槍が岳に登るなら厳冬期の北鎌尾根からと決めていた私は一寸厳冬期とは言えないが、どうにか3月中に意中の人と北鎌尾根から槍が岳に登って意気揚々。
快晴無風のドピーカンのハイキングです。
彼女と二人きり。
ルンルン気分。
中岳に着きました。
美しい大斜面。
下り始めると意外と雪が腐っている。
面倒くさい。
ちょっとシリセードを試してみる。
ちゃんとピッケルでコントロールして簡単に止まれる。
よっしゃーと本格的に滑り始める。
クリスチャニア ウウェーデル・・・・。
一寸スピードが出過ぎたのでピッケルに重心をかける。
あれ、制動が利かない。
どんどんスピードが出てくる。
雪の下がブルーアイス!
自分が巻き上げる雪煙で前が見えなくなってきた。
やばい。
最後は左手の岩にぶち当たり天狗が原の池まで一直線。
体を回転させて制動確保、ちがう滑落停止!
飛んだ。
でんぐり返しを2,3回したでしょうか。
どうにかうつ伏せになり、流れる斜面にピックを打ち込む。
一瞬でピッケルは飛んで行った。
さすがに松濤岩の反省を踏まえ、ピッケルバンドは右手に付いてる。
落ちながらピッケルバンドを手繰り寄せ、ピックを刺す。
また飛んだ。
やばい、やばい。
ピッケルバンドでピッケルを手繰り寄せ、全体重をかけ、ピックを刺す。
ものすごい衝撃で停止した。
見ると数ミリしかピックは氷に食い込んでいない。
下手に動いたらまた落ちる。
左足が目の前にある。
ツァッケがブルーアイスに食い込んでいる。
あーあ、また捻挫かよ。
彼女が上部で「だいじょうぶー!」と叫んでいる。
死んだふり。
やっと彼女が私のところまで下りてきて「だいじょうぶ?」と肩をゆする。
「死んだ。」と私は答える。
左足を引きずりながら南岳の避難小屋へたどり着きました。
そこで2日間死んでいました。
明神岳までの縦走をあきらめ、柳平小屋めがけての決死行です。
流石にシリセードでは南沢を降りません。
まじめに這うか歩くです。
下部ではデブリを縫って歩くが、ワカンをつけた足が落ちる度に悲鳴を上げていました。
教訓 アイゼンを付けて降りるところでのシリセードは止めましょう。
こんばんは!
大変なご体験ですね〜!
私もシリセードやらスキーやら稜線歩きやらで時々穴に落ちています
よくあの世に行かずに済んだなぁと己の運の良さにビックリする時もあります
数メートルもある深くて巨大なクラック、しかもデッカイ岩が下で待ち構えている穴に落ちた時はちょっとあせりました。
穴に気付いた時既に遅く、制動かけても間に合わない。
どうにか穴の狭い方へ曲がるのが精一杯。
両手両足大の字パツンパツンに広げて途中で辛うじて引っかかりましたが、雪が軟らかくてそのままじわじわズビズビ〜と下に落ちて行きました。
たまたま仲間が居ましたので引っ張り上げてもらうことが出来ました
人間、運が良かったり悪かったり色々ですけど、山はやっぱり良いですね!
mieeさん誤解です。
大変な体験ではなくお馬鹿な体験です。(笑い)
mieeさんも大の字制動をよくご存じで。
私はこのようなお馬鹿な失敗を幾度と繰り返しましたが
無事生還しています。
最近までこの結果を以て「歴史が私を必要としている。」
と解釈していたのですが、どうも山で運を使い果たしたのか
癌になってしまい「がーーーん!」です。(笑)
さて明日は久々に山歩きです。
お休みなさい。
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