第三章でようやく仏像が現れる。インド北西部のマトゥーラで最初に現れ、追って現在はパキスタン領内になるガンダーラでヘレニズム風の仏像が出現した。このヘレニスムの影響を受けた仏像は果たしてギリシャ彫刻の影響なのか、ローマ彫刻の影響なのか、パルティアなどのギリシャ風美術の影響なのか、議論は尽きないようだ。第4章は菩薩や様々な神々の像が現れる時代の美術。ガンダーラの菩薩像は王族の装飾品のついた菩薩像がみられ、またヒンズー教の巻き返しで様々なヒンズー教をはじめとする神々が仏像に取り入れられ、この地域は中東オリエントの「聖書ストーリー」をはじめとする神々と神話が入り乱れ、仏教美術にも大きな影響を与えている。このあと、ストゥーパ、密教、経典と続き、ミャンマーなどの周辺国の仏教美術がフィナーレ、大英帝国の仏教美術コレクションらしい構成だ。
講演はポスターの話題から始まった。ツイッターなので「インドのイム」が話題なり、東博関係者も「イムイム」と呼んでいたそうなーー。インドの仏像はみちのくの仏の展示会と重なっていた時期もあるので、日本の仏様を見慣れると、仏像に見えないところもある。会場が満員になり、キャンセル待ちの人が大勢並んでいたので、主催者はほっとしていた。
講演会の前に本館の14室で日御碕神社の甲冑と模写の展示を見て、講演後、東洋館の企画展示である南京の書画美術の展示を見る。これはなかなか良い展示だったが12日までだったのが残念だ。芸妓の馬守真の作品の中の肖像画は妖艶だった。
写真1「インドの仏」展入口(表慶館)
写真2)出雲の日御碕神社の甲冑模写
写真3)馬守真の作品
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