最近、子供達を巻き込んだ低山〜中級山岳での遭難事例が多く目に付く。この事態に詳細を知らぬままコメントをする気は無いが、山に於けるテーマパーク化が進んでいる事の表れではないだろうかとふと感じた。
いわゆる「スポーツアルピニズム」を標榜して鍛錬し、重装備で危険を顧みず困難な登攀をしていた事もある。一方で家族とともに安全と思われる山に、我が子達に簡易な装備しかさせず安易に入っていた時期もあった。しかし、最悪の状況に備えて自分の荷物が重くなろうとも、緊急事態回避装備は必ず携えていた。
遠い昔から、毎年夏も盛期を迎えると各地の海水浴場で悲惨な水難事故の報道がある。川沿いのキャンプ場等も同様。しかし、その報道は生死の一報を伝えるだけで、原因究明はあまり見た事が無い。このようなレジャーの遭難に、山も含まれて来ているのではないだろうか。
山岳遭難なら咎められ、水難なら仕方がないのだろうか。そんなはずはない。尊い人命はどのような現場であれ、少しも失ってはならないのは言を待たない。
山は、登山家だけが訪れる場所ではない。自己の意識を高める研鑽の場として、山にて修行をする気位の高い人だけが登っている訳では無いのだ。海水浴やディズニーランド感覚で気軽に楽しもうとする人々が足を踏み入れても、何のお咎めもないのは言わずもがなである。そして、時間の制約や気象の豹変で緊急事態に陥る。電話をしようにも圏外。装備や食料の不備は自明の理。そのとき、頼るべきリーダーたる大人達はどう行動すべきか。
起きてしまった事はどうしようもない。後悔先に立たず。いま自らの過ちを悔いて動揺するより、抱えている命を少しでも長く平穏に保つ事が使命であろう。いかに緊急、有事の際に平静でいられるか。
アクシデントに備えて万全のトレーニングをするのは当然のこと。が、それらの人々にとっての安易なレジャーであろう「ハイキング」にどれだけそのような心と身体の鍛錬をしむけられるか。問題は、場所が山であっても大都会の雑踏であっても同じ事だと思う。要は、人事不省に陥ってもおかしくない事態に遭遇した時、いかに己の心をコントロールできるか。不動心。それに尽きると思う。私は公私に渡って人間が挙動不審に陥る現場を幾度ともなく見て来た。自らの半生もそうである。辛いとき、逃げたくなるのが人間の本能だろう。しかし、それを乗り切れるのも人間である。
遊園地と山の違いを少しでも大人達が感じ取ってくれれば、それに越した事はない。
こんばんは。
去年の夏からぼちぼち山歩きを始め、2年目に入ります。
秋、冬、春、夏と一通り経験してきて、季節ごとの歩き方がおぼろげにわかってきたかなぁという感じです。
この夏の遭難事例、特に京都の事例は子連れ登山の安全性を考えなおすよいきっかけを与えてくれました。
山登りに関してはそこらの子どもなんか比較にならないと親ばかながら思っていますが、子どもの力を過信することなく子どもが健やかに山好きの道を歩めるよう、全力で安全を守りたいと思っています。
こんばんは。コメントありがとうございます。
新人さんを卒業して、二年生になったんですね^^
上級生になると、今まで自分の歩きに精一杯だったのが、後輩に眼をやる事によって自らの判断力にも余裕ができ、一歩前進します。
山は、大自然。裏山でも、六甲山でも、日本アルプスでも同じように苦境はやってきます。長く山をやっていると、必ず逆境はやってきます。
それが小さい事ならたやすく対処できます。が、回数を重ねると、必ず困難な事象に直面します。その時、決して慌てないで下さい。タバコを吸われるなら、まず一服。吸わないなら、アメちゃんを口にほおばるのも良いでしょう。
そして、まず人命を優先して下さい。もちろん、自分の命もです。そして、自分の住所氏名を自分の手帳か携帯にメモできるくらいの余裕ができたとき、周りを見渡して下さい。その頃には、かならず助かる方法が浮かんでいます。
山は素晴らしい教育の場ですが、裏返しとして重たいリスクを伴います。それらを認識して乗り切った時、親子ともに成長しているでしょう。
sekitoriさんこんばんは。
手軽な"レジャー"として始めた里山歩き。幸いにも?命の危険を感じる程の事態は未経験ながら、山中で道を見失ったり、斜面を滑り落ち打撲したり…
単独行動では一歩間違えれば危機的な状況になると解ってはいるものの、ついつい横着?慎重さに欠ける行動を取ってしまうことも
遭難事例を見ていると、他人事とは思えません。
長い距離を歩く体力に少し自信を持てるようになってきたこの春頃より、逆に無理しなくなりました。
振り返れば危険を感じた状況の多くは近道等"楽"と思われる選択をした際のもの、少々遠回りになっても歩ける余力が行動のゆとりを生出したようです。
山の事故は"自己責任"などと格好よく、そして潔く覚悟を決めるのも"男らしさ"などと思うこともありましたが。。冷静に考えればただの自暴自棄、身勝手且つ無責任と戒められるべき行動でしかないのでしょう。
"無事帰る"という結末はともかく、人に迷惑や不要な心配を掛ける事はしない事こそ、課せられた社会的責任なのでしょうか。
少しは山の魅力が解るようになってきたと思ってはいるものの、まだまだ教えを請う立場から卒業できそうにありません
inakabusさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
この夏に頻発した子供達を含めての集団登山での捜索騒ぎ。厳密には「遭難」では無いかもしれません。夜間の強行下山のリスクを回避し、安全と思われる場所でのビバークは山の基本に忠実と思われます。
結果、知りうる限りでは人的被害無しに翌日もしくは翌々日くらいに無事発見救助されたみたいですので、その件に関しては好判断だったのでしょう。
しかし、中には体力の弱い子供もいたかもしれませんし、何より子供の安否も判らずに家で待つ親御さんの心情を慮ると、やはり非難されても仕方ないのでしょうね。
おっしゃるように、山では楽をしようとしたり、隙を見せたりした瞬間にアクシデントが発生する確率が高まるような気がします。ちょっとした気のゆるみで事故が起こるのは、交通事故と同様でしょう。
かつて山岳部で登山していたときは、基本的にはメンバーが骨折した程度なら自力救助ができるよう、ベースキャンプを設営するまでの行程はわざと重量物を運び、その重さは50kg近くに達していました。負傷もしくは死亡した大人を担げるよう、訓練のためです。実際に他のパーティの重傷者を5時間おぶって雪渓を登った事もあります。ヘリが出払っており、警察官も遭難多発で手が回らなかったからです。
今はそのような激しい登山はできませんが、単独行ともなると、必然的に自力救助は困難になります。自己責任とは言っていられませんね。
誰の身にも起きて欲しくないのは山の事故。しかし、いつ何時自分が要救助者になるかもわかりません。その時に備えて、予備知識を持ち、冷静でいられるような心がけをしたいと思っています。
お互い、楽しく安全に山を愛しましょう。ベルクハイル!
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