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よくテレビで取り上げられインパクトのあるスーパーコンピューターによるランニング中の飛沫シミュレーション映像。ランニングでの”社会的距離“は1.5mでは足らず。このシミュレーションだと、なんと10mは飛沫が飛ぶ可能性を示唆しています。しかしこれは空気力学の研究であり、感染リスクには全く言及していない。研究を発表したブロッケン氏も、屋外のランニングやサイクリングを推奨している事は無視され、雑な情報だけ拡散される事態になってしまったことを憂いています。ちなみにシミュレーションの走速度は14km/hでほぼサブ3ペース。しかも真後ろが想定ですが、歩行者が真後ろにいる状況はそうそうあるでしょうか?(あったとして一瞬のすれ違い。)。酷い場合は、この画像だけの印象で、歩行者やサイクリストも呼吸をしている事は忘れ、まるで「なんとなくハァハァ言ってるランナーだけがウイルスを撒き散らしている」ような解釈がされています。
ハーバード大学の伝染病動態学センターの疫学者であるWiliam Hanage氏が指摘する。「疫学の側面では、液滴がこの経路を介して発生する感染の量よりもはるかに重要ではない。物理的な距離に関するアドバイスは、リスクを完全になくすのではなく、”減らす“ことである。」「このような研究は本当に有用ではない。少なくとも疫学者にとっては。」。
現在、感染防止の観点からは、屋外での運動がいかに危険かについてのコンセンサス(意見の一致)はありませんが、むしろ多くの研究が屋外での運動の健康上の利点が重要であることを示唆しています。
また、生物学者のレベッカ・レヴァンドフスキ博士は、「私はコンピューターが生物学で発生する無数の変??数を模倣する事ができるのを見たことがありません。査読されていないことはもちろんのこと、シミュレートされたものには懐疑的です。」とする。シミュレーションについて検討する価値のある何かを見つけたかどうか、彼女の答えは「ゼロ」でした。
多くのウイルス学者は、ウイルス量(密集した屋内環境は、屋外のオープンスペースよりも大きなウイルス負荷をもたらす)と、暴露時間が重要であるとしています。歩道の隣人に挨拶しても、ビールを飲みながら屋外のレストランで友人の隣に座っているよりもリスクは少なくなります。しかしこれまでのところ屋外での人から別の人へのコロナ拡散に関する発表された研究はありません。
結論から言うと、ランニング中は、必ずしもマスクを着ける必要はないということ。屋外の運動は、感染が低リスクであり、ランニングでの感染の報告は現在ありません。
広島国際大の佐和章弘教授(感染制御学)が屋外でのマスク着に関し、明確にコメントしています。
「他人への思いやりとして着用するのは歓迎したいが、必ずしも着ける必要はない。感染するケースは主に、くしゃみやせきのしぶきを直接浴びる「飛沫(ひまつ)感染」と、ウイルスが付いた物を触った手で目や口、鼻を触る「接触感染」の二つ。公園や河川敷などの屋外を1人や少人数で散歩する場合、感染を過度に心配することはない。ジョギングも、散歩と同じく、必ずしも着ける必要はない。しかし、大きく息をするため、しぶきが周囲に飛ぶ危険性が散歩時より一段階上がるイメージは持ってほしい。単独で走るのが原則。複数人で同じコースを一緒に走るのはやめよう。」
マスクを付けないならば、単独走で、しかも人の多い場所は避ける。周囲への配慮も必要。
暑い夏に向け、ランニングでのマスクをどうすべきか、考えてみました。
コメントありがとうございます。
実際のところ、私が普段走っているコースでは、最近は、東京では、早朝ということもあり、マスクを着用していない人が大半ですね。大阪では、ランナーはほぼ未着用です。
環境にもよると思います。なので、人が少ない時間と場所を選んでいます。
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