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ところが、世の中の移り変わりとともに、デジカメの写真が記録変わりとなり、最近ではGPSアプリがより詳細な行動記録を自動でとってくれる時代となった。しかし、デジタルな記録だけでは、その時々五感で感じた気持ちや思考といったものを記憶の世界に留めておくには、不十分だ。それほど、時の流れは、すべてのものをセピア色に染め上げてしまう。その点、手帳には、筆跡や筆圧、ページの汚れといったものまでが記憶の喚起力があり、アナログならではの良さを感じざるを得ない。ただ、適当な大きさで、耐久性に優れたものはなかなかない。
コクヨの野帳「SKETCH BOOK」に出会ったのは、大学１回生の1969年夏。クラブの先輩から野外の活動記録をとるには必携品だと勧められた時だった。
このコクヨの野帳は、正確には「測量野帳」といい、1959年に発売されたロングセラー商品で、今でもちょっとした文具店なら容易に手に入る。サイズは縦165mm、横95mmで、携行するにもコンパクトでありながら、40枚、80ページとかなりの情報を書き込むことができる。その上、深緑色のハードカバーは、少々手荒く扱ってもびくともしない丈夫さだ。
3タイプある測量野帳のなかでも、「SKETCH BOOK」は3�个凌綽Г粒併匸�の補助線が入り、使いやすい。文章だけでなく、絵入りの説明や風景のスケッチにはもってこいだ。
以来、登山や旅には必ずと言っていいほど携行した。半世紀の付き合いである。若い時の山登りの思い出を、ヤマレコ日記に「回想の山旅」として書き続けてこられたのも、コクヨの野帳に記録や感想を書き記してきたおかげであると言っても過言でない。
コクヨの野帳もまた、昭和の山旅を支えた逸品である。
写真� ．灰�ヨの野帳のハードカバー
写真�◆．灰�ヨの野帳（スケッチブック）の用紙（方眼罫）
写真�� 友人が仕事で使用した野帳2種
職場で利用していた野帳？が出てきたのでよければ掲載ください。赤色表紙の冊子148x213mmと紺色冊子208x278mmの2種類です。歴史的に継続利用されてきた職場の特注品で栞紐もついており、内部は測量野帳と同じく方眼の罫線が記されています。野外や実験室で個人個人が作業着のポケットに入れた赤色表紙の野帳でメモを取り、別途固定した場所には紺色表紙の冊子を設置し利用していた。冊子の大きさや表紙の堅牢性などが重量などを含めて重要な要素でしょうね！冊子自体を長期に保管する、また移動するなどを考えると冊子表紙が厚紙であることは不可欠なのでしょう。
山小屋などを想定すると、各山小屋従業員の作業メモは個人個人の赤色冊子、来訪者の記録などは玄関に備えられた紺色冊子を活用すると考えればわかりやすいかもしれない。
数年前職場の先輩が不慮の事故で亡くなり、友人・同僚が集まって彼の家族を呼んで偲ぶ会を行なった折、彼の残した10冊以上の赤色冊子が遺影とともに机に置いてありました。彼もこの冊子を利用して作業メモを残していたのだと知って懐かしい気がしました。
一方職場に専用冊子があっても若い時から馴染んでいる測量野帳を離さない人もいます。
最近は再利用することを前提に、メモをスマポやタブレットなどを利用して電子化された情報として残す場合も多いのでしょう。効率的に再利用するためにメモを標準化することも有効ですが、定型外の情報が含まれているメモから情報を引き出すことも今後さらに有効になるように思えます。
多様な個人の記憶に対して日記などを含めどのようにメモを残すかまだ課題です。
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