記録ID: 1254542
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
北ア縦走槍ヶ岳(鏡平・西鎌尾根経由で登り槍平経由で下山)
2017年09月09日(土) 〜
2017年09月11日(月)
gack_m
その他2人
体力度
7
1〜2泊以上が適当
- GPS
- 23:57
- 距離
- 31.4km
- 登り
- 2,524m
- 下り
- 2,647m
コースタイム
1日目
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 3:14
- 合計
- 10:04
7:38
7:52
19分
わさび平小屋
8:23
8:30
25分
(R)
8:55
9:02
13分
(R)
10:02
10:09
9分
(R)
11:34
11:40
18分
(R)
13:29
13:40
26分
弓折中段
15:27
2日目
- 山行
- 5:04
- 休憩
- 2:01
- 合計
- 7:05
天候 | 9日は晴れのちガス、10日は晴れのちガス、11日は薄曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
http://kankou.city.takayama.lg.jp/s/_res/projects/kankou/_page_/002/000/369/map201602ver4.1.1.pdf 新穂高温泉に金曜24:00(土曜0:00)に着いたにもかかわらず、一番近くの深山荘(P5、無料)に停められず、鍋平まで上がって鍋平園地の登山者用駐車場(P9、無料)に停めました。駐車場にはトイレがあり紙も付いていました。ただ、9日早朝に新穂高の登山センターまで30分少々歩かされました。有料でもP6に停めれば歩く距離は短かったですね。P6は一日300円でしたから、縦走して下山しても3日で900円でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(目次) 1.新穂高温泉から秩父沢徒渉点 2.秩父沢徒渉点から鏡平 3.鏡平から双六小屋 4.双六小屋から千丈乗越(西鎌尾根) 5.千丈乗越から槍ヶ岳山荘 6.槍ピーク 7.槍ヶ岳山荘から槍平小屋 8.槍平小屋から新穂高温泉 1.新穂高温泉から秩父沢徒渉点 金曜夜24時に新穂高温泉に着いたのに深山荘の駐車場に停めることができず、鍋平の登山者用駐車場に停めることになりました。そこから坂道を登り、ロープウェイの鍋平駐車場付近から山道に入って下っていき、新穂高登山指導センターまで30分少々かかりました。詳細はアクセスのところに書きました。 新穂高温泉から小池新道へ進むには、新穂高登山指導センターの前から鎌田川を渡って車道沿いに登るのがメインルートのようですが、新穂高ロープウェイの駐車場から吊り橋を渡って進むショートカットの登山道もあります。メインルートが左俣谷を渡り返したあたりで合流します。そこから林道を進んだ先にも登山届を提出できる場所がありますが、登山指導センターで提出して、登山届届出済証をもらった方がよいでしょう。登山届届出済証は遭難の際などに新穂高温泉から入山したことを証明する名刺サイズのカードです。 わさび平まではずっと砂利道の林道を進みます。途中の「お助け風」というポイントが新穂高温泉から30分ほど歩いた所にあり、ほぼ中間地点だと思います。冷たい風が吹き出す風穴のようなところですが、案内表示がとても小さく、気づかずに1329標高点のある橋を渡ってしまうかもしれません。橋を渡ってさらに進むと、笠新道の入口に着きます。ここで水の補給ができます。笠新道入口から10分ほど進むと、わさび平小屋が見えてきます。わさび平小屋でも水の補給は自由です。早朝に歩き出すと、わさび平小屋の名物であるそうめんは作ってもらえません。リンゴやきゅうりなどを冷やしているのはおそらく買えそうです。わさび平の周辺はDocomoも圏外です。 わさび平小屋を出てさらに20分ほど林道を進みます。奥丸山への登山道がそのまま林道を進んで左俣谷を渡りますが、小池新道は橋を渡らず、登山道に入ります。しばらくは岩を積み上げたような道を登っていきます。平たい岩を積んで登山道にしたようで、道を開いた小池さんに感謝です。左俣谷の川の音が次第に遠ざかり、坂を上がっていくと、槍ヶ岳や穂高連峰、焼岳が見えるようになります。再び沢の音が近づいてくると、行く先に秩父沢徒渉点が見えるようになります。(多くの人が沢で休憩しているので分かるはず。) まもなく秩父沢徒渉点に着きます。秩父沢徒渉点はDocomo圏内です。 秩父沢徒渉点では、ほとんどの登山者が沢の水を汲んでいます。新穂高温泉からここまでは、わさび平と秩父沢で水の補給ができるので、最小限の水(500ml程度)を持って歩けばいいでしょう。徒渉点の上部には笠ヶ岳の稜線方面が見え、反対側には槍穂高や焼岳が望めます。 2.秩父沢徒渉点から鏡平 秩父沢を出ると、しばらくは岩を積み上げた道が続きます。チボ岩を過ぎて次第に傾斜もきつくなり、植生も低い木になります。秩父沢徒渉点からシシウドガ原までの半分少々を進んだところにイタドリガ原と書かれたポイントがあり、それなりの人数が休憩できる広さです。さらに登って、シシウドガ原に着きます。シシウドガ原でルートは右へ曲がる感じですが、左へ数m行くとベンチがあり、焼岳などの展望が得られ、気持ちよいところです。(晴れていると暑い。) シシウドガ原からは再び樹林帯に入る感じで、ゆるゆると登っていきます。30分くらいで木道ルートになり、木道に「熊のおどり場」と書かれた地点に着きます。そのすぐ先には岩に「鏡平まで500m」と書かれています。ここから20〜25分で鏡平ですが、傾斜はきつくなります。「あと5分」という看板を経て登りきると、広いデッキでベンチも複数ある鏡池に着きます。逆さ槍はこの鏡池から見ることができます。天気が良いなら鏡池でまず写真撮影してから山荘に移動しましょう。逆さ槍を撮影するには、デッキの一番奥まで行き、デッキから20cmくらいの低いアングルで池と槍穂の稜線を狙います。 鏡池からは木道を1分ほど歩くと鏡平山荘に着きます。山荘前には複数のベンチ・テーブルがあり、多くの登山者が休んでいます。水は1リットル200円だったと思います。かき氷が有名みたいです。双六小屋まで行くならここで昼食にする人が多いでしょうか。売店でカレーライスやラーメンなどを頼んでいる人もたくさんいました。鏡平山荘はDocomo圏内です。 3.鏡平から双六小屋 鏡平を出ると、池を渡る木道を進みます。行く先には樅沢岳から槍ヶ岳まで西鎌尾根がずっと見渡せ、それらが池にも写って美しいです。池を過ぎると、さっそく樹林帯の登りになります。次第に樹林帯を出て、晴れていれば炎天下の厳しい登りになります。弓折分岐(弓折乗越)までの中間地点に「弓折中段」というポイントがあります。そこを過ぎると、弓折岳をトラバースするような感じで登っていきます。まもなく、弓折分岐の指導標が見えるようになり、弓折分岐に着きます。分岐はとても広く、多くの登山者が休んでいます。 弓折分岐から双六方面へは、まず登りですが、その後は登ったり下ったりの繰り返しです。すぐに笠ヶ岳が見えてきますので、時折後ろを見ながら歩きたいです。途中に「花見平」という平らで広い地点があり、ベンチもあります。弓折分岐を出て15分ほどしか歩いていないので通過しました。花見平を過ぎたルート脇には池がありました。 さらに進んで、小ピークを乗り越して下ったところに「くろゆりベンチ」があり、弓折分岐から30分だったのでここで休憩しました。くろゆりベンチを過ぎて2622m標高点を越えたあたりで、樅沢岳〜弓折岳の稜線の西側に下っていくルートになり、双六小屋が遠くに見えるようになります。小屋のさらに奥には鷲羽岳も見えてきます。小屋が見えてからも30分近く歩かされますが、まもなく双六池の横を通り、双六のキャンプ指定地の横を通って、緩やかに登り返して双六小屋に着きます。 双六小屋はコルにあるため、基本的に携帯は圏外です。双六岳か樅沢岳の方へ少し登ると通じるようで、小屋の玄関を入ったところに○△×の案内がありました。なお、双六小屋の談話室では消灯時間を除いてDocomoのブースタが起動しており、わずかに電波が来ます。 4.双六小屋から千丈乗越(西鎌尾根) 双六小屋から樅沢岳までは結構な登りです。傾斜もあり、標高差も200mほどあります。頂上に着くと、双六小屋では見えなかった槍ヶ岳が望めるほか、双六から三俣蓮華、鷲羽から裏銀座、槍穂高、焼岳・乗鞍岳・御嶽山、笠ヶ岳と、360度の大展望です。双六小屋側から登って最初にたどり着くピーク(山頂の標あり)は、それなりの広さですが北側の展望しかありません。ハエマツをかき分けて5mほど進むと、槍穂や乗鞍御嶽、笠ヶ岳などが見えます。そのピークから少し槍方面へ進むと次のピークがあり、ここにも山頂の標があります。ここからも大展望が得られます。樅沢岳はDocomo圏内です。 樅沢岳を出ると、いよいよ西鎌尾根の縦走です。大きな登り返しはないものの、小ピークを登ったりトラバースしたり下ったりが続きます。途中に硫黄乗越、左俣乗越の標識があり、左俣乗越を過ぎるとルートは厳しくなってきます。平原のようなところを進む箇所もあれば、片側がかなりの崖になっている岩場・ガレ場などの箇所もあります。また、クサリも出てきます。ただ、高度感はほとんどありません。千丈乗越の地点は最後まで目に入らず、見えてきたら5分くらいで着きます。樅沢岳から千丈乗越まではほぼDocomo圏内です。 5.千丈乗越から槍ヶ岳山荘 千丈乗越からは槍の穂先が見え、山頂にいる登山者も確認できます。また、槍ヶ岳山荘の小屋の屋根などが確認できます。また、南側を見ると、飛騨乗越から槍平に下っていくルートがよく見下ろせます。槍平から飛騨乗越に登るにはかなり厳しいような印象を受けました。 千丈乗越から槍を目指して登り始めると、ガレた急登を進むルートになります。しかも、槍ヶ岳山荘に近づくほどに傾斜も厳しくなっていきます。ルートマークはしっかりしており、視界不良でも白ペンキを見失わないように進めば大丈夫です。千丈乗越から40〜50分ほど登ると、鉄杭や金網などでルートを保護している箇所など、登山道がかなり手入れされていると感じられるようになります。上に向かって左へ廻り込むように進むとまもなく、一度見えなくなった槍の穂先が見えるようになり、右へ曲がれば槍の肩が見えるようになります。最後の踏ん張りで、槍の肩にたどり着きます。 槍の肩に着くと、東鎌側がよく見通せます。眼下に殺生ヒュッテ、その左奥にはヒュッテ大槍などの山小屋も多数確認できます。槍の肩(槍ヶ岳山荘)はDocomo圏内です。 6.槍ピーク 槍の肩から槍ピークまでは垂直に近い傾斜の岩場を登っていくルートです。ハシゴや鉄杭などが打たれて、以前に比べれば登りやすくなりましたが、女性で足が届かない人や、高所に慣れていない(恐怖感を感じる)人は、特に下りで苦労していました。基本的に登りと下りでルートが分けられていますが、一部の箇所に併用があり、譲り合って進むため、渋滞するときもあります。20段くらいの垂直階段を2つ登ると山頂です。 槍の山頂は広くなく、20人ほどでいっぱいです。混雑時は山頂から下る人を待ってスペースが空いてからでないと最後の階段の手前で順番待ちになると思います。なお、槍ヶ岳のピークもDocomo圏内です。 長野県警では槍ヶ岳周辺はヘルメット着用奨励山域としています。槍ヶ岳山荘では穂先に登る人のために500円でヘルメットをレンタルしています。(1〜2時間のレンタル) 7.槍ヶ岳山荘から槍平小屋 槍ヶ岳山荘から南へ進むと、すぐに槍ヶ岳キャンプ場があります。ルート脇の狭いスペースを整備してテントを張れるようにしたキャンプ場です。そこを過ぎて少し下ると、飛騨乗越に着きます。大喰岳方面へのルートと別れて槍平へ下る分岐であり、指導標もあります。 飛騨乗越から槍平へのルートは、まずガレ場をジグザグと下っていきます。次第に植生がみられるようになり、ハクサントリカブトなどの中を進みます。千丈乗越から下ってくるルートや、そこから奥丸山へ進むルートなどが行く先に見えます。槍ヶ岳山荘を出て1時間ほどで千丈分岐点に着きます。千丈乗越へ上がれるポイントということで、分岐点になっています。 千丈分岐点を過ぎてさらにガレ場を下っていくと、しばらくして樹林帯に入ります。そこからは樹林帯の中を延々と下ることになります。途中、沢を何度も横切りますが、小さな沢なので橋がかけられているところは少ないです。千丈分岐点から45分ほど下ったところの沢には「最後の水場」との標識があり、ホースが出ていました。 樹林帯のつまらない道を下ってゆくと、槍平小屋のキャンプ指定地に出ます。そこには奥丸山への登山道の案内も出ていました。キャンプ指定地から槍平小屋までは20mほどです。キャンプ指定地から小屋までの道の脇に水場があり、凍結防止のためか無料で使ってよいという意味なのか「開放中」の札が下がっていて、水を流しっぱなしにしていました。槍平小屋の脇には広いデッキがあり、登山者の休憩場所になっていました。 なお、千丈分岐点から槍平小屋までずっとDocomo圏外でした。 8.槍平小屋から新穂高温泉 槍平小屋を出ると、まず木道ですが、その入口には降雨による増水の時は無理に徒渉しないように注意が出ていました。大したことのない増水だと思っても足を取られて流されてしまう事故になります。木道はほんの少しであり、また樹林帯を延々と下っていきます。45分ほど下ると、見るからに大きな涸れ沢(滝谷)を横切りますが、横切った先に滝谷避難小屋があります。槍平小屋側から来たとき、沢の奥の林の中に小屋が見えますが、同行者は気づかず通り過ぎたくらい目立たない小屋です。 滝谷を過ぎて30分弱いくと、再び大きな涸れ沢(チビ谷)に出ます。そこからさらに45分ほど進めば、白出沢出合に着きます。ここで登山道は終わりです。白出沢に出たら大きな堰堤があり、堰堤の下流側を渡ると林道終点に着きます。林道終点には水場がありました。 白出沢出合からはずっと砂利道の林道で、とても長いです。途中、穂高平小屋という休憩所があり、かき氷の旗が出ていましたが、営業していたのか不明です。穂高平小屋からは林道をショートカットする夏道があり、国土地理院の地図にも出ていますが、今回は危険個所ありということで通行止めでした。林道を下っていき、夏道の下側の入口を過ぎて、30分弱で新穂高ロープウェイのところまで降りられました。直前までロープウェイの建物は見えません。ロープウェイ乗り場から新穂高登山指導センターまでは3分ほどです。途中に中崎山荘という日帰り温泉があります。 槍平小屋から新穂高温泉までもDocomo圏外でした。ロープウェイ乗り場まであと10分くらいのところまでくればDocomoの電波が来ます。 |
その他周辺情報 | 新穂高ロープウェイのやや下、新穂高の登山センターのすぐ上にある中崎山荘「奥飛騨の湯」にて入浴しました。風呂は大きくなく、洗い場は8箇所くらいしかないですが、硫黄臭のあるしっかりとした温泉です。小さいながら露天風呂と温泉ミストサウナもありました。併設食堂あり。湯温は熱くなく入りやすいですが、出た後にポカポカくる温泉でした。大人800円。 中崎山荘「奥飛騨の湯」 http://www.okuhida.or.jp/archives/3311 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
|
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共同装備 |
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ファーストエイドキット
|
感想
今年は天気が不安定で、槍ヶ岳も7月より時期をうかがっていたものの、8月までは行くことが叶わなかったです。9月に入り、ようやく入山できました。決してベストな天気ではなく、ガスも多い山行でしたが、槍ヶ岳ピークでもそこそこの展望が得られて、ラッキーでした。槍ヶ岳からの展望は、360度山しか見えない、まさにアルプスの中心に立っていることを実感できるものです。いずれのコースを選択しても槍ヶ岳ピークまではハードであるために、ピークに立った達成感もあります。登山者憧れの山と言われるゆえんですね。
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