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今の時期、そんなに虫がいるとは思えないし、ヤマガラしか来ないのも変だと思ってよくよく見ていると、彼らの目当てはシキミの実であることが分かった。
「まさか!?」と思う。シキミは猛毒である。実だけでなく植物体全体に致死性の毒があり、実の形がハッカクに似ていることもあって誤食され、死亡例もある。
この不思議な食性を調べて見ると、何と、ヤマガラとヒメネズミだけがシキミの実の毒に対して耐性があり、好んで食べると言うことが分かった。この可憐な小鳥は、シキミの種の拡散にも貢献していたのである。
ここに車を置いてキャンプするようになって10日あまりになるが、ヤマガラは平気でシキミの木にやって来るだけでなく，すぐ近くに飛んできて炊事道具に止まったり、時には足元をすり抜けて飛んで行き驚かされることがある。
付近には野ネコもいればカラスもいるので、害意がなければ人間がいる方が安全だからなのかもしれない。
そこで、シキミの実を置いて誘ってみると、ヤマガラは臆することなく寄って来て啄み、動画のモデルとなってくれたと言う次第。
がしかし、時折シキミの実が食器の周りに落ちていることがあるので気をつけなくてはいけない。実を与える際も個数を確認して管理しないと危ない。
ヤマガラは人に慣れやすく、かつては神社でおみくじを引く芸を仕込まれて人気を博した時代もあった。
シキミの実を掌に乗せて待っていれば、おそらく啄みに来るだろうが、野生動物との接し方としてはどうかと思う。餌づけはこれっきりにする。
ただ、彼らはこちらの意図とは関係なく、しきりにまとわりついてくる面があって、それはそれでいいではないかとほくそ笑む日々。
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