喉にも歯があった～コブダイの咽頭歯

2015年07月03日 11:58生き物達全体に公開

　コイ科の魚は喉に咽頭歯と呼ばれる歯を持っていることが知られているが、コブダイを捌いていて鰓の奥に咽頭歯らしいものがあるのに気づいた。

　咽頭とは、前部消化管の口腔と食道の間の膨らんだ部分のことで、魚類ではその両側にエラ（鰓）があり、咽頭歯とは咽頭部に生えている歯のことである。
　つまり喉に歯があると言うのだからちょっとびっくりするではないか‥!?

　咽頭歯とは何か‥，果たしてそれは『歯』なのか‥¡?

　まず『歯』の定義から・・

　歯とは、次の３つの特徴を全てもつものである。
1；上皮と間葉の相互作用によって発生するものであること。
2；アパタイトからなる硬組織であること。
3；摂餌のために機能する器官であること。

　喉にある歯（咽頭歯）もアゴにある歯（顎歯）と同様、上皮と間葉の相互作用で発生し、アパタイトからなる硬組織であり、摂餌のために機能する器官である。したがって，咽頭歯はれっきとした歯なのある。

　軟体動物の『歯舌』と呼ばれる歯や、円口類のヤツメウナギ類の歯は、摂餌のための器官ではあるが、上皮組織がへんかしたものであったり、アパタイトでできていないので歯ではない。
　またサメ類の鱗は歯と組織学的に同じ構造で，アパタイトからなる硬組織であるが、摂餌のために機能しない。従って歯ではない。

　そんな訳で、咽頭歯はその由来、構造、機能の面から見て顎歯と同じ歯なのである。

写真左；サザエを殻ごと噛み砕く顎歯　　中；咽頭歯　　右；胃袋から粉々になっで出てきたカニ

2015-07-02 びっくり仰天～コブダイ59㎝

2015-07-07 旅の道草

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