光岳、聖岳
- GPS
- 22:22
- 距離
- 48.8km
- 登り
- 4,885m
- 下り
- 4,861m
コースタイム
- 山行
- 6:51
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 8:20
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 6:51
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
写真
感想
富山人の南ア南部遠征第一弾が一昨年の小渋川から赤石・荒川・塩見岳、第二弾聖岳・光岳を昨年計画するも登山口易老渡までの林道が通行止めとなり延期、本年改めて実施の運びとなった。
8月11日(前夜): 祝日山の日であるが、東京での用事を済ませて富山に戻り、準備を仕上げて夕刻暗くなって出発。安房トンネルを抜けて松本から中央道、松川IC下りたのが午後11時頃、ここから登山口易老渡手前の渋沢ゲートまでの50km余りが長く、狭くてスピード出せない林道走りを午前1時過ぎに漸く終えた。
12日: ゲートから易老渡までは林道を約5km、そこをマウンテンバイクでアプローチする。砂利道が1/3位あるのでロードバイクでは辛いだろう。斜度は概ね緩いのでママチャリ的な自転車でもOK。途中タイヤが嵌まり込む隙間のすのこ鉄板と深さ不明のぬかるみが少し怖かった。林道徒歩90分とあったが時速3kmの計算でその位になる、自転車ではのんびりの時速10kmでも30分で済んだ。易老渡登山口の橋を渡って自転車デポ、登山開始となる。
標高880mの易老渡から、2354mの易老岳まで樹林帯の道をひたすら登る。標高1500m弱の面平までが特に急登である。テント山行は今年初めて、荷物は自宅出発時の計量で13kgだったが、食料を足し水を加えて16kg位だろう。面平で休憩するまで少し辛く感じたが、その後は慣れて来て、2000mで1回休憩の後、霧の中の易老岳に着いた。
易老岳からも殆ど樹林帯の道で、標高2200mの三吉平まで稜線を下り、静高平へは沢状で、岩ゴロの道を登る。イザルヶ岳の肩の手前となる静高平は、旧制静岡高校に因むので「しずこうたいら」と読むのだ。枯れることもあると言うがこの時は滔々と水が流れ、花が咲く別天地である。「ここで水が出ていれば小屋で水を供給しません」との看板でしっかり水を汲んでいく。
イザルヶ岳に寄り道するが霧で何にも見えない。センジヶ原の木道を歩くと光小屋が見えて来てほどなく到着。テント場は400円と安いが、狭いので端から詰めて張るように指示される。自分が張った場所で1〜2人用のテントが6張りで限界。もう一ヶ所も同じ位の広さ、それで全てらしい。テント張って一服後、空身で光岳へ散歩、光石まで足を延ばして戻って来た。光岳は自生ハイマツの南限と言うが、ハイマツばかりで覆われているのではなく、カンバや針葉樹の樹林に混じってハイマツ帯が点在する程度で、高山の雰囲気はあまりしない。南アの2600m程度の山ならこんなもんだろう、ともかく百名山を一つこなした、その位の気分だった。
午後3時〜4時位だったか、雨になり、一時強くなってテントの中で耐え忍ぶ感じだった。止んで外に出て、周りのキャンパーと声を掛け合う。ツェルトのソロの人が、中でも水浸しになったとこぼしていた。夜にも時々降っていたが、朝3時に起きて以降は止んでいた。濡れたテントの撤収ではあった。
13日: 薄明るくなったがもう少しヘッ電要るかな、との状態で光岳小屋を出発、静高平で水汲みと顔洗い。易老岳まで昨日の道を戻って、聖岳に向かう新たな道に入る。ケープタウンの喜望峰とは字違いの希望峰は未だ樹林帯、茶臼岳で森林限界の上、やっと高山帯となる。次の上河内岳は本日の最高点、肩に荷物をデポして登頂するが、霧の中の義務的往復である。
上河内岳から聖平までは、途中南岳があるが概ね下り基調、相変わらず展望もないので淡々と進む。南岳手前のトラバースが、今回初めて見る見事なお花畑、本日唯一の見どころだった。
そして霧の中を聖平の分岐、直ぐに聖平小屋に到着。ここで午前11時を過ぎたばかり、天気が良くなれば聖岳を往復しても良いのだが、その気配はなく、テント張って早々とまったり午後にしよう。光小屋で隣だった青いプロモンテのお兄さんも程なく着いて近くにテントを張った。今日易老岳、茶臼岳と上河内岳で僕が休憩中に追い付かれ、僕が先に出発するとの具合で同じ様なペースだったのだ。
小屋でビールを買って、初めは自分のテント前のベンチで飲んでいたが、雨がポツポツ降って来たので、小屋前の屋根のあるテラスに移動した。プロモンテのお兄さんが小屋のカレーライスを食べているところに合流、談笑している内に雨が強くなった。12時半頃だったろうか、これは正しく豪雨だ、小屋の屋根から滝の様に水が落ちる。テントが水没しているか心配だが戻るに戻れない、という状況だった。ずぶ濡れの登山者が次々と小屋に逃げ込んでくる。いやはや、今日は早着きで本当に良かった、と僕とお兄さん。小降りになってテントの無事を確かめ、胸をなでおろした。
14日: 前日夕刻から夜半も繰り返し雨が降り、午前2時に降っているのを確かめた時は、聖岳は登らずに撤退かな、リベンジはいつどのようにしようかなと考えていた。しかし3時から4時の間に雨は止み、5時出発の時点では雲も薄れていく気配、これは聖岳を目指すしかないではないか。
聖平を出て20分ほど登って薊畑の分岐に到着。ここで重荷での登りは終了、軽装で聖岳へ向かう。マルバダケブキの群落を抜けて登って行くと、ドーンと大きな聖岳の姿が、今回初めてのお目見えに心が高鳴る。小聖岳で森林限界を超え、一旦コルに下りていよいよ聖岳への最後の大斜面。ここは標高差とガレた景観が、一ノ越から雄山へのルートに似ている。ここの方が斜面が幅広く、傾斜は緩い。大きな岩は少なく殆ど礫上の道で手を使うところはない。
遂に3013mの山頂。先ず目の前に大きな大きな赤石岳の姿。2年ぶりです。そして富士山、振り返れば昨日歩いた稜線の山々。上河内岳は間違いなくわかるが、光岳はどれだか良くわからず、帰ってからカシミール3Dで調べないと駄目だな。右へと視点を回すと御嶽、中アと乗鞍岳が重なり、笠ヶ岳、槍穂、赤石岳に戻る前に塩見岳、仙丈岳が確認できた。二日間一貫して展望がなかっただけに、この眺めは嬉しさ一入だった。これで南アの百名山は全て制覇、北アと中アも終わっているので一区切りだな。
薊畑のデポ地までは身軽なのでルンルンの駆け下り。荷物を取り戻して樹林帯の尾根を西沢渡まで標高差1300mの急下り。辛抱ではあるが登りよりは楽、休憩1回の90分ほどで尾根末端である西沢渡に到着。手動ゴンドラで谷を越えてしまえば、後はほぼ水平、森林軌道跡を辿って便ヶ島、車道になって易老渡、自転車に乗ったらものの15分で柴沢ゲートに戻って来た。今日もスピーディーに、午前中で全行動終了。
なかなかドラマチックな展開の後ですばらしい光景を見ることができましたね。写真も楽しませて頂きました。
でも、16キロのザック背負ってこのスピードはないでしょう。さすがです。お疲れ様でした。
rainbowじゃなくてover the rainでしたよ。夕焼け、朝焼けも星空もない山行でした。朧月と木漏れ日位でしたね。聖岳登頂時もblue skyでなくgray skyでしたが、3日目にしてやっと見れた大展望でしたから嬉しかったですね。
聖平小屋での豪雨ですが、ヤマレコでこれを書いたレコがまだ見当たりません。便ヶ島から登ってもう少し遅く着いた人が、雨降ったけど大したことなかったと書いているので、相当局地的な大雨だったようです。
テント装備で標準の0.8〜0.9倍のペースと予想してたんですが、もう少し調子が良かったようです。同コースを茶臼小屋での1泊でこなすのも時間的には可能だったようですが、早出早着き・午後はまったりの今回の行程で天気の推移ともかみ合って、結果良かったと思います。
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