オレは、カスミを食べて生きている。
と言うのはもちろん冗談だが、それを目指している。山では。
山の楽しみは十人十色、グルメ登山にもぜんぜん反論など無い。が、オレはいざという時に食べたいのに食べられない、との飢餓感を持ちたくないので、平時の登山ではできるだけ過食しないような心がけをしている。
例えば、先月立山縦走をした時は、朝BCでしっかり食べて、縦走中はアメちゃん一つで八時間歩いて、BCまで降りてきた。もちろん、レーション（行動食）と非常食はザックに入れていたが、出す事は無かった。
立山のように安全がほぼ確保できた山では、の話である。視界も良く、目指す地点が確実に同定できて、なおかつ背中に緊急食を背負っている安心感が有ればこそのトライアルである。
何故そのような修行もどきな酔狂な事をするのか。それは、ひとえにさらなる危機に瀕した時への備えである。人間、いくら頭の中で有事に備えて念じていても、訓練していなければ実行できないものだ。
少々精神論じみた話になるが、オレは坊さんでも無ければ人格者でも無い。ただ、自分がいざメシが無い時にあたふたしたくないからやっているのである。
若き頃、北アルプスの厳冬期登山。計画には余裕を持って入山するが、当然山行の内には冬型の気圧配置が訪れる。ひどい時は、一週間雪洞に閉じ込められるのは普通の事だった。もちろん、デポを含めても食糧には限界が有る。
となれば、３〜4日もすれば登頂よりも、無事下山する事が最大の目標になってくる。運良く登頂できたとしても、晴れた時に下界に帰れる保証は無い。
すると、無論食糧はどんどん少なくなって行く。どうするか。
リーダーが「食い延ばし宣言」を出すのである。天気図をとり、今後一週間は動けないと判断したら、その日から戦場になる。来るべき好天の日に下るスタミナのため食糧を温存し、沈殿の日々はアメちゃんとチョコレート一かけら程度で過ごすのである。水は、周りに腐る程有る。が、それとて溶かすための燃料有ればこそで、その燃料を節約するために1日に一人当たり500ccも当たらない。
そのような苦境に耐える身体を作るため、平時の山行ではできるだけ食わず飲まずを励行しているのである。山小屋でホテル同様の旅をしている人には無縁の話なので、悪しからず。
こんばんわ
しかし、ＢＣの朝食だけで8時間持つとはすごいですね。
ﾊﾝｶﾞｰﾉｯｸなど無縁でしょうか？
普段の食生活も1-2食なのでしょうか？
不摂生生活している私には、、、
DIYさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
以前モンブランに登った時は、ブドウ糖の錠剤だけで登りました。ザイルを組んでくれたフランス人ガイド氏にも勧めましたが、「ノー。そんなドーピングまがいの事はしたくない！」と、変な英語で断られました^^;
低血糖による、判断力低下には留意しています。長年山に登り、二度に渡るがんの手術／絶食などを経験すると、自分の体力と自らの蓄えている体脂肪との兼ね合いで、どれくらい動けるかが判断できるようになりました^^
もちろん、山で倒れたとして、栄養失調と言われないよう、非常食は必ず持参しています。
蛇足ですが、私は日頃から1日ほぼ一食で、受動的ベジタリアンです。山行の交通費や装備を買うために、肉を買う金が無いからです。肉食いたい〜〜〜〜。。。
早速回答ありがとうございます。
しかし2度のがん手術して 1日1食のﾍﾞｼﾞﾀﾘｱﾝですか！
す、す、す凄すぎます！
カスミ食べて生きているの、冗談では無さそうですね。
チョットだけ見習います。
ﾁｮｯﾄだけしかできません、、、
すごくないですよ〜〜〜、単なるビンボーです^^;
20年蓄えてきた体脂肪を、いま小分けにして山で使っているだけです。夏山は筋肉だけで登れますが、冬山は脂肪勝負だと思っています！
sekitoriさんこんばんは。
私の場合、山行きはメタボ対策の一環ですので、山での昼食は菓子パン２〜３個程度と極力軽食を心掛けておりますが、レベルが違いすぎますね
…肉や魚が安く手に入る市場近くにお住まいの筈が。。 ベジタリアンとは以外でした
inakabusさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
本文にも書きましたが、山行きは十人十色、それぞれのパターンが有って当然だと思います。単に、こんなやり方もありますと随筆したまでです^^
「シャリばて」って良く言いますね。あれは、本当にエネルギー不足で倒れてしまうのと、精神的に食べてないからイライラする、との両面が有ると思います。
前者は至急カロリーを補給しないと危ないですが、後者は赤ちゃんのだだこねです。それは大人でも起こります。そうならないための、修行をしているだけです。
私はあくまで、「受動的」ベジタリアンです。差し入れが有る時は、がつがつ肉を食いますのでよろしく(^^)/
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