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トムラウシ山遭難事故調査報告書と「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか」を読んで最初に思ったのが、ツアーってこんなに長い時間歩くの?という事でした。
最終日のコースタイムはヤマレコのヤマプラによると9時間5分。食事休憩30分に一時間ごとに5〜10分休憩とすると合計10時間5分〜11時間5分のタイムスケジュール。同じようなタイムスケジュールを二日こなして台風並みの暴風雨の中、体を冷やしてしまったら健常な人でも体調を崩すのは当たり前。
ガイドは参加者の体調・天候の悪化よりもスケジュール優先。救助要請はプライドとツアー会社からのプレッシャー故か判断が出来ない。
結局、ガイドはルート案内と危険個所の補助(とは言っても三人のガイドで同じルートの経験者は一人だけ・・・)をする事しか出来ないのでしょう(避難小屋の場所取りとお湯の用意もしていたようですが)。
でも、ガイドの責任にだけするのもどうかと。
当時のツアー会社から委託されたガイドの立場だと、「おいおい、こんな体力・装備の人間が来ていいのかよ?責任取れないよ」という気持ちがあったのでは?募集をかけたツアー会社とガイドは確かに問題がありますが、一番の問題は参加者かも。
参加者の中には好天に恵まれていれば大丈夫でも悪天候下では経験と体力が無くて歩けるかどうか不安な人がいたはずです(「アイゼンの装着に不慣れなメンバー」との記載で経験が少ないか無い事が分かります)。
私は遭難していません的な女性(女性客A)がいたようですが、この方は遅れがちなメンバーを山に来るべきでは無いと思っていたのではないでしょうか。ガイドに責任を果たせというような事を言っていますが、自分では何もしていませんし、する気も無かったようです。
で、何を言いたいかというと山では急激な天候悪化と劣悪な環境下での行動を余儀なくされる場合があるので最悪の状況を考えて登る山の選択と行程を組んだほうが良いのではないかと。数日間にわたる登山をする方は衛星電話がどうとか無線機がどうとかを考える前に劣悪な環境下でも歩けるようなトレーニング(経験)と事前準備をしないといけないのかもしれません。
公益社団法人日本山岳ガイド協会
(トップページにトムラウシ山遭難事故調査報告書(PDF)のリンク先があります)
http://www.jfmga.com/
Amazon:トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか
https://www.amazon.co.jp/dp/4635047466
Amazon:空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか
https://www.amazon.co.jp/dp/4167651017
saitama-nさん、はじめまして。吃驚です。
ヤマレコ9時間5分のコースですと、天気が良くても脱落者が出ても不思議でないですね。
自分は、大学まで山岳部でしたが、50半ばから登山を再開しました。再開直後に、ツアーツー○○○企画の乗鞍岳に行きました。入門コースです(初級より簡単と説明されてました)。
30歳ほどの女性と60歳代の年配の2人のガイドさんが同伴しました。
畳平からのピストンですので、脱落者はそこで待つことになりましたが、40程中、7〜8人が脱落しました。自分は何とか脱落しなくて頂上に立てました。
帰りのバス内で、年配のガイドさんが、「松本からの電車に遅れてはいけませんので歩行ペースを遅くできず、頂上まで行けなかった方には申し訳ありませんでした」と陳謝しましたが、女性のガイドさんは「本日、脱落した方は団体登山されるべきではありません。皆様が迷惑します」と、言い切りました。
トムラウシ遭難の詳細を自分は知りませんが、ツ―ア―会社が山行を企画する時やメンバーを選ぶ時は慎重になっていただきたいものです。また、saitama-nさんが、おっしゃっていますように、自分の力量の正確な判断が必要ですね。9時間5分のコースだと、体調が悪い時でも、12時間程度のコースを9時間程で歩行できる実力が必要でしょう。しかも2日連続で。
冬山では特に気象条件が重要ですね。条件が良ければ、八ヶ岳の夏沢峠〜硫黄岳〜赤岳〜権現岳〜小淵沢駅まで1日で行けましたが、晴天でも強風時は硫黄岳で立っていられませんでした。
トムラウシで亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
長文で失礼しました。
例の事件については一通り読みましたが、基本的には、北海道の(というか登)山を舐めてる無責任なツアー会社が、北海道の山を知らない登山者をだまして無責任な団体さんで臨んだ。というのが原因のすべてだと思います。この会社、中国でも同じことをして結局倒産しましたが、またどこかで同じようなことをしているのではないでしょうか。なんらかの規制がない限り、他の会社でも同じような事件が起きるような気はします。今でも各地で似たようなツアーの団体さんをみますが、ひとたび悪条件が重なれば、そのまま遭難予備軍になる危惧があるのではないでしょうか。標高差はさほどではないとしても、2泊3日で45キロ、営業小屋なし、エスケープなしのルートですから、よほどの健脚で経験者揃いでないと引率者は責任をとれないはずなのに。
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