かなりはまった。筆者の感性が随所にほとばしり、あふれ出している。面白い。何度か涙も浮かんできた。トムラウシ山の山麓へ福井から家族で山村留学した1年間を日記風に綴った作品。宮下奈都さんの「神様たちの遊ぶ庭」。
北海道へ出張に出かけるときにたまたま読みかけていたこの本を鞄に入れて、飛行機や電車の中でページをめくった。
この出張の後の連休で大雪山へ登る計画を立てていたがこの本を読み始めたのは偶然。意図して読み始めたわけでは無い。初めての北海道での登山。気温は?台風は?雪は?と心配しながら荷物を札幌在住の息子たちの家に送り、妻と落ち合ってそこから二人で出発。台風が襲来するというのでその前日に登頂して返ってくる計画にした。
本当はトムラウシ登山や旭岳から黒岳の縦走などをやってみたいと思ったが、時間が限られていてままならない。まずは北海道最高峰の旭岳を目指す。
ロープウェイ駅の姿見駅を降りると山岳救助隊の方々が気温などを書いたパネルを持って注意喚起をしていた。「今日は暖かいですね!」と声をかけると「今日は最高です!!」と返事をしてくださった。「明日は台風でだめでしょうね」という僕の言葉に「明日はだめですね。」と明るく答えてくださった。それだけでなんだか心が明るくなる。
高曇りで時々晴れ間ものぞく。山頂は風も幾分あり、旭岳の裏側には雪もついていたけれど、とっても気持ちのよい登山。日本アルプスなど本州の山々とは違った広がりを山々の裾野が見せている。まさしく「神様たちの遊ぶ庭」だった。これをアイヌ語で「カムイミンタラ」というそうで、その言葉をポスターや駅の掲示などいろいろなところで目にする。でも、宮下さんの作品を読んだ僕はそれが、しつこく感じられず、むしろ心地よい。山頂で写真を撮ってあげた外国の方が景色を眺めながら「beautiful!!」と盛んにつぶやいていた。
「石狩岳 トムラウシ山 十勝岳 富良野岳 えっと・・・あれは美瑛岳かな?」などと連なる山々を地図で確かめてみる。北海道の山はなじみが薄いので僕にはなかなか特定できない。
「また来たい」と思った。今度はもっとゆっくりと時間をとって。旭岳でなくいろいろな山へ。神様たちと一緒に心を遊ばせてみたい・・・
todora5502さん、はじめまして。
私もこの夏、この本と一緒に北海道の山へ行ったので、なんだか嬉しくなってコメントしちゃいました。
まさに神さまが遊ぶにふさわしい雄大さで、本を読んでイメージしていた通りの景色が見られた事、私もその感動を日記にしたためていました。
「北海道遠征のお供」
https://www.yamareco.com/modules/diary/101432-detail-169208
いつかトムラウシに行ってみたいですね(^^♪
kiki8さん
コメントをありがとうございます。この本、以前から気になってはいたのです。
そして、なんと、実はkiki8 さんの日記に触発されて思い切って入手したのです。
旭岳への登山はすでに4月中に計画を立てていたものの、8月までは剱岳挑戦やそのほか北アの縦走(結局天候に恵まれず剱以外は断念しましたが)のことでいっぱいいっぱいで購わずにいましたが、9月になって思い出し、入手しました。
特に、大雪山に出向くから読もうと思ったわけでは無く、たまたまこれまで読んでいた本を読み終わり、北海道出張のお供に残っていた本を三冊ほど鞄に投げ込んだうちの一冊だったのです。空港へ向かう電車の中で読みはじめ、読み進むうちにトムラウシを含むカムイミンタラの中で心を遊ばせてみたいと引かれていきました。
旭岳からトムラウシ山を眺めて、あそこの頂に立ってみたいと強く思いました。
本を紹介していただいたkiki8さんからコメントを頂戴し、とってもうれしいです!
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