黒部・下ノ廊下〜裏剱〜剱沢〜立山〜黒部ダム周回縦走
- GPS
- 32:47
- 距離
- 44.8km
- 登り
- 4,242m
- 下り
- 4,141m
コースタイム
10/7
(7:30扇沢発トロリーバス)
黒部ダム(カレ谷出口)7:50-8:57内蔵助出合-11:09黒部別山沢出合(看板)-11:35白竜峡(看板)-12:25十字峡-13:02作廊谷合流点(看板)-13:21半月峡(看板)-13:53東谷吊橋-14:08仙人ダム-15:06阿曽原温泉小屋 テント泊
10/8
阿曽原温泉(テント場)6:35-7:27仙人ダム-10:06雲切新道1629mピーク-10:33仙人温泉小屋11:10-13:22仙人池ヒュッテ13:47-14:31池ノ平小屋 テント泊
10/9
池ノ平小屋8:05-9:37二股吊橋-10:40真砂沢ロッジ11:14-13:42剱沢小屋 小屋素泊
10/10
剱沢小屋5:42-6:30剱御前小屋6:45-7:13別山(南峰・北峰)7:41-8:19真砂岳-8:58富士ノ折立-9:16大汝山9:35-9:55雄山10:07-10:33一ノ越10:57-11:33東一ノ越-13:00黒部平13:26-13:52ロッジくろよん-14:20黒部ダム
(14:35黒部ダム発トロリーバス)
(薬師の湯で疲れをとってノンビリ帰宅)
※東部湯の丸SAで2時間仮眠したら関越渋滞が終息していたので、夜中0時15分に自宅に無事帰着
天候 | 10/7:曇時々雨 午後からは回復 10/8:晴れ 午後は裏剱の稜線がガスに覆われる 10/9:終日快晴 10/10:終日快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
扇沢〜黒部ダム:トロリーバス往復切符+手回り品券 合計2,920円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆黒部・下ノ廊下(黒部ダム〜阿曽原温泉) ※既にご存知のとおり、地震による崩落・浮石の影響で通行止めとなっています※ 早朝の地震による死傷事故、十字峡手前で発生した大規模崩落による登山道消失。始発トロリーバスで下ノ廊下を目指した人はたぶん20名ほどだと思いますが、阿曽原まで行けたのはたまたま運良く大規模崩落の少し前に通過した半分以下の人だけ。 その道も不安定な斜面状況、小規模崩落地帯通行の連続でした。景観を楽しむ余裕はありませんでした。 ※危険なガレ場で自主的に死傷事故対応をされた方、本当に頭が下がる想いです。予定された行動を諦めて事故対応をされたうえ、その先の大規模崩落でダムに撤退された残念さを思うと、申し訳ない気持ちになります※ ・コース上で何度か滝の下や雫が滴り落ちる場所を通過します。晴れていても雨具・ザックカバー装備をおすすめします。 ・殆ど左手でハリガネを掴みながら歩くことになるので、素手ではなく手袋をしたほうが良いと思います。 ◆阿曽原温泉 ・テント場は草地でフカフカ。気持ちよく眠ることができました。 ・テント場から5分ほど下る露天風呂は男女1時間毎の入れ替え交替制。風呂の横にあるスノコで脱衣します。もちろん遮るものなど何もありません。周囲の自然に溶け込んで寛げます。 ・発電地帯に近いためか、飲み物は自動販売機で買えます。こんな山奥なのになんだか不思議な感じです。 ◆雲切新道(仙人ダム〜仙人温泉) ・噂に違わぬ急登です。よくもまあこんなところに道を切り拓いたなあというルートですが、慎重に登れば危険はありません。 ・1629mピークを過ぎてしばらくで、仙人温泉小屋と源泉の噴煙を眼下に望める地点まで来ると「ホッ」とできます。 ◆仙人温泉小屋 ・通過者の半分がここの露天風呂に寄るぐらい人気があるようです。そのうち私も入りたい(というか入らなかったことを今更後悔してる) ・小さいながらも雰囲気のある小屋と親爺さんでした。泊まってノンビリしみじみしてみたい。 ◆仙人温泉〜仙人池ヒュッテ ・谷の高巻き道&河原歩きで雲切新道よりも登り疲れました。山と高原地図のコースタイム2時間10分は意外とキツメじゃないかと感じました。 ◆仙人池(ヒュッテ) ・裏剱撮影スポットで有名な仙人池が小屋のすぐ脇で、しかも小さいことにビックリ。撮影三脚が池畔に並ぶ箱庭的なビューポイントでした。 ・ヒュッテは名物おばあちゃんで有名ですが、今シーズンは登ってきていないようです。 ◆池ノ平(小屋) ・仙人池から1時間かからない距離です。こちらの平ノ池からの裏剱の方が臨場感があり、個人的にはコチラの方がおすすめです。ぜひ立ち寄ることをおすすめします。 ・テント場は小屋のすぐ横ですが、裏剱を間近に眺められる好展望地です。テント内から剱を見ながら一杯やれる幸せを実感できました。 ◆仙人新道〜真砂沢ロッジ ・仙人新道は下りで使ったのですが、裏剱の雪渓(三ノ窓・小窓)と紅葉を見ながらの下りだったので、気持ちよかったです。 ・二股吊橋から真砂沢ロッジまでは河原歩き、一部河原脇の桟道・クサリ・ロープ伝いの道、急登下降の高巻き道と変化があって、意外と疲れました。 ・ハシゴ谷乗越からのルートとの合流点(渡渉橋)から真砂沢ロッジまでは近いのかと思ったら結構遠かったです。 ◆真砂沢ロッジ ・売店が充実しているし、とても親切な応対をしてもらえました。こんどゆっくりテント泊で過ごしてみたいなと感じました(来シーズンあたり、内蔵助平〜真砂沢ロッジ〜仙人温泉〜祖母谷温泉 なんてルートを歩いてみたいね) ・今シーズン最終営業日だったらしく、今晩の宿泊者には晩飯大盤振舞だとか。 ◆剱沢雪渓 ・剱沢小屋で手書きのルート詳細を配っているので、雪渓を下って来る方は小屋に寄って状況確認するのが賢明です。(私は池ノ平テント場のお隣さんからその紙をもらったので、安心して歩けました) ・雪渓上を歩くのは2箇所のみであとは高巻き道でした(昼間だったのでアイゼン無しでも歩けました)。雪渓上で山岳警備の方が見張り番されていました。 ・途中一箇所だけ、大きな一枚岩トラバースがあり、アルミバシゴと板を渡した桟道が設置されていました(これが無いと絶対通過は無理そう)。 ・雪渓を歩くよりもアップダウンも多く、コースタイムは余分にかかります。行程計画時には余裕をもったタイムマネジメントが必要です。 ◆剱沢小屋 ・正面に別山尾根から連なる剱岳が大きく望めるキレイな小屋です。 ・なんとシャワーが使えるので、汗と疲れを流してサッパリできました。 (立山・剱エリアの小屋には汗を流せるところが多くてウレシイですね) ・地震の影響で剱岳入山禁止となっていた影響か、宿は空いていました。 (素泊は私一人だけで、自炊は寂しく) ◆立山稜線(剱御前小屋〜別山〜立山〜一ノ越) ・雪や凍結が無ければ稜線歩きを楽しめる稜線だと思います。今回は早朝だったこともあり、凍結箇所も多くて念のため雄山まではアイゼン装着しました。 ・ここの稜線は日本海(富山湾)から直接風を受けるので、室堂側からの横殴りの寒風が厳しい。(勝手に鼻がダラダラ垂れて・・・) ・雄山までは寒くて静かなルートでしたが、雄山に来たとたん、暖かい南面と沢山の登山者(殆ど観光登山に近い人)で、そのギャップにビックリでした。 ◆一ノ越〜タンボ平〜黒部平〜黒部ダム ・時間もあるし、お金がもったいないこともあって、ダムまで歩いて下山しましたが、キツクないし意外と景色が楽しめた良いコースでした。 ・東一ノ越までは雄山南斜面の下りトラバース。時折斜面上から石が落ちてくるのに気をつけながら、反対側に拡がる龍王岳・鬼岳・獅子岳の雄大な姿を楽しめます。 ・東一ノ越で尾根の反対側に出て、そこに大きく拡がるカール(タンボ平)は一面秋景色が黒部ダムまで続いていました。 ・黒部平(ロープウェイ駅)は行楽観光客でごったがえしていました。 ・黒部平〜ロッジくろよんの道は整備されているうえ、枯葉がフカフカして歩きやすく30分かからずで下山できました。ケーブルが混んでいる場合は歩いて下っても全然良さそう。 ◆大町温泉 薬師の湯 ・毎度おなじみ、下山後に必ず汗と疲れを流すのにうってつけの温泉です。 ・飲食施設のオーダーストップが意外と早い(16:00)ので今回も飲食できず。 ◆信州新町 道の駅 ・夕食に寄った道の駅のそば屋さん、美味しかったです(量も申し分なし) |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
秋の裏剱、そして下ノ廊下、北アルプスの中で未踏エリアだったこのあたりにやはり秋の季節に行きたいなと夏に室堂から五色、薬師、雲ノ平、読売新道を周回した後、計画を具体化させて、どういうルートを作ろうか考え、ダムを起点・終点に下ノ廊下から裏剱に周って、剱沢雪渓を登って立山縦走を経て、タンボ平からダムへ下る4日間の計画ルートが完成。
扇沢に車を置いて回るため、連休の駐車場満杯で計画が狂わないよう、前日に有休を取得して空いている前日に入山してしまい、阿曽原の温泉にもゆっくり浸かりたいという日程で山行スタート。
結果論ですが、連休前日の始発で行動開始したおかげで、予定したルートを無事回れ、またこれ以上ない晴天にも恵まれた4日間となりました(初日、若干天気がすぐれませんでしたが、廊下歩行だったので、眺望関係ないし)。
ただ、今回は初日に地震による崩落事故現場を事後通過、十字峡手前の大規模崩落前に現場通過できたという、たまたま運に恵まれただけの結果に何となく後味の悪さを引きずる4日間でもありました。
(こういう事故現場に初めて遭遇し、経験値の無さからどうして良いか解らず、ただただ救助活動する方々の邪魔にならぬよう、そして不安定な現場に留まって迷惑をかけないよう、通過することを選択したことが果たしてどうなのか、今も後味の悪さとなって残っています)
そんなこともあり、初日はそれほどハードな山行ではないにも関わらず、時間がかかったうえ、疲労しました。
(仙人ダムから阿曽原への登り返しはキツかった)
それでも阿曽原のフカフカ草原のテント泊でグッスリ睡眠できたことで、翌日は果敢に雲切新道の急登にも挑めました(仙人谷の登りでバテましたが)。
2日目に池ノ平を選んだのは、裏剱でテント場があるのはここだけだったからですが、結果的にはここからの裏剱が一番迫力があって、3日目早朝の快晴下で朝日に染まる様を間近に見れ、とても感動しました。
3日目、仙人峠で偶然inoyasuさんに遭遇してビックリ! 彼は雲切新道を下って阿曽原へ出て、欅平で下山するとのことで、しばし談笑と情報交換、ソロだとこんなひとときがうれしいですね。
3日目の宿泊ぐらいは暖かいふとんでグッスリ眠って最終日の立山縦走に臨みたいから剱沢小屋素泊できればということを昼食休憩で話をしたら、「剱沢小屋に連絡して確認してあげるよ」と手配までしていただけた真砂沢ロッジのご主人さん、ありがとうございました。 宿泊OKが確定したことで気持ちにも余裕が出来て、剱沢の登りもペース良く歩けて、午後の早い時間にはもう剱沢小屋でノンビリすることもできました(剱沢小屋のシャワーも有難かったです)。
(そうそう、小屋には先日NHKのグレートサミッツでエベレスト登山したディレクターさんが滞在していらっしゃいました)
最終日の立山縦走は、2年前の夏、暴風雨の中、一ノ越から剱沢まで何も見えない最悪の状況でソロ縦走した際のリベンジだったんですが、晴天・最高の眺望のなかアイゼンのサクサクした音を楽しみながら、こんな道だったんだと納得しながらの稜線漫歩(寒風の横風でちょいとツラかったけど)を堪能しました。
今シーズン、ここまで天候に恵まれない縦走が多かったんですが、やっとお天気の神様が微笑んでくれた山行でした。 予想外に早い時期の降雪で紅葉は今イチだったんですが、それはまた来シーズン以降に楽しみをとっておきましょう。
こんにちは、はじめまして。
今年に下ノ廊下を通過した最後のお一人だったのですね 事故現場のそばを通ったり、自分が通った少しあとに大きな崩落があったと聞いたり、身がすくみますね。それでも無事に通過して予定の行程を実行できられて本当に良かったですね。
もしかしたら剱沢小屋でわたしに雪渓の地図をくださった方かな?と思いました。今も机の上に置いてありますが…
違ってたらごめんなさい
はじめまして、minkistさん。
剱沢小屋の受付で雪渓状態を確認していた女性の方に雪渓地図をお渡ししたのを覚えています。minkistさんだったのですね。
私も池ノ平テント場でほぼ同時に設営した縁でいろいろお話したお隣さんにその地図をもらったことで安心して剱沢雪渓を歩けたので、そのお返しに少しでもお役に立てばと。
やっぱり山では困ったときはお互いさま。人からもらった親切は、ちゃんと誰かにお返ししないと って素直に思える 素晴らしいところですもんね。
ところで、9月連休の私たちの北沢峠宴会後のkimidoriさん、hihiさんに仙塩尾根でお会いしてるんですね?
なんだか山の世界って、どこかで身近に繋がってるんですね。
そうでしたか!やっぱり
そしてkimidoriさんのお友達だなんて
ヤマレコも意外と狭い社会なのかもしれませんね
またお会いできそうですそのときにはよろしくお願いいたします
最近は山で話をするとヤマレコを使っている人って、多いなあと感じます。特にソロで動いている方の率は高いように思います。
minkistさん、どこかでまたお会いできそうですね。そのときはこちらこそヨロシクです。
kazさん、池ノ平でお隣でしたdaizです
雪渓地図が(それもminkistさんにも)役立って良かったです
あの後、室堂に抜けずに一ノ越から黒部平〜黒部ダムへ抜けたんですね〜
なかなか良さ気なコースですね、今度行ってみます
実は、kazさんの読売新道の山行記録は以前に参考にさせてもらったことがありました
とっても勉強になります
今後ともよろしくお願い致しまーす
daizさん、池ノ平ではお世話になりました!
それにしても雪渓地図をいただいき、それを剱沢小屋でお役に立つようにと渡し、そのどちらもが実はヤマレコユーザ だったとは ヤマレコ率 メチャ高い!
そのときに気づかなくても、こうやって後で繋がるってのは、また格別ですね。
daizさん→私(kaz)→minkistさん
剱沢雪渓地図で繋がったヤマレコユーザの輪!
今後の山行でもヤマレコ繋がりって機会は相当ありそうですね。
ヤマレコ最高っ!
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