廃道の野呂川右俣で間ノ岳 - 弘法小屋尾根 - 滝ノ沢 - 荒川北沢、夜叉神峠から周回
- GPS
- 21:21
- 距離
- 56.4km
- 登り
- 5,571m
- 下り
- 5,566m
コースタイム
- 山行
- 19:09
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 21:20
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<夜叉神峠〜広河原〜両㑨小屋> 林道なので夜でも迷う事は無いでしょう。真夜中の夜叉神トンネルを一人で歩くのはちょっと嫌かな〜。約30キロなので長いです。。。 <両㑨小屋〜野呂川右㑨〜間ノ岳> 廃道になって長いので道の跡は殆ど無く、基本は沢沿いに登りますから沢タビ等が必要です。大きな滝は無く、ロープやチェーンスパイク等は不要です。藪漕ぎも無いに等しい位で歩き易いです。ただ沢登りとしては距離が長く、標高差も1000m弱なので体力勝負です。 <間ノ岳〜弘法小屋尾根〜滝ノ沢〜北沢〜林道> 出だしは急です。途中から藪になります。それから左の細沢カールに下り、滝ノ沢沿いに歩いて北沢に合流します。1985年版の地図に載っている、北岳山荘から北沢沿いの道は(この版でも既に荒廃はなはだしいと記載)痕跡すら見つけられませんでしたので、基本的には北沢を沢下りする事になります。 但し2,800m位が源流で林道が約1,250mだから、源流からでも標高差1,550m程、沢登りとしてはとっても長いです。滝が多々ありますので、その都度下るか巻くかの判断と、巻く場合のルートファインディングが重要です。落ち口まで行って、そのまま下れたり、少し登り返して巻道を探したりの連続で時間がかかります。何度も渡渉を繰り返し、濡れた岩を飛びますので緊張感の維持が大変です。初見の場合は登りで使う事を強くお勧めします。巻道ではチェーンスパイクを履いた方が良いです。 北沢取水堤体から巻きながら弘法小屋尾根のルートへ合流する道が有るようです。この道を利用した人は弘法小屋尾根取り付き点から北沢取水堤体まで30分で登っていますが、このまま沢を下ると僕は1時間位かかりましたから、北沢取水堤体で沢下りを止める方が良いです。 弘法小屋尾根取り付き点まで下ると、直ぐ下流に大きな堰堤が有ります。この日は水流が多く、とても下れそうも無かったので目立つ穴の様なトンネルを抜けました。 写真を撮らなかったので、後で見つけたlifter175さん達の以下のレコの写真8と9を参照下さい。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-745452.html lifter175さん達は登りだったので穴の下から見た写真ですが、穴の下の河原には水が流れていません。でもこの日は穴の下もかなりの水量でした。Evergreenさん達がやった、穴の左横の切欠き箇所を下るのもこの日の水量だと無理です。ただこの穴、写真の様にかなり高い所にあるにも関わらず、中が砂や大きな石で埋まっており、ザックを下ろしても最初は抜けられず大変でした。2年前のlifter175さん達のレコには記載は無いので、2年間のどこかの増水で流れた石が入ったと思われます。今後この穴がどういう状態かは分かりません。この堰堤は巻けそうも無いので、そういった意味でも弘法小屋尾根を含めて、ここを下りに使うのは危険です。登りなら出だしなので引き返せば直ぐですが、下りならほぼ終了点なので引き返すのは大変です。 穴を抜けると直ぐ先に橋がありこれで左岸に渡ると林道に出ます。これ沿いに下ると河原で切れており、左上に真新しい道路が見えるのでそちらに登りたくなりますが、登り道は有りません。無理に登ってもこの道も途中で切れています。今のところの正解は、段差を下って河原に降り、対岸まで歩いて渡るです。右岸には林道が有り、それ沿いに下ります。ただこの道も崩落で現在関係者以外通行止めです。しかし他に道が無いので、通行止めゲートを越えて崩落個所を歩き、その先の通行止めゲートも越えます。 鷲ノ住山経由で夜叉神峠への林道に出る為には、野呂川発電所の左横のトンネルを抜けた直ぐ右にある登山道を行きます。暗いと入口が分かり難いので注意して下さい。 |
写真
装備
個人装備 |
沢タビ
ヘルメット
ヘッドライト(予備電池1つ)
雨具
GPS
トレランシューズ
熊鈴
ペットボトル1ℓ
おにぎり2
惣菜パン4
菓子パン4
黒糖パン6個入り1つ
|
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備考 | 地図とストックを忘れた。GPSの替え電池と沢用スパッツを持って行くべきだった。 |
感想
2010年9月6日に行く予定で断念した廃道の野呂川右㑨、最初の計画から7年。今年に計画して天気が悪くて2度延長。やっと行けました。
ところが本当に大変だったのは後半の弘法小屋尾根でした。。。夜叉神峠を0時に出発、最初の難関は真夜中に一人で歩く、長〜い夜叉神トンネルです。水が天井からしとしと降ってきます。今回は滝登りは無いのでストックを持ってくる予定が忘れたので、途中で落ちている木の枝を拾って杖替わりにしました。広河原まで15キロは2時間41分、7年前は2時間27分なので遅くなっています。還暦なので速くなるはずはないか。
両㑨小屋では小屋番のおばさんから神様のお裾分けで果物をいただき、幸先よく出発。野呂川右㑨の入り口で迷ったけど、その後は順調に沢を登って行きました。前日の天気予報は晴れ、朝と夜は曇りだったので、晴れてくることを期待したのですが、なかなか雲が切れず時々日が差す程度。今年の夏山は一度もスッキリ晴れません。
本流から三峰岳のカールへ分岐する所で3度目の食事休憩を取りました。ここから傾斜が急になった沢を登っていきます。苔むして中々良い感じでした。いよいよカールになって、展望が開けて三峰岳が望めてからのガラ場の急登がきつかった。。。
やっと登山道に合流し、間ノ岳まではヘロヘロになりながら到着。ほぼ予定通りの時間です。食事休憩後、弘法小屋尾根を少し下った所から左の細沢カールに下り、北岳山荘から北沢沿いに下る廃道を目指しました。しかしこれが中々大変で、滝が沢山有って下りだと巻の判断が難しいのです。滝の落ち口まで行って、やっと滝を下りられるか巻くべきかが分かります。今回は膝上までつかりそうな所は全て巻いたので、時間が取られました。弘法小屋尾根取付きから北沢取水堤まで巻道が有るのですがそれを見落とし、北沢取水堤からもずっと沢で下って1時間もかかってしまいました。巻道に下れば15分〜20分位で下れた様です。因みに先週はかいじ国体コースの下りで熊に会いましたが、この日は北沢の下りでカモシカらしき動物に会いました。どちらも人が滅多に歩かない所ですからね。。。
やっとの思いで弘法小屋尾根取り付きに到着。これで後は大丈夫と思ったら大間違い。直ぐ下流の堰堤を下れないのです。水量が多いので穴の様なトンネルをくぐるしか方法は無さそうですが、中に大きな石が幾つも詰まっているのが見えます。取りあえず沢を渡渉して穴に取付き、何とか登ってほふく前進すると大きな石の所でつかえて進めません。その石は動かないので、周りのもう少し小さな石を幾つかどかし、ザックを下ろしてやっと抜けられました。後ろからザックを引っ張って穴の出口まで進めました。反対側の出口にはロープが有り、下はかなりな急流ですが、ザックを背負って何とか降りて河原まで渡渉できました。その先は小さな橋が有ったのでこれで左岸に渡り、林道の様な道が続いていてほっと一息。何とか暗くなる前に危険地帯は越えられました。
そこで沢靴を脱いで山装備に変更したのが失敗でした。道を暫く下ると先が無くなっているのです。段差が有ってその先は河原です。左を見ると立派な新しい道路が見えたので、道路への登り口を見落としたのかと思い、引き返したのですが有りません。既に暗くなってましたが、もう一度また道を下り段差を河原に降りる所でこけてしまいました。かなり膝を擦りむきましたが時間が無いのでそのまま河原沿いに下り、川で行き止まりになったので左の新しい道路に登りました。所が登ってみてビックリ。その立派な道路も川で行き止まりだったのです。ヘッドランプの明かりではよく分からなかったのですが、道路はてっきり左に巻いているかと思ったのですが行き止まりとは。
右岸に重機が見えたので、ちょっと川をのぼってみましたがやっぱり橋は無さそうなので、靴を脱いで渡渉しました。分かっていれば手前で沢靴をトレランシューズに変更しなかったのに。。。対岸に渡ると林道が有り、今度こそ大丈夫と思って暫く下ると通行止めになっています。崩落のせいですが、他に道が無いので進むしかありません。何とかそこも乗り越え、やっと奈良井〜広河原の林道に出た時は、本当にほっとしました。しかしまだ未踏の野呂川吊り橋〜鷲ノ住山で、上の林道に登るのが残っています。6年ほど前にその登山道の入口を見つけられず、広河原まで戻って凄い遠回りをして夜叉神峠に戻った事が有ります。その時は明るかったけど、今回はもう暗くなっています。野呂川発電所の横のトンネルを抜け、登山道の入口が分からず道を行ったり来たりしましたが、何とか見つかった時にはホットしました。
でも駐車場に着いてスマホの電源を入れると家族からのメッセージの山が。。。すっかり心配をかけていました。遅いので途中で事故を起こさない様に、仮眠してから戻る様に、朝ごはんは作らなくって良いとの事。。。でもそれだと今後の登山がし難いので、ちゃっと早朝に戻って朝ごはんを炊き、全員の布団を干したり掃除をしたりした後で山装備の洗濯をしました。何ともはや大変な山行でした。
-------------------- 追伸 ----------------
弘法小屋尾根は最初の方しか歩いていませんが、ここを下りに使う人がいるかもしれないのでタイトルに入れました。今回の様に水量が多く、堰堤の穴が石で詰まっていると大変なので。。。
コメント
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Futatoさん、こんばんはっ!!✨(´▽`*)
またしてもレベルにそぐわないながらもコメント失礼しちゃいますっ✨
以前からおっしゃっていた間ノ岳のバリルート、とうとうやっちゃいましたね〜〜〜〜!!!(笑)21時間ですかーーーーー!!!Σ(゚Д゚)予定外なことも多かったとはいえ、ちーすけは12時間までしか歩いたことがないのでほぼ1日の歩き!!相変わらずのタフさに恐れ入ります(笑)あ、でも丹沢24で24時間歩かれてますもんね(笑)
開けた沢に周囲を囲む緑、そして差し込む太陽、、、まさに南アルプスの天然水!!✨(*^^*)最後の岩ゴロになって登山道ともう少しで合流!!と言った写真は、見ていて自分も達成したようでグッときました♪この角度の農鳥を見れるのは沢の特権ですね〜〜〜❤お膝をかなりすりむかれたご様子、バイキン入ってませんか?💦早く良くなると良いですね!!(≧▽≦)あんまり奥様心配させてはいけませんゾ〜〜〜❤
chi-sukeさん、おはようございます。
丹沢24Hは最近は30H位歩くんですよ。夜叉神峠に戻ってきたとき、黒糖ロール6個入り1袋と惣菜パン2つ、行動食の飴、水はたっぷり有ったので、もし必要が有ればあの後でも軽い日帰りコースは歩けましたけどね
膝、結構擦りむいてかみさんに怒られました。少しでも危険そうな所でこけた事は一度も無いのですが、何故か何でも無い所でこけますね
ところで今回のルート、怪我の功名ですが逆ルートで、北沢〜滝ノ沢〜細沢カール〜間ノ岳と登るのがとっても良さそうと分かりました。最初のちょっと危険な所は、弘法小屋尾根を少し登って北沢取水堤体に下る道でパスできる事が分かったし、登りだとロープ不要で初級者でも歩けるし、滝ノ沢から細沢カールに出た時、ば〜と広がる景色がとっても良いですよ 夏の日の長い時なら広河原まで日帰りで周回できます
shigetoshiさん、ご提案、ありがとうございます。
他の方々にもいろいろとご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
ただレコの趣旨と離れますので、レコのコース状況と感想を修正し、弘法小屋尾根や北沢を歩く事を検討している人が、役立つ情報に集中できる様にしました。具体的には忘れ物とかの記載を消したのです。。。それで皆さんのコメントで現在の内容と関係が無くなる物は、明日には消させていただきます(修正後のレコと矛盾しない物は残します)。
皆さんの貴重なコメントは、私の方で覚えていますのでご理解下さい。
以上、よろしくお願いいたします。
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