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大内宿の茅葺き職人たちの暮らしと渡りを描いた「会津茅手見聞録」、檜枝岐キリンテにある農作業のための宿泊施設の盛衰「出作りの村」、「気仙大工探訪記」（これなんかが震災関連かな）など、民俗学者宮本常一の薫陶を受けた（かつての）若者たちが普通の日本人を尋ねて日本全国を歩きに歩いた、その記録のほんの一部であった。いずれも昭和４０年代〜５０年代の古い記録なのだが、、まさに巻を措く能わず。ほんとに語るよ日本人。。お値段がお値段なので一旦はその場を離れたけど、やっぱり戻って買ってしまいました。２８００円。
久しぶりに本家の宮本常一を読みたくなった。もう書店には彼の本は見つからない。図書館で名作「忘れられた日本人」を借りて数十年ぶりに読み返した。改めて昔の普通の日本人（もちろん農民）のなんとも明るく前向きで人生を楽しむ姿に心打たれる。縦読みの歴史本には登場するはずもないけれど、名も知れぬ昔の日本人が一人、また一人、この本の中で見事に成長していくのを目の当たりにする。「事実をして語らしめる」以上に、宮本の文体の奥に確かな方法論をみつけてしまう。凄い本だ。日本民俗学の巨人である柳田国男と宮本常一。イメージは聖と俗なのだが、この俗の圧倒的な力強さに３０年の時を越えてまた脱帽しました。
この本、哲学者の内田樹が「日本の社会と心理を知るための２０冊」の中に選んだ本でもある。他の２０冊も参考までに：
成島柳北『柳橋新誌』、勝小吉『夢酔独言』、勝海舟『氷川清話』、中江兆民『兆民先生伝』、森鴎外『寒山拾得』、夏目漱石『吾輩は猫である』、永井荷風『断腸亭日乗』、子母澤寛『新撰組始末記』、司馬遼太郎『竜馬がゆく』、内田百�痢悗泙△世�い』、加藤周一『羊の歌』、吉田満『戦艦大和ノ最期』、伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』、川島武宜『日本人の法意識』、網野善彦『異形の王権』、宮本常一『忘れられた日本人』、岸田秀『ものぐさ精神分析』、加藤典洋『敗戦後論』、三浦雅士『青春の終焉』、関川夏央・谷口ジロー『「坊ちゃん」の時代』。
http://blog.tatsuru.com/2007/02/16_1052.php
内田さんの選書をもっと知りたい方は以下に外国のものも。
http://blog.tatsuru.com/2011/09/29_1219.php
三冊目はフラフラと衝動買い。あわせて5000円ほど散財。このあと読みます、楽しみ。
kiyoshiさん、こんばんは
私も宮本常一の忘れられた日本人、読みました
好きです。ほんとは写真集が見たいのだけど･･･高いので･･･我慢しています
コメントありがとうございます。
宮本さんはじめ、弟子たち、とにかくいっぱい歩きますね。日本中くまなく。これ読んでいたとき、ヤマレコで言うとaraigengaさんの歩きに似てるなあって思ってました。って、まさか、本人じゃないですよね
araigengaさん用に写真とイラスト、少しアップしました。こんな感じの本で、イラスト見てるだけでも楽しめました。
「忘れられた日本人」、読んでおられてとても嬉しいです
こんばんは
写真アップありがとうございます！
素敵な写真ですね
今の日本人が忘れてしまったものが、たくさんあるような気がします
いえいえいえ
本そのものをお貸ししたいのですが、araigengaさんも遠慮されるでしょうから、さわりだけ
農文協の「あるくみるきく双書」２５巻のうちの一冊ですが、どれも面白そう。でも自分ではもう買えないので、馴染みの図書館に入れてもらいます
ではでは
十日程、イタリアを旅行していましたが、旅先で、宮本さんの「薫陶を受けた（かつての）若者」だったおばあさんとその娘の二人連れと、田舎の列車でしばらくお話しする機会がありました。いまは60代の年寄りといっても、昔の年寄りとは違って、若い頃は変革の時代でヒッピーだったりしたんですから、調子狂います。
めくら男の女性遍歴の独白の章なんかは、忘れられない物語ですね。
内田20冊、5,6冊しか読んでいないけれど、どれもピンとくる本ばかりでした。今後読書の選び時に、良い指標になります。
仕事じゃなくて旅行ですか〜いいですね
忘れられた、そして忘れられても構わない日本人達かもしれないけれど、市井の無名の日本人群像に、人間はどう生きてきたのかが浮かび上がってきますね。神は細部に宿りたまふ、でしょうか。
私も10冊程度
宮本常一の文体は好きです。
柳田国男の学術的な感じをと違って、
日記風に書かれていながら日本の
大事なもとに対する畏敬の気持ちもあって
自分も憧れています。
あんな文章書けたらいいなと思いますね。
HITOIKIさんも読まれていたんですね。
若い頃は勉強のつもりで読みましたが、今回はなんだか楽しく読めましたよ
御地の東北芸工大にも宮本さんの研究されている先生おられますね。赤坂憲雄さんはすでに異動されておりますね。
私は本質はミーハーなので、今もベストセラー読んでおります
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