赤岳(美濃戸口〜柳川南沢〜行者小屋〜文三郎尾根〜赤岳〜地蔵尾根〜行者小屋〜中山乗越〜赤岳鉱泉〜柳川北沢〜美濃戸口)
- GPS
- 23:19
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 1,571m
- 下り
- 1,559m
コースタイム
- 山行
- 5:08
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 5:58
天候 | 曇り、霧 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北沢の後半は広い沢?水無の河原を歩いて行くんですが、足もと気をつけて。 文三郎尾根から稜線分岐を経て山頂直下、登りの岩登り、注意して下さい。 山頂から地蔵尾根への下りのガレザレ、足もと気をつけて。 南沢は何度も沢を横切るんですが、橋がないところもあります。足もと気をつけて。 |
その他周辺情報 | 八ヶ岳山荘の入浴は500円です。それほど広くないので混んでないタイミングだと良いです。 |
写真
装備
備考 | 濡れている鉄アミの階段は足を滑らせます。地図は最新版が良いね。 |
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感想
立山に登ったときに、目の前に見えたのは劔岳だったと思う。硫黄岳に登ったときに、目の前に見えたのは赤岳だったと思う。二回とも、あれらの大きな岩の塊の山には絶対に登れないと思った。
二週間くらい前に去年のこの時期に山に登ったことを思い出した。あのときは金峰山だったなー。そういえば山の日で、バス停の近くの山小屋がカレー10円で振る舞っていたなー。
折角だから山の日にまた山行しようと決意し、どこへ行こうか考えた。夏休みに何処其処行った、という感じのところがいい。北ア、南ア、八ヶ岳。
北アと南アは夜行バスで早朝にアプローチするイメージが強く、スケジューリングが難しいのでやめた。八ヶ岳でチャレンジしたい山となると、最高峰の赤岳。岩山を登るのは難しくないとしても、行程は五時間超え。体力続かないだろうなあなどと弱腰になるも、毎日地図を眺め、買い物したり、宿の予約状況を確認したりして、気持ちをチャレンジする方向に持って行き、決意。
そういえば、北アルプスなんてと思っていた時期もあったけど涸沢には行ったし、今回も無理だろうなと考えていたレベルの山に、けっきょくチャレンジすることになった。「大きな岩の塊」山行のはじまりーはじまりー。
体力ないのでテント泊は初めから考えず、宿は展望荘と頂上山荘どちらにしようか考えた。展望荘にして翌日登るのはツライから頂上山荘にしたけど、よく考えてみたら到着してから重い荷物をデポしてアタックしても良かったし、翌朝荷物を宿に残したままチャレンジしても良かったわけで。
JRは「指定席」を買った。始発から乗れるケースなら考えなかったけど、体調万全にして挑みたかったから。途中駅からの乗車の場合、自由席が空いている確率は低いわけで。まあ平日だったけど。でも夏休みだし。などといちおう悩んで考えた。
バスが美濃戸口に着いて、先ずは登山届提出。とくにゆっくりすることもなくそのまま入山。赤岳山荘と美濃戸山荘があるゲートまでは車も通る平坦な林道を一時間。なので、とくに準備運動もすることなくテクテク。
追い越す車の人が「へ〜い!乗ってく?」なんて云ってくれるはずもなく。
美濃戸山荘からはルートが二手に分かれます。美濃戸中山の尾根を境に南北の沢。往路は南沢を行き、復路は北沢を予定しています。
ここからは本格的な登山道。沢の音を聞いたりしながら苔むした道を行きます。のぼりも少しずつ厳しくなってきて、だんだんつらくなってきました。
途中から大きな沢の中を歩きます。此所までなぜか(笑)封印してきたストックを使って歩くことに。ダブルストックの推進力に助けられつつ歩みを進めます。
とかいいつつも、そろそろ時間も遅くなってきて、未だ行程の半分くらいだし、雲行きが怪しくなってきて、人はほとんどいないし。
焦ってきました。先行している一人の登山者をなるべく見失わないよう、気力を振り絞ります。ペースメイクしてくれてありがとう。
北沢のヘリポートの手前あたりで、広い沢の中を歩くのとは違った、沢の南側を並行しているらしい?ルートを歩いて帰っていく登山者を見た。あれはどこからだったんだろう?道を間違ったのかな?
行者小屋に着きました。いわゆる八ヶ岳のベースキャンプ的な場所です。ほぼ予定通りの到着時間とはいえ、あと二時間であの大きな岩の塊を登り切ることが出来るのだろうかと不安になります。
あの大きな岩の塊=目指す赤岳はちらっとシルエットが見えたと思ったら見る見るうちにガスに覆われ、雲行きも怪しくなってきました。
小屋の人に「頂上までのコースタイムは二時間ほどと書いてあるけど本当に登れますかね?」などと答えに困る質問をしてみたけど、案の定「ですね、二時間以上掛かる人もいますョ。」と予想通りの答え。愚問でした。
行くしかない、と心に決めて登り始めるも、だれも後を追ってきません。さみしい。
文三郎尾根はしばらく行くとすぐに例の階段が登場します。金属製の階段や、尾根を整地して補強した階段。以前の山行でダブルストックによる階段昇降方法(いわゆる上半身と腕力を使い、脚に負担をあまり掛けない上り下りの仕方)を会得していたので、なんとなく高度を稼いでいたものの。
すれ違った下山者の声(その1)二人組み「これからなんてタイヘンですねー。でもなんとか大丈夫だと思いますよ。」
すれ違った下山者の声(その2)お一人様「ペース上げないとダメだよー。」
雨も降ってきました。マズイです。雨は降って欲しくなかった。すぐさまレインを着てザックにカバーを掛けます。15時20分頃。予定では16時過ぎに山頂ですが、あと40分であの上まで着くとは思えない。でも登るしかない。
体調は悪くなかったので登れるけれど、時間は掛かりそう。そんなことを16時になったら山小屋に一報入れよう、そう思って登り続けました。
やっとのことで山頂と阿弥陀岳への分岐の稜線に到着。道標のシルエットが見えたときになんとホッとしたことか。(未だ核心部が残っているけど)
そこからは先ず広いガレザレの尾根をつづら折りに登っていきます。そして岩稜地帯へ。ストックを仕舞って、数カ所在る鎖部分を、クライミングの要領で登っていきます。ボルダリングやってて良かった?鎖は使いません。
キレット分岐、竜頭峰分岐と来ました。此所で16時になったので小屋に電話を入れます。電波あって良かった。「竜頭峰にいます、これから向かいます。」「お待ちしてます、気をつけてどうぞ。」
最後にハシゴがあって、そこを登り切ると山頂です。ガスっていて眺望は全くなし。
ほぼ時を同じくして別の尾根から上がってきた登山者がいたのには驚きました。一言二言会話をして「先に小屋へ向かいますね。」
祠がある、いわゆる山頂は南峰で、多少切り立っているところを1分ほど歩いた北峰に山小屋があります。山小屋では淡々と受付をして頂き、あとは夕食の時間まで自由です。
赤岳頂上山荘のこと
・赤岳の北峰にある。
・広めの土間があって物干しがあり、奥に受付がある。
・受付には人はいなくて厨房などに声を掛けると出てくる。
・山バッジなどのお土産も売っている。アンデス?の織物とかも。
・夕食朝食ともに2回交代制だった。
・前日情報では60組の宿泊客。布団は一人一枚ある。
・部屋は一階と地階に。二段式寝床。
・食堂、喫煙室は一階に。
・トイレは地階の奥に。和式三部屋、洋式一部屋、立ち小便用一つ。奥に使用不可の部屋一つ。これらは宿泊客用で、外にも一般登山者用にあったみたい。
・夕食はメインをトレイで受け取り、ご飯とお味噌汁とお茶は自分で。座布団も自分でw。席は自由。
・お弁当にしてもらっていた朝食を夕食時に受け取り。(これは残念)
・食堂には雑誌や書籍があった。テレビはなかったと思う。
滞在は半日ほどでしたが、総じて快適でした。キレイだし対応もまずまずだし、また泊まりたいと思う山小屋でした。(再び赤岳山頂に滞在することになったら先ずは「泊まったことがない」展望荘を選ぶけど)
消灯の八時より前に眠りに就き、何度か目を覚まし、午前四時過ぎに起きて、少しずつ身支度を調え、一回目の朝食が始まる5時20分より前に出立しました。短い間でしたがお世話になりました、ありがとうございました。
横岳方面に向かいます。展望荘までは下山。地蔵ノ頭までですが、稜線歩きです。天気が良かったら朝日に照らされた山々が素敵だったことでしょう。(日の出時刻は4時55分頃だったとのこと)
展望荘の脇で頂上山荘で用意してもらった朝食弁当を食べました。(^^ゞ
霧の中を歩いていて髪の毛が濡れてき、地蔵ノ頭の頃には霧雨だと認識しました。先行している人がレインを着始めました。後から来た人が長袖一枚で「予報では午後から雨」と云っていたのと、下山してガスから抜けたら霧雨は感じなくなるかなと、レインは上着にしました。
地蔵尾根は鎖と階段です。途中から森になります。森に入った頃からは霧雨を感じることもなく、ミドルを脱ぎ、レインも脱ぎ、行きと同じ半袖で行動です。
この頃から山頂を先行して出発した四人組みに追いつきそうになったのですが、追いつかないようにペースを落としたので、下りの時に脚が痛くなることはありませんでした(ここ最近の山行ではよく膝裏が痛くなった)。良いペースメーカーでした。
行者小屋について、一休みして、すぐに赤岳鉱泉のほうへ進みます。復路は御小屋尾根にするか、中岳か阿弥陀岳をピークハントしてから行者小屋などいろいろ考えたのですが、地蔵尾根を使って行者小屋、赤岳鉱泉、北沢と、ちょっと遠回りというなかなかのルートを見つけたときは一喜しました。
赤岳鉱泉はほとんど通り過ぎただけですけど、一目見ることが出来て良かったです。お風呂もあるんですよねー。いつか八ヶ岳で大きい山行をするときはここをベースキャンプにしたいです。
北沢はずうっと沢沿いを歩きます。水流豊かな大きな沢には幾つもの橋が架かっています。落ちたら溺れますね。支流のところはルートに沢が流れていることもあり、チャプチャプしながら進みます。
美濃戸山荘から美濃戸口までは往路と同じく林道です。ただ淡々と。ほどなくして太陽光が燦々と降りしきる森の先に美濃戸口の八ヶ岳山荘の建物が見え、ゴールと相成りました。
11時20分のバスが始発だったと認識していたのですが、バス停の時刻表を見ると10時20分が始発です。あと45分。八ヶ岳山荘にて急いでお風呂に入って(バスbusが来る前にバスbathに入る!)、帰路に就きました。
「大きな岩の塊」山行、おしまい。
今回も素敵な出会いがありました。
宇都宮から来られている方。あの時間で赤岳山頂を踏んだのは私たち二人だけでした。ぎりぎりの時間でしたよね。あぶなかったです。小屋の人に怒られなくて良かった(笑)。夕餉のひとときを山の話題で楽しく過ごさせて頂きました。ありがとうございました。
ワンダーフォーゲル部の皆様。下山時の美濃戸山荘で一緒になりました(一度、南沢で追い抜きました)。ただ休憩のための座る場所を譲り合っただけのことでしたが、ひとときの会話と皆様の若さに安らぎと活力を頂きました。ありがとうございました。
次も素敵な出会いがありますように。
追記
帰路の電車の中で気がついたんだけど、自分が持っている昭文社「山と高原地図(八ヶ岳)」と、アプリ「山と高原地図(八ヶ岳)」で年度が違う!前者は2012年版、後者は2015年版。ルート記載の所要時間が違った。後者のほうが時間が掛かる表記になっている。そういえば地図を見ながら「このタイムなら行けるかも!」って思ったり「やっぱり時間掛かって無理かもなー」なんて思ったり、気持ちも行ったり来たりだった。
地図は最新版を参考にするのが重要です、はい。
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