夏にまさかの悪天の下、祖母谷から白馬、朝日、栂海新道、親不知へ


- GPS
- 37:39
- 距離
- 57.1km
- 登り
- 4,910m
- 下り
- 5,397m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 5:38
- 山行
- 6:37
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:59
- 山行
- 7:52
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 8:28
- 山行
- 8:52
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 9:29
天候 | 晴れ、曇り、雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
祖母谷温泉から清水尾根を経て白馬稜線までの間、三国境から朝日小屋までの間、吹上のコルから栂海新道を経て親不知までの間は、天候も影響して登山者をほとんど見かけませんでした。 心配していた水場は、すべてを確認していませんが、降雨が毎日あり、よく流れていました。特に不帰岳避難小屋直下と北又の水場は、冷たく美味しい水でした。 全般通じて、山小屋を除き携帯電話の通じる場所が限られ、装備、一定の脚力、セルフレスキューの必要を感じた、大変に歩き応えがあり達成感のあるコースでした。 |
その他周辺情報 | 入山時に祖母谷温泉小屋で一泊。素朴な山小屋で源泉かけ流しの温泉とおいしい夕食をいただきました。(部屋にコンセントあり。スマホ圏外。浴衣なし。) 下山後は栂海新道登山口そばの親不知観光ホテル(建物は少し古いが親切な応対のホテル。約80メートル下ると親不知海岸)で一泊。夕食は地元の食材が工夫されていて美味でした。 |
写真
石に丸い赤ペンキの印やピンクのテープがありますが、暗い中では見つけにくく、明るいうちに確かめておいてよかったです。
明日の天気予報は、午前中は晴天ですが、昼から前線の接近で大雨、雷に注意と徐々に悪い方に変わりました。
小屋下には冷たく美味しい水がわき出ていますが、トイレはないので自己責任で処理します。そして12時30分 過ぎから雨が振りだしやがて時折雷を伴う大雨が夕方近くまで続きました。
3日目は、深夜から雨がやみ、月も覗いた天候を好機ととらえて、朝の2時半、白馬岳頂上宿舎目指して出発しました。
清水岳に着く頃からガスが沸き、周囲が見渡せなくなりますが、なんとか雨も降らず朝の8時過ぎに白馬岳頂上宿舎に着きました。
その後すぐに降雨が始まり、時に強く夕方まで降り続きました。山小屋に泊まるお客さんは悪天候が影響して非常に少なく、夕食は15名だけ。ここのバイキング形式の夕食は肉、野菜、油物など好きなものを好きなだけバランスよく頂けて、とてもおいしかったです。(写真は夕食時の取り皿)
白馬岳稜線から雪倉岳までは、西風が強くガスが濃いが雨は降りださず、雪倉岳北東稜線を外れて下ってからは風も弱まりました。
朝日岳直下の水平道分岐からは、2ヵ所ほど付け替え工事が終わり、以前よりは高低差が改善されたという水平道を利用しました。
朝日小屋には昼前の11時前に到着しました。そのあとすぐに降雨が始まり、時に強く降り続きました。
朝日小屋では昨年の台風で被害を受けた山小屋内の大掛かりな補修工事が行われており、職人さんたちが忙しく働いていました。悪天予報でお客さんは少なく、工事職人さんたちを除いて、小屋泊まりで美味しい手作りの夕食を食べたお客さんは8名でした。
とてもアットホームな山小屋で、天気がよければ天国のような場所に位置しています。驚いたのは男女別の大用トイレが、男性用は和式と洋式が各ひとつで水洗式であり、洋式がウォシュレットだったことです。(ただし、紙は流さずに横の箱の中に入れます。)
犬ヶ岳までは非常にアップダウンのある尾根筋をピークを4つほど越えて行きます。この辺りで雨が大変に強く降りだしました。風も強く、雷の音は聞こえませんがひやひやしながら注意深く進みました。犬ヶ岳までの稜線は細く、道の真下がガレている箇所も多く注意が必要です。(写真は栂海山荘周辺)
(写真は、栂海山荘のテント場。正面左奥の茂みの中にトイレ2ヶ所があります。)
この日は他に誰も小屋に泊まらず、一人で寂しくもありがたく、広く快適な山小屋を使わせていただきました。感謝です。(事前に宿舎予約をした上で、志として2000円を箱に入れて、記帳ノートに記名しました。)
栂海新道にある2つの避難小屋(栂海山荘と白鳥小屋)には海から登ってきてもアルプスから下ってきても、直近に水場が設定されています。
この道を約50年前に開設された小野博士をはじめサワガニ山岳会の方々のご苦労、ベニズワイ山岳会ほかの関係者の方々の保守管理のご配慮がよく分かりました。
ホテルの売店では、朝日小屋の夕食のデザートにも出た、近くの旧青梅町 (現糸魚川市) の銘菓「栂海新道」が販売されていました。抹茶をまぶしたキンツバでおいしかったです。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テントマット
シュラフ
携帯トイレ
テント
熊避けスプレー
|
---|---|
備考 | 登山者が少なく長距離を歩くコースなので、登山届の警察や家族等への連絡は必要です。また、私はスマホに入れたGPS(ジオグラフィカ)、紙の地図とコンパス、ココヘリを携行しました。 入山時と下山時は晴天時は灼熱の太陽の下での歩行となり、熱中症対策の水分塩分補給、帽子のシェード、虫除け、クマ避け対策をしていきました。 北陸地方に前線が近づき、天候不順が続き、1日目と6日目を除いてガス、風、時に大雨が降るなかでの登山でしたが、幸いにも予定のコースを完歩できました。 今回の経験で、山小屋やラジオ等で天気予報や登山道の様子、うまく進めない場合の避難小屋での停滞やエスケープルートの検討、稜線上の雷を避ける早め早めの行動の必要を感じました。 また、防水仕様のコンパクトデジカメを携行したが、4日目の強雨の行動で故障し、撮影した写真データが消失し、以後は防水パックに入れたスマホで代用しました。 前半の清水尾根はとても長く、山と高原地図のコースタイムは祖母谷〜不帰岳避難小屋は5時間、避難小屋から白馬岳頂上宿舎まで4時間半となっていますが、私の年齢で一定のザック重量を担ぐ者にはかなり厳しいコースタイムでした。このことは、後半の栂海新道、特に最終日の栂海山荘から親不知までのアップダウンが続く長い距離の歩行でも感じました。 |
感想
今回の山行では、ほとんどがガス、風、時々雨の中の行動で、雄大な風景や可憐な高山植物を愛でながら歩くということはできませんでした。けれども、自分としてはいろんな判断をしつつ、最後まで歩くことができた大変充実したものでした。
今回、あまり人が行かない(しんどい)山行を計画したのは、山岳フリーライターの羽根田治氏の「山岳遭難の教訓」〜実例に学ぶ生還の条件〜という本を読んだことによります。その本に「10月のブリザード」という遭難事例が紹介されています。
2006年10月、福岡県の山岳ガイドが率いる7人パーティーが欅平から入山し、祖母谷温泉小屋に宿泊。翌朝5時過ぎに白馬山荘を目指して出発します。パーティーはその後、朝日岳、栂海新道を経由して親不知に下山する4泊5日の計画だったとのこと。
大変痛ましいことに、同パーティーは祖母谷温泉小屋を出発した10月7日、裏旭岳、旭岳に向かう頃から猛烈な吹雪に見舞われ、白馬岳手前の白馬の主稜線手前と主稜線上で遭難し、ガイドが白馬山荘に単身助けを求めましたが、4人が亡くなったそうです。
ガイドが「祖母谷温泉小屋から白馬山荘までの所要時間を11時間かかると読んでいた」とのことで、ある山小屋関係者は「祖母谷温泉からのコースは、夏場でも健脚者のコース。それをあの天候のなかで登ろうとしたのは、ガイドの読みが甘かったのでは」と発言されたと書かれていました。
今の山と高原地図のコースタイムは祖母谷温泉小屋からは白馬山荘まで約10時間。7人パーティーの構成年齢が42歳から67歳、ガイド以外は全て女性。天候が悪くさえならなければ、秋空の下、無事に楽しく親不知まで歩かれたでしょう。
その後、ヤマレコ諸兄の皆様がこの厳しくもつらい両方の道をわざわざ選ばれて歩かれている数少ないレポートを拝見し、足がそろったパーティーで行くのは楽しいものであることや、最近では、栂海新道の創設者小野健博士の著による痛快な「栂海新道を拓く」を読んだ(Amazonのkindleで)ことも、ぜひこの道を自分の足で歩いてみたいと思った理由です。
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