関東地方以外に住んでいて、丹沢大山に馴染みのない人にルートを紹介するという事で書かれているのですが、yasponyo27さんの推奨ルートは普通の人には敷居が高く、私ならどのルートを紹介するかと思ったので書いてみました。
ルートの紹介の前に馴染みがない人の為だから、とりあえずアプローチについて。
公共交通機関を利用するなら小田急線の伊勢原駅からバスで終点の大山ケーブル。車ならバス停近くの市営第2駐車場、もしくは600mくらい下の市営第1駐車場があります。しかし、大山はとにかく混んでおり、停められる台数も少ないのでバスが無難です。
初めて大山に行くのだったら、やはり王道の表参道ルートでしょう。バス停からケーブル駅まで、茶店や土産物屋の連なる参道の風情を楽しみながら、帰りに買う土産物と豆腐料理の店の当りをつけ、ケーブルで下社まで行きます。社殿の左手にある急な石段を登り、丁目石を数えながら山頂へ。帰りは雷ノ峰尾根で見晴台を経由し、二重の滝を見物して下社まで戻りケーブルで下山。
余裕があれば女坂で大山寺を回って、大山七不思議のひとつ、弘法大師が爪で掘ったという仏像などを見物してケーブル追分駅にもどり、最後は「きゃらぶき」とかの土産を買い、行きに目を付けて置いた豆腐料理を満喫。
これが遠方から来られる方が最初にやるべき大山の楽しみ方です。ただし、豆腐料理は混んでいると入れない可能性もあるので、予約をしておいた方が良いです。
更に余裕があるならば、大山ケーブルのバス停から歩いて大山駅まで行きます。途中には大山講のガイドおよび宿舎である先導師旅館や、大山寺を開いた僧良弁が水垢離をし浮世絵にも描かれた良弁滝、大山社務局の能楽殿などがあります。もっとも、滝はショボく、先導師旅館も見学できる訳ではないから、それほどお勧めでもないですが。
【画像で赤のルート】
表参道ルートは観光登山、もっと山歩きらしく楽しみたいと言うのであれば、小田急線秦野駅からバスで蓑毛へ。そこからヤビツ峠まで登り、イタツミ尾根で山頂。下山は見晴台、九十九曲がり経由で日向薬師へ。
もう少しマニアックに楽しむなら、九十九曲がり分岐のお地蔵さんの所を直進して尾根通しで下り、エボシ山、渋田山を経て、日向薬師か子易へ下りるルートもあります。ただし、このルートは藪があったり、多少地図読みが必要な所もあります。注意を要する所はエボシ山の下り。尾根通しに行くと林道の擁壁の上に出てしまいます。あと、渋田山から日向薬師へのルートも判りにくく、低山だと舐めて適当に下ると鹿柵に阻まれます。
蓑毛、ヤビツ峠を起点するならば、山頂から北尾根で札掛に下り、林道経由でヤビツ峠に戻る周回も捨てがたいルートです。特に危険な所も無く、人が少なくて良いです。
【画像でオレンジのルート】
他にも、ネクタイ尾根とか弁天御髪尾根、梅ノ木尾根などというマイナールートもあります。興味のある人はヤマレコで検索すると色々出てきます。
もっとハードに長い距離を歩きたいならば、秦野駅か東海大学前駅から歩いて弘法山に行き、善波峠、高取山、浅間山と尾根をたどって山頂へ。雷ノ峰尾根の不動尻分岐から三峰山、辺室山を経て宮ヶ瀬湖の湖尻の土山峠のバス停までというのは如何でしょうか。鎖場もあって変化のある山歩きが楽しめます。
このルートは長いけどエスケープルートは沢山あり、途中で嫌になったら何処でも止めて下りられます。また、逆コースにすれば、弘法山あたりで暗くなっても駅が近いので安心です。
【画像で青のルート】
一般的ではないですが、大山は沢登りもできます。普通は二重の滝から登るのだけど、下のケーブル追分駅からも遡行できます。駅の土台の壁に沿って進み、沢に入って少し遡行すると小さな釜とナメが連続する八段滝があります。その上に今は堰堤があるようですが昔は無くて、小滝が幾つかかある荒れた沢でした。やや単調な沢を登って行くと大きめの滝の上に橋が架かり、更に上に滝が見えます。それが二重の滝です。
二重の滝はザイルがあった方が良いような感じですが、それよりも問題は観光客の目に晒される事。昔この滝を登っている時に、どこかのオバさんに「そんな所を登るんじゃない!」と怒鳴られたことがあります。また、不用意にハーケンなど打ったりすると批判される可能性もありますのでご注意を。
二重の滝の少し上で水は無くなり快適な涸滝が続きます。オーバーハング気味の滝や、突っ立ったチムニー等の難所があるので、やはりザイルは有った方が良いです。最後は幾つも枝分かれしている急なザレのどれかを適当に登れば雷ノ峰尾根の登山道に出ます。頂上に直接出るのはルートファインディングが難しく。3回行って一度も成功しませんでした。
他にも楽しめる沢として蓑毛からの春岳沢がありますが、それは省略。なお、私が登ったのは何十年も昔で、沢はすぐに変わるから現在の状況は違うかも知れません。
【2019/9/28追記:gankoyaさんのコメントから、大山川は現在遡行禁止のようです】
大山のガイド記事は沢山あるし記録もゴマンとあるので、今さら私なんぞが紹介するまでもないのですが、こんな風にざっと挙げても多彩な山登りを手軽に楽しめ、歴史もある良い山です。
百名山に筑波山を入れるのであれば大山も入れるべきだ、と一時期は盛んに主張していたものです。まあ、丹沢のくくりで纏めているのは分らんでもないのですけどね。
guchiさん、こんばんは。
あー、来週、初めての友達案内するんで、そのルートで行って来ますね(笑)
それと、エボシ山。
最初に行った時は、地形図の通りに行ったら擁壁にぶち当たって、金網につかまって林道におりました。
次に行った時は、だいぶ経験つんでたから、自分のセンスで行ったら、シカ柵と激ヤブに(笑)
結局、道は見つけられなくて植林帯を無理矢理おりました。
最近は、そう言うスタイルの登山はやめたので、もう行く事は無いと思います(笑)
yasponyoさん、こんにちは。
いやいや、私のいいかげんなコース案内なんて見なくても、 yasponyoさんなら充分お友達を満足させるコースが組み立てられますよね。
エボシ山で一度目は擁壁の金網、二度目はシカ柵と藪。
私も全く同じでした。
そういう事があっても、いまだにそんなスタイルの登山をやってます。
というか、そういうスタイルが目的で山に行くようなものです。
guchiさん、こんばんは。
手軽に取り付く事ができて、あれやこれやで楽しむ事のできる大山川ですが、神社さんの意向で遡行禁止になったようです。
私は昨秋神奈川の友人に案内してもらい、下山での観光気分も含めて大変楽しく味わってきたのですが、どうやら最終シーズンだったようです。
二重の滝を土足で登ったり、右壁にピトンを打ったりするのはバチ当たりな行為だ!、という事なんでしょうね。
那智の滝の一件は有名になりましたが、一般的には男体山の閉山期登山禁止の例もあります。
神社庁や各社寺さんなどには、我が国の古来の登山になぞらえて、現在の登山も精神修行のひとつだと解釈してもらえるとありがたいのですがね。
gankoyaさん、こんにちは。
大山川は遡行禁止になったのですか!
神社の人は山に対する価値観が登山者と違うから、理解を得るのは難しいと思うけど、神奈川県の山岳連盟とかが働きかけて何とか許可を貰えるようにならんですかねぇ。
ピトンを打たずに裸足で登ればイイんだろ、なんて真っ向から喧嘩売るような事も考えてしまいますが、火に油を注ぐようなものでしょうね。
少し話はずれるのですが、遡行禁止や登山禁止について。
那智の滝の一件や名勝と言われるに岩にボルトを打ったとかの件のように、考えが浅い一部のクライマーのせいで、何でも禁止されるのは困った問題ではありますが、顕著な岩壁を見ると登りたくなるのも分かります。
そもそも山登りは、見えている山の山頂に立ちたいと言うのが原点で、剣や槍のように危険を伴う山でもそれを越えて山頂に立ちたい、冬の厳しい山頂に立ちたい、更に圧倒的な岩壁に足跡を残したいという事になる訳ですね。
山に行く人なら、この辺の気持ちは分かると思うのですが、登山者でも冬の男体山に登った人を叩く人がいて、なんだかな〜と思うのです。
勿論、やりたいなら何をしても良いという訳ではないですが、登山が大衆化して、そういう人が多くなっており、それが登山の範囲を狭めている気がします。
何にしても、息詰まりな世の中になったものです。
guchiさん、ご紹介ありがとうございます♪
早速明日行ってみようかな〜(´艸`*)
miki-taniさん、
ね、こんな駄文でも行きたくなるでしょ。
思い立ったが吉日です。
行ってらっしゃ〜い。
guchiさん、こんばんは!
大山オススメルート、ちょうどたまたま今年初夏に秦野から、1週間前に煤ヶ谷・三峰山から登ったばかりで、オススメされる理由がよく判りました(^_^)
エスケープルートの多さは、高尾山(ここを奨めるとタダの観光地じゃないかと言われること多々💦)と同じですし、降りた後のバス便も多いので安心ですよね♪
ただ夏に行くのは蒸し暑さとヒルが〜(>_<) アルコールスプレーは必須ですね💦
沢の話も…聞くだけですが、興味深かったです♪
toshimizuさん、こんにちは。
お勧めルートと言いながら、実は登山道をグレード(?)別に並べているだけなのです。
そういう意味ではyasponyoさんのルートの方がオリジナリティが高いです。
大山周辺はバスぼ便が比較的良いので、どんなルートにしても安心感が高いですよね。
蒸し暑さは昔も一緒ですが、仰る通り最近のヒルの問題は困ったものです。
私の三峰のように大山に行く人にビンとピンセットを渡して、少しでも採って来るようお願いすれば、減らせるのじゃないかと思いますが、無理でしょうね。
guchiさん、おはようございます!
大山のご紹介ありがとうございます。
大山は地元の人達に愛されている本当に良い山ですよね。
登山をしない地元の人でも、
神奈川県で一番高い山は大山と思っているくらい
蛭ヶ岳を知らなくても大山だけは知っている(笑)
うちは大山が近すぎて富士山が見えないせいか分からないですが、
特に大山信仰が強いです。
すっきりとした三角形のかたちも良いし、
朝昼晩毎日毎日大山きれいだなぁと眺めています。
ちょっと大山愛が強すぎかも?(笑)
そのわりには、今日行こうかな〜と思っていたけど
起きたら面倒になって、スマホいじっていたらguchiさんの日記が!
やっぱり行ってこようかしら♪
peachyさん、こんにちは。
今頃は、山頂で景色でも眺めているのでしょうか。
それとも、もう下りてきてしまっているかな。
大山は丹沢の外れに位置しており東側の人口密集地から良く見え、だからこそ大山講があって大山街道もあるから認知度が高いのでしょうね。
それに比べ丹沢の山々は塔ノ岳はまだしも、蛭ヶ岳に至っては地元民でも知らない人は結構いるでしょうね。
大山に隠れて富士山が見えないで思い出しましたが、以前、厚木に住んでた時に富士山が見える地点を5万図にプロットして、大山/丹沢の投影図みたいなものを作った事があります。
歩いて探すのは大変だから、バイクに乗って探したのだけど面白かったです。
近くに住んでいると、そういう楽しみもありますね。
guchiさん、こんにちは!
やっぱり大山は行かなかったです💦
なんてダメな私、トホホ。
今、彼岸花見て歩いてきて
駐車場に戻ったところです😃
お花はちょうど見頃でした😆🌸
富士山探し!面白そうです😆🎶
peachyさん、
今、ウチから見える大山は雲がかかっているようだから、行かなくて正解だったかも知れませんね。
おお、日向の彼岸花は見頃なのですね!
彼岸花の名所の巾着田も遅れているとの事で、今年はどこも随分遅いようです。
明日あたり行ってみてもよいけど、天気が悪そうなのが問題だな。
guchiさん、こんにちは!
最近は隔月大山に登っているので、やけに馴染みの山になってしまいました。
さて、遠方から来られて初めて大山に登るなら・・・私もguchiさんオススメコースに投票したいです。やっぱ、あれが王道ですね。
大山って、私の知る限りでも「ほぼ毎日」ぐらいの頻度で登っておられる方が複数組いますよね。それだけ良い山かもって感じるようになりました。
ところで例の二重の滝ですが、ご神域なので登攀禁止という意味の看板が立ってますよ。
有名な那智の滝も法律的には登攀禁止できないみたいは話を聞きましたけど、二重の滝は阿夫利神社の所有域なんですかね?(それなら分かる)
イーグルさん、こんにちは。
大山は登山をやる人にとっては入門コースとして、やらない人には歴史的な観光地として、夫々に楽しめるから人気があるのでしょうね。
高尾山も同じだけど、大山の方がキツイのが人気の差かも知れません。
富士山をはじめ、金時山にも、ほぼ毎日登っている人はいますね。
私も30分くらいで登山口に行けるのであれば、やっても良い気がします。
ただし、夏の時期を除いてですが。
良く調べていないのですが、那智の滝が法律的には登攀禁止できないのは、河川として所有物に出来ず、海岸や河原のように一般人が自由に出入りできるからじゃないでしょうか、二重の滝も同じじゃないでしょうか。
所有地とかの話が出てくると、他の山でも登山道はどうなんだという話になって、ややこしくなるのですが、昔はあまり問題にならなかったのに、最近になってその手の話が出てくるのは、寛容性の低い余裕のない社会になったからでしょうね。
そういえば、以前、丹沢の寄の奥で、森林の所有会社が登山道にゲートみたいなものを設けて通行料云々とかやってた事がありました。
最近は、やっていないようだけど、どうなったんですかね。
guchiさん、こんばんは!
本題の大山からは外れるのですが那智の滝の話が出てきたので💦
この話「外道クライマー」という本でご本人の描写で読んだことがあります。「最初は暗い夜中に登る予定だったが、神聖さに敬意を表して昼間に登った」とか「現場で激高する神主と、それに同調する警察。一方で取り調べでは穏やかだった(法律的な部分?)」とかとか。
釣られて一般常識から疑ってみて「ご神体に登るのは本当にダメなことなのか?」と考えたりしてしまいました💦(クライミング技術ゼロなので、そもそも無理ですが)
そして「どんなに行儀良くしても、登山とは反社会的である」には言い返せませんでした💦💦
○『外道クライマー』スーパーアルパインクライマー宮城
https://honz.jp/articles/-/42617?page=3
toshimizuさん、こんにちは。
「登山とは反社会的である」とまでは言わないけど「登山者、冒険者には、そうしたルールや規則を煩わしいと感じているところがある」といのは、ある程度当たってますよね。
安全最優先で危険な所は全て手摺と階段をつけた遊歩道のような登山道を歩いて満足する人もいるけど、ある程度山のレベルが上がってくると、もっと困難所所に行きたくなる。
更にそれが高じて、立ち入り禁止という所でも行ってみたくなる。
これは登山という行為をやる人は誰でも根底に持っているのではないでしょうか。
ほら、ヤマレコでも沢山居るじゃないですか、バリルートと称して訳分らない所を歩く人が。
一方で、そういうのを良しとしない人も居て、結局そのあたりのせめぎ合いなのでしょうね。
あと、宗教がらみの場所は厄介ですね。
その宗教を信じていない人にとっては何の意味を持たない場所でも、信者にとっては神聖にして犯すべからず。それが例え、後付けのコジツケであっても、その宗教のお偉いさんが決めると、そうなってしまうのが割り切れない所ではあります。
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