病院のゲージの中で、小さなリリィがうずくまっていました。
それを見た途端、涙腺は緩みっぱなしの私・・・止めどなく涙が流れ出ます。
腕には点滴。それを固定するためにがっちりとプロテクターの様なものを付けられていました。
後ろ足の両膝には、5〜6センチほどの傷。縫った痕が痛々しく見えます。
ゲージに近寄り、リリィの名を呼びます。
私の元へ来たいリリィですが、思うように動けない様で、プルプルと震えています。
「痛いの?」と私が聞くと。
なんと、痛々しい足でゆっくり立ち上がり、ヨタヨタと歩いて近寄って来たリリィです。
その姿にまた感極まって涙・・・。
そして、戸口に体を付けてペタンと座り込みました。
今のリリィにとって、たった50センチ歩くのさえ大変なのに・・・リリィは頑張りました。
私も戸の隙間から、思いきり指を入れて、リリィの顔や頭や身体を撫でであげました。
「なぜ、こんな目に遭わすの?」
「痛かったよー」
「家に帰りたいよー」
と、訴えているようなリリィの眼。
私も一生懸命にその想いに答えます。
「よく頑張ったね!」
「偉かったね!」
「また走れるようになるからね」
しばらくたって、先生から手術結果の説明がありました。
膝の窪みが浅く骨を削ったこと、膝のお皿?が外れていたこと、膝が上手く固定するように腱を縫い合わせたこと、股関節のずれも補修したことなど・・・。
そして、一番大切なことは、退院後はゲージ生活を1か月間し、きわめて安静に生活させること。
立ち上がりを防ぐためにゲージに蓋をすること。
これを守らないと、また手術を受けないといけなくなると。
飼い主の気持ちではなく、犬の立場でお世話してください・・・と。
なるほど。リリィのために1か月間、頑張らなければ
最後に、抗がん剤の時は、犬は預かりますからいつでも言って下さいと、私へのいたわりの言葉もいただきました。
フーとため息をつき、またリリィの元へ駆け寄ると、先生が戸を開けてくれました。
「ゆっくりどうぞ」
私はお礼を言って、すぐさまリリィの体全体を撫ででやりました。
リリィが飽きるまで・・・。
2回目の抗がん剤は28日。
また具合が悪くなるけれど、リリィの為に私も頑張るぞー!
明日は病院がお休みでリリィと会えません