写真中央:六呂場山山頂
写真左:六呂場山山頂の「名言標識」
写真データの整理をしていて、面白いものを発見した。
南アルプス深南部の六呂場山(1748.0m)は不動岳〜黒沢山の間最低鞍部に近い山。深南部西端主稜線である加加森山〜黒法師岳間で最も低い山で、通常は縦走で通過する山である。
深南部の山はほとんど登ってしまったが、六呂場山だけ未踏だったので2016年10月に日帰りで登った。深南部には正式な登山道が無い山が多いが、踏跡以上の道がある場合も多い。そして笹藪が深いのは一部エリアで、大半は藪の無い深いシラビソ樹林である。六呂場山もまさにそんな山だった。
ここの山頂には山頂標識の他に「名言」と言える黄色いプレートが取り付けられている。「耳目は欺かない 判断が欺くのだ」。ネットで調べたら少なくとも今から20年前には取り付けられていたことが分かった。藪や雪山をやっている身には耳が痛い言葉だ。
人間は自分に都合がいいように解釈しがち。それが分かっていても、何度か痛い目に遭っている。素直に事実を受け入れて、地形図に穴が開くほどよ〜く見て、地形図と事実が合致する場所=現在位置を特定しなければならない。
今の時代はスマホで地図上で位置が分かるので読図能力の必要性は低くなったが、20年前はハンディーGPSが一般に出始めた頃で、山屋ではなくごく一部の電子ガジェットマニアしか使っていなかった時代。もちろんスマホは存在しないので、道が無い山では地図による読図しか頼るものは無かった。標識を取り付けた人も読図で苦労した経験を持つに違いない。
ネットで調べたら今年に六呂場山に登った記録でこの標識の存在が確認できた。樹脂製なので紫外線による劣化で割れるまで持つはずで、しばらく「名物」であり続けるだろう。
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