お盆は八ヶ岳〜大阪発、南八ヶ岳主峰ぐるり旅〜
- GPS
- 55:30
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 2,201m
- 下り
- 2,188m
コースタイム
- 山行
- 5:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:40
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 5:30
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:20
天候 | 晴れたり曇ったり、時々豪雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的によく整備されており、危険箇所は少ないと思う。13日の夕方からの豪雨の影響か、下山時に崩れている箇所が少しあった。山登りに慣れている人は大丈夫だと思うが、私は赤岳の下りと、阿弥陀岳の登り下りは怖いと思った。 |
その他周辺情報 | 初日はオーレン小屋に宿泊、馬肉のすき焼きが美味しい。お風呂もあり綺麗。しかしシャワーは水しか出ない、とても冷たい。大部屋もきちんと宿泊人数を制限しており、1人一枚の布団でのびのび寝る事ができる。 二日目は赤岳天望荘に宿泊、こちらでは1人登山でも個室が空いていれば追加料金6000円で個室に泊まれる。デリケートな方や、ぐっすり眠りたい人は良い。食事はバイキングで美味しい。五右衛門風呂もあり、こんな稜線上の山小屋でお風呂に入れるとは嬉しかった。コーヒーも飲み放題なのが嬉しい。 三日目は下山後の美濃戸口でオーベルジュJ&Nさんに宿泊。お風呂綺麗、部屋は小さいがボックスタイプの半個室。料理は全て美味しい、ステーキとグリーンカレーをいただく。奧さま美人で明るくお話し好き。ご主人寡黙で職人タイプ。また行きたい。 帰りは諏訪インターチェンジで峠の釜めしを購入。うまし。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
携帯トイレ
|
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備考 | 今回はかなり考えて持っていくものを選別したので、ほぼ満足。しかし、山小屋で結構時間を持て余したので、筆記用具と文庫本くらいは持って行けばよかったかもしれない。 |
感想
いつもは毎年お盆は北アルプスに行くのだが、去年の夏に奥穂〜西穂の縦走をやった時に奥穂方面からジャンダルムを越えて畳尾根の下りで浮石に足をかけて転倒。顔面から大流血し這々の体で西穂に降りそのまま病院で顔面を縫合してもらったという悪夢のような経験から、もう危険な所には行かないでおこうと思った。
そこで、調べてみると八ヶ岳がどうもいい感じみたい(実際はそんなことなかった、険しかった)だったので、八ヶ岳に三泊四日で計画を立てた。以前からオーレン小屋の馬肉のすき焼きと美濃戸口のオーベルジュJ&Nさんの料理に興味を持っていたので、この二つをめぐり赤岳を登るプランにした。
もう若くないし、自分の身の程を知ったので、1日の行動時間は6時間程度で、なるべく2時までに小屋に着きのんびり山歩きできるようにした。マイカーなので、美濃戸口起点で周回出来るコースで、オーレン小屋を経由し、南八ヶ岳の主峰を巡る計画で、我ながらいい計画だと思った。
12日、日曜日の深夜仕事を済ませ大阪の家を出る。やっと今日から待ちに待ったお盆休みだ!ウキウキで高速を飛ばす。しかし、激烈に眠い。事故ってはいけないので、超眠眠打破410円を飲む。それでも眠いので、仕方なく、途中のサービスエリア座光寺と諏訪で2回仮眠した。1時間ほど寝ると頭もスッキリした。そして時間調整しながら13日の朝6時半に美濃戸口のJ&Nさんに車を停めさせていただく。なんと後で知ったのだが、ここは宿泊すると2日前に入山してもその間の駐車料金は無料なのだ、ありがたいことです。上のやまのこ村に停めると1日1000円なので三日で3000円も得をした。そして得したぶんでJ&Nさんでいっぱい食事しました、おいしかった。
6:30美濃戸口出発、ダラダラ林道歩き、1時間で赤岳山荘、北南沢の分岐点到着。ここから苔むした沢沿いの楽しい道を歩く。これが八ヶ岳か、いいじゃないですか。るんるん気分で楽しいトレッキング、2時間ほどで赤岳鉱泉に到着。綺麗なテント場です。冬はここでアイスキャンデーというアイスクライミングの練習ができるそうだ。またステーキの夕食が有名らしい、今度泊まりたい。少し休憩し先を急ぐ。今日は昼から天気が崩れるそうだから、早くオーレン小屋に着きたい。11時過ぎに赤岩の頭直前でとうとうポツポツきた。仕方ないがカッパを着る。その後大粒の雨に。40分ほど下ってオーレン小屋到着。ここは沢沿いで水が豊富なので、お風呂があります。嬉しい。到着して、受付を済ませる。館内を案内してもらう。小屋のスタッフの方がみなさん元気で気持ちいい。部屋も広く、1人一枚の布団で余裕を持って眠れる。お盆の北アルプスの小屋では考えられない高待遇で嬉しい。やはり時代は八ヶ岳だな、と思った。昼食にビールとボルシチを食べ、ゆっくりしているとものすごい豪雨に、雷もドカドカ落ちて、これはテント泊の人は大変だろうな。そう思っていると、お風呂が沸きましたよと案内がありお風呂に入る。外は大雨だがゆっくりお風呂に入れる。山の中でこんな贅沢あるでしょうか?いやないでしょう。時代は八ヶ岳だな。そしてお待ちかねの夕食馬肉のすき焼き。馬肉はクセがなく非常に美味。同じソロの男性と3人でお酒も飲んで盛り上がり、気がつくと食堂は我々3人だけに。楽しい時間はあっという間です。部屋に戻ると電気がパッと消えた。停電か?何とあまりの雨でオーレン小屋の水力発電が故障したらしい。今から自家発電に切り替えますということだ。自然の力はすごい。そして8時には就寝。
翌14日は、5時から朝食をとり、少しのんびりして6時半に出発。今日は赤岳天望荘に泊まることにした。本当は赤岳を登って行者まで下ろうかと思っていたが、やめた。無理をしてはいけない。自分のレベルは大したことないのだと、言い聞かせた。実際大したことはない。
夏沢峠を越えて硫黄岳に、爆裂火口というものがすごく面白い風景だった。そしてそのまま稜線を横岳に向かう。途中に台座の頭や大同心、小同心、面白い名前と地形。いいですね。後で知ったが、この大同心から登ってくるバリルートがあるらしい。もうそんな危険なことをする勇気も体力もないが、すごい人たちがいるものだ。そして、徐々に道が険しくなる。地蔵尾根と合流する地点でお地蔵様に祈る。無事帰れますように。そしてそこからすぐ赤岳天望荘に到着。時刻はまだ11時だが、今日の天気予報も午後から崩れる予報。昨日の豪雨に恐れをなし、早々に受付を済ます。駄目元で個室が空いているか聞いてみると、空いてるというじゃない。個室料金は、通常大部屋なら9000円が、個室一人利用の場合6,000円アップの15,000円だという。迷った、一瞬だけ。でも駐車場代を節約したからいいじゃないか!山の上で気が大きくなっていた。個室にした。結果のんびりできたし、ぐっすり寝れたからよかった。そう思うことにしよう。
この小屋は到着時間により、コップを渡されるが、そのコップの色で夕食朝食の時間が決まっている。良いシステムだ。そしてこのコップでコーヒーとお茶が飲み放題。水が貴重な稜線の小屋でこのサービスは嬉しいね。10杯くらい飲みました。そしてここには五右衛門風呂がある。雨水を沸かしているので、当然お湯はたくさんの登山者で汚れているのだけど、僕はそういうのあまり気にしないので入った。潔癖症の人はダメでしょう。でも汗が流せてさっぱりするし、お湯の出るシャワーもあるので大丈夫。話のネタに入るといいと思う。その後まったりとしていると、窓の外で雨が
降り出した。よかった早く小屋に入って。
夕食はバイキング、早く着いたので一番の時間、豚の角煮、鶏肉の筑前煮、山菜の天ぷら、きのことほうれん草のおひたし、柴漬け、炊き込みご飯、豚汁、杏仁豆腐とフルーツポンチ。どれも美味しい、レベルが高い。満足です。ビールを飲んで、寝ます。あしたは赤岳だ。
三日目、4時に起きて日の出を見に行く。ダウンを着て、ヘッドランプをつけて4時半から待機。東の空が徐々に明るくなる。日の出だ!新しい朝が来た!富士山もくっきり見えた。やはり富士山は日本一の山です、素晴らしい。写真に収めようとすると、どうしても山荘のヤマザキパンと書かれたコンテナが写り込んでくる。その場にいた他の皆さんはヤマザキパンを嫌ってどうにか写り込まないような場所に移動して、ヤマザキをトリミングすることに苦心されていた。しかし僕は、この人工物のコンテナと雄大な富士山のマッチングが気に入った。これはこれで味がある写真じゃないか、とその場所を意地でも動かなかった。ただ単に動くのがめんどくさかっただけかもしれない。
そして日の出を見て心が綺麗になった後、朝食をとり、少し早めに5時半頃出発した。なぜなら今日は赤岳と阿弥陀岳に登らないといけないのだ。昨日の地蔵尾根合流地点からの赤岳の道に少しビビっていたのだ。そして登り始めて思った。やはり険しいぞこれは、と。八ヶ岳を舐めていた。北アルプスに比べれば、中高年のハイカーが登る山なんだろうなと、勝手に思い込んでいた。僕が関西人だから八ヶ岳をあまり知らなかったというのもあるし、昔テレビ番組で歌手の藤井フミヤさんが赤岳に登ったのを見たことがあった。その時フミヤさんも『大変だ』と言ってたような気もするが、(フミヤが登れるなら、たいしたことないだろう)とタカをくくっていた。今思えば、フミヤさんにも八ヶ岳にも失礼な人間だ、私は。反省する。
ヒーコラヒーコラ言いながら、なんとか赤岳頂上山荘に着き、少し移動してもう一つのピークにある赤岳と書かれた祠の前で記念写真を撮ってもらう。天気は快晴で、景色は最高、しばし達成感に浸る。しかし大事なのはこれから、今から赤岳を降りて、中岳に登って、阿弥陀に登って登山口に帰らねばならない。慎重に中岳方面の道を下りだした。しかし思った通りだった。登りが急ならそりゃ下りも急だろう。どこが道かよくわからないところを降りていく。お盆なのに空いていることが災いした。前にも後ろにも誰もいないので、この道があっているのか自信がない。岩はもろく、ぼろぼろ崩れる。1年前のあの事件が蘇る。もうコケたくない。慎重に降りたらものすごく時間がかかった。山と高原の地図の標準タイムの倍くらいかかってなんとか降りた。そして降りてからショックだったことがある。険しいな!と赤岳の山頂から思って見ていた阿弥陀岳と思って見ていたのが実は中岳(ややこしいな)で、本当の阿弥陀岳はその奥でもっとずっと険しかったことだ。
中岳の山頂で、中岳と書かれた石碑を見て一人で『うそやろ!』と言った。仕方ないのでそのまま奥に進み、中岳を後にした。
中岳のコルに着き、ザックをデポする。貴重品だけサコッシュに入れて、ザックはその場に放置する。このザックを盗むような悪い人は山にはいない。しかし、トレッキングポールは盗まれるかもしれない、下りでストックがなくなるのは痛い。しかしそんな不心得者はいないはずだ。僕は人々の良心を信じる!
阿弥陀岳は非常に危険な山と感じた。登ってる途中で、これは安全に降りれるのか?と心配になった。特に上部に近いところで斜度が急になり、ルートが不明瞭なところがあり、落ち着いてみればわかるのだろうが、とても嫌な道があった。しかし無事登頂した。360度展望が広がり、景色は最高。天気もよかったし、はるか北アルプスの山々もはっきり見えた。去年コケた穂高連峰も見えた。下りるのが怖くなった。しかし登ったら降りなければならない。慎重に慎重に降りた。無事、最初のハシゴまで来た時はホッとした。デポしていたザックを回収し、中岳道を降る。ストックは盗まれていなかった。やはり山に悪い人はいないと思った。
1時間ほどで行者小屋に着き、そこから南沢をくだり、昼2時に美濃戸口にゴール。5時半に出発して、実に8時間半かかってしまった。山と高原の地図では5時間55分である。途中、休憩したりのんびり歩いたが、それにしても時間がかかりすぎたように思う。最後は足の裏が痛くなった。もう若くないし、自分はのんびりハイカーが似合っているなと、改めて感じた。
その後J&Nさんでお風呂をいただく、広くはないが清潔で気持ちのいいお風呂。そして待望の食事。今回、たまたま、自分の母と叔父叔母が八ヶ岳に旅行できていたので、時間を合わせて一緒にJ&Nで食事をとった。やはり食事は一人よりも大勢で食べつ方が美味しい。ステーキプレート、ボロネーゼ、グリーンカレー、ポークリエット、ハンバーグ、八ヶ岳プリン、アフォガード、もともと東京でパティシエをしていたというシェフの作る料理はどれも絶品。ワインも進んで、楽しい食事はあっという間に終わった。そして、フカフカの布団で夢の世界へ。シェフは少しシャイで人見知りなのでしょう、しかし職人肌というか仕事にたいしてとても真面目な印象を受けた。そのぶん奥様がとてもフレンドリーで明るく、お話し上手で一人でも退屈しなかった。本当に名コンビというか素晴らしいご夫婦が切り盛りされてる。また行きたい。
そして最終日、朝起きて奥様お手製のホットサンドをいただき、シベリアンハスキーのマロ君に見送られて、八ヶ岳を去った。帰りの諏訪SAで峠の釜めしを購入。これは関西では駅弁大会などがないと手に入らないので、非常に嬉しい。朝9時から販売開始だが、10分ほど前倒しで売ってくれた。ありがたい。その後5時間のドライブで帰阪し、2018年のお盆休みは終わった。
兎にも角にも無事に帰ってこれてよかった。先鋭的な山をやる人や、体力抜群の人にとってはなんの参考にもならない登山の記録だが、のんびりと、美味しい食事と八ヶ岳を楽しみたい、特に関西在住の登山者の参考になれば幸いである。
一足お先に阿弥陀いきましたわ。しかし、わしらと違ってええもんたべてますな。
お久しぶりです!
私の場合、登山とグルメがセットになってます^_^;
阿弥陀岳は怖かったです。
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