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十二時過ぎすでに開場しており、首が痛くならない程度の前の方に席を確保、開場外のベンチに座って水分補給しながら資料をめぐる。今回のコーディネーターの北条芳隆氏を見かける。
長柄桜山古墳群は、相模湾に面した三浦半島の付け根に位置し、弥生時代以降朝鮮半島から鉄素材などを長距離運搬するための交通路の整備開発が行われ、半島の付け根は、ショートカットのための陸路を船を引いて反対側に出る船曳道が整備されたと考えられ、この古墳はそうした交通路整備と関連すると考えられる。
古墳時代に入り、相模湾沿岸では、最初に海老名の秋葉山古墳群が出現し、次に真土大塚古墳群、第三の波で長柄桜山古墳群が出現、その時期には東京湾側に多くの前方後円墳などが築かれるようになった。しかし東京湾西岸ー東京きょう、川崎側も千葉房総側も葺石、埴輪、埋葬施設など、異なる点が少なくない。これらをめぐってそれぞれの地域、古墳群とヤマト王権との関係、情報や技術の流れーどの地域がどの地域や交通路、情報路と繋がっているのか、王権と各地域との関係をどう考えるかなど、それぞれの立場から議論された。それぞれがユニークで、とても王権によりかっちり支配されていたとは思えない。
また長柄桜山も二号墳のあと造営されなくなり、交通路が変化した可能性も指摘された。馬による陸上交通が経路を変えた可能性も指摘された。
また弥生時代中期後葉に栄えた池子遺跡など周辺の集落との関係も重要だ。
茨城大学の田中裕氏の交通における政治的要素と文化、経済的要素に関する議論はやや難解で、未成熟な印象だが、重要な論点を提出しているように思えた。白井久美子氏の話しは房総半島と東京湾、相模湾の勢力の関係を論じて素人にはわかりやすく明快なお話だった。
最後に地元の葉山町の担当者の発言があり、また長年古墳群の保存のための活動を行ってきた守る会の代表の力強いメッセージが発せられて会のフィナーレとなった。
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