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ヤマレコ

記録ID: 1554239 全員に公開 沢登り剱・立山

黒部川 上ノ廊下〜赤木沢

日程 2018年08月11日(土) 〜 2018年08月14日(火)
メンバー
天候1日目、午前雨、午後晴れ
2日目、日中晴れ、夜雨
3日目、雨時々曇り
4日目、晴れ
アクセス
利用交通機関
電車バス、 車・バイク
南武線、稲城長沼ピック、中央道〜長野道、安曇野IC
信濃大町〜扇沢 バス 1,360円
扇沢〜黒部ダム トローリーバス 1,540円
平の小屋 渡し船 無料 10時間に合わず12時
太郎平小屋 素泊まり 6,000円
折立〜有峰口 バス 2,450円
有峰口〜稲荷町 電車 930円
富山〜東京 新幹線 12,210円
経路を調べる(Google Transit)

地図/標高グラフ


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歩くペース 1.8〜1.9(ゆっくり)
※ヤマプラ掲載の「山と高原地図」標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率(全コースのうち86%の区間で比較) [注意事項]
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コースタイム [注]

1日目
山行
7時間34分
休憩
51分
合計
8時間25分
S黒部ダム07:3407:39黒部湖駅07:59ロッジくろよん08:0710:45平乃小屋11:2811:57平ノ渡場・仮設15:59宿泊地(下ノ黒ビンガ)
2日目
山行
8時間16分
休憩
1分
合計
8時間17分
宿泊地05:3407:31中ノタル沢出合07:3213:51宿泊地(立石奇岩)
3日目
山行
9時間55分
休憩
1時間21分
合計
11時間16分
宿泊地07:3009:21黒部本流・B沢合流地点09:3210:47薬師沢小屋11:0812:17赤木沢分岐12:1812:40ウマノ沢分岐13:46大滝14:2415:46中俣乗越15:5416:36赤木岳16:3717:19北ノ俣岳17:24神岡新道分岐18:38太郎山18:43太郎平小屋18:4418:46宿泊地
4日目
山行
2時間8分
休憩
3分
合計
2時間11分
宿泊地06:5807:16太郎兵衛平07:29五光岩ベンチ08:04積雪深計測ポール08:12青淵三角点(青淵山)08:32太郎坂(アラレちゃん)08:3409:06十三重之塔 慰霊碑09:0709:09ゴール地点G
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
その他周辺情報日帰り銭湯 いなり鉱泉 | ビジネス旅館 いなり鉱泉
http://inari-kousen.com/sentou/
420円!

日本酒スローフード とやま方舟 富山駅店 - 富山/居酒屋 [食べログ]
https://s.tabelog.com/toyama/A1601/A160101/16007257/
海鮮丼!
過去天気図(気象庁) 2018年08月の天気図 [pdf]

写真

定番の観光放水
2018年08月11日 07:32撮影 by SO-01K, Sony
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定番の観光放水
アルプスの真ん中にこんなでかい河原があるのが不思議
2018年08月11日 14:19撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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アルプスの真ん中にこんなでかい河原があるのが不思議
3
下の黒ビンガ
2018年08月11日 15:32撮影 by SO-01K, Sony
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下の黒ビンガ
2
カレー、まるごとジャガイモ、玉ねぎ、ハンバーグ
2018年08月11日 18:26撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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カレー、まるごとジャガイモ、玉ねぎ、ハンバーグ
1
初日のビバーク
2018年08月12日 04:15撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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初日のビバーク
1
タルサワ核心部。水量少なかったので、ちょい泳ぎで左岸にあがって、流れの途切れるところへダイブした。
2018年08月12日 06:17撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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タルサワ核心部。水量少なかったので、ちょい泳ぎで左岸にあがって、流れの途切れるところへダイブした。
タルサワ核心部。
2018年08月12日 06:18撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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タルサワ核心部。
1
タルサワ核心部を上から。
2018年08月12日 06:32撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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タルサワ核心部を上から。
何気なくとった水中写真。
イワナがいっぱい。
2018年08月12日 07:01撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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何気なくとった水中写真。
イワナがいっぱい。
6
タル沢を超えると再び広い河原。
2018年08月12日 07:31撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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タル沢を超えると再び広い河原。
1
ここでビバークも気持ちよさそう。
2018年08月12日 07:37撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ここでビバークも気持ちよさそう。
相変わらず谷間が広い。
2018年08月12日 07:40撮影 by DMC-GM1, Panasonic
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相変わらず谷間が広い。
じょじょにビンガっぽい雰囲気に。
2018年08月12日 07:51撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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じょじょにビンガっぽい雰囲気に。
ビンガビンガ
2018年08月12日 08:01撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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ビンガビンガ
4
ビンガの中にある滝
2018年08月12日 08:07撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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ビンガの中にある滝
4
荒々しい雰囲気。
2018年08月12日 08:11撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3
ラブ2ショット
2018年08月12日 08:13撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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ラブ2ショット
3
でかい、ここは日本?と思う景観
2018年08月12日 08:48撮影 by DMC-GM1, Panasonic
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でかい、ここは日本?と思う景観
3
威圧感のある谷間が続く。
2018年08月12日 09:19撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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威圧感のある谷間が続く。
1
泳ぎからのへつりに喜ぶ2人
2018年08月12日 09:42撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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泳ぎからのへつりに喜ぶ2人
1
流れの無いところは綺麗なトロも。
2018年08月12日 10:31撮影 by TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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流れの無いところは綺麗なトロも。
ボルダームーブ
2018年08月12日 10:31撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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ボルダームーブ
2
でかい、白い
2018年08月12日 12:36撮影 by PENTAX WG-3 GPS, PENTAX RICOH IMAGING
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でかい、白い
1
二日目のBP。奥に立石奇岩。
2018年08月13日 06:03撮影 by DMC-GM1, Panasonic
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二日目のBP。奥に立石奇岩。
1
太郎平小屋の前
2018年08月14日 06:59撮影 by SO-01K, Sony
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太郎平小屋の前
1
アフリカっぽい何か
2018年08月14日 08:04撮影 by SO-01K, Sony
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アフリカっぽい何か
1
いいラキさんの入り具合
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いいラキさんの入り具合
1
太郎小屋、何故か朝からラジオ体操
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太郎小屋、何故か朝からラジオ体操
1

感想/記録
by hiro-p

上の廊下。沢登りの世界に足を踏み入れると、一度や二度はその名前を聞くことがあるだろう有名なルートではあるが、昨年まで行ってみたいと考えたことすら無かった。 人づてに聞くルートの印象として、泳ぎ・渡渉・増水など・・泳ぎが苦手な自分にとってなネガティブなキーワードが多く、興味をもつことがなかったのだ。

昨年、自分に苦手なジャンルも挑戦してみようと思い、後輩のホーリー氏の企画にのったのがきっかけで、この谷を調べることになったが、知れば知るほど自分が沢登りに対して、魅力を感じる要素が多く含んでいることが分かった。


昨年の挑戦では連日の雨により、東沢出合付近で一晩を過ごし上の廊下の入り口を散策して東沢遡行で終わったが、それだけでもこの谷の広大さ・そこから始まる冒険に期待が高まり、魅了されてしまった。以来、この谷を歩くことに何度も思いを馳せた。

今年に入り、頼りになるホーリー氏が遠方に引っ越してしまい、上の廊下リベンジも危ぶまれたがメンバーに恵まれ再び挑戦することになった。

黒部川の水量は雪解けの進み具合と、直近の山の貯水量が影響するらしく、黒部ダムの流入量から谷の水量を予測できるらしい。8月が近づくとダムの流入量を調べては一喜一憂するのが日課のようになった。(流入量参照先:http://www1.river.go.jp/cgi-bin/SrchDamData.exe?ID=1368040646030&KIND=1&PAGE=0)

昨年の盆は50~70㎥/s、今年は7月の中旬からみるみる流入量が減り20〜40㎥/s。どこまで相関性があるかは分からないが、踏破者の多かった2016年に近い渇水状態のようだ。
盆休み直前になると台風の影響で富山が雨予報の日が目に入り計画が危ぶまれたが、流入量が底上げされている様子もなく、多少の雨なら1日程度で水量が落ち着く見込みがたったため、これは挑戦するのに十分な状況では・・とメンバーと話し合い当日を迎えた。

■1日目
盆渋滞の中央道をはしり信濃大町まで。蒸し暑い車で2時間仮眠して始発のバスにて扇沢へ向かう。チケット渋滞をこなして、バスにのり黒部ダムへ。トンネルから外に出ると雨。昼からは晴れる予報だが、時折強くなる雨脚に不安を感じながら奥黒部ヒュッテまでの長い道のりを歩く。途中、同ルートを予定の3,4パーティとすれ違いながら会話を交わす。想像以上に多くのパーティが入ることをしりビバーク地の確保に不安になる。

停滞日を視野に入れて担いだ米米15合や五日分の行動食がずっしり重いが、平ノ渡が近づくと晴れ間が見え始め気分が軽くなる。
10時の船に間に合うかもしれないという話があがると、メンバーを先行して船のマッタ(無理だろうとは思いつつ・・)をかけるべく舟渡に急ぐが間に合わず30分遅れで10時半に舟渡。


一時間休憩。平ノ渡小屋の親父さんの話を聞くと、今年は山の貯水量が少なく多少の雨は山にしみ込むので、谷の水が引くのも早いとのこと。好条件のようだ。
12時の船に乗り再び歩く。平ノ渡からの道のりは相変わらず悪い。序盤に飛ばしすぎてよれを感じる。奥黒部ヒュッテが近づき、バックウォーター眺めると白い砂地にコバルトブルーの水。南国ビーチ(いいすぎか・・!?)のような光景に期待も高めながら足を進めた。

ほどなくして奥黒部ヒュッテへ。少しでも初日の距離を稼ぐために足早に入渓。
昨年は散策もためらった東沢出合付近の水量も明らかに少なく感じる。

入渓早々に広がる広大な河原。天気は快晴になり、白い砂地が目に痛い。
上の廊下、ようやく憧れの場所に足を踏み入れられた。


しばらく進むと暑さのせいか、寝不足のせいか頭がボーっとする。
鼻水がとまらなくて風邪かな?と思ったら、わるさんに「血が垂れてる・・」の発言で手元を見ると、鼻をぬぐった手に多量の血が・・・鼻血!? なんでだ!? 拭っても拭っても止まる気配が見えない。これは何の兆候?脳卒中とかの前兆か? 山の奥地・・で、念願の山行なのに・・・不安になりながらしばし横になる。


ウェットスーツを脱いで、水を汲んでもらってがぶ飲み。ほてりが取れないので河原で頭から水をかぶる。ようやく出血が止まって、ほてりがとれた。

無理な重ね着で加圧状態だったのかもしれない・・・そういえば、以前もネオプレンの上着+ウェットでパツパツすぎて具合がわるくなったことがあったっけ・・・

休憩後、なんどか腰渡渉。自分の泳ぎがいまいちなので二人に頼んでスクラムを組んでもらう。しばらくすると谷がせばまり大きな岩壁が・・下の黒ビンガらしい。黒ビンガ前の淵で泳ぎ突破が必要な雰囲気。

そろそろ泊地を決める時間。ビンガ前でも泊まれそうだけど・・いまいち。ビンガ上部にも適地があるらしく、疲れていて早く泊地を決めたく、淵に先行してはいる。左岸に泳いで取り付こうとしたら、疲れで足がつりかけて一回下流に流された。二回目でようやく左岸に取りつき胸まで使ってへつりで突破。二人は易々突破。

へろへろになって下の黒ビンガを突破すると良さそうな河辺があり、この日はここまで泊まった。ザックを下ろすと眩暈と寒気が・・・やはり寝不足のせいか体調が悪い。野営準備を手伝わなければ・・と思いつつ動くと吐きそうなので、シュラフをかぶって横にならせてもらう。一時間程度寝るとようやく体調が戻り、宴会に参加。夕飯はわるさんのカレー。辛くてビールがよく進んだ。

夜は寒くて目が覚めて、薪をくべる。
目がさえて一人チビチビやりながら過ごす。川音がいつもより大きく重厚な雰囲気。見上げると広い谷間に広がる星空。沢登りのこの時間がたまらなく好きだ。

この日は、鼻血騒ぎに、倒れこむわで・・散々だった。山行中の緊張感が足りず、ペースコントロールや、自己管理が甘かったせいだ。二人には負担&心配をかけてしまい、あらためて申し訳ありませんでした。

■2日目
黒部ダムの流入量を見る限り、上の廊下の水量は10時くらいから増えはじめるので午前が勝負。前日の手前もあり、お詫びをかねて、はやめに起きて朝食準備。
ほどなくして二人もおき、5時半出発。

出発してしばらくすると最初の核心の口元のタル沢のゴルジュ。いつものようにリードジャンケン。勝ってしまった。。朝の6時から泳ぎか。。

定石は左岸へ泳ぎ、へつったのち滝の右側に抜ける。ザックをあずけて、空荷でロープを引く。流れも緩く途中まで歩きのち、ちょい泳ぎで左岸へ。岸へあがったのち、流れがとぎれる部分を狙ってダイブして滝の右側へ。水量がすくないせいかロープがなくてもいいくらいだった。(取り付いてみないとわからないけど・・) 水は思ったよりも冷たくなく、3丱ΕД奪箸任舛腓Δ匹茲った。やはり前日は着込みすぎだったらしい。ここで後続パーティが追いつく、3人スクラムで突破していった。

ゴルジュを抜けると再び河原。運動場なみの広大な空間がどこまでも続く。
北アルプスの奥地にこんな空間が広がっているなんて思いもしなかった。ここでビバークしたら最高だろう。五つ星ロケーションだ。(増水は別にして)


しばらくして、両岸に岩壁が目立ちはじめる。
泳いだりへつったり、あまり苦労することなく進む。

岩壁がブロック状になりはじめ、壁の高さが増して威圧的な様相になってくる。

ふと振り返ると、谷がV字状に切れ込み、岩壁が空高くそそり立っている。
側壁からは滝がながれ落ち、タイミングよく壁の上部に光がさしていた。
写真で何度もみた憧れの「上の黒ビンガ」だ。

思わず歓声をあげるが、重厚な空間に圧倒されて「すごい、カッコいい」しか言葉がでない。こういうのを渓谷美というのか。二人も感動して写真撮影&休憩を取る。

自分達の足で歩き、たどり着いた絶景を目の前に、気の置けない仲間とインスタントコーヒーをすすり一服する。いま思い出しても、胸があつくなる特別な時間だった。この先、多くの絶景を目にしたとしても、あの時の感動は色濃く残ることだろう。


名残おしいが、上の黒ビンガを背にして進む。
再び河原が広がり、左岸から大きな谷「金策谷」をすぎると徐々にゴルジュの様相になってくる。第二の核心部分だろう。

両岸が磨かれた花崗岩の沢床。右岸は壁が立ち、左岸は流れ込みの先でスラブ状になっている。ここはわるさんが率先して右岸を突破。後に続いて、胸までつかったへつりから、岸へヒールマントル・・・が返せない。何度かトライするもまったくあがれずお助け紐を出してもらう。その先も、張り出したリップ状への乗り込みが難しく、アドバイスをもらうもフリーで抜けれず・・リンクカムでA0突破した。わるさんは、よくここをフリーで抜けたものだ。
M君はオリジナルラインをさぐるべく左岸の泳ぎヘツリを探っていた。相川らずチャレンジ精神に溢れている。

その後はしばしば飛び込み泳ぎ、泳ぎ取り付きからのヘツリなど、楽しいセクション(自分は必死な時もあったが・・)が続いた後、再び河原へ。

もうそろそろ立岩奇岩が見えるかと思いきや再びゴルジュ。
一か所、滝の落ち口で左岸のスラブ状へジャンプ突破するところがあり、失敗すると泡だった釜へ引きづりこまれるのでロープ確保した。
ジャンケン勝者、わるさんが空荷で突破しザックピストン後、後続確保。
この部分は増水していると難しく(怖く)なりそうだった。

この後は難しいところもなく再び河原。しばらく歩くと右岸に目立つピナクル、立岩奇岩へたどり着く。上の廊下終了間際に近づいたことを告げるシンボルだ。対岸からみると大したころなかったが、目の前に立って見上げると想像以上のスケール感。次から次へと上の廊下は見どころが多い。

ここで核心はほぼ終わりと思い、上に上がりすぎると登山道とぶつかるので時間は早いが泊地を探す。幸い、立岩奇岩からすこし上に広い河原があったため、この日はここで終了。

野営準備中にすこしトラブルがあり、自分のタープをはっているときに、張りすぎて紐と連結部分が千切れてしまった。ショックをうけて途方にくれていると、わるさんからアドバイス。千切れた部分が四隅なら小石を風呂敷のようにくるみ、タイオフすることで解決する。勉強になった。

夕飯はMくんのカラアゲ丼、相変わらずの創作料理だがそつなく美味しい。
夕飯中に雨が降ってきたので一時、タープに避難したが、すぐやんだので焚き火横でごろ寝。夜半は小雨がしばしば降っていた。

■3日目
朝から小雨。核心部は終わっているので気楽にそこう開始。
初日の無理がたたったのか左ヒザがいたく、ペースがあがらない。トレッキングポールでヒザをかばいながら歩く。

しばらくすると谷がせばまり、A沢付近に到着。ここで雨足が強くなり、沢の水がみるみる濁りはじめる。鉄砲水、はたまた大増水の予兆か?と不安になったが、急激に水かさが増してる様子もないため進むことに。濁りがひどく水深がわからないため、弱点を探るのに苦労しながら、E沢手前まで進む。
ここでゴルジュの様相が際立ち、左岸からのへつり突破を試みるが、抜け口の水量が多く、ヘツリ突破を断念。泳ぐしかないかと考えていたところ、M君が左岸の上部を登りカンテ状で見えない奥壁を偵察してきてくれた。しばらくして、「懸垂支点がある」との報告。流石、M君バリ経験が豊富なだけに勘がするどい。
カンテ奥はテラスになっていて対岸にE沢出会いを示すマーキングと登山道を歩く人達が見えた。懸垂7m程度で沢床に降りて無事E沢出会いに到着。
なお、E沢からしばらく歩くと、中州を挟んで沢の水の濁りが変わる地点があり、右岸から入る枝沢の水が茶色く濁っていて本流の水は澄んでおり、下流部の濁りの原因であることが分かった。

E沢出会い以降は河原をが続き、うんざりしたころに赤いつり橋が見え薬師沢小屋に到着。雨ですっかり体が冷えてしまったので、小屋でカップラーメンを頼みつつ、上の廊下突破したことを喜びグータッチ。

このあとは、赤木沢を継続して遡行する計画。小屋で予報を聞くとこの日は曇り時々雨。翌日は晴れ後曇り。赤木沢を雨の中登るのももったいないので、薬師沢小屋泊を押してみたが上手く真意が伝わらず、赤木沢をつめることに。 雨に疲れで、あまりモチベーションは上がらなかったが、流石は美渓・癒し渓と有名な赤木沢。出合いのナイアガラ滝から始まり、舗装道路のようなナメ、周囲の牧歌的な草原、歓声あげてしまうような場所が多々あった。それだけに、天気の良い日にそこうしてみたかった。 赤木沢中で泊地があれば区切りたかったが、スペースはあっても薪がない。濡れ鼠で一晩過ごすことを考えると、太郎平小屋で布団で眠りたかっため、痛む膝をかばいながら小屋まで歩いた。

太郎平小屋で余った食材を使って最後の晩餐。この日はM君の回鍋肉丼。ニンニクの茎が入ってるせいか、野菜の痛みか酸味のある味だった(笑)

翌朝は晴れ、自分はこの機に百名山の宿題を片付けるべく、居残りで継続縦走。折立へ向かう二人と別れの挨拶をして上の廊下の山行が終わった。

(縦走の記録 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1557470.html)


■総括
北アルプスの奥地をつらぬく広大な谷で過ごす夜。白く磨かれた花崗岩のゴルジュ、白い砂地の河原は日が当たると照り返しで目が痛いくらい眩しい。要塞のようにそびえ立つ岩壁の渓谷、水深を見誤るくらい透き通った水、水温は冷たく流れの重さを感じる。大岩魚が潜んでいそうな巨大な釜、淵。開放的な要素もあるはずなのに、谷の大きさからかどこか重圧感を感じる。冒険と旅の魅力の詰まったルートだった。

今まで遡ってきた沢のルートを思い返してみると、この谷はほかの沢では体験できない多くの魅力があった。道中すれ違ったパーティも、後に山小屋で出会ったパーティもリピーターだったが、それも分かる気がする。

この素晴らしいルートを信頼のおける仲間と突破することが出来て本当に嬉しい。自分の不甲斐なさも、仲間の心強さも全部ひっくるめて最高の山行だった。このルートに挑むきっかけをくれたホーリー氏をはじめ、メンバーのわるさん、M君、ありがとう。おつかれさまでした。

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この記録へのコメント

登録日: 2014/4/12
投稿数: 13
2018/9/13 13:49
 ぐぬぬ。
いずれ行きます!
その時はご一緒してください!!
登録日: 2012/5/23
投稿数: 96
2018/9/18 22:43
 Re: ぐぬぬ。
また行ってもいいくらいの沢だったかな!

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