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写真�∪床蔀�田遺跡の「八脚門跡」付近から出土した新羅系土器
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午前中、東京都埋蔵文化財センターて日本旧石器学会の旧石器時代の海洋航海に関するシンポジウムがあり、出かけてみた。受付には早稲田大学の長崎潤一氏らがおられて資料代を払って中に入り席を確保して都埋文の多摩丘陵の遺跡に関する展示を見る。すでに発掘調査開始から半世紀以上がたち、その間話題になりマスコミで取り上げられた遺跡を取り出した展示だった。余り時間がないのでまた来る機会もあろう。シンポジウムは、これまでも何度か行われた同様のテーマのものと余り進展は無いように見えた。午後の講演会のために途中退席し新宿に出て湘南ラインで一時過ぎに栃木の小山の一つ先の小金井駅に出る。駅前の観光案内所でチャリを借り、3�匐�先の埋蔵文化財センターへ。ここで下野の古代役所に関する展示と講演会に参加した。
講演は実に分かりやすく古代の役所や官人とは？ー現代の役所とどのように違うのか、共通するのかを絵入りのスライドで説明した。
まず、役人・役所の「役」とは何かから始まり、「役」という漢字は中国では兵役や労役などを意味するという。古代日本では「官人」「官吏」などと呼ばれ、役所は官衙などと呼ばれた。中国の官僚制度に似たものは欽明天皇時代に最初に導入され、その後律令制度の中で整備された。現代の役所とは何かを栃木県のお役所の同僚に問うと「住民、県民に奉仕する」というのが教科書的な答え。古代では「住民を管理」「税などを徴収して役人の給与に充てる、というのが実態だそうだ。一方住民は兵役を最も嫌い、役人や僧侶となって兵役を逃れるようにする人も少なくなかったこと、子供が5人いれば二人は兵役にとられ、しかも防人などでは遠い任地まで食料は支給されず自前で星米などを持って遠くまで歩かねばならず逃げだす人も絶えなかったという。
古代下野の役所となれば、地方官人、その地方官人と中央の官人の違いは、官位、官職の位階に大きな差があった。中央官僚のトップの位階は正一位の太政大臣だが、地方官はトップの大国守でも従四位の上、NO.2の介では従六位、下野は大国ではなく、上国なので、上国守は従五位の下と大きな違い。これらの官位や官職の違いは冠帽やバックル、衣装の色などで一目瞭然に差別されている。このようにして身分、官位の差を視覚的にも一目瞭然とするのが古代の制度だった。こうした違いを古代役所の儀式のシーンを絵解きで示していた。
終了後に展示解説が行われた。古代下野国には国府と9郡の郡役所があったはずだが、そのうち5郡の国役所は発掘調査で候補が複数上がっているが残り4郡はまだ未発見。見つかっている候補地は30近くに上り、まだ確実にここという決定打には至っていない場合が多いようだ。ただ複数施設があるケースや古代寺院が郡役所には伴うことが多いので、複数の候補があることになる。郡家（ぐうけ）としては、足利郡国府野遺跡、河内郡の多功遺跡、芳賀郡の堂法田遺跡、那須官衙遺跡など。当時の役所はコの字形配置のケースが多いので発掘調査から推定されることがあるようだ。また西下谷田遺跡では郡衙の正門につかわれる「八脚門」という格式の高い門構えが見つかり、その付近からは「新羅系」土器が複数発見されている。このことは日本書紀の下野国などへの新羅人の派遣という記事と符合し、その記事の信頼性が高まっているようだ。書紀によれば、天武・持統期に新羅人を全国に派遣、下野国には17人派遣したとされている。そのほか、出土した木簡や墨書土器、官人の仕事場と思われる場所から出土する刀子、硯などや、官人が身に着けた帯金具（金属や石製バックル）など、関連する様々な遺物の展示を開設された。
これはなかなかよい企画だった。
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