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Yamareco

記録ID: 944470
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
中央アルプス

空木岳、南駒ヶ岳、宝剣岳、木曽駒ヶ岳 - 伊那側からの周回 -

2016年08月16日(火) 〜 2016年08月18日(木)
 - 拍手
体力度
10
2〜3泊以上が適当
GPS
25:37
距離
43.5km
登り
4,148m
下り
3,615m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
8:36
休憩
1:43
合計
10:19
5:21
84
スタート地点
8:19
8:35
24
8:59
8:59
11
9:10
9:10
44
9:54
9:59
4
10:03
10:11
26
10:37
10:37
46
11:23
11:43
26
12:09
12:17
25
12:42
12:48
8
12:56
13:26
62
14:28
14:28
31
14:59
15:02
38
2日目
山行
8:05
休憩
1:37
合計
9:42
5:49
5:51
52
6:43
6:57
51
7:48
8:02
22
8:24
8:26
64
9:30
9:45
73
10:58
11:12
64
12:16
12:24
58
13:22
13:23
6
13:29
13:39
10
13:49
13:50
20
14:10
14:26
11
14:37
14:37
9
14:46
14:46
6
3日目
山行
3:31
休憩
1:52
合計
5:23
6:01
6:10
9
7:29
7:34
0
7:34
7:37
4
7:41
7:42
9
8:01
8:07
4
8:11
8:13
20
8:33
8:39
24
9:03
9:03
33
9:36
9:42
13
9:55
10:12
20
10:32
10:34
38
11:12
ゴール地点
天候 8/16:曇り一時霧、8/17:霧後晴れ、8/18:晴れ時々霧
過去天気図(気象庁) 2016年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
駒ヶ根スキー場駐車場に駐車。
コース状況/
危険箇所等
全て整備された登山道で山中では迷うところはなかった。
宝剣岳以外も空木岳〜島田娘の稜線の随所に岩場、鎖場あり。
駒ヶ根スキー場駐車場から先に進んだところの案内板。
これに従うと長い林道を歩くことになった。
2016年08月16日 05:25撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/16 5:25
駒ヶ根スキー場駐車場から先に進んだところの案内板。
これに従うと長い林道を歩くことになった。
林道終点の駐車場、ここまで1時間半かけて歩いてきた。
2016年08月16日 07:12撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/16 7:12
林道終点の駐車場、ここまで1時間半かけて歩いてきた。
最終駐車場先の登山道入り口。
2016年08月16日 07:13撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 7:13
最終駐車場先の登山道入り口。
すごいサルオガセ。
2016年08月16日 08:06撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 8:06
すごいサルオガセ。
池山小屋近くの分岐点の水場。
2016年08月16日 08:20撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 8:20
池山小屋近くの分岐点の水場。
「登山道」と「遊歩道」に分かれる。
2016年08月16日 08:59撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 8:59
「登山道」と「遊歩道」に分かれる。
大地獄の難場が始まる。
2016年08月16日 09:44撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 9:44
大地獄の難場が始まる。
樹林帯内の鎖場
2016年08月16日 09:55撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 9:55
樹林帯内の鎖場
空木平への分岐から尾根道に上がると山頂方面が見えてきた。
2016年08月16日 11:49撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 11:49
空木平への分岐から尾根道に上がると山頂方面が見えてきた。
下から見る駒石。
2016年08月16日 12:03撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 12:03
下から見る駒石。
駒石の上から。
2016年08月16日 12:10撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 12:10
駒石の上から。
上に回って振り返る駒石。
2016年08月16日 12:15撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 12:15
上に回って振り返る駒石。
山頂直下の駒峰ヒュッテが近づいてきた。
2016年08月16日 12:41撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 12:41
山頂直下の駒峰ヒュッテが近づいてきた。
駒峰ヒュッテ。中はすごくきれい。
2016年08月16日 12:46撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/16 12:46
駒峰ヒュッテ。中はすごくきれい。
空木岳山頂には何人か人がいて、撮ってもらうことができた。
2016年08月16日 13:04撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5
8/16 13:04
空木岳山頂には何人か人がいて、撮ってもらうことができた。
これから行く南駒方面。
2016年08月16日 13:25撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 13:25
これから行く南駒方面。
イワギキョウが頑張っている。
2016年08月16日 13:41撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/16 13:41
イワギキョウが頑張っている。
トウヤクリンドウも。
2016年08月16日 13:58撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 13:58
トウヤクリンドウも。
眼前に赤梛岳、後ろに南駒が控える。
2016年08月16日 14:15撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 14:15
眼前に赤梛岳、後ろに南駒が控える。
自分一人だけの南駒山頂。
2016年08月16日 14:59撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 14:59
自分一人だけの南駒山頂。
南駒はガスの中。
2016年08月16日 15:00撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 15:00
南駒はガスの中。
摺鉢窪のカールを見下ろす。
木曽駒千畳敷よりは小規模だが綺麗なカールだ。
2016年08月16日 15:24撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 15:24
摺鉢窪のカールを見下ろす。
木曽駒千畳敷よりは小規模だが綺麗なカールだ。
摺鉢窪避難小屋に到着。
2016年08月16日 15:40撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/16 15:40
摺鉢窪避難小屋に到着。
こちら右手が正面入り口。手前角の緑のタンクが雨水溜め。
2016年08月16日 15:46撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 15:46
こちら右手が正面入り口。手前角の緑のタンクが雨水溜め。
小屋から見上げる摺鉢窪。
2016年08月16日 16:23撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/16 16:23
小屋から見上げる摺鉢窪。
朝出発時の避難小屋。
2016年08月17日 05:08撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 5:08
朝出発時の避難小屋。
カールを登り返す。稜線はガス。
2016年08月17日 05:20撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/17 5:20
カールを登り返す。稜線はガス。
伊奈谷の平地が見える。
2016年08月17日 05:22撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 5:22
伊奈谷の平地が見える。
御岳見えた。
2016年08月17日 06:38撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
8/17 6:38
御岳見えた。
空木山頂に戻ってきた。ガスったり一瞬晴れたり。
2016年08月17日 06:45撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/17 6:45
空木山頂に戻ってきた。ガスったり一瞬晴れたり。
写真では薄いが、ブロッケン。
2016年08月17日 06:50撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/17 6:50
写真では薄いが、ブロッケン。
空木岳山頂を過ぎて見えた赤梛岳と南駒。
2016年08月17日 07:14撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/17 7:14
空木岳山頂を過ぎて見えた赤梛岳と南駒。
山荘のある木曽殿越ははるか下。
2016年08月17日 07:22撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 7:22
山荘のある木曽殿越ははるか下。
木曽殿山荘は近づいたが、東川岳への登り返しが控える。
2016年08月17日 07:44撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/17 7:44
木曽殿山荘は近づいたが、東川岳への登り返しが控える。
標高2500mの木曽殿山荘。
2016年08月17日 07:54撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/17 7:54
標高2500mの木曽殿山荘。
2703mピークから振り返る空木岳、南駒ケ岳。
2016年08月17日 08:52撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/17 8:52
2703mピークから振り返る空木岳、南駒ケ岳。
甲斐駒と仙丈岳。南アが一部でも見えたのはこの時だけ。
2016年08月17日 08:58撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/17 8:58
甲斐駒と仙丈岳。南アが一部でも見えたのはこの時だけ。
熊沢岳から左手に三ノ沢岳、右手奥には宝剣岳。
2016年08月17日 09:48撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/17 9:48
熊沢岳から左手に三ノ沢岳、右手奥には宝剣岳。
桧尾岳から桧尾避難小屋を見下ろす。
2016年08月17日 11:01撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 11:01
桧尾岳から桧尾避難小屋を見下ろす。
ガス中に着いた極楽平。
2016年08月17日 13:36撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 13:36
ガス中に着いた極楽平。
宝剣岳南ルートの鎖場はここから。
2016年08月17日 13:51撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/17 13:51
宝剣岳南ルートの鎖場はここから。
宝剣山頂の「岩」と祠。
2016年08月17日 14:13撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 14:13
宝剣山頂の「岩」と祠。
宝剣山頂から北に回り込み、宝剣山荘を見下ろす。
2016年08月17日 14:27撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 14:27
宝剣山頂から北に回り込み、宝剣山荘を見下ろす。
おお、これが天狗岩か。
2016年08月17日 14:33撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/17 14:33
おお、これが天狗岩か。
中岳から見えた頂上山荘と、ガラ空きのテント場。
2016年08月17日 14:45撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 14:45
中岳から見えた頂上山荘と、ガラ空きのテント場。
三日目の朝、雨が止んで日が射した。
2016年08月18日 05:32撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/18 5:32
三日目の朝、雨が止んで日が射した。
木曽駒山頂道から中岳、宝剣岳。
2016年08月18日 05:56撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 5:56
木曽駒山頂道から中岳、宝剣岳。
木曽駒山頂に着いた瞬間は晴れていた。
2016年08月18日 05:59撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/18 5:59
木曽駒山頂に着いた瞬間は晴れていた。
木曽側の頂上神社。
2016年08月18日 06:02撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 6:02
木曽側の頂上神社。
伊奈側の頂上神社。
2016年08月18日 06:04撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 6:04
伊奈側の頂上神社。
中岳巻き道の岩場。
2016年08月18日 07:21撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 7:21
中岳巻き道の岩場。
宝剣山荘からの宝剣岳、天狗岩。
2016年08月18日 07:33撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/18 7:33
宝剣山荘からの宝剣岳、天狗岩。
乗越浄土を過ぎて、伊那前岳へ。
2016年08月18日 07:51撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 7:51
乗越浄土を過ぎて、伊那前岳へ。
伊那前岳の稜線から、一瞬見えた千畳敷カールのロープウェイ施設。
2016年08月18日 07:54撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/18 7:54
伊那前岳の稜線から、一瞬見えた千畳敷カールのロープウェイ施設。
伊那前岳から木曽駒方面。
2016年08月18日 08:01撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/18 8:01
伊那前岳から木曽駒方面。
七合目はガスの中。
2016年08月18日 08:33撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 8:33
七合目はガスの中。
樹林帯に入ると、アキノキリンソウが咲き残っている。
2016年08月18日 08:51撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 8:51
樹林帯に入ると、アキノキリンソウが咲き残っている。
名残りのハクサンフウロ。
2016年08月18日 08:52撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/18 8:52
名残りのハクサンフウロ。
一丁ヶ池と書いてあるが..
2016年08月18日 09:09撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 9:09
一丁ヶ池と書いてあるが..
1分歩けば池だ。相当泥沼化している。
2016年08月18日 09:11撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 9:11
1分歩けば池だ。相当泥沼化している。
うどん屋が昔あったのだろうか。
2016年08月18日 09:39撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/18 9:39
うどん屋が昔あったのだろうか。
清水平の水場が見えたぞ。
2016年08月18日 09:52撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 9:52
清水平の水場が見えたぞ。
冷たく美味しい水でした。
2016年08月18日 09:55撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/18 9:55
冷たく美味しい水でした。
蛇腹沢登山口の林道に出た。
2016年08月18日 10:32撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 10:32
蛇腹沢登山口の林道に出た。
ホタルブクロで山里に下りた感がある。
2016年08月18日 10:33撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 10:33
ホタルブクロで山里に下りた感がある。
ピンボケだが、駒ヶ根スキー場近くに出た子猿。
2016年08月18日 11:46撮影 by  uTough-6020 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
8/18 11:46
ピンボケだが、駒ヶ根スキー場近くに出た子猿。

感想

 30年前の冬にロープウェイ使って木曽駒に登ったのみの中央アルプス、絶対登りたかった空木岳に、南駒も寄って木曽駒へつなぐ三日山行を組んだ。台風7号が関東、東北、北海道に被害をもたらしたが、中部地方には影響少ないとの観測で決行した。

 1日目: 空木岳の池山尾根には、往復ルートなら、あるいはタクシーを奮発すれば標高1360mの林道終点まで上がれるのだが、今回は標高900mの駒ヶ根高原スキー場駐車場に車を置いて出発する。駐車場から駒が池方向に少し戻れば、ここからの登山道入り口があったのだが、この時はわからず、先へ進むと古城公園経由で空木岳登山口へと言う案内板があって、これに従ったら延々と林道を歩くことになり、標高1150mで漸くショートカットの山道に入った。

 林道終点で止めてある車を若干恨めしく思いつつ、ここから純粋に山道となる。登山ポストもここにあった。一登りでタカウチ場、ここで池山を通る「登山道」と巻く「遊歩道」道に分岐し、僕は遊歩道を行った。途中一旦合する地点に水場が整備されている。遊歩道からは池山小屋は見えない。

 樹林帯をひたすら登り、標高2200mから上に大地獄、小地獄と称する難所がある。樹林帯の中に露出した岩場で、鎖もかかっているがさほど高度感のあるものではなかった。

 標高2550mで再び分岐、左は避難小屋のある空木平へ行くが、僕は右の尾根筋を行く。森林限界を越え、視界が開けるが、霧も出ている。駒石でボルダリングして、一登りで駒峰ヒュッテ。そこから空木岳山頂は目と鼻の先。ハイ松などの緑の割合が多く、それに花崗岩の白が映える、登っても美しい山だ。ここまでは空木岳往復日帰りの人、駒峰ヒュッテ泊りの人にかなり会った。

 空木岳から南に向かうと、翌朝戻るまでは孤独の旅となり、赤梛岳を超え、南駒を目指す。時たま霧が晴れてそれらが見えるが、また直ぐ見えなくなる。摺鉢窪の下降点にザックをデポして南駒を往復、崩れやすいガレ場を下りて摺鉢窪カールの末端に避難小屋。着いてみたら僕一人、孤独の一夜を過ごすことになる。


 2日目: 台風7号は茨城県沖から午前中に東北沖を北上すると言う。摺鉢窪の中はガスながら穏やかだったが、稜線に出ると西風が強い。行動できないほどではないが、帽子を飛ばされない注意は要る。昨日来た道を戻って赤梛岳、空木岳へ。ここまで霧と風の苦行だったが、空木山頂にいる間に陽が射し、霧も切れ切れになってきた。以後は風も弱まり、楽しい展望の山歩きとなった。

 空木岳から山頂直下の鎖場をこなし、行く手下方に木曽殿越の山荘が見えてくる。え、あんなに下るの? 空木山頂からだと360mの落差、大きく下れば次は大きく登ることになる。東川岳、熊沢岳、桧尾岳と細かくアップダウンで、何か所か鎖場も交えてピークを越えて行く。桧尾岳からまた200m下り、後は概ね上り基調で濁沢大峰、島田娘、極楽平、いつしかまた霧に包まれた。

 さてこの先に控えるは宝剣岳、いつ雨が降り出してもおかしくない空模様、それだけが気がかりだったがなんとか大丈夫。岩場はここ以外のアルプス一般道のものと同様、鎖、足場で整備されているが、南側からのルートは一旦下りがあったりして、地図で見る印象よりも長々と鎖場を楽しめる。祠を伴う山頂の岩にも攀じ登り、後は気を抜かずに宝剣山荘へと降りるだけだが、この北側の岩場はずっと短く高度感もない。

 宝剣山荘からは緩い山道で中岳を越えて駒ケ岳頂上山荘のテント場で本日行動終了。テントを張ってからポツポツと雨が降り出し、夜の間中降ったり止んだり、時にはテント外壁に泥跳ねが出来てくる強さだった。

 3日目: 朝に晴れていれば木曽駒山頂に上がってご来光という目論見だったが、5時の時点で未だ雨が降っている。のんびり構えて朝食を作っていたら、5時半過ぎて突然朝日が射した。そそくさと食べて外に出ると山頂方面は未だ霧の中。でもきっと晴れてくるだろうと登っていくと、頂上目前にしてさっと晴れ、宝剣も綺麗に見えた。頂上に着いて二つの神社を巡っている間にまたガスに巻かれ、しばらく待ったがもう晴れてこなかった。絶妙のタイミングだった。

 雨が止み切れなければさっさとロープウェイで下りてしまおうかとも思ったが、初志貫徹で伊那前岳経由の下山路を行くことにした。テントを畳んで出発、中岳の巻き道を通り宝剣山荘へ、乗越浄土から千畳敷への分岐を過ぎて伊那前岳に向かうと、途端に人がいなくなる。この後林道に出るまでは登ってくる二人PTに一度会っただけだった。時にはガスるが、晴れれば右に千畳敷のカールや宝剣岳、左には木曽駒方面を望む展望の尾根道だ。こっちに来て良かった。

 伊那前岳を過ぎて八合目からはどんどん下る道となり、樹林帯に入って展望はお仕舞い。相当急坂が続くと予想していたが実際そうでもなく、苦しまないで下り続けることが出来、五合目過ぎて清水平のオアシスで顔を洗って一休み。そこからものの20分で蛇腹沢登山口、最後の林道歩きで北御所登山口のバス停に到着、全行程を終えた。

 結局ロープウェイは使わず、千畳敷のカールにも踏み込まず、空木岳山頂と木曽駒エリアの賑わい以外は静かな山旅で中央アルプスの主脈縦走を楽しむことができた。ただ二日目の工程、摺鉢窪から木曽駒テン場までは、GPSトラックデータで見る限り累積登り標高差は2000mを超え、感覚的にもそれに反しないタフなものだった。

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コメント

充実した山行になりましたね!
Nishidenさん、こんにちは。

レコを拝見する限り、全体を通して非常に充実した山行であったことがひしひしと伝わってきます。
駒石にやっぱり登っちゃうところ、猿を撮っちゃうところなんてNishidenさんらしさ満点で笑っちゃいました。

ところで次のシーズン、空木を滑りませんか!?
(スキー場からの長いアプローチになりますが)
2016/8/21 16:49
Re: 充実した山行になりましたね!
 「充実した山行」と見てもらえたのが嬉しいですね。自分でもそう感じてますので。
 未だお盆の期間中で、混むところはいやだなと思い、賑わう筈の木曽駒絡みながら静かそうなルートをつなぎ、上手く行きました。唯一木曽駒のテン場が混むのを心配してましたが、台風も近づいて敬遠されたか、ガラガラでしたから。
 駒石にも、宝剣の頂上岩にも、攀じれる限りは上がらなきゃと、行ってきましたよ。猿には今年は本当によく出会います。
 さて空木岳のBCスキーですか? ヤマレコのレコでは皆無ですね。ヤマケイオンラインに6月の記録がありましたが、登りほとんど夏道で、空木平のみの滑走、これ見る限り僕は「う〜ん」ですが。もっと雪が残る時期だと大地獄、小地獄の通過がいやらしそうですし。
2016/8/22 14:24
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この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 中央アルプス [2日]
木曽駒ヶ岳・宝剣岳〜空木岳
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

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