恋するオッさん。

山を仕事にしなくて良かったな、と経済的に余裕のある時は思っていた。仕事にすると遊べない、と誤解もしていた。

しかし、いざ大病を患い山へ行く資金が乏しくなると現金なモノで、仕事で山へ入る方法を模索し、実行している。仕事の山で、いや山の仕事で楽しんでいる。

野望や野心は割と薄いほうなので、知名度を上げたり儲けようとはチョットしか思っていない。

純粋に、山へ行きたいのである。いや、山で生きたいと言うべきか。種族保存の本能が強く、いつまでも恋していたいオレ。

きっと、山にも恋しているのだろう。

いま、良い風が吹いている。目の前に流れているビッグチャンスを捕まえられるか否かは、自らのアンテナの長さ次第だ。

ダメで元々、当たって砕けろ。失敗を恐れていては、人類の成長は無い。オレが既存の人類かどうかは、神のみぞ知るところだが。

追い風を受けつつも、転覆しないよう舵を操る。そうだ、オレはキャプテンではないか。二級小型船舶操縦士ではあるが。

旅仕事の夜は更けてゆく。


Photo:慈照寺銀閣。禅のこころに、侘び寂びを味わう