暴風雨の大雪山縦走(旭岳〜黒岳〜トムラウシ山〜オプタテシケ山〜十勝岳)
- GPS
- --:--
- 距離
- 66.3km
- 登り
- 4,500m
- 下り
- 5,154m
コースタイム
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 7:00
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 11:40
- 山行
- 10:55
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 11:10
- 山行
- 5:20
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 5:35
初日は午後からのスタートでしたが、全般的に雨を避けるために暗いうちから出発という感じでした。
天候 | 1日目:曇り時々雨 2日目:曇り時々雨 のち 曇り時々晴れ 3日目:雨(強風→暴風雨&雷) 4日目:雨(暴風雨)のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
ロープウェイで姿見駅まで 帰り:白金温泉から旭川駅までバス |
コース状況/ 危険箇所等 |
【姿見〜旭岳〜黒岳】 いたって普通の歩きやすい登山道。 一部雪渓があるが、アイゼンは不要。 【黒岳〜北海岳】 渡渉あり。まあまあの水量。無理せず濡れること覚悟で渡るべし。 【北海岳〜忠別岳】 アップダウンが少ないなだらかな道が続く。コマクサが点在。 【忠別岳〜五色岳】 下って登る。登りはなかなか急坂。 【五色岳〜化雲岳】 木道の歩きやすい道。晴れていれば素晴らしい景色が広がる。 【化雲岳〜トムラウシ山〜南沼キャンプ場】 木道の後岩場。トムラウシがなかなか近づかない。 トムラウシからは十勝岳方面の景色が素晴らしい。 【南沼キャンプ場〜三川台】 なだらかな歩きやすい道。 【三川台〜ツリガネ山】 凄まじい薮漕ぎ。胸あたりまである笹藪をひたすらかき分けて進む。 ツリガネ山の登りはかなりの急登。滑りやすい。 【ツリガネ山〜双子池キャンプ場】 ツリガネ山から少し行った所で登山道が崩落して道が失われている。 10m程、稜線付近の木々をかき分けて進めば登山道に復帰する。 これまでの薮漕ぎに比べれば歩きやすい道が続く。 が、双子池に近づくと、再び薮漕ぎ祭り。 これまでで最も歩きにくい悪路。特に雨が降っていると最悪。 足元が見えないので段差や木の根に足を取られる。 双子池はどこにテントを張ればいいのか分からないほど水浸しでグチャグチャだった。 【双子池キャンプ場〜オプタテシケ山】 雪渓を登る。どこを目標に登ればいいのか非常に分かりづらい。 とりあえず登れるところまで雪渓を登っていき、GPSで場所を確認するのが吉。 アイゼンは使わなかったが、あったほうが良い。逆ルートの場合は必携。 オプタテシケ山はなかなかの急登。 ガスっていて先が見えないため、「ようやく山頂だ!」というのを3回程繰り返して登頂した。 【オプタテシケ山〜ベベツ岳〜美瑛富士キャンプ場】 ベベツ岳は地図で見ると大した登り返しではないように思えるが、実際に見るとなかなかでかい山。これまでの疲れが溜まり、標高以上の登り応えがある。 これをクリアすれば後は大した登りはない。 美瑛富士キャンプ場まで下る。 【美瑛富士キャンプ場〜十勝岳】 普段ならなんてことの無い道なのは明らかだが、美瑛富士分岐から凄まじい暴風が吹き荒れていた。 美瑛岳分岐まで急坂が続く。耐風姿勢を取りながらゆっくり登った。 美瑛岳分岐からしばらくは風がおさまって平穏を取り戻したが、すぐに暴風が再開。十勝岳までの稜線ルートは基本的に風との戦いだった。 ガスガスで視界は10m程。ポールを見失わないように進む。 晴れていればたいした登りではないように思うが、とにかく辛かった。 【十勝岳〜望岳台】 山頂から暫くは暴風の中を下ったが、しばらく下りると雨風は弱まった。 相変わらず視界は悪いが、ペンキが充実しているためルート迷いは一切無かった。 |
その他周辺情報 | 白金温泉 白金の湯 500円 鄙びた宿。素晴らしい源泉掛け流し。 |
写真
感想
航空券発売と同時に確保し、楽しみにしていた大雪山縦走!
7月3連休に夏休みをくっつけて6連休に。
見事に日本中が晴れ渡っている!!!……北海道を除いて。
最悪の天気の中の山行となりましたよ、ええ。
結果的に4日間歩いて4日とも雨に降られました。
特に3日目、4日目は台風なみの暴風雨でした。
【1日目】
姿見からスタート。旭岳までは何てこと無い登りですが、水7ℓとスタート直後は荷物が一番重いのでなかなか辛い。
登頂するも眺望は無い。写真を撮ったらさっさと裏旭側へ下る。
間宮岳あたりでガスが晴れてきて眺望が広がりました。
荒涼とした有毒温泉の景色。
途中、北鎮岳も踏みましたが眺望はありませんでした。
黒岳石室は予想外に賑わっていました。
平日のこんな天気なのにビックリ。
ささっとテントを張ったら黒岳へ。
登頂するもガスっているのでたいして眺望は無い。
戻って夕飯を食べて就寝。
【2日目】
2時起床。3時過ぎ出発。
この時間で既にほんのり明るくなってきていました。
スタートしてすぐに渡渉あり。なかなかの水量。
濡れないように無理すると「転倒→バシャーン」のコンボもあるので、ここは慎重に濡れること覚悟で渡りましょう。
雪渓を登り、北海岳へ。
土曜日はまあまあ晴れ間があるという予報だったはずだが?
全く晴れる気配はなく、ガスガス。
白雲岳に登っても何も見えないことは確定しているのでスルー。
白雲岳避難小屋へ向かう。
ここでガスが少し取れて、白雲岳避難小屋の素敵なロケーションが見渡せました。
小屋前で行動食を摂り、いざトムラウシへ。
アップダウンがほとんど無い、なだらかな道が続きます。
コマクサが点在。
相変わらずのガスで景色は十分楽しめない。
忠別岳・五色岳を通過。五色岳はなかなか急登でした。
五色岳からしばらく歩くと、木道が出てきます。
ここで、ガスが取れ青空が!これぞ大雪山という景色が広がりました。
化雲岳へ寄り道し、ロックガーデンなる岩場を越え、いざトムラウシへ。
沼から山頂への登りはたいしたことないですが、沼までの登りがなかなかの急登でした。
トムラウシ山頂付近は強風が吹いていました。
十勝岳方面も眺めることができ、今回の山行で最も素晴らしい景色でした。
ささっと下りて南沼キャンプ場へ。
テントを張って早めの夕食を摂って就寝。
【3日目】
天気がかなり悪化する予報だったので、早めに出発し避難小屋に早く入ってしまう作戦。というわけで23時起床、0時出発。
暗闇の中、基本的になだらかな道を進む。一部、暗さ故、道が分かりづらいところがあった。三川台までは問題なし。
ここからツリガネ山までがきつい。
凄まじい薮漕ぎが始まる。足元も見えないため、木の根や段差に足を取られる。
ゲンナリするほど薮漕ぎが続く。
ツリガネ山はかなりの急登。粘土質で滑る。
特に標識もなくツリガネ山を通過し、しばらく行くと登山道が崩落して進めなくなっている。まだ暗いため回りの状況がよく分からない。雨も降っている。
色々探したが道が見つからない…
仕方なく明るくなるまで少し待機することにしました。
明るくなってから捜索してみると、稜線沿いに植物を乗り越え10m程行くと登山道に復帰出来ることが判明。(ここはなかなか危険ポイントなので慎重に)
そこからはしばらく歩きやすい道が続きます。
途中で昨日双子池でキャンプしたというカップルとすれ違いました。本日のすれ違いはこのお二方のみでした。
双子池に近づくと再び凄まじい薮漕ぎ祭り。段差は大きくなり更に歩きにくくなっている。登山道は雨のおかげで川のようになり、ジャバジャバの中を進みます。
これほどまでの悪路はいまだかつて無く、これからもそうそうお目にかかれないでしょう。(お目にかかりたくもないですが…)
ようやく双子池に到着。長かった…
どこでキャンプするのか全く分からないほど酷い状態でしたが、ここでキャンプするわけでは無いので華麗にスルー。
雪渓に取り付きます。どこを目標にして登ればいいのか分かりませんが、とにかく登れるところまで登り、岩場を進みました。
すると左前方に登山道らしきものが。岩場から移動して登山道に復帰。
そこからは急登が続きました。なかなか近づかないオプタテシケ山。
かなりきつい登りでした。
山頂は強風だったので長居はできず、さっさと下りる事に。
途中ベベツ岳の登り返しがあります。疲れがたまっているので標高以上の登り応えがありました。
そんなこんなで雨が強まってきた頃、ようやく美瑛富士避難小屋に到着。
一張りだけテントがありました。
まだ午前中ですが、既に11時間が経過しています。
中に入ると予想以上の先客が。
既にあまりスペースは無く、入口付近に場所を確保しました。
全身びしょ濡れ。
服を脱いでロープにかけて少しでも乾かす。
しばらくすると、外が嵐の状態に。雷も鳴っている。歩いていた頃とは比べ物にならないくらい凄まじい雨と風。早めの到着で良かった…
外のテントが倒壊したようで、山岳部と思しき学生達がぞろぞろと小屋に避難してきました。最終的に小屋には16名。
そんなこんなで午後はひたすら寝袋に入って横になるのみ。
夕飯を摂り、再び横になって就寝。
【4日目】
2時半起床。3時過ぎ出発。
ガスっていて、小屋からの道が既に分かりにくい。
とにかく進み、美瑛富士分岐の十字路に到着。ここは本当に凄まじい暴風でした。
そこから美瑛岳分岐まで吹きさらしの登りが続きます。
耐風姿勢を取りながら少しづつ登ります。
一人だと心が折れそうな状況。
何とか美瑛岳分岐まで登り少し進むと少し風がおさまりました。
まあ一時的ですが…
再び稜線ルートに出ると空が飛べそうなくらいの風が吹いています。
マイケルジャクソン状態で進む。
火山特有の砂地を登りしばらく行くと風がおさまるポイントがあり、十勝岳から縦走してきたカップルと少しお話ししました。
「この先は風が凄い」とお互いに言い合うという状況。
進むと、たしかに凄まじい風が続きます。ガスっていて目印も分かりづらい。
10m先も霞んでいる状況。
そんなこんなで何とか十勝岳に登頂。
長居はできず、写真を撮ったら即下山。
風は強いですが、下山なのでそれほど苦ではなく進めました。
こんな天気なのに登ってくる人が多いことに驚き。
20人程とすれ違いました。
ある程度下ると雨・風は弱まり平穏を取り戻しました。
雑談しながら歩けるほどになり、無事登山口に到着しました。
とにかく、修業のような山行で、飛行機のチケットがキャンセルが効かないため強行しました。
暴風雨でしたが、気温がまあまあ高かったのでそれほど寒さは感じませんでした。(実際、手袋しませんでした。)
しかし、これが寒気と重なっていたら死者が出るレベルでした。
自然の猛威に立ち向かう精神力は鍛えられましたが、このような山行はできれば避けたいところです。
近くですれ違ったものです(^_^)
あの日はあれからさらに酷い天候になりましたね。心配していました。お互いの無事にあらためてホッとしています。
当初の計画段階では、梅雨の本州を離れ、爽やかな夏空の北海道を堪能する予定だったはずだったのに…ですよね(笑)
まだ暗いうちに三川台を通られたようですが、あそこ、すごいお花畑でした!エゾハクサンイチゲが見渡す限り一面に咲き誇っていました。暴風雨の中、ずいぶん励まされました。
雨で大変な行程でしたが、あそこは懲りずにまた行ってみたいと思っています。ただし晴れた日に!(笑)
大変お疲れ様でした(^_^)
お疲れさまでした!
梅雨の本州を離れて……本当に見事にその目論見は崩れ去りましたね(涙)
避難小屋に着いてから雨風が強まったので、お二人は大丈夫かなと心配していました。
あの悪天候の中、素敵な写真をたくさん撮られていて凄いです!
こっちは写真を撮る気力も失ってました(笑)
トムラウシ山からオプタテシケ山の縦走路は「登山」というより「アドベンチャー」って感じでしたね。
三川台は真っ暗だったのでそんなお花畑が広がっていたとはつゆ知らず。
chee2005さんの素敵な写真で楽しませていただきました!
ナキウサギまでカメラに収めるなんて凄いですね!
晴れの日を狙って行くのは難しいですが、ぜひとも晴れた日に再訪したいです(笑)
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