GWは2回に分けて 両方一泊二日。
両方初日はのんびりとしたアプローチで、翌朝出発して降りるというスタイルで気楽なものだった。
昨年の11月には不甲斐なくも赤岳西壁主稜ルートで滑落、自力下山したものの手と足の骨を折って地べたを這いずる事になっただけでは飽き足らず、大勢の人に迷惑をかけてしまった。完治した今もそれは僕の心を重くする要因となっていて、満載の大型ザックでも背負っているみたいだ。
正直、岩場に出ると少し怖い。思い切った事が出来なくて先月の越沢バットレスでは泣きそうになった。
そんな臆病さを振り切る為に、4月27日から28日かけて滑落した赤岳主稜ルートを登り、滑落現場参りを済ませた後に、後半5月3日には上高地から入山し、今回多くの人が事故に合った奥穂高岳南稜ルートを登った。
本来の予定では、奥穂高岳からザイテンを降りてカラ沢でテントを張り、翌日北穂高岳のゴジラでも登ろうと思っていた。南稜ルートが思いのほかの渋滞で思い切って登れなかったし、ゴジラの背こと東稜ルートも余裕だという自信があった。
しかし、翌日の天気を調べれば雨となっていて、テントを張ってテントの中でうとうとしながら考えた。
明日雨が降って体が濡れて、稜線の風に吹いたらきっと寒いだろう。というかカラ沢での一泊がまず寒いだろう。きっと寝れない。年中3シーズンシュラフの僕の装備じゃちょっと快適な夜はまず無理だ。となると、翌朝から雨が降る中、出発して登れたとして降りてきてからその日の内に上高地に降りれるだろうか?
あ、だめだ。
僕は、ダッシュでテントを撤収、上高地まで駆け下りた。それなりの速度で降りた僕は昼過ぎに出発して16時のバスに乗り込んでいた。前日の新宿発高速バスが4時間遅れで到着したので僕が北アルプスに居た時間は24時間しかなかった事になる。悔しい。
帰ってきて地元じゃ雨が降っていない事に失敗したかとイライラしていたが、連日の報道で事故の速報が入ると、あながち自分の判断は間違っていなかったんだと思った。
事故って臆病になったけれど、その分危険とか困難に対して敏感になったのかもしれない。
折れた片足引きずって真っ暗闇の中5時間以上歩き通すような経験は、出来ればもう二度としたくない。
なので、今回のGWの山行は途中撤退ではあるものの、大成功といえるのではないかと思う。
ちなみに、今年の雪は大粒の氷が作る安いカキ氷みたいなスカスカ雪でピックを打込んでも殆ど効かないような状態だった。日中に表面が溶けてぐずぐずになるのは例年と変わらないが、早朝であってもスカスカなのはかなりビビった。ピックが効く箇所と効かない箇所が表面では判断できないし、アイゼンが効くものだと油断しているとズルッと滑る可能性があった。
奥穂高岳での滑落が多かったのもその雪質が原因かもしれない。と、思った。
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