠くにあったのにも涸沢ヒュッテか。おでんが9:30からだったが親切にも9:29でもオーダー通してくださった。歩いてきた穂高の山々を見渡しながら最高の補給ができた。下山だけだからか?今日は歩けば歩くほど元気が出てくるような感じだった。本谷橋、横尾までも順調に歩いた。途中おそらく横尾本谷右俣で要救助者、ヘリのホバリングを目撃した。自ら黄金平を目指したのか、それとも迷い込んだのか。どうか無事であって欲しい。横尾からは水平移動10kmだ。考え事やお喋りをいているとすぐに着く。ダラダラ歩くより早歩きの方がすぐ終わって楽だと思いました。気づけ場結構良い時間に河童橋到着。土曜なのでディズニーランドになっていた。ソフトクリームを片手に「穂高よさらば」をスマホから流して無事帰ってこれてよかったなとしみじみ。ちか氏お疲れ様でした。
バスで沢渡に帰還。
アフター風呂 白骨温泉 煤香庵(ばいこうあん) 石鹸のみあり。
アフターメシ でんでん 鶏もも一枚焼き+豚生姜焼プレート
ゼミ生と駄弁り長野、中野に帰還。帰りの車人が増えて楽しかった。
初めて登山を通して泊まりをしたのが穂高でした。あのときは身の丈に合わないと少しチキッてたけど今は少し解像度が高くなってまた穂高に遊びに来ることができました。原点の頃の気持ち(適切な緊張)を忘れず、ほかの難所にも挑戦してみる。仲間も僕も進化して、小屋も100周年。この一万尺にまた登りに来ます。次はどんなメンバーでどんなルートで行ってどんな思い出になるか楽しみです。
【メシ】
1日目行動中
レモンわらび 130
くるみ餅 370
おにぎり2 320
アミノバイタル青 40
柿の種、飴
合計860kcal
水0.75L消費
小屋にて
無印のバウム、紅茶
夕飯、ビール350
2日目
朝 トマトリゾット、牛吸い、コーラ
レモンわらび 130
安納芋羊羹. 145
ソイジョイ 130
おでん 300
レモネード
くるみ餅 70
合計770kcal
+上高地ソフト
【参考山行】
初めての穂高。ツェルト泊にて結露祭り。
https://yamap.com/activities/12274163
2度目の穂高。白出沢ではしゃぎすぎる。ジャンダルム日帰り。
https://yamap.com/activities/18892845
3度目の穂高。北穂から見る大切戸がヤバい。
https://yamap.com/activities/19814068
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